コンクリート・ユートピアのレビュー・感想・評価
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このアパートは世界の縮図
以前は全く興味のなかった韓国映画ですが、近年は良作ばかりですっかり魅了され、本作も韓国作品というだけで飛びついて、公開初日に鑑賞してきました。
ストーリーは、大規模な自然災害に見舞われたソウルで奇跡的に倒壊を免れた唯一のアパートに、救いを求めて群がってきた人々が起こす事件に危機感を抱いたアパート住民が、902号室のヨンタクを代表に選び、部外者を追い出して住民だけで治安を守って生活しようとルールを作るが、しだいに生活は行き詰まり、ヨンタクの言動も不穏なものになっていくというもの。
なぜか1棟のアパートだけが倒壊を免れるという不可思議な設定さえ飲み込めれば、あとは物語にぐいぐいと引き込まれます。テンポのよい展開、ほどよいバイオレンス、醸し出される緊迫感など、さすが韓国映画と思わせるおもしろさです。その上で、人の愚かさや醜さを浮き彫りにして、これでもかととことん見せつけてきます。
アパート住民と部外者のそれぞれの立場から発する言葉には、それぞれの正義と言い分があり、どちらが間違っていると断罪できるものではありません。あえて言うなら、相手の言うことに耳を貸さず、自分の主張だけを貫こうとして衝突することが、いちばんの害悪のようにも思えます。優先順位の最上位に「自分」を置き、利害だけで物事を判断すれば、いつどこで誰が考えても結果は同じでしょう。
思えば、このアパートでの出来事は、現在の地球上で起きていることの縮図でもあり、この星に人類が生まれて以来ずっと続いている争いのようにも見えます。それだけ業の深い、人間の性のようなものなのかもしれません。それでも、ラストシーンにわずかばかりの希望が見えたことだけが救いです。
家族を大切にし、一緒に平和に暮らす家を守りたかったというヨンタクの言葉に、嘘はなかったと思います。そしてそれは、彼に限らず誰もが抱く願いだと思います。その家族が、血のつながり、コミュニティのつながりにとどまらず、国境をも越えるような大きなものであったなら、今地球上のあちこちで起きている紛争もずいぶん減るのではないでしょうか。口で言うほど簡単なものではないとわかっていますが、それでも諦めたくはないと思います。
主演はイ・ビョンホンで、じわじわと変容していくヨンタクを好演しています。脇を固めるのは、パク・ソジュン、パク・ボヨン、キム・ソニョン、パク・ジフら。
多様なテーマが詰め込まれた圧倒的な映画
能登半島地震の悲しい報道に接しているから鑑賞に躊躇いと抵抗感があって、どうするか?と迷っていた。でもアカデミー賞の韓国代表作品を観たいという願望が勝った。冒頭シーンからすごい。容赦のない展開と描写で終始圧倒される。災害映画というと大袈裟で悲劇的なトーンにより観る側は重苦しい気分になるのが一般的だ。でも本作はどこか軽めのタッチで始まる。小さな笑いやコミカルな音楽、余裕がある。そこがまず上手い。内容は壊滅的災害時に露呈する人間同士の醜い争いや「業」だけでなくサスペンス要素も色濃い。だからぐいぐい引き込まれる。イ・ビョンホンの演技は圧倒的だった。冴えない不気味な男から、群衆ともみくちゃになって闘う勇ましい男だったり。凄みを増している。とはいえ内容が内容だけに応えた。。「おもしろいものをみた!」という充実感と現実の災害を連想してしまうしんどいさ。今観るのが辛い人は時期をずらして鑑賞してもいいかも。間違いなくおもしろい映画だから。
震災MAX
無秩序であることの恐怖
術
国民性かな
地震というわけでもない、未曾有の災害に襲われ焦土と化した韓国で、唯一倒壊を免れたマンションを巡り、生き残った人たちが「愚か」としか言いようがない争いに躍起になるという話。
何故そうなったか?という背景や経緯には一切触れずに災害後に起こった出来事を追っていく、というスタイル。なんでやねん!的な突込みどころが満載。
災害サバイバルではなく、いかに人が脆く卑しく危うい存在かということを笑いを交えながら炙り出していく感じ。徐々に現実的になる分、それが故にあまり面白みを見出すことができませんでした
笑いも痛みも悲しみもあるけれど、明確な希望はなく消化不良な締めくくりでした。
笑えない寓話
韓国の住宅事情をニュースダイジェストのように見せるオープニングから一気に惹き込まれる。
ワクワクしている暇もなくいきなりの、まさかの大災害。壊滅した世界で唯一残ったアパート(マンション)で生き残ってしまった人たちの物語。
あ、これはディザスターフィルムでなく、ディストピアものか、なんとも皮肉なタイトル。
災害によって、詐欺の被害者になって、家族を失って、祭り上げられて、権力を持つことによって、家族を守るため、自分を守るため、普通の人が狂っていく。
自らがこの状況に追い込まれた時、どんな行動をするだろうか、いろいろと考えさせられる。
全編ほとんど瓦礫の中なのに美しい映像(撮影)や、時に笑わせてくる音楽、韓国映画にしては大人しい描写、イ・ビョンホンの熱演。アカデミー賞の韓国代表に選ばれたのも頷ける。
ラストの一言が胸に突き刺さる。
公開を楽しみにしていた作品ですが、能登半島地震と日航機の奇跡の直後ということで、観て楽しめるかどうか躊躇いましたが、「唐山大地震」の時のように公開中止になってしまうといけないので敢えて観に行きました。
タイミングが悪いというか、良いというか、いろいろと考えさせられ、今こそ観ておいてよかった作品だと思います。(観客二人でした)
既視感ばかりで、想像を超えてくる驚きがない
発災後、何の救助活動も行われないところを見ると、おそらく、世界の文明は崩壊してしまったのだろう。
ただ、地殻変動によるものと思われる都市の破壊は確かに深刻だが、それだけで、全人類が滅亡してしまうものだろうか?
たった1棟だけ無傷で残ったマンションが聖域化するという流れも、食料や物資が豊富なショッピングセンターのような施設ならいざ知らず、電気も水道も止まっている高層住宅で暮らすのは、かえって不便なのではないだろうか?
おそらく、居住環境による格差や差別を揶揄するための設定なのだろうし、劇中にもそうした描写があるのだが、今ひとつリアリティや説得力が感じられず、なかなか物語に入り込めなかった。
話が進むにつれて、極限状態の中でエゴをむき出しにする人間の醜さや、特権意識に基づいて他者を排斥しようとする人間の愚かさも描かれるが、これまで、数多くのゾンビ映画や「終末」もののSF映画で描かれてきたこと以上のインパクトはなく、特に目新しさも感じられない。
ストーリーにしても、おそらくこうなるんだろうなという予想通りの展開しかなく、しかもモタモタとテンポも悪いので、特に後半は、退屈で飽きてしまった。
話が進むにつれて豹変していくイ・ビョンホンのキャラクターも、それに振り回される夫婦のキャラクターも、どこかありきたりで深みがなく、全体として物足りなさだけが残った。
人間が1番恐ろしい
あまりに公開のタイミングがよろしくない😫
割り切って「映画」を楽しむ
イ・ビョンホンの怪演は見どころ
彼もまた被害者、ただの独裁者ではない
助け合って、譲り合っての精神は美しい
でもいざとなった時にそれが本当に自分に出来るのか。
人としての真価が問われるところ。
「偽善者」と言う人間がいないよう
みなが同じ精神で生きていれば、戦争も起こらない。
ユートピア?
唯一この環境で崩れなかったアパートがユートピアになったのは、主役の1人イビョホン演じるヨンタクだった。
彼は絶望的な状況下、更に震災が起こったことで人生が逆転してしまう。狭い世界であるが王様気分に。
能登半島で大地震が起こった直後の公開なのであまりいい気はしないのだが、作品は中々見せてくれる。
終末の世界のようで、人間の隠の部分を描いている。
自分達の生活環境を守る為、他は排除し人殺しもやる。
阪神淡路、東日本大震災の時には性的被害あっと聞いてますが、そういった事は表現されていなかったなのは良かったと思う。
無法地帯での行動や心理が面白い
現実味がないのと人物の心理に共感できない
大地震により街が崩壊して、自分達が住んでいるマンションだけが無傷で残る。そこに住むマンション住民とのトラブルがあったり、外で野宿する人々が盗賊みたいになって襲いかかってきたり、様々な困難を乗り越えて、主人公と悪い奴が死にます。
その後は政府のヘリが救援に来て、希望が見えたところでエンディング・・・ではなくて、
みんなが争って死んで悲しい〜って感じでそのまま終わる。
敵にも味方にも共感できなかった。そもそも政府が何をしているのか?世界はどうなっているのか?を全く謎のままにしているので、現実味がないんですよね。
唯一印象に残った場面が、バリケードが壊されて外の人達がマンションに乗り込んでくるところ。北斗の拳の雑魚キャラみたいに、ヒャッハーって言いながら金属バット持ってやってきます。
演技は上手いみたいですが、自分は演技がよくわからないので低評価。
新ルールと十八番は539番。
大災害で崩落してしまったアパートの住人達と崩落しなかったアパートの住人達の話。
唯一崩落しなかったアパート(ファングアパート)に押し寄せる住まいを失った住人達と、そのアパートを守ろうとする住人達との衣食住と新ルール作りながらの争奪戦ストーリー。
いざという時の団結力はいいと思うけど、身分偽りリーダーの間違ったルールに乗っかり騙される周りの人間のダメさ芯の弱さ…。
こういう時ってリアルもだけど人間性が出ますよね、ミョンファの様にいつまでもいい人で周りの人間に気を使えて優しくいれたらいいしカッコイイけど、実際はどうなのかな?リアルでは自分や家族に手一杯で周りの人間に気を使えるのだろうか?!
作品としては飽きずに楽しめました!
これもお国柄?
期待してなかったんだけど…
正直さほど期待してなかったんだけど、傑作でした。
冒頭からいきなり天変地異は既に終わっちゃってて、これは災害パニックものじゃないよ、とのメッセージ。
以降、少しずつ過去を紐解きながら、差別や抑圧・特権意識がどう生まれるのかを丁寧に…
その寓意が素晴らしいし、実は現在の移民問題からガザ、関東大震災時の朝鮮人らの虐殺、南京からホロコースト、もっといえば元寇の神風意識まですべてに通じる話…
日本人が特別、と考えたがる阿呆が多いが、それこそが阿呆の証明、ってことがよく分かる…
しかしイ・ビョンホンは素晴らしい。あのキャラクターの背景や祭り上げられてどういう意識の変化があったのかを台詞でなく演技で魅せる!パク・ソジュンはそうした「リーダー」に従って非人道的なことに簡単に踏み込む市民がどういうものかをリアリティをもって描き出す…
愛の不時着などなどに続きまたしても「婦人部長」のキム・ソニョンさんも良かったし、なんとなく井上真央似のパク・ボヨンさんも良かった。
まして特に良かったのがラスト。なんか綺麗な部屋だな、からの… そういうことをする人々はみんな「普通の」人々なんですよ、とこれでもかと…
映画終わってテレビを観たら「能登震災」のニュース。どう考えてもわが国は「あのマンション」の方だな、と…
それも哀しい…
人間の業というか生き様➕韓国階級社会➕VFXが素晴らしい ただ時期的に微妙
ディザスター災害映画 パニックスリラーともいう
文書が つぎはぎで申し訳ない
パニック災害時の人間の心理行動映画 身につまされます ただしVFX特殊効果は良い
普通に こんな作品だろ ・・という観客の期待どおり作品 普通。あとの文書おまけ iPadで途中に飛べない
有料パンフには ブラックコメディ要素が・・云々記載があったが それどころじゃ無い みにつまされる作品
謎の住民代表【イ・ビョンホン】
真面目が故に染まりやすい男【パク・ソジュン】その妻で心優しく流されない【パク・ボヨン】
それぞれが軸
謎の男 ヨンタクの行動が わかるようなわからないような不思議・展開
プレミアムアパート【日本のタワマン、億ションか❓】アパート【中レベルのマンションか❓】持ち家、韓国独自の賃貸
と格差が明確。この作品では 普通のアパートが唯一残り、近くのプレミアムアパートの住民が
建屋放火で苦しむ構造 ヒエラルキー崩壊 意趣返し【有料パンフ🈶中の 佐藤さんというライターの方のコラム
観て❗️有料🈶パンフ購入してください】
iPod使いにくくて前後します。プレミアムの連呼で 申し訳ない
プレミアム
とにかく 地盤が隆起して たった一つ残されたアパート【アメリカ原義に近い 日本のマンション】
の災害パニック。誰も助けに来ない。
東日本大震災は勿論、現状映画どころでは無い 北陸の方々思うと 心がイタイ 人ごとでは無い
住民のエゴ、閉じた世界が息苦しいけど リアル
有料パンフ🈶見ると 本作は夏に撮影で暑くて仕方がないこと。
韓国の住宅環境格差書いてるズラ
プレミアム
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