劇場公開日 2024年3月8日

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「静かに熱い」PLAY! 勝つとか負けるとかは、どーでもよくて kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0静かに熱い

2024年3月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ゲーム競技をeスポーツと呼ぶことに少し抵抗感を覚えてしまう。体使ってないのにスポーツ?と。でも本作を観ようと思ったのは高校生役を演じた3人の俳優に興味があったから。特にJTのCMで丁寧に育てられている(営業センスも天才的?な)森くん(小倉史也)。ネクスト矢本悠馬な雰囲気で気になっていた。
達郎がメンバーを募集する流れで、翔太と亘への態度が全く違うのが面白かった。金髪の陽キャが応募してきたら警戒するよな。亘が全然乗り気じゃないままなのもいい。やはり小倉史也は地味なのに存在感がある。
設定と展開は基本的にスポーツ青春ものと同じだ。それぞれが抱える問題があり、トラブルもあったりして、そして強い敵がいる。でもeスポーツが題材だからなのか、現代的な若者だからなのか、根性的なものは抑えられた物語だった。いや、もちろん根性的な描写もあるし、彼らの情熱がそれなりに熱くて結構感動してしまった自分もいる。3人の関係性が変わっていくのも王道の展開。インタビュー時と歩道橋のシーンがいい。形は変えてもこんな青春物語は作られていくんだなと嬉しくなった。
全国大会の成績や家庭の問題、恋の展開が妙にリアルなのも印象的だ。実話ベースだからかもしれない。彼らはあの後もあの町で問題を抱えながら暮らしていかなければならない。もちろん町を出る選択もできないわけではないけれど、そんな未来を想像できない終わり方だと思う。軽く見せながら意外と重めの青春映画だった。なかなかの掘り出し物だ。

kenshuchu