「1930年代、仏国パリ。 高名な映画プロデューサーが自宅の豪邸で殺...」私がやりました りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
1930年代、仏国パリ。 高名な映画プロデューサーが自宅の豪邸で殺...
1930年代、仏国パリ。
高名な映画プロデューサーが自宅の豪邸で殺害された。
容疑者は若手女優マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)。
殺害時刻の直前に面会していたことがわかっているからだが、彼女は殺していない。
しかし、お金に困っていた彼女は、ルームメイトの新米弁護士ポーリーヌ(レベッカ・マルデール)と結託して、正当防衛を主張して裁判を通じて売名行為を働くことにした。
さて、正当防衛で無罪獲得と相成りますや・・・
というのが前半の物語。
ここまでは、まぁ、想定のうちなので、それほど面白いわけではなく、30年代に最近の「Me Too」問題も絡めてあり、ちょっと素直に笑えないところもあります。
が、正当防衛が陪審諸氏に認められ、有名になっていくマドレーヌとポーリーヌが面白くないと、真犯人が名乗り出て・・・
とその真犯人が、サイレント映画往年の大女優(だがトーキー進出に失敗して、いまは零落の身)のオデット(イザベル・ユペール)。
有名になって、お金が入ったのは私のせいだと、強引にふたりに迫って・・・
といったあたりから俄然面白さがマシマシに増します。
映画の展開がどうなるのか以上に、イザベル・ユペールの怪演がすごいからに他ならないからなのだけれど。
マドレーヌと大手タイヤ会社御曹司との恋の行方や、オデットの復活を絡めて、大団円的に事件を解決させる脚本はお見事。
(オリジナルかと思いきや、ジョルジュ・ベルとルイ・ヴェルヌイユによる原作戯曲があったのね。
それも戦前の作のようで、キャロル・ロンバード、フレッド・マクマレイ主演で『真実の告白』のタイトルで1937年に映画化されていました。)
出演陣は、先に挙げた女優陣以外に、ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエと大物芸達者を配して、主役の若手女優ふたりを盛り上げていました。