日高麻鈴、主演映画「麻希のいる世界」での模索を経て高まる更なる意欲
2021年12月28日 10:00
日高は、2015年からアイドルグループ「さくら学院」に所属して活動していたが、19年3月に開催された「The Road to Graduation 2018 Final ~さくら学院 2018年度 卒業~」をもって卒業。同年5月に公開された公開された小松菜奈&門脇麦主演作「さよならくちびる」では、「さくら学院」で同じ18年度卒業生だった新谷ゆづみと共に銀幕デビューを果たした。
「さよならくちびる」で新谷と日高に非凡な才能を感じた塩田監督は、2人を想定してオリジナル脚本を執筆し、「麻希のいる世界」を製作。重い持病を抱え、生きることに希望を持てずにいた高校2年生の由希(新谷)は、同年代の麻希(日高)と海岸で運命的な出会いを果たす。麻希は男性関係の悪い噂が原因で周囲から嫌われていたが、彼女の勝ち気な振る舞いは由希にとって生きるよすがとなり、2人は行動をともにするようになる。麻希の美しい歌声を聞いた由希は、その声で世界を見返すべくバンドの結成を決意。一方、由希に思いを寄せる軽音部の祐介(窪塚愛流)は麻希を引き離そうとするが、逆に2人の音楽づくりに協力することになる。
22年1月29日の公開に先駆けて、第22回東京フィルメックスで特別招待作品として11月6日にプレミア上映された。日高も舞台挨拶に登壇したが、上映から1カ月半が経過し、どのような手ごたえを感じているのだろうか。
「実感としては、皆さん、いろんな意味でとても衝撃を受けただろうな~って(笑)。撮影を終えてから今まで映画の公開を楽しみにしてくださった皆さんが、どんな表情でこのお話を見て、何を感じてくれるんだろうって私もすごく楽しみにしていたので、とても良い意味で皆さんの期待を裏切れたんじゃないかなって思っています」
「さよならくちびる」での塩田監督との出会いから今作までは、地続きにあるといっても過言ではないだろう。2度目の塩田組で得た収穫、逆に後悔や反省についても聞いてみた。
「撮影をしていた時期は、心の中では右も左もわからないような、曇った霧の中を手探りでお芝居していたような状態だったのを覚えています。今まであまり自覚していなかったんですけど、自分ってこんなに不器用だったんだって。現場にいた泯さん、監督さんにたくさん助けていただいて、とても温かい現場でした。後悔も反省も数え切れないくらいあるし、女優としてまだまだだなって感じることがたくさんあったけれど、これからもっと頑張らなきゃいけないって思いっきり背中を叩くきっかけになりました」
高校生活ラストイヤーになるが、「高校生最後の今ある当たり前を、大切に噛み締めながら過ごした1年だったと思います」と思いを馳せる。さらに、「毎日どこにいても『これで最後』って言葉が頭の中を回っていたし、この何気ない日々が終わってしまうんだと思うととても悲しくて。いつもだったら、おばあちゃんみたいにゆっくり生きてた日常を、エネルギッシュに過ごそうと必死でした。たくさん悩んで、いっぱい笑って、心の中がいろんな色であふれていた1年でした」と胸中を明かす。
新年を目前に控え、今後はどのようなことを目標に見定めているのか問いかけてみると「この3年間で舞台、ミュージカル、映画と幅広くお仕事をさせていただきました。『ミュージカル女優になりたい!』と言って『さくら学院』を卒業してここまできましたけど、今は舞台やミュージカルに限らず、映像や音楽なども通して、ジャンルを問わず幅広く皆さんに寄り添えるような存在になりたいなと強く思うようになりました。もっとお芝居も歌も磨いて、自分に負けない1年にしたいです」と意欲をみなぎらせていた。
フォトギャラリー
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
第86回アカデミー作品賞受賞作。南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。1841年、奴隷制度が廃止される前のニューヨーク州サラトガ。自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られてしまう。狂信的な選民主義者のエップスら白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロモンは決して尊厳を失うことはなかった。やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。