「残念だが素直な感動に浸れる事は無かった!重要な時間的要素が不安定に感じたかな。」52ヘルツのクジラたち The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
残念だが素直な感動に浸れる事は無かった!重要な時間的要素が不安定に感じたかな。
気が付けば3月。もうね時間経過が早いよ、そして新作公開ラッシュな時期に来ており見過ごすと時間都合上劇場では見れない作品も出てきそう。
そんな中、今日は期待の「52ヘルツのクジラたち」を観に行ったよ。
ズバリ観た感想だけども、大賞受賞作品にしては展開が浅い目と思えた。
原作ではシッカリした内容を形成していると思うのだが、いかんせん脚本&演出がもう一つに感じました。この作品は親子間に抱く心の不安定な状態とそのケア的な要素点が上手くリンクし絡む所が大変重要なポイントな作品なんだろうと感じます。
しかし 映画を観ていて何で今それするの?って場面が多いでしょうか。
多分一つ一つの心の流れ描写に丁寧な時間をかけないと 上手く感動の波が経っていかないと思うのですが、映画と言う時間的な制約上、追われて次の場面へ移ってしまっている感じが受け取れます。そこがとっても残念でしょうか。
よって もうちょっと深めな感情が有ろうと思うのですが それが感じられず浅い目な感受となってしまいました。
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この作品は 2021年の本屋大賞受賞作品
原作:町田そのこさん
監督:成島出さん
MC:
①家族:
三島貴瑚(主人公):杉咲花さん
三島由紀(貴瑚の実母、娘叩く首絞める):真飛聖さん
三島の父(由紀の再婚相手、病気で要介護)
②家族:
岡田安吾(元女性⇒男性そして自殺):志尊淳さん
岡田典子(安吾の母):余貴美子さん
③家族:
少年(愛(いっちゃん)捨てられた子供 一見女の子?でも男の子):桑名桃李さん
品城琴美(捨てた子供のヤン母):西野七瀬さん
千穂さん(少年の祖母 主が探し尋ねたが病死)
④家族:
村中真帆(主の祖母宅直した大工):金子大地さん
村中サチエ(大工さんの祖母?):倍賞美津子さん
⑤家族:
新名主税(会社上司、貴瑚の彼氏):宮沢氷魚さん
※会社社長の息子、主以外に本命の婚約者いたが破談になる。
牧岡美晴(主の親友 とっても良い人):小野花梨さん
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(疑問に思う点:)
・安吾は貴瑚へ、”君の幸せを心の底から願っている”・・・この言葉が何度も出てくるのだが、その深い思いが伝わって来ない。主と共鳴共感している点が見えて来ず分からない。生まれながらの番い(ツガイ)とまで言ってるのだけどな。過去の共通点を探しても 安吾は母に愛されていたと思うし。新名へは暴露ネタ送りつけるし、そこまで思うのなら 主へ元同性でも愛を告白するべきである。それでダメなら諦めれば良いだけだと思うのだが。それをセズ、良い人ぶっているだけにしか思えない。
母に男性へ性転換がバレたから? 他人の幸せを破談にして制裁したのが知れたから? 責任感じて直ぐ自殺? これも分からない。精神が脆いと思う。なのに新名にはあんな事する勇気は有るんだ、そこが理解不明。普通に嫉妬狂いと思う。
・三島貴瑚と牧岡美晴との街で偶然会った時の場面。母に叩かれて首絞められて罵られて、介護してるピークが来てて それで街を彷徨ったんでしょう?違う?
トラックに跳ねられそうなのを助けられて お互い気が付いて。
なのに直ぐに 飲みに行こう??? 有り得んわぁ。先ずは病院かな。真っ先に居酒屋は無いと思う。
あの居酒屋で 三島貴瑚(杉咲花さん)の涙ながらの心の吐露は凄く良かった。
今作 杉咲花さんは全編通して凄く良い味を出してたなと思います。
・村中サチエ(倍賞美津子さん)登場辺りから やっといい感じに成って来たなと思いましたが、”子供はペットじゃないんだよ” この言葉ね。良いよね。なんか暴力的な問題が起こっていて、見たり聞いたりしているのに警察沙汰にスグに絡んで行かないのがちょっとモドカシイかな。現実味からかけ離れている思いがします。
・52ヘルツのクジラたち・・・”たち”なんだね。
どの家族の人々もこの孤独で鳴く(話す)クジラの様って事なんだ。
人によっては何処となく似た様な場合、深く秘めた心に入って来ない様にしているかもですね。死ぬ程では無いけども 案外寂しい作品に感じました。
※他に「52ヘルツの鯨」(2018年邦画作品)って言う作品が既にあった様ですね。
ご興味ある方は、劇場へどうぞ!