「主人公の戦闘力高すぎ問題が、もはや議論の対象にすらならない一作」イコライザー THE FINAL yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公の戦闘力高すぎ問題が、もはや議論の対象にすらならない一作
理不尽な(組織的)暴力に対して、理不尽なほど強いデンゼル・ワシントンが切り込んでいく本作。もはや主人公、マッコールがどれだけ強いか描写したところで話題にすらならないため、いきなり組織を壊滅させているところから始まるという思い切った場面から幕を開けます。
このシリーズはアクションというよりもホラーでは、という評判もうなずけるほど、マッコールの◯倍返しっぷりは常軌を逸している、というか念入りかつ残虐で、悪そうな敵役よりもマッコールの佇まいの方が恐怖心をかき立てるほどです。まさか本作に牧歌的な展開を期待している人はいないでしょうが、往年のチャールズ・ブロンソンの傑作シリーズ『DEATH WISH』(ブルース・ウィリス主演の作品じゃなくて、『狼よさらば』の方)のように、市井の人々の側に立って悪役を叩きのめす爽快感を期待している人ですら、ちょっと戦慄するかも。
シチリアを舞台にしているということで、『ゴッドファーザー PART II』(1974)を彷彿とさせる場面や、伝統行事の描写も盛り込まれています。なぜか最近のアクション映画で大人気のイタリアですが、本作はロケーション的特徴の使い方が独特で、これもまた鑑賞の楽しみの一つになっています。
今度こそマッコールに、心の平穏が訪れるといいですね…。
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