「演出家オゾンの力を見せつける傑作。」私がやりました t2law0131さんの映画レビュー(感想・評価)
演出家オゾンの力を見せつける傑作。
フランソワ・オゾン監督は天才である。というより、いったい何人いるのだろうか。前作の『苦い涙』とは真逆な作品。オーソドックスなハリウッド古典コメディミステリーをシミュレートしているかのような、堂々たる懐古調で、スタイリッシュに仕上げている。『まぼろし』『8人の女』『スイミング・プール』といった初期の作品権に出資したが、毎作品とも毛色が変わっていた。あたかも何人もの監督たちのプロジェクトネームがフランソワ・オゾンなのでは?と疑うほど、多彩な作品を見せてくれる。本作と前作の映画としての距離感は、類似の世界(映画界)を描きながら、相当なものである。
僕としては、オゾン監督が、ドラマ演出家としての力量を見せつける本作のほうが、圧倒的に好きである。
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