「こういうのでいいんだよ!」イコライザー THE FINAL おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
こういうのでいいんだよ!
人気アクション「イコライザー」のシリーズ第3弾にして最終章。第1作は未鑑賞、第2作は鑑賞済みですがほぼ忘れている状態で、予告の秒殺シーンに惹かれて公開初日に鑑賞してきました。
ストーリーは、あるものを取り返しに訪れた悪党のアジトで傷を負ったマッコールが、担ぎ込まれた先の医者に助けられたことから滞在することになったイタリアの田舎町で、人々の温かさに触れて傷も心を癒やされて平穏な日々を過ごしていたが、その町を暴力で支配する悪党どもから人々を守るため、再びイコライザーとして立ち上がるというもの。この上ないシンプルなストーリーで、初見でも十分に楽しめます。
冒頭から惨たらしい死体が転がる凄惨な殺戮現場が描かれます。下手なホラーよりよっぽど怖い屋敷の中をカメラが進んでいくと、奥には銃を突きつけられながらも余裕の表情でワインを飲むマッコール。そして、予告の9秒シーン!一気に作品世界に引き込まれると同時に、すべての殺戮はマッコールの仕業だったことがわかり、この男のヤバさが強烈に印象づけられます。
そんなマッコールが、しばらく身を寄せることになったアマルフィ海岸の田舎町。美しい風景、優しい人々、平穏な日常が、マッコールはもちろん、私たち観客をも癒してくれます。傷つき、渇き、冷え切ったマッコールの心に、赦しと潤いを与える大切なシーンで、イコライザーの象徴ともいうべき腕時計を外す彼の気持ちに寄り添えた気がします。
だからこそ、この町に蔓延る悪党どもは許しておけない!警告はした、それでも引かないというなら俺が相手だと言わんばかりに、マッコールの鉄槌が容赦なくくだされます。クライマックスは、冒頭シーンに勝るとも劣らぬ残酷シーンが続きますが、そこに同情の余地は1ミリもありません。彼を怒らせたお前たちが悪い!
そして終盤。冒頭の襲撃の理由、情報の提供先としてコリンズを選んだ理由などが明らかになり、鮮やかな伏線回収でさらに心地よさを感じます。ラストはマッコールの穏やかな笑顔が印象的で、熱いものが込み上げてきます。ド派手なアクションこそありませんが、必要な要素は詰め込んでコンパクトにまとめた、なかなか味のある作品に仕上がっていると感じます。
主演はデンゼル・ワシントンで、人の優しさに触れ、静かに闘志を燃やすマッコールを好演しています。脇を固めるのは、ダコタ・ファニング、デビッド・デンマン、ガイヤ・スコデッラーロら。
Movie Angelさん、共感&コメントありがとうございます。
一作目をおすすめいただき、ありがとうございます。時間がとれたら観てみたいと思います。やっぱりシリーズものは、そこを外しちゃダメですよね。
映画は観ましたが、レビューは書いていません。しかし、おじゃるさんの、いつもながらのワクワクする文章にハマりました。
その楽しさに共感の一票を入れさせて下さい。