隣人X 疑惑の彼女のレビュー・感想・評価
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ん?ん?ん?
最初のXの受け入れに動揺するシーンからして、全然リアリティの無いコントみたいな演技に何コレ?みたいな。これはヤバい映画を引いてしまったのではないかと身構えましたが、その後は持ち直して頂いて何より。
しかし観終わった後の感想としては「これはどう言う事なんだ?」と。いや意味は分かったけど、終わりに近づけば近づくほど、強引さが加速していくご都合主義展開。このオチの付け方に対する伏線、全くなかったよね?(あったかな?)設定は奇抜だけど割とそこはどうでもいい感じ。SFを借りて価値の多様化や分断された社会とか、言いたいんだろうなというのも分かるんだけど、内容はまあまあ王道な恋愛映画。とは言え、実はこう言う青年誌寄り(少女漫画だとキツイ)な漫画っぽい恋愛ドラマは好きなので、悪く無かったです。
誰がXであってもいい
もともとみんな宇宙人だし
他者のことは分からない
だから恐れ、同じ気持ちを見ようとしないで差別化する
Xが他者を傷つけないのは生きる知恵なのか
一緒にいてお互いを想うことこそ生きる暖かさなのだろう
Xの謎・ナゾ・なぞ
米国から広がった異星人Xとの交流?を描いたSFっぽくないストーリーが2組の男女の物語をベースに進行する作品です。
Xの謎の解明という反面、ヒューマンストーリーの濃い展開で複雑な思いが錯綜していく。結局Xは誰か?という謎はエンディングでさらに混沌としてしまい、謎は深まる一方だった。
しかしながらヒューマンストーリーとしては最高のエンディングが用意されていた。あとは観る人の感じ方次第だといえる。期待以上に見応えはあった。
是非映画館で🎦
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最初は取材めあて!でも実は。
Xという難民宇宙人の話ですが、人間模様を描いた作品です。おばあちゃんの施設の
お金を◯◯するために、Xとおもわれる女性にコンタクトをとっていくうちに打ち解けて恋愛感情が芽生えます。しかしながら週刊紙の偉いひとにXの全貌を取材してこいと一喝されます。仕方なくXとおもわれる女性に◯◯めあてでつきあい、ある人物にたどりつきます。一部女性観点でかたられる場面もありますが、主人公と彼女が主線になります。最後にどんでん返しがあるのでみのがさいように。
見ごたえのある作品なので是非劇場にてご覧ください。
緊張感ある映画
前半部分は緊張感あって、上野樹里の癒される演技の裏を伺う見方になってました。
中盤からは、二人がうまくいけば良いな〜と思いながら、林遣都の葛藤からの崩壊。
そこから先、娘と父親のわだかまりが無くなったあたりで終わっても十分満足だったと思うけど。
ラストの林遣都の上野樹里への懺悔で上野樹里の態度は逃げなの?
手首の痣は、身の回りの誰がXか分からないと言う暗喩なのか? そこで分かるなら苦労しないはず。インベーダーの小指みたい。
毛髪のDNA検査の結果が曖昧なのも気になる。
分かりやすく作らない、と言う風潮もあるのかな? まあ、見終わっていろいろ考えたからそれもあるけど、もやもやが残ります。
沢山のメッセージが詰まってます
上映館が少ないので、あまり期待せずに鑑賞しましたが、結構良い感じでした。しかし、内容は、かなり支離滅裂で、印象に残るものはありませんでしたが、上野樹里さんの演技にどんどん吸い込まれていく不思議な感じの作品でした。
序盤からあまり
面白くないな、音楽の使い方臭うなと思ったが、ラスト近くの誰がX? がごちゃごちゃになったのは良かった。
上野樹里さん髪がキレイ、林遣都くんはどうやっても童顔、野村周平くんはこんな演技しか出来なくなったの?
映画的に、非常に残念な作品
率直に、面白かったです。でも、正直、映画としての質は、あまりによろしくない印象でした。画質は最低限のレベル、音は迫力ありましたが演出が雑な気が・・・役者の演出も、うまさは感じるけどもうちょっとナチュラルなものにできなかったものかなぁ、なんていう具合です。
出だし、あまりに酷い印象だったので、最後まで見ることができるか不安でした。でも、設定やコンセプトみたいなものは相当しっかりしている印象で、やはりこれは原作のレベルがかなり高いのだと感じました。雑だったけど結構面白い─なんか古い言葉で言うとVシネのような感じ?でも、内容がかなり濃密だったので、映画として残念に思えてしまいました。軽いノリで作ったような作品に見えましたが、そういう意図がなかったとしたらごめんなさい!というか、やっぱ残念。でも楽しめました。
確かに愛はある
「福田村事件」に対する、現代のアンサー映画。集団心理の恐怖という、同様のテーマを扱っているが、サスペンスとしてはイマイチだし、人間ドラマに関しても気になる点がいくつか。演出がどうも淡白で古臭い。面白いけど、なんだかスッキリしない終わり方でした。
本作、ベストアクターは酒向芳。
どんなに酷い映画でも、この人の演技だけは印象に残る。昨年の「それがいる森」の村長なんかもめちゃくちゃ良かった。今回の酒向芳はXを疑われる、上野樹里の父親役。何かに取り憑かれたように、重い過去を背負っているのが目に見えてわかる。泣き姿なんかは、とんでもなく胸が締め付けられる。愛があればそれでいい。社会の地位や名誉なんていらない。綺麗事のように思えるその文言を、体を張って表明した柏木父がすごくカッコよかったし、同時にその姿を見てコロッと意見を変える世間がとんでもなく恐ろしくなった。
記者や世間の人々に共感させるような演出があれば、本作はより深くて考えさせられるものになっていたと思う。あまり別の作品を挙げるのは良くないが、同様のテーマを扱っている「福田村事件」は観客の感情を動かすのがめちゃくちゃ上手かったんだなと改めて感じた。それか、思い切って記者に共感度ゼロパーセントにした方が、いい意味で胸糞が悪くて、気分を害する作品になっていたと思う。どっちにも振り切れていない、単なるメディア批判にしかなっていないのが勿体ないところ。
2つの目線で描く日本人の恐怖はかなり良かった。
若干詰め込みすぎているような気もするが、日本人留学生を演じたファンがとにかくいい味を出している。自分を救ってくれた素晴らしい国なのに、同時にすごく居心地の悪い国でもある。Xを巡る日本人の考え方と通じる部分があり、1つの事件に向かって2つが合流するスタイルは結構面白く見れた。
にしても、映像が古すぎないかな。
10数年前のものに見える。あえて淡白にしているのか、映画館だと映像のクオリティが低くて...。まあストーリーは面白かったからいいけど、あまりに無機質だった。
How you feel じゃなくて What you feelね
適性や才能無しに憧れだの夢だのだけでは成功できない、がメインテーマかな。なんとか折り合いつけて上手く着地したのが良子で、貧すりゃ鈍すでとことん堕ちたのが憲太郎、さてレンちゃんと拓真は?
ラストで憲太郎に「告白」する機会を与えた演出は甘すぎ。
#43 隣人Xの正体
もっとSFチックな話かと思ったら、普通の人間関係に関するお話だった。
宇宙人対人間じゃなくても、外国人対日本人じゃなくても、言葉が通じても通じなくても、お互いを理解しようという気持ちが無ければ気持ちは通じない。
全く笑わない上野樹里ちゃんが美しかった。
心の目で見ることの大切さ
予告の怪しげな雰囲気に興味を惹かれて鑑賞してきました。期待していたSF展開ではなかったですが、心揺さぶられる話に引き込まれ、後味のよい作品でした。
ストーリーは、惑星難民Xを受け入れることになり、人間と区別がつかないXが生活に入り込むことに動揺する日本で、週刊誌記者・笹憲太郎が、X疑惑のかかる柏木良子を追跡し、彼女との距離を少しずつ縮めていくことに成功するが、いつしか心から惹かれるようになり、記者としての立場と彼女への思いの板挟みの中で、ある真実にたどりつき、本当に大切なものに気づいていくというもの。
惑星難民XというSF設定は、単なる舞台装置にすぎず、その謎を解き明かすと見せかけて、本当に描きたいのは“差別や偏見を捨てて心の目で相手を見ることの大切さ”です。そこで、一見荒唐無稽とも思えるXの存在に現実感を持たせるために、対比のように配置した台湾人女性の存在が光ります。これにより、私たちが外国人に接する態度は、異星人に対するものと本質的に同じであり、それを受ける側に悲痛な思いを抱かせていることに気づかされます。一方で、彼女と同じコンビニで働く柏木が、心でつながろうと向き合う姿に、理想の関係が垣間見えます。
そんな本作のテーマに気づくと、もはやどうでもいいと思えてくるXの真相ですが、こちらも二転三転の展開をきちんと用意してXの存在を描き、最後まで飽きさせません。ていうか、むしろラストで描かれる手首のほくろで、ちょっと混乱してしまいました。結局、Xであるかどうかは本人さえ認識も証明もできないものであり、ことさらそれを取り上げることに意味はないと訴えているのでしょうか。
それにしても、自分が日本人であることを疑われたら、どうやって証明するのでしょうか。役所で戸籍抄本をもらうぐらいしか浮かびませんが、それでも証拠にはならないような気がします。なぜなら、マスゴミに一度狙われたら最後、それは瞬く間に拡散され、魔女裁判のごとき集団心理で徹底的に糾弾されるからです。本作は、そんなSNS全盛の現代の風潮にも一石投じています。終盤は何かと憤りを感じるシーンが多かったですが、ラストは前半のスクラッチやブックカフェの伏線を用いた、余韻の残る美しいシーンで、涙を禁じ得ませんでした。
前週公開の「翔んで埼玉」に引き続き、本作でも重要なロケ地となった滋賀。琵琶湖やメタセコイア並木が印象的でした。湖畔のカフェは実在するのでしょうか。あれば訪れてみたいです。あと、柏木の実家の背後にしっかり電波塔が存在していたのも、なにげによかったです。
主演は上野樹里さんと林遣都さんで、二人の持ち味が発揮された役回りですばらしい演技を披露しています。脇を固めるのは、ファン・ペイチャさん、野村周平さん、嶋田久作さん、原日出子さん、酒向芳さんら。中でも、最初の登場シーンではいつものイメージと違って認識できなかった酒向さんが、終盤でのお色直しも含めて、存在感を発揮しています。まさに名バイプレイヤーといった感じです。
ラストを勝手に解釈しました(気に入ってます)
原作未読
本来ならスルーするテーマですが、熊澤尚人監督作品と知り観ました。
「おもいで写眞」がよかったので、次回作も観ると決めていたのです。
全く趣きの違うジャンルですが、やはり私好みの作品でした。
ラストは綺麗にまとめ過ぎと思う方もいるでしょうが、幸せの予感がして好きです。
もはやXが誰かなんてどうでもいいのです。
お父さんの娘を思う気持ちに拍手です。
(個人的な勝手な解釈)
相思相愛の2人の再出発の予感で大団円ですが、これはお父さんが仕組んだような気がします。ラストのあのXマークを素直に信じれば、彼女がXで彼はXではありません。
つまりXである父が、その能力を使い彼の娘への思いを確認した上で彼をXだと思い込ませ、2人の再出発を企んだのではないでしょうか。
ではXである父と血の繋がりがないのに何故彼女がXなのか、これは偶然ではなく父と母が娘のために嘘をついたのだと思います。血の繋がりはあるのです。素晴らしい両親だと。
(残る疑問)
もう一組のカップルも幸せの予感。
レンさん(マークがないからXじゃないとする)みたいな人が中盤で逮捕されたような気がしたのですが?
逮捕されたのが、レンさんの姿をトレースしたXなのかと思ったけれど、大前提としてXは人に危害を加えないのでどうなのか分からなくなりました。
【”色眼鏡を通さず、差別、偏見なく心で人を見る大切さ。”奇想天外な設定であるが、人権を無視したメディアの暴走や、愛してしまった女性かスクープかに悩む首直前の週刊誌の男が煩悶する姿が印象的な作品。】
ー 惑星難民Xの受け入れをアメリカが了承した事で日本でも惑星難民Xの捜索をスクープとして始める週刊誌・・、という設定が奇想天外過ぎる。(褒めてます。)
週刊誌記者の笹(林遣都)は、スクープが取れず拉麺紹介の地位に在り、何時首を切られても仕方ない状態。だが、惑星難民Xの捜索をスクープすべく、与えられた資料に在った二人の女性に近づく。一人はコンビニと宝くじ売り場で働く柏木良子(上野樹里)。もう一人は良子と同じコンビニで働く台湾から地震予知について学びたくやって来た留学生リン(ファン・ペイチャ)である。
だが、彼は徐々に良子の魅力に惹かれていき、良子も彼の真摯な姿に惹かれていく。一方、リンは居酒屋でも働いているが日本語が上手く喋れず、聞き取れず孤立感を覚えるが同じバイトのロックバンドのギタリスト拓真(野村周平)に支えられ、いつしか彼と恋に落ちていく。-
◆感想
・自分を育ててくれた認知症の祖母を施設に預けつつ、自身の職も危うい笹の姿が切ないが、彼が良子と可なり強引に関係を築く様と、その後良子の父親が惑星難民Xではないかと信じ込み、良子への想いとスクープを取りたいという板挟みの姿が、少し描き方が粗いが伝わって来る。
ー そして、彼は良子と共に彼女の両親(酒向芳&原日出子)に会いに行き、父の白髪を一本取り逃げるように去るのである。
だが、彼の書いた記事は愚かしき編集長達(嶋田久作&バカリズム)により、可なり捏造されてスクープ記事として紙面を飾ってしまう。
その後、良子と彼女の両親のもとに押し掛ける愚かしきマスコミたち。-
・一方、リンは日本語の習得に苦労し、日本客の心無い差別的言葉に疲弊していく。
ー この辺りも、観ていてキツイ・・。-
■押し寄せたマスコミたちの前に出て来た良子の父が”私は惑星難民Xではない。”と言うシーン。マスメディアの暴走をシニカルに描いていると思ったよ。
・リンは、拓真から同居することを提案されるシーン。
ー 拓真だけがリンを色眼鏡で見ていない。そして彼女に”部屋代が浮く分、バイトを減らして日本語の勉強をしなよ。と言って自分も台湾語を学ぶ本を彼女に見せるのである。実に良い漢である。-
■一方、遣り過ぎ報道を糾弾された編集長は、笹と共に記者会見を開き笹に誤らせるが、実は編集長は何の反省もしていない事が分かるシーンは、怒りで脳内沸騰する。正に売り上げだけ伸びれば良いというジャーナリズムの欠片もない姿。
■ラストシーンには少し、救われる。且つて笹が本好きの良子に”ブックカフェやりなよ。”と言った言葉が影響したのか、良子は居を移し、ブックカフェをオープンし、子供達に本を読んであげている。そして、一人の男の子が彼女に渡した宝くじ。それは当たりの宝くじであった。
そこにやって来た笹は、戸の外から大きな言葉で謝罪をするのである。そして、良子は宝くじが当たって居たら・・と告げるのである。
<今作は、三つの黒い黒子の様な点とか、黒いモヤのシーンとか、良く分からない所も多い作品であるが、個人的にはラストシーンを含め、笹の人間性やそれを懐深く受け入れる良子や、リンを助ける拓真たちの人間の善性溢れる”色眼鏡を通さず、差別、偏見なく心で人を見る”姿が印象的な作品である。>
学ぶかー
説明セリフと設定解説で開始するクソダサスタートな映画。
町の立ち話まで説明セリフかよ、しっかり良く聞こえるぞダセェ!
これをしっかり進路修正して、魅力有る物語に見せる上野樹里ら主演陣の芝居ですよ。
原作知らんけど誠実さは伝わりましたよ、ですよね人種差別は良くない、別に良いじゃん肌の色が何でも、国籍がどうでも、男でも女でもバイセクでも、異星人でも、どうでもええやん。
人間が人間たるソコは攻殻機動隊とか、妖怪人間ベムで学んでるわ。
本作ここを個人の価値観と個人愛に落とし込んだのは、ここまで解り易く描いたんだからお前ら差別について学んだだろ!
流石に解れよボケ!
って事なんだろな。
うん、バカでも解れよってテキストなんだろうけど、こんなんが作られる事自体が俺らまだまだ幼稚で稚拙って事なんだろうな。
うん、学ぼう。
人間とは、幸せとは、考えさせられた
故郷の惑星の紛争により、宇宙から難民として地球にやってきたXと呼ばれる生命体が世界中に溢れ、各国が対処に悩む中、日本はアメリカに追随するように彼らの受け入れを決めた。Xは人間にそっくりな姿で日常に紛れ込んでいるため、人々は誰がXなのかと不安や動揺が広がっていった。そんな中、週刊誌記者の笹憲太郎はスクープを取ろうと、X疑惑のある柏木良子の追跡を始めた。宝くじ売り場で働いてた良子に接近し、やがて良子に対して本当に好きになってしまった笹は、彼女への思いと騙してる罪悪感、記者としての仕事、おばあさんの入所してる施設の支払いなどの金銭面、をどう消化していくのか、Xは見つかるのか、という話。
宇宙から難民として地球に来たが人間に危害は加えない、人間そっくりで見分けはつかず、セックスして子供も作れる、なら誰がXでもいいではないか、なんて思って観てた。
台湾からの留学生リンなど、日本語が難しくて働きながら勉強してる外国人も多いし、バカにするなら逆に彼女らの母国語を勉強した事があるのか、と聞きたい。
笹を通して、日本人とは、人間とは、幸せとは、考えさせられた。
良子役の上野樹里を久々にスクリーンで観たが、相変わらず美しくて魅力的だった。
面白かった。
面白いのか、そうじゃないのか
164本目。
アルプラザの看板が目に入り、東京と思わせての関西ロケかと、横道にそれる悪いクセ。
それにしても始まってすぐに、記者としての資質を疑う展開。
だからラーメン、いやそれじゃラーメンに失礼か。
大衆心理だったり、ひとつの事に囚われ変わっていく様、またもう一方の恋愛絡みの展開も面白かったりもするけれど、全体で見ると面白いのかが、よく分からん。
濁したり、迂遠な感じで、考察を楽しむ部分もあるんだけど、前述通りで。
母の思わぬ告白、それを支えて家に向かう画を、ネットニュースが正面から撮っているけど、思い切り不法侵入やんと、ツッコミたくはなる。
お前の方がよほど不審者だよ
宇宙からの難民として地球に大挙避難してきた「X」と呼ばれる生命体、
各国の対応は異なるもののアメリカが正式に受け入れを決めたことから日本政府も追随。
しかし官と民の受け取り方はまた別。
自分の近くにも「X」が潜んでいるのでは、と
多くの人が疑心暗鬼に。
もっとも「X」の特性、
最初に触れた人間に擬態し
「X」間でも、人間との間でも生殖行為ができ子孫を残せてしまう。
また、擬態時のコピーエラーにより
自身が「X」であったことの記憶を失う場合もあり、
世代が繋がれば自身が「X」なのを自覚していないケースも多々。
更に「X]は、人間に危害を加えられないことから、
表立った排斥や迫害には繋がっていない。
ここで古くからの{SF}ファンは
〔遊星からの物体X(1982年)〕を思い出す。
本作との大きな違いは、クリーチャーの異形さ、
生物を襲うこと、また
擬態・同化する異常なスピード感。
が、その三点の差異が圧倒的な恐怖を生む
(逆に言えばそれがないだけで、随分とソフトな印象を受ける)。
週刊誌記者の『笹(林遣都)』は
市井に潜む「X」を探り出す特命を帯び
疑いのある『柏木良子(上野樹里』に近づくのだが、
次第に彼女に恋愛感情を抱くようになり・・・・。
ここで本作のもう一つのテーマが浮かび上がって来る。
元々は人間とは異なる形状も、
まるっきり擬態している生物は、果たして何者なのか?
加えて、けして人間に危害を加えないのであれば、
通常の人類よりもよほど高次の存在ではないか?
イマイマの日本に遍在する、ありとあらゆる対象への
扇情的な「差別」の問題への寓意。
『笹』と『良子』、
更にはもう一組の恋愛模様を織り込みつつ
(とりわけ後者は、外国人差別の問題も取り込んで)、
ややステレオタイプではあるもののマスコミの横暴も描きながら
根底にあるのは{ロマンスムービー}。
「X」の本来のカタチを知りながらも、
可能性のある『良子』への愛情を抑えきれない『笹』。
その結末には心を動かされる。
とは言え「X」が持つ識別子を提示する必要があったかは疑問。
それが無くとも物語としては、十二分に成立したのでは。
朗読される〔星の王子さま〕の有名な一節
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」とも乖離している気がするのだ。
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