女優は泣かないのレビュー・感想・評価
全6件を表示
泣けぬなら 泣かせてみせよう 園田梨枝 by瀬野咲
冒頭、瀬野が車を出した際にかかる一発目のBGMで、この作品の雰囲気が一気に掴める。
予想通り、序盤は「そんなことある!?」ってくらい大袈裟で脱力系のコメディ。
BGMでリアリティラインが下がっているため、梨枝と瀬野、そしてサルタクの会話劇を楽しんだ。
しかしその中でも、梨枝の転落や園田家の確執、瀬野の仕事中とは違う一面を散りばめてくる。
カリカチュアライズされ、笑いに変えてはいるものの、お互い仕事をモノにしようと必死なのも伝わった。
緩衝材的に、絶妙に空気が読めないサルタクがいい塩梅。
後半、上手くいきかけた関係性をブチ壊す出来事が起こる。
瀬野の行いは当然責められるべきだが、上記の必死さに覚えがある自分には、その悔恨も含めて共感してしまった。
シリアス面でのBGMがあざと過ぎたり、弟が高校生に見えなかったり、切り抜きおじさんが分かりやすかったり…
欠点もあるが、それでも涙腺が緩む瞬間があった。
マナちゃんの声だけの泣きの演技と、蓮佛さんの表情のみの泣かない演技の対比が見事。
父や姉とのわだかまりが溶けるには、クライマックスが弱かったのがやや残念。
それでも晴れやかに劇場を後にできる佳作でした。
それにしても、ソファのみならずトイレまで付いた個室とは、園田家は資産家か?笑
紙縒
スキャンダルでの謹慎明けの女優と、大きな仕事が来なくて悩む新人ディレクターのドタバタ珍道中だと観る前は思っていましたが、2人含め登場人物が目の前の自分や出来事に向き合うドラマ色の強い作品でした。
ドキュメンタリー撮影と言いつつも、ほとんどヤラセに近い演出を施しており、加えて梨枝はプライドが高い上に演技はそこまでという映像作品との相性の悪さ、そこに自分を曲げられないけれど演出が上手じゃない咲が加わるもんですから、撮影はトラブルだらけで、2人だけのシーンは基本ギスギスしていました。
その道中で家族との再会や友達との再会で徐々に関係性がほぐれるかと思いきや、新たなトラブルが…と言った感じで一筋縄ではないかないストーリーにいい緊張感があって良かったと思います。
後半は完全にシリアスになってしまったので、明るい前半を楽しんだ自分としてはちょっと重いなと思ってしまいましたが、前を向く人の物語としてはしっかりしていたなと思いました。
印象的なシーンでは墓の前での撮影といういかにも不謹慎なシーンをめちゃくちゃコメディに仕上げてたのは凄いなと思いました。強烈なツッコミと冷静なボケと見守るボケというトリオのようなコントが展開されてとても好きでした。どのシーンでもサルタクが加わる事でファンシーになり、劇場型のコントになっているのでお笑い好きとしてとても満足できるものになっていたのは思わぬ収穫でした。
ちょうどいい飯テロも用意されており、ゴロゴロのウィンナーにマヨネーズを垂らした焼き飯なんて美味いに決まってるじゃないかとヨダレを垂らしましたし、親子の絆や仲直りのキーとしてもしっかり機能していてナイスなバイプレイヤーでした。
役者陣は全員素晴らしかったです。
蓮佛さんと伊藤さんのコミカルな掛け合いやシリアスな場面の対比が良かったですし、三倉さんの真面目すぎる姉も良かったですし、年齢的にどうかなと思いましたが吉田さんの従順な弟も良かったですし、なんてったって上川さんのサルタクは最高すぎました。
最初はおちゃらけた奴だなーと思っていましたが、重くなりそうな場面をリセットしてくれますし、どんな場面でも明るい方向へ持っていってくれるキャラクターが素敵でした。ADばりの準備の良さに笑いましたし、挨拶がオッス!であんたは悟空か!とツッコまずにはいられませんでした。劇場での多くの笑いがサルタクだったので、今作だけでも大好きなキャラクターになりました。
個人的な好みですが、出番は少なかったけれど宮崎美子さんが超可愛かったです。こんな可愛いお婆ちゃんいます?ってくらいキュートで癒されました。
ご都合主義なところはありましたし、要所要所に違和感は感じましたが、成長ものの王道を突き進み、オチもしっかりしていましたのでトータルでは良かったなと思いました。真っ直ぐな邦画、近年では減少傾向にありますが、こういう作品がもっと上映されたらいいのになと思いました。
鑑賞日 12/19
鑑賞時間 12:10〜14:10
座席 E-1
まさに「注意!」
マイナーなキャストに知らない監督
良い評判が多かったので「意外な掘り出し物?」と思って見ましたが「他を見れば良かった」「金と時間を返して欲しい」と後悔してます。
私の感性が特別という事でも無く、別で友人も6人が見てしまいましたが、語り合ったら感想同じで、私含め7人が「つまらない」と思った映画です。
べた褒めしてる方が結構いますが、関係者の自作自演?サクラ?って感じです。
もしくは酷評はしたくない優しい方々かもしれませんが、私や友人らのように、良いレビューを鵜呑みに見て後悔する人が出るのもどうなの?と思うので、私と友人らの一致した感想を残します。
まず驚いたのは、劇場に入ったら観客がゼロだったので、思わず「ここで上映だよね?」と劇場を出てスタッフに確認しました。
後から観客来ましたが全部で5人もいない。
そりゃガラガラだよなと納得の映画で、見てる間、何度も寝そうになったし、つまらないから途中で帰ろうかなと思いました。
実際、前の席に座っていたカップルは途中で帰ってた。
良い評判と全くあわないガラガラな観客数が、この映画が「面白いのか」「つまらないのか」を物語ってると思います。
面白かったらSNSで話題になってもっといっぱい来るもんね。
閑古鳥の時点で話題性なし。
映画のチケット買う時に、混雑確認は大事だと痛感した。
映画は、前半はやたらキーキードタバタで、コメディと評してる人がいますが、単に目ざわり・耳障りなだけで笑えた所一切なし。見ててイラついただけ。
ストーリーの流れも順番がおかしいのか、わかりにくい箇所が多く、ギャグっぽいシーンも、素人がやるお笑いライブみたいにサムく、突拍子もない下ネタもあって、あれを演じたキャストがかわいそうと思った。
そんな、どうでもいいようなシーンが長い長い…
見るのに疲れます。
中盤から人情メインみたいな演出になってるっぽいけど、心情の描写がペラペラなのと、シーンの溜めや引っ張り・余韻もなく、やたらスマホ着信やシーン切り替えの邪魔が入るし、それまでの充電切れのくだりや、タクシーアプリを使わない事や、病室にザルで入れたり、危篤時に医師や看護士がはけたり、リアリティの無いご都合主義のシーンが多くて、最初から最後までまったく感情移入出来ない。
なのに、後半では追い込みたいのか「ほら、ほら」と感情の押し売りされる様な展開に、余計にシラケました。
泣ける映画にしたいのか知らないけど、押し売りじゃなく、もっと自然に泣かせて欲しい。
もともと泣ける映画は好物で、涙腺はめちゃめちゃ緩い方。
そんな私がシラケるというのは、「女優は泣かない」というタイトルじゃなく「観客は泣かない」にしたらどうかな?とか思った。
前半でイラつく内容だっただけに、それをひっくり返す展開を期待したけどそのまま終了。
そして、余韻に浸るのを最後に邪魔する様なエンディングと曲。
地元映画というふれこみだったけど、地元愛は一切感じられず、作者はきっと地元が嫌いor本当はどうでもいい、と思ってるのかな、と感じた。
この映画は見た人に何を伝えたかったのか?
見た人に何を感じてもらいたかったのか?
全然わかりません。
「映画ってつまらないでしょ?」「金返せと思うでしょ?」を意図してたのなら100点満点という総評です。
ちなみに、見た7人全員が、ヒロイン二人を演じた蓮佛さんと伊藤さんを、今回初めて知ったけど、嫌いor好きになれない、になったという、観客にもキャストにもマイナスな誰得映画で、キャストにとっては黒歴史になるんじゃない?とすら思う。
何年後かのプロフィールにも載せないんじゃないかな…
エンディング曲のタイトル通り、まさに「注意!」の総評です。
見事なタイトル回収
蓮仏美紗子演じる落ち目女優と、伊藤万理華演じるポンコツディレクターの、ドキュメンタリー撮影を巡る全編熊本ロケのドタバタバディムービー。
前半はめちゃくちゃ笑わせて、後半は力づくで泣かせにくる。
でも、女優は泣かない!
このタイトル回収にグッとくる。
多くの人に観てほしい、観るべき作品
短期間の上映なのはもったいない、もっと多くの人に観てほしいと思い、投稿しました。
あらすじや良いところの感想は他の皆さんが書かれている通り。笑いもあり、涙もあり。クライマックスは泣いている方も多くいらっしゃいましたし、私も目頭が熱くなりました。刺さるセリフもたくさんありました。
私も蓮佛美沙子さんのファンだからというのが観に行こうと思ったきっかけですが、蓮佛さんの芝居のすばらしさはもとより、作品としてとても良かったです。
全般に伏線があってそれがあとに繋がる展開ですが、もっとここがこうだったらと思う箇所があったので、投稿してみました。
↓以下ネタバレ
姪っ子が「パパとママはよく喧嘩するけど、私がピアノの練習をしている間は喧嘩しない。だからピアノ頑張る」と言ったのは、後のストーリーに繋がる伏線だと思ったのですが、それが繋がったシーンが分からなかったです。
同様に、梨枝(蓮佛さん)が幼少期にお母さんとの会話で「(そのときに貰った特別賞よりも)お父さんにはもっといいメダルをあげる」と言ったのが、最優秀主演女優賞を獲るとか、このドキュメンタリーが賞を撮るとか、伏線になってエンディングに繋がっていればいいなと思いました。
私的素人的意見ですが、私的にはそれが惜しいと思いましたし、それがあれば5点満点でした。
舐めてかかると泣きを観る
映画の日1本目は
伊藤万理華目当てで選んだこの1本。
記憶に新しい「まなみ100%」では
体操部の先輩としていい味出してたのに
難病で亡くなる役で監督恨んだりしましたが
本作はストーリーを回していく準主役
童顔だけどセブンのティーンです。
往々にして予告が面白いと
本編が期待外れっていうジンクスがありまして
本作も面白そうに溢れた予告で
期待半分で鑑賞したのですが…
やられましたね。オリジナル脚本って
だいたい私小説みたいなしっとりした話か
はちゃめちゃのギャグ路線かに
きっちり二分している邦画界に現れた超新星は
仲畑広告映像所出身の有働佳史監督。
地元阿蘇の景観を余すことなく伝えるわけでもなく
「演出ですから」を口癖にした
若手ディレクターを配しながらもラストに向けて
淡々と伏線を積み上げていくスタイル。
あんまり言っちゃ無粋だけど
劇場内嗚咽の嵐で天邪鬼な題名も含めて
ものすごい監督が出てきたなと思いました。
ちなみに本編内のハンディの映像が全部まりっか。
自分本位の焦りに満ちた若者の役がぴったりでした。
タバコは吸わせる必要はなかったかな?
あと松葉杖って使い方合ってたのかしら?
................ここからは雑感......................
主役の蓮佛美沙子さんサルタク役の上川周作さん。
マナカナの三倉茉奈さんなどなど
脇を固めるみんなみんな最高でした。
ハマケンは本編に出ずに
エンディングのみ在日ファンクの方が
さりげなくて好みかもしれないです…
とはいえ胡散臭いプロデューサーは
ハマり役かなと思ったり。
映画の日生まれには
良い誕生日プレゼントでしたね🎂
全6件を表示