「音楽映画ではなくインタビュー映画」トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代 らららさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽映画ではなくインタビュー映画
世代ではないですが「悲しくてやりきれない」「イムジン河」「白い色は恋人の色」等が好きで、とても素晴らしい曲を作った常に最先端だった人という認識。最近はネットでサディスティックミカバンドのUKでのTV出演動画を見て何て今みてもかっこいい斬新な音楽かと驚き、もっと知りたくなり映画も観てみました。
もっと曲やライブ映像が流れる音楽映画かと期待したのにほとんどインタビューをつなげたものだったのが肩透かし。御本人の語る映像も非常に少ない。観客も知ってる前提なのか、インタビューを受ける人達の名前と肩書を登場のたびにずっと出してほしかったです。
UKでのTVライブ動画は映画でも流れておりやっぱりとってもカッコよかった。ライブ映像をもっと見たかった。
ミカさんが去って、すぐ安井かずみさんと結婚するにあたり遠くへいった気がすると語られてましたが、ポンとロールス・ロイス買っちゃう身の上でも遠い感じじゃなかったらしいのに、本当に別世界の貴族みたいな人達に囲まれるようになったということなのかな。
実際に、知ってて好きな曲はアレンジされた曲ふくめミカさんがいた70年代の曲ばかりでした。それ以降は知ってるのは可愛い「不思議なピーチパイ」ぐらい。
他はフォーク・クルセダーズやミカバンドのものと違い「今聴いても素敵」「斬新!」という感じはなく?歌詞も曲も時代を感じるものがありました。ファッションやお料理の話も確かに庶民からしたら遠くの世界というか。
勉強にはなりましたが、当時をよく知らない詳しくないものがみても改めてファンになるような映像がほしかったです。
ラストは皆で「あの素晴らしい愛をもう一度」の合唱。北山修さんがご健在で歌っておられそれはよかったのですが。
回想でも何かと男性ばかりで、女性は数人のみだったし時代感じると思わされたのが、今も当時を知る年配の女性は出さないが、二世か若い女性なら混ぜてもよいよ、みたいな。おそらく全員が何もないところから出た叩きあげ(お坊ちゃんお嬢様育ちはいても)だろうに二世さん混ざるのは特に興ざめ…。
常に最先端を求めてたらしい加藤和彦さんの映画の締めとしては何かこの合唱で終わりは違うんでは??と思わされました。