熱のあとにのレビュー・感想・評価
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愛の超濃厚エスプレッソ・ドッピオ
純粋なのか、狂気なのか?
それに対し
憧れるか、呆れるか?
共感するか、拒絶するか?
ここまで濃いと後者に傾きがち
しかも心はつい極端になる
愛の深い奥底、それは心の光か、闇か
その深みのどこまで行くのか。
そして息が保たなくなるまで潜るのか?
そう真正面から突きつけられたようだ。
お陰で物語の緻密な仕掛けが、良い意味で気にならない。
この "重い気分" 嫌いじゃない。
理解できず
2.30代の男女がこれが答えだとばかりに愛を語る。
観ているこっちとしてはふーん、そうですか。と言う印象しかない。
世の中からしたら、他者の愛などその程度なもので語られても困る。恋愛の尺度を他者に語られたくないというのがこの映画のキモだけど、観ている側に共感性もなければ、心療内科、精神科、カウンセラーを出すことによってファンタジーの要素も削る。現実しかない。
かつ映画で語るには演出が必要になるが、現実に起きた事件というのが足枷に。過剰な演出で私個人は萎え萎え。
60秒で
愛する男を殺そうとした過去を持つ女の一途で狂気的な激情を静謐な映像で描いたドラマ。
愛する=幸せを願うこと、と私は思っているけど、人それぞれ。また、愛するが故の行動も人(沙苗、健太、よしこ)それぞれ。
究極的な状況では愛する人をあやめることもあり得るのかなぁ。
この映画を観て、人を愛することは、人を心から信じることなのかな、とも感じました。
橋本愛さん、仲野太賀さん、木竜麻生さん、静かだけど心の中を写しだすような激しい演技で素敵でした。
三者三様の愛し方の好演に目が離せない
公開翌日の舞台挨拶で鑑賞。
好きな俳優陣と好きなテーマで観るしかない、と。
期待通り、それぞれの俳優が一癖ある役柄を好演していました。
橋本愛は、きれいな顔立ちからの狂気じみた役で、最初なじめませんでしたが、その違和感こそが、この役ならではだと思いました。
対する、太賀。正反対の役柄そのまんまで馴染みすぎて、2人が混じり、わかりわかりあえずで影響されあっていくさまに目が離せませんでした。
木竜さんの、明るい表情からは、ある意味一番わかりにくいキャラクターで、最後までわからない。
それぞれの俳優が持ち味をだし、それぞれの役を演じきっていました。
カメラワークも不安定で、暗めの画が多いが、それが心の不安定さをあらわしており、不快なようで作品の魅力を増していました。
設定は尖っていて、一見とっつきにくいけれども、その背景にある、人間のわからなさの魅力に取り憑かれる作品でした。
舞台挨拶にて。
監督は、さなえがどんな気持ちかがわからない、知りたいから撮る。
役者がそれに応えて、体現する。
観る人が、そうやって、人を理解していく。それが映画なんだなあ、と感じました。
注目の俳優、橋本愛、仲野太賀、共演。 二人がイイ。
愛したホストを刺殺しようとした主人公が服役し、出所後彼女を受け入れてくれる男と結婚後、愛に葛藤する姿を描く。
今に幸せを感じながらも、それは一時的なもので、愛に身を焦がすことを真実と思う二面性を持ちながら生きる女。
男は、そんな彼女を広く受け入れているおおらかな姿を見せながらも、やはり、内面では当然すさまじい思いを抱いていたことが、やがてわかる。
注目の俳優、橋本愛、仲野太賀、共演。
二人がイイ。
しかし、作品が小ぶりすぎて物足らないのが惜しい。
もう少し、中身が詰まった感じが欲しい。
もっといろんなシーン、エピソードが観たい。
互いに見つめ合った先が観たい。
愛の定義は不可能?
どうなる事かと思って観てました。このテーマでこの展開。しかし最後の最後にやってくれました。運命の交差点?見事な伏線回収!
果たして沙苗の気持ちや心情に変化はあったのか?
60秒間見つめ合うと・・・?
【余談】
私的な見解ですが
恋に落ちるのは顔を含めて好みの容姿かどうかが大きな決め手だと思う。そして段々好きになって愛情が深まり性格や癖や好みまで受け入れられる。一生横でその好きな顔を見続けるのだから、なんてね😊
11
わあ、これは面倒くさい映画だなという印象
2019年の新宿ホスト殺人未遂事件を題材とした作品とのこと。この犯人の女性は3年4ヶ月の実刑となり服役中であるそうだが、映画の主人公は執行猶予となり保護観察中で精神科の受診を義務付けられているという設定のようだ。
精神科医(木野花)とのやりとりからは主人公は解離性障害のように見受けられた。よく多重人格と同一視される障害だが、症例の一つとして、自分の感情や行動を客観的に観察・評価する主体が現れることがあるそうだ。この場合、自分は絶対的に正しいと思い込むことが多い。
沙苗についても同様で、隼人への愛は究極の愛であり、彼からも自分だけが愛されており、彼を殺そうとしたことさえも愛の行為であるという。彼との関係は、タイトルにあるような人生における「一過性の熱」であるといった考え方は受け入れられず全力で拒否する。
一方、健太とは粛々と結婚し表面上は普通の夫婦関係を築いている。それが解離性障害の一つの面であるわけだが。
気の毒にも、周囲の人たちは主人公に巻き込まれ不幸な成り行きとなっていく。
まあ実際には傷害事件の保護観察対象者の身の回りに事件の関係者を安易に近づけることはないと思う。そういう意味ではこの映画は面倒くさい人たちが話をさらにこじらせた面倒くさい話と読めないこともない。
今回、橋本愛の本作についてのインタビューも目を通した。オファーは企画段階からすでにあったようで、脚本はいわばあて書きで書かれたように思える。誤解を恐れずいうと彼女の理屈っぽい感じに期待感があったわけだ。
驚くべきことに、橋本はこの主人公について肯定的な見方をしており「自分の信じているものを守る強さ」といった言及もある。もちろん役作りには相当の葛藤があったことと読み取れるが、やや入り込み過ぎであり、役への客観視が必要だと思う。その上でもう少し演技がついてくればということではあるが。
色々な愛のかたち
試写会で鑑賞させて頂きました。誰かを殺したくたるほどの愛、私にはわかる気がします。そしてすべてを知りながらそんな沙苗を愛そうとしてくれる健太という存在が居てくれているという事はとても羨ましい限りでした。犯罪を犯した後の物語、そして健太とのこれから始まった愛のストーリーを続編で観てみたいと思いました。
彼女の愛の定義が理解できん
観終わった後に題名が語る所が大きかった。
変わりたくない、でも変わらないものなんてない。
あの熱は永遠か?
相手に全てを捧げてこそ愛、相手が心の闇に落ちていったら一緒に落ちてこそ愛、と
いう私にとっては重すぎる愛がテーマだった。
同じように重さを感じる愛の中でもかなり自己愛が強い愛だったな。
自己陶酔の中での愛というか。
愛とは。
舞台になりそうなくらい、セリフで気持ちを説明する場面が多かったのだけど、彼女に共感できない私は何度説明されても理解できなかった。
なぜなら彼女の愛の定義が全く理解できないから。
自分が頑張ったら相手が変わるかもと期待して、それを愛だと思って尽くしてしまうんだろうか。
けど彼女の愛の理論では、何も騙されてないし酷いこともされてない、だって捧げてこそ愛だもの!なのよね。特に相手が変わることも期待してなさそう。
小泉さんが良い人すぎる!と思ってたけど、どんどん同居人に感化されていってメンタルがやられていくのが気の毒だった。
優しい人ほどメンヘラ毒素の吸収率が高い気がするわ。
そしてその愛には歌舞伎町という特異な空間がどうもキーポイントだったらしく、アフタートークの鈴木涼美さんの「ホストは夢を見せてくれる箱」という解釈がとても役に立ったよ!
愛が足りないから一時でも満足をくれるホストにハマるのかと思ってたけど、そんな身勝手な彼への愛を貫ける私を愛してる子たちだからハマるのかなと映画を観て思った。
複雑な気持ち。
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