「特徴的な歯並びを表現したVFXの妙。」ラスティン ワシントンの「あの日」を作った男 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5特徴的な歯並びを表現したVFXの妙。

2024年2月29日
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伝記もの、歴史的偉業ものとしては正直物足りない部分はあるのだが、音楽で軽快にすすめていくテンポ感が心地よく、また、コールマン・ドミンゴ演じるラスティンの、なんだか情けないような愛嬌があるようなニターッとした笑顔を見ていると、つい応援したい気持ちになる。いや、ラスティンは悲しそうにしていても、ニターッと笑顔が貼り付いたように見えて、しかもその笑顔を特徴づけている(そしてラスティンの過去と直結する)歯のない部分は特殊効果で再現したのだという。VFX技術がキャラクター描写に直結している点で、CG技術の非常に上手い使い方ではないだろうか。

村山章