熱のあとにのレビュー・感想・評価
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「お母さんは私に何を求めているの?」「幸せな人生と自然死」
自分的には、お母さん(坂井真紀)との冒頭の会話シーンがクライマックス。そのあとは、ぜんぜん話に入り込めなかった。さなえ(橋本愛)の言ってることが、ほとんど何言っているのか意味わかんないし、そもそも、橋本愛が「愛ってさ、愛って、」と愛を連呼してる姿をみて、愛ってアンタのことだよ、とツッコんで薄笑いをすることくらいしかこの映画になじめなかった。展開も???が多いし、出てくる小道具にしても、グローブや靴の使用感が一切ない時点でその気配りのなさに興ざめしてしまう。
一番の苛立ちは、プラネタリウムのシーンで子供が注意する場面(※見てない方にはチンプンカンプンでしょうがこれだけは書き留めたい)。さなえたちの会話に、しー、とかいくつかの子どものセリフが入ってくるのだけど、次第に子どもは黙る。それは諦めたの?席を変えたの?それとも終演後に何か言い残すの?と待っていると、結局最後まで後ろの席に座っていて、お母さんと二人で何事もなかったかのように帰って行った。え???何もリアクションはないのかい?てかちょっと楽しかった気じゃないかい?おい、お母さんも嫌味のひとつも言わないのかい?って、そこに我慢がならなかった。つまり、さなえ含めて監督(ここ大事)も、自分のことしか考えてないんだよね。自分が一番傷ついてます、自分が一番自分のことわかってます、そんな自分ってけっこうイケてるでしょ?的な考えに支配されていながら、そんな本当の自分の姿に気づいてない。惨めだね。
結局は、イタいメンヘラ女と、その女に尽くすことに自己陶酔している男の話。仲野太賀すきなので楽しみだったのに。フライヤーみて、「静かな雨」のミステリー寄りの話かなと期待してたのに。
最後、「60秒」を回収して、いい気になっているのが透けて見えて、不愉快。仲野太賀と橋本愛が出てなければ相当辛めの点数になったに違いない。
愛のしるし
殺されかけたホストに関しては、「クズ」とは言われてたが具体的な話は貢がせてたくらい。
善人エピソードも一つ語られた程度で、ここは重要ではないのだろう。
つまり、“恋愛”の話ではなく沙苗の“愛”についてのみが、この作品の主題なのだと思う。
中盤までは静かに丁寧に掘り下げている印象だった。
足立の正体も早々に明かされ、サスペンスでもないというのも明快だったが、終盤からが急に雑。
隼人の名前すら知らなかったホストが急に「頼まれた」とか言い出したり。(なんかの罠かと思った)
置き去りにした宇佐美さん(赤マフラーの子)と次のシーンで何故か同乗しているなど前後が繋がってなかったり。
足立や宇佐美さんのその後もボカして終わるし。
個人的には、宇佐美さんの扱いが一番納得できない。
ワンカットながら印象的に映ってたと思えば、急に再登場して、キスされて、クソ重感情ぶちまけて退場。
かわいかっただけに、役も役者も不憫でならない。
プラネタリウムでのほぼ独白に近いシーンも、子供の「なんか恐い話してる」で笑ってしまい入ってこない。
宇佐美さんが編んでたマフラーが自分用だったのも、笑うとこなのか深読みするとこなのか。
最後に「60秒」が活きるところはとても良かったし、演技も演出も申し分ない。
沙苗の愛は理解できなくても一つの視点として観られたが、もう少し上手く着地してほしかった。
足立が「初めて会ったときに履いてた靴」がどう見ても新品なのも残念です。
愛
支配欲の先にある手段を偏愛と呼ぶのかはわからない
2024.2.7 アップリンク京都
2024年の日本映画(127分、PG12)
2019年の新宿ホスト殺人未遂事件に着想を得た偏愛に生きる女を描いたヒューマンドラマ
監督は山本英
脚本はイ・ナウォン
物語は、新宿のとある雑居ビルにて、ホストの隼人(水上恒司)を刺殺しようとする沙苗(橋本愛)が描かれてはじまる
うずくまる隼人を見下ろすようにタバコを蒸した沙苗だったが、その煙によってスプリンクラーが作動してしまう
だが、沙苗はそれに動じることもなく、不適な笑みを浮かべていた
それから6年後、沙苗は母・多美子(坂井真紀)に連れられて、佐々木(政修二郎)という銀行員とお見合いをすることになった
あるホテルのレストランエリアで会食をした後、佐々木は沙苗を連れ出して、「木を見に行こう」と言い出した
車中、佐々木は「自分は小泉健太(仲野太賀)で、佐々木の身代わりに来た」と告げる
健太は林業を営んでいて、銀行員とはほど遠い生活をしていた
結婚をするつもりはなかったが、半ば偽装のような形で、二人はコテージを改装して住み始めることになった
物語は、健太のあるクライアントが原因で沙苗に隼人への想いが再燃するという流れを汲み、その女・よしこ(木竜麻生)は隼人の妻だった
動揺した沙苗は気が気でなくなり、入水自殺をしようと試みるものの、健太に止められてしまう
健太は自分との結婚生活が「所詮、檻だった」と断罪し、「俺を殺したくなることがあったか?」と問いただす
だが、始めから沙苗にはそのような激情はなく、再び隼人の元へと消えてしまうのであった
実際の事件に着想を得ていて、相手を殺したいと思うほど愛するとはどう言うことか、を命題にしている
これ自体は面白い試みであると思うものの、肝心のドラマ部分で主人公二人の心の動きが理解不能な動きをしまくっている
沙苗は母親の建前で偽装結婚のつもりだったようだが、健太の方はどうやらそうでもないらしく、かと言って同居すればワンチャンあると言うタイプの軽さもない
結局のところ、二人の生活がどういう理由で始まり、どう言う経緯を経て、どのようにすれ違っていったのか、と言うのがほとんど脳内補完レベルになっていて、さすがに無理がある流れだろうと思った
健太が「自分を愛さない女と結婚した理由」もわからなければ、「沙苗は一度は隼人を忘れることができたのか」とかもわからない
そもそもが、再燃のきっかけとなったよしこの存在が謎で、彼女は偶然あの場所にいたのか、噂を聞きつけて近くにいたのかもよくわからない
おそらくは、偶然だと思われるが、それならばどうして「健太と結婚した」と見ず知らずの相手にいきなり言うのかは謎である
このあたりの展開が真っ直ぐではなく、疑問が多かったのが難点だと思った
いずれにせよ、室内のシーンの照明が結構暗めで、ミニシアターの映写機の関係かはわからないが、誰が映っているのかわからないシーンも多かった
人間関係も一緒に飲んでいたのが同僚なのか友人なのかもよくわからず、名前を呼ぶシーンが少ないので、誰が誰なのかも分かりづらい
沙苗の偏愛と健太の純愛を対比させたかったのかもしれないが、健太が沙苗を愛する流れがほとんど描かれないのは難点だと思う
この流れだと、「とりあえず檻に入ろう結婚」にしか見えないので、ガチな結婚を健太が考えていると言うのならば、その過程はきちんと描き、「俺は檻じゃない」という対比をじっくりと描いた方が良いと思う
ホスト事件が起点ではあるものの、偏愛と言っても独占欲が裏返っているだけなので、それだけで偏愛というのは弱すぎるのではないだろうか
実話の重みも感じた!
良い
あとじゃなく発熱中
6年前にホストを刺して殺人未遂で逮捕された女性と彼女の過去を知りつつも気にせず結婚した夫の話。
一方的だったのか付き合っていたのかは判らないけれど、男を刺した沙苗が出所して半年後、お見合い相手の鈴木という銀行マンが実は代打の小泉さんだったことで巻き起こっていくストーリー。
全体的に何だかシーンが変わるたびにその前の流れは何だった?その間何があった?という様な繋がりの悪さ全開で、自分で補完してくださいってことですか?なテキトーなつくりだし、登場人物はみんなアブノーマルな輩ばかりですか?
それで世界が平和になれば世の中お花畑だらけだし、最後も別に揉めている訳でもなく冷静に見えましたが…。
恋愛映画とは異なるものを期待して観賞し、確かに異なる要素も結構あったけれど、ある意味ガッツリ恋愛物語で、しかも偏愛で自分にはついていけなかった。
過去一、無駄、イライラ映画
日本映画を応援したいし、低評価は出来ればつけたくないけど、これは酷すぎる。過去一、時間とお金を無駄にしたと思っていしまいます。
まず、テンポが以上に悪い。
長々と意味の無い映像が多い。何かあるのか、、、と頑張った先には「?」ととなるシーンが多い。観ていてイライラします。
更に、画面が暗い。
誰が何をしているか分からないシーンも多いです。これも、何か意味があるのか、、、と見ていても「??」となります。
更に更に、キャラに魅力が無い。
どのキャラも感情移入出来ず、不思議ちゃんだらけ。主要キャラは何人いるのか?3人は分かるけど。途中から1人増えた?多分。暗くてわからんけど。誰だ?あんたは?、
最後も嫌い。
最後に長回しの嫌なシーン。
くっつくのか?離れるのか??
どっちでもいいなー、早く終われ。
監督の名前、どうか忘れないように。
それでも、仲野太賀は素晴らしい役者なので+★1です。好きな俳優さんが出てなかったら、、、恐ろしい拷問。
愛は普遍でも不変でもない
橋本愛と仲野太賀。
強い人間的魅力を持つ俳優の力で
作品にぐいぐい引き摺り込まれました。
その事実に、その問いに
どう反応する?どんな言葉を返す?
ふとしたきっかけで
全てが壊れてしまいそうな緊張が常にあり
スクリーンに釘付けになりました。
一般的なドラマや映画では
比較的解りやすく都合よく描かれる愛。
それらの作品とは異なる
年齢や経験により変化もする
時に歪だったり一瞬で憎悪に変わる
曖昧で不安定な愛が
描かれているように感じました。
自分の経験や価値観を重ねながら
愛という答えも形もないテーマに
どの作品より向き合った特別で貴重な127分。
憎しみより愛。
自分の愛を貫くため、ホストの隼人を刺し逮捕された早苗の話。
それから6年後、お見合いで出会った男(健太)と結婚をし、平穏な日常を送ってると、隣人の女(足立)が早苗の前に現れた事で、平穏な日常が狂い始める…。
とりあえず本作観て思った事は何かめんどくせ~(早苗)の一言。あのネガティブな感じと暗い映像が続くので眠気がヤバかった!(笑)
ホテルの一室で自殺をしようと健太と美紀、睡眠薬飲みながら「あっ、明日給料日だ!」のセリフは少し笑えた。
エンドロールに水上恒司の名前に気づいて調べたらまさかの隼人!全然気づかなかった(笑)
私の愛は、大衆一般には理解できないのよ❗️とまでは言ってないけど…
いまさら言うまでもなく、愛のカタチはさまざま。
対象が異性なのか、同性なのか、親なのか、こどもなのか、推しのチームなのか、帰属する団体なのか、母校なのか、郷土なのか、等々あげたらキリがありません。
しかし、色々な出来事や時間の経過とともに変化すると言う意味では、人間同士の愛ほど不安定なものはありません。しかも、愛から始まったはずなのに気が付いたら憎しみや嫌悪になっている、なんてこともかなりの頻度で発生します。
ということを経験済みの大人たちがこの映画を見たら、そりゃあ白けると思います。
橋本愛さんの頑固というか頑迷な愛については、どんな言葉を尽くされようが、理解できません。
愛における〝庶民感覚〟を代表する仲野太賀さんが振り回される姿は、痛々しいというよりも、なんか小バカにされてるような感じでした。
服役中の5年という時間の経過による橋本愛さんの変化(或いは変わらずにいられた理由)について何も描かれていないと、劇中の「これが現実なの」みたいなセリフに対しても、じゃあ経年変化という現実も描いてよ❗️とツッコミをいれたくなります。
ユーモアとシュールさがない交ぜになったラストはなかなかユニークで面白かっただけに、ちょっと残念でした。
紫煙をくゆらせる橋本愛さんは美しすぎる
愛の超濃厚エスプレッソ・ドッピオ
理解できず
60秒で
激情的な愛
新宿ホスト殺人未遂事件からのインスパイア作品。
その人だけにしかない愛の形をひしひしと
伝えてる感じ。此処まで激しく無いが、もしかしたら誰もが間違った愛の方に行く可能性もある
かもしれない。
沙苗が隼人を刺した後にタバコを吸うシーンから。時系列は分からないが上に一度あがり、
落ち着く為にタバコを取りにいったのだろうか?
この猟奇的な笑みが一番印象的。
この後から彼女の目は死んでいて、光が射し込まない。
物語が余りにも断片的過ぎて話が繋がらない。
引っ越した先によしこが居たり、沙苗の自殺未遂、健太が同僚と酒を呑んだり、別の女性と
キスして無理心中等々。
最後は60秒見つめあったら仲良くと。
橋本愛さんと仲野太賀さんの演技は
良かった。
自分の心の奥底にひたすら眠る猟奇的な愛を
表現していたのかな。その愛は正気だと沙苗は
うつろいた目で思っていたんだろう。
共感は出来ないが強烈な愛憎を示した
映画でした。
三者三様の愛し方の好演に目が離せない
公開翌日の舞台挨拶で鑑賞。
好きな俳優陣と好きなテーマで観るしかない、と。
期待通り、それぞれの俳優が一癖ある役柄を好演していました。
橋本愛は、きれいな顔立ちからの狂気じみた役で、最初なじめませんでしたが、その違和感こそが、この役ならではだと思いました。
対する、太賀。正反対の役柄そのまんまで馴染みすぎて、2人が混じり、わかりわかりあえずで影響されあっていくさまに目が離せませんでした。
木竜さんの、明るい表情からは、ある意味一番わかりにくいキャラクターで、最後までわからない。
それぞれの俳優が持ち味をだし、それぞれの役を演じきっていました。
カメラワークも不安定で、暗めの画が多いが、それが心の不安定さをあらわしており、不快なようで作品の魅力を増していました。
設定は尖っていて、一見とっつきにくいけれども、その背景にある、人間のわからなさの魅力に取り憑かれる作品でした。
舞台挨拶にて。
監督は、さなえがどんな気持ちかがわからない、知りたいから撮る。
役者がそれに応えて、体現する。
観る人が、そうやって、人を理解していく。それが映画なんだなあ、と感じました。
注目の俳優、橋本愛、仲野太賀、共演。 二人がイイ。
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