「貞操の価値」私がやりました uzさんの映画レビュー(感想・評価)
貞操の価値
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非常にフランス映画らしいコメディ。
初っ端から、大家とやりあうポーリーヌのキュートさにやられた。
マドレーヌも、発砲する瞬間に目を瞑ってしまう(イメージですが)あたり可愛らしい。
オデットの強かな横柄さが、後半に素晴らしいアクセントを効かせる。
その他の登場人物もみんなどこか愛嬌があり、仕草や表情が魅力的です。
話としては「そんなこと言う?」とか「うまくいきすぎだろ」とは思うが、そこはコメディ。
赤い幕が開くところから始まり、軽妙な会話や舞台的な仕草、アイリス・アウトの多様など、リアリティラインの下げ方が絶妙。
もっとバチバチにやり合うのかと思ったら、半ば共犯関係となり、みんなが幸せになるラストは意外。
意外といえば、いかにも胡散臭かったパルマレードが実は紳士でしたね。
…という印象やちょっとした会話をエンドロールで拾ってくるので、最後まで油断なりません。
そのエンドロールで、結末がもう一転したような?
意表をつかれて捉えきれなかったのが残念。
実はオデットもやってなかったとか、もう一捻りあったらと思ってただけに、綺麗に入れ込んでたら満点かも。
ファッションや町並み、劇中劇の入れこみ方など演出も素敵でした。
爆笑ではなくクスクス笑えるし、1935年を舞台にしつつ今日的な問題にも触れるバランスにも優れた名作です。
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Bacchusさんのコメント
2023年11月9日
そうなですよ。
なにも頭に無い状態でみたらもっと高評価だったかも知れません。
フランス映画らしいコメディでしたけれど、常に明るいおふざけ感はとても良かったのです。