「非常に教育的かつ政治的」エクソシスト 信じる者 あっさり醤油ラーメンが好きさんの映画レビュー(感想・評価)
非常に教育的かつ政治的
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誰が裏切るのか。それぞれの愛する娘を救うために、誰が。
悪魔に憑かれた二人の少女のうち助かるのは一人。さあ、どちらを選ぶ?
悪魔の誘いに乗って裏切ったのは白人の父親。しかし、彼の娘は死に、選ばれなかった黒人の娘が助かることに。もしこれが逆なら人種差別以外の何ものでもないと激しい非難を浴び、公開できなかったでしょう。
また、過去に中絶した女性をそれがまるで悪魔の所業であるかのように非難しています。それも悪魔ご本人が。
2022年6月に米最高裁判所が中絶の合憲性を認めなかったことで、各州はそれぞれ独自の州法で中絶を禁止できるようになりました。これはトランプ政権の成果と言われており、このシーンには共和党色が強いと感じざるを得ません。
ホラー映画の金字塔の流を汲む本作が、これほど教育的かつ政治色の強い映画とは予想していませんでした。怖かったか怖くなかったかと問われれば、あんまり怖くなかったかな。
バチカンが悪魔祓いを認めないからと儀式に参加しなかった司祭が思い直して後から参加したものの、悪魔に憑かれた少女達の両親を含む全然素人のエクソシスト達が少女達に触ってはならないと言っていたのに、さも当然のように二人の頭に触ってしまい、首を捻じ曲げられてあっという間に死んだシーンには全米が突っ込んだ(失笑した?)ことでしょう。
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