劇場公開日 2021年4月2日 PROMOTION

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裸の天使 赤い部屋 : 特集

2021年3月29日更新

会社社長が週に一度、冴えない中年の扮装で秘密の逢引
愛欲地獄の果てに何が? 危うく甘美な官能サスペンス

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死ねば、ずっと一緒にいられる――?

4月2日に公開を迎える「裸の天使 赤い部屋」は、ある男性が不思議な少女と出会い、逃れようもなくのめり込んでいく姿を描いた官能サスペンスだ。主演は名脇役・木下ほうか、ヒロイン役は話題の新星・中山来未が務め、快楽と破滅の匂いが立ち込める愛欲地獄を体現した。

男と少女の旅路の果てには、一体何が待ち受けているのか? 映画館という“閉じた暗闇”へ足を運び、危うさが横溢する“人の業”を垣間見てもらいたい。


【予告編】江戸川乱歩の傑作短編を大胆に脚色 見てはいけない、後ろ暗い欲望…

会社社長が、奇妙な状況で、不思議な少女と出会った
江戸川乱歩の短編を翻案、人を狂わす愛欲地獄を描く

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○不動産会社社長・松永には趣味があった 週に一度、冴えない中年のふりをして、秘密の隠れ家で過ごすこと――

不動産会社を経営する松永(木下)は、週に一度だけ、冴えない中年男の扮装をして秘密の隠れ家(かつて両親が暮らしていた家屋)で過ごす、という趣味があった。この日も社会的地位も家族も何もかも忘れるため、会社を出て高級なスーツからしわくちゃのポロシャツとスラックスへ着替え、隠れ家へやってきた。

扉をくぐり、一息ついた時、背後に女性(中山)が立っていることに気がつく。年齢は20歳前後だろうか。女性というよりは、彼女はまだ少女と言えた。「おじさんを待ってたの」。松永の困惑など構わず、少女は文子と名乗った。その日を境に、得体の知れない文子との、週に一度の不思議な関係が始まった。

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松永が「君のことを教えて」と聞くと、文子は「何にもないよ」と言う。「おじさんのことを教えて。だっておじさんは、本当を言うでしょ。嘘つかない。私の知ってる男たちと違うの」。

文子は何者かもわからない。どう考えても、このまま逢瀬を重ねるには危険すぎる。「もう会わないようにしよう」。そう固く決意しながらも、気がつけば隠れ家へと足を向けている。「ただいま」と明るい声を上げ、「会いたかった」と文子を抱きしめてしまう。

松永は文子に、文子は松永にどうしようもなく惹かれ、甘美な関係へと転落していく。ところが、ある日。隠れ家へ向かう道中、松永は職業不詳の男(仁科貴)に話しかけられ、「文子に会うな」と告げられる――。

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○原作は短編小説「畸形の天女」 官能サスペンス「赤い部屋」へようこそ

大正から昭和にかけて活躍した、日本を代表する文豪・江戸川乱歩の短編小説「畸形の天女」を大胆に脚色し、現代の物語として映画化。人間の“見てはいけない”後ろ暗い欲望にスポットを当て、深淵な映像世界を紡ぎ出す。

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実は本作、乱歩の短編小説を映像化する「赤い部屋」シリーズの第2弾作品でもある。複数の作品からなるサーガのどれか一編に触れれば、強烈に“残りすべての部屋の扉”を開けてみたくなる。監督は「失恋殺人」「D坂の殺人事件」「屋根裏の散歩者」「メビウスの悪女 赤い部屋」と、乱歩作品を原作に作品を創出し続け、ヒットを連発する窪田将治が務めている。強いこだわりが刻まれた妖艶な世界を、スクリーンで目撃してもらいたい。


最恐の名脇役・木下ほうか、久々の主演作で魅せる熱演
ヒロイン役・中山来未は危うい“少女性”と覚悟の好演

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○怪優・木下ほうか 演じるは“イヤミ”ではなく“普通の男”

主演を担うのは、日本の映画・ドラマには欠かせない名優・木下ほうか。これまでドラマ「昼顔 平日午後3時の恋人たち」の妻いびりに精を出すイヤミな夫や、「下町ロケット」の冷酷な帝国重工・宇宙航空部本部長役など、“個性的で恐ろしい悪役”を多く演じてきた。

しかし久々の主演である本作「裸の天使 赤い部屋」では、打って変わって“普通の男”を演じる。会社社長として、また一家の主としての役割を果たしつつ、その重責をひととき忘れるための趣味に勤しむ。

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その悦楽の最中に文子と出会い、深い混沌へと迷い込む……。危険で、だからこそ甘美な愛欲のるつぼから抜け出せない男の悲哀と罪深さを、筆舌に尽くしがたい熱気で演じている。

最注目はラストシーン。この男の発言、そして歪む口元に注視してほしい。木下ほうかという俳優の新たな“魅力”が発見できるはずだ。

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○話題の“ラストヒロイン”中山来未 透明感と危うさが同居した稀有な存在感

本作の出来を左右すると言ってもよいヒロイン・文子役には、歌手・女優として活躍する中山来未。東海テレビ制作のストイックなオーディション番組「ザ・ラストヒロイン ワルキューレの審判」において、15万人の応募者のなかから勝ち抜き、最後の一人“ラストヒロイン”に選ばれた注目女優だ。

可憐さと儚さと、あどけなさと少女性の一方で、その奥底には“近づけば食われる”魔性が眠っている。松永は文子が畳の上で披露したダンスを見て、体が痺れるような感覚を覚える。スリットのはいったデニムのスカートをするすると脱ぎ、誘惑するその姿は、劇中のセリフを借りれば“甘美な悪魔”だ。

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中山は本作で一糸まとわぬ姿を見せ、初の濡れ場にも挑戦。“体当たり”という言葉では片付けられない熱演中の熱演は、新たなスターの誕生を予感させるに余りある。


「赤い部屋」はまだ続く――
すべて目撃した時、新たな“扉”が開く

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記事の序盤でも述べたが、本作は江戸川乱歩の短編小説を映像化する「赤い部屋」シリーズの第2弾作品だ。第1弾は「双生児」を原作とする「メビウスの悪女 赤い部屋」(清水楓主演/2020年公開)。“双子の姉”の婚約者に恋するあまり、姉を殺して“自分が姉になりすます”妹の愛欲を描いた。

さらに「裸の天使」の次作に、「悪魔人形」を原作とする「聖なる蝶 赤い部屋」(波岡一喜主演/4月16日公開)が控えている。「赤い部屋」シリーズの各作にはほかの作品の人物が登場しており、「裸の天使」にも波岡一喜らがしれっと紛れ込んでいたりするので、目を皿のようにして探してみるといい。

“赤い部屋サーガ”はまだまだ続く。すべての作品を鑑賞したとき、サーガの幕は下り、新たな愛欲の“扉”が開くだろう。

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