「拍子抜けしました」エクソシスト 信じる者 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
拍子抜けしました
1974年の『エクソシスト』から、ちょうど50年後のお話。
エクソシストシリーズにおいては、過去、1作目の『エクソシスト』『エクソシスト2』『エクソシスト3』まで観ており、『エクソシスト』においては、過去に何度か観ました。3においては、まあまあ好きな作品でこちらも何度か観ました。かなり昔なので、詳しいところを忘れており、最近、1から『エクソシスト ビギニング』まで4作通して観て、今回、この『エクソシスト 信じる者』に挑みました。でも、満足できなくて、正直なところ、がっかりしてしまいました。
どのような展開になるかわからない前半はまだよかったのですが、聖職者(神父)も存在しない悪魔払いに迫力がなく、まず、ここで興ざめしてしまいました。元修道女のナースは祈祷するも自信なさげで力不足。後から参加した神父は優柔不断であっという間にやられちゃいました。パズズって、すっごーい邪悪な悪魔ですやん! そんなもん、ちょっとやそっとで追い出せるわけないと思います。神父5人ぐらい出てきても太刀打ちできず、日本の坊さんがあとから3人位参戦する、ぐらいの悪魔を追い詰める緊迫感と荘厳な儀式が欲しかったです。また、一体の悪魔が2人の子供に取り憑いているっていうのは新発想だったのでしょうが、「こじつけ」のように感じてしまい、これも自分は違和感ありました。子供たちが森でこっくりさん(降霊)を行ったがために、別の悪魔がもう一体、降りてきた、みたいな感じの方が話も膨らみ自然な流れではないかと。
結局、キャサリンの父が「お前を選ぶよ」と、悪魔の口車に乗って叫んでしまったので、キャサリンが死んでしまったということなんでしょうが、アンジェラだけ助かったというのは後味悪かったです。キャサリンは「意識の戻らないまま」という状態にしてほしかったです。だいたい、キャサリンが亡くなっているのに、アンジェラ親子が抱き合ってもこのシーンは全く生きてこないです。
最後にナースのアンが「悪は何だと思う?」と、悪魔と人との関わり合いについて語るところがありますが、説明的すぎて、ここもあまり好きじゃありません。
第1作目のリーガンの母クリス(エレン・バースティン)が登場し、最後にリーガン(リンダ・ブレア)が出てきたところは、よかったです。出番はちょっとで友情出演みたいでしたが。エレン・バースティンは相当な年のはずなのに美を保っていました。リンダ・ブレアも愛らしい面影が残ってました。しかし、クリスの登場がなければ、正統続編と言うには、つながりが薄すぎるような。前半のハイチの地でヴィクターの妻が妊娠中に祈祷してもらったときに、悪魔(パズズ)と何らかの接触があったのかと思ったのですが、これは関係なかったようですし。
いろいろ書いてしまいましたが、エクソシストシリーズに思い入れがあり、期待しすぎたのかもしれません。