「最近の映画という感じ。」エクソシスト 信じる者 でゑさんの映画レビュー(感想・評価)
最近の映画という感じ。
この映画がオリジナルの第一作に敵わないと言う人がいるけど
そんな事は当たり前であってあえて言う事もないと思う。
ただ思ったのは過去の作品のリメイクや続編と言うのは
過去の作品に対して多大なリスペクトをもって描かれている事が多いけど
この作品も過去の作品に対しての多大なるリスペクトを感じた。
例えば最初黒人の女の子とお父さんが戯れあうシーンがあったりするけど
このシーンは第1作目をリスペクトしながらも
真の二作目がこれであると言う宣言なのであろう。
第一作目を知っているものからすると
とても感慨深いシーン。
こう言った感じで過去のホラー作品のリスペクトを出していたのが
例えば森の中に失踪したと言うのは「ブレアウィッチ・プロジェクト」の発想そのままであるし
白人の女の子が教会の中を通ってくるのは
まるで「オーメン」のワンシーンの様だった。
まあそんな感じで遊び心もあって良かった。
唯一残念だったのは度々悪魔の顔がサブリミナル的にスーパーインポーズされるが
アレがちょっと余計だったかなと思う。
これもイタリア系ホラーなど過去の作品で使われていた手法で
それに倣ったのは分かるけど
元々エクソシストの第一作にはあったノーブルさが無くなってしまっている。
いやホラーなんだから怖がらせてナンボでしょと言うのは分かる。
でもエクソシストはだんだん少女が豹変していくところで充分得体の知れない恐怖があるので
ああ言う子供騙しみたいな手法は無くてよかったかなとも思う。
単純に怖い想いをしたい人もいるのだろうけど。
バチカンの公式見解としてエクソシストを執り行うのは罷りならぬと言うのはある意味現代的な解釈かなと思うけど
その為エクソシストを執り行うのは全員素人集団だったと言うのも
まあそうなるだろうなと言う感じ。
まあこれ以上は完全なネタバレになってしまうから
敢えて語らないけど
結局悪魔の巧妙な罠によって驚きの結末を迎える。
今年の夏頃に「ヴァチカンのエクソシスト」と言う作品を見て思ったのは
アレも悪魔が手を変え品を変えエクソシストの弱みに付け込んでいくのだけど
アレ以上の仕掛けが施されている。
いやもう原作の発想が悪魔的だよなという感じ。
よく考えたなと感心する。
あとこれもネタは明かさないが最後の最後に驚きのシーンがあるのだけど
それを見た当初は流石に声が出たけど
別にあのシーンが無くても良かったんじゃないかと思う。
評価する向きも多いだろうけど
作品としては完全に蛇足だなと思う。
まあ企画段階でこのシーンを入れようと言う提案があったのかもしれないけど
別に最後のシーンが無くともそこそこ良い映画なのは間違いないんだけどなと言う気分。
物語は今だ終了しておらず
恐らく第三作目があるのだろうなと言う気になるけど
まあちょっと無駄な部分が今回多かったかなと思う。
発想は本当に秀逸でなるほどそう来たかと言う気分になる。
悪魔ならそうするよねって事だ。
結論としては非常に面白い作品ではあったし
映画への愛情、過去の作品に対してのリスペクトも沢山感じられるけど
ちょっと余計なシーンがあったと言う事で星4つが妥当だと思う。