「泣けぬなら 泣かせてみせよう 園田梨枝 by瀬野咲」女優は泣かない uzさんの映画レビュー(感想・評価)
泣けぬなら 泣かせてみせよう 園田梨枝 by瀬野咲
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冒頭、瀬野が車を出した際にかかる一発目のBGMで、この作品の雰囲気が一気に掴める。
予想通り、序盤は「そんなことある!?」ってくらい大袈裟で脱力系のコメディ。
BGMでリアリティラインが下がっているため、梨枝と瀬野、そしてサルタクの会話劇を楽しんだ。
しかしその中でも、梨枝の転落や園田家の確執、瀬野の仕事中とは違う一面を散りばめてくる。
カリカチュアライズされ、笑いに変えてはいるものの、お互い仕事をモノにしようと必死なのも伝わった。
緩衝材的に、絶妙に空気が読めないサルタクがいい塩梅。
後半、上手くいきかけた関係性をブチ壊す出来事が起こる。
瀬野の行いは当然責められるべきだが、上記の必死さに覚えがある自分には、その悔恨も含めて共感してしまった。
シリアス面でのBGMがあざと過ぎたり、弟が高校生に見えなかったり、切り抜きおじさんが分かりやすかったり…
欠点もあるが、それでも涙腺が緩む瞬間があった。
マナちゃんの声だけの泣きの演技と、蓮佛さんの表情のみの泣かない演技の対比が見事。
父や姉とのわだかまりが溶けるには、クライマックスが弱かったのがやや残念。
それでも晴れやかに劇場を後にできる佳作でした。
それにしても、ソファのみならずトイレまで付いた個室とは、園田家は資産家か?笑
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