コラム:編集部コラム やっぱりアニメはヽ(´▽`)ノ日本が一番 - 第31回

2015年2月18日更新

編集部コラム やっぱりアニメはヽ(´▽`)ノ日本が一番

第31回:シャアはいかにして誕生したか?「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」開幕

「スター・ウォーズ」をこれから見ようと思うけれど、作中の時系列通りにエピソード1から見ればいいのか、それとも製作された順にエピソード4からがよいのか――。そんな悩み(?)をたまに耳にするのですが、日本のSFアニメの金字塔ともいえる「機動戦士ガンダム」でも、同じようなことが言われる日がくるかもしれません。

赤い彗星ことシャア・アズナブルの少年時代から物語は始まる
赤い彗星ことシャア・アズナブルの少年時代から物語は始まる

2月28日から2週間限定の劇場上映が始まる「機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル」は、1979年に放送され、いまなお高い人気を誇る「機動戦士ガンダム」の、いわばエピソード1的作品で、今後は「機動戦士ガンダム」を見る前に、「THE ORIGIN」から見た方がいいかな? なんていう声が聞こえてくる日がくるのかもしれないと思わされます。

物語の時代設定は、「機動戦士ガンダム」で描かれた一年戦争が繰り広げられる宇宙世紀0079年より10年をさかのぼる、宇宙世紀0068年。「機動戦士ガンダム」では主人公アムロ・レイの属する地球連邦と、ライバルであるシャア・アズナブルのいるジオン公国との戦争が主軸に描かれましたが、今作は後のジオンとなるムンゾ自治共和国が舞台。地球連邦政府からの独立を宣言しようとした共和国の議長ジオン・ズム・ダイクンが議会檀上で演説中に突然倒れ、命を絶たれる。副議長デギン・ソド・ザビの率いるザビ家はダイクン死後の共和国内で権力を掌握しようと暗躍し、ザビ家と対立するラル家は、ダイクンの遺児、キャスバルとアルテイシアをかくまうが……。

幼き日のキャスバルと、後のセイラ・マスとなる妹アルテイシア
幼き日のキャスバルと、後のセイラ・マスとなる妹アルテイシア

ガンダムシリーズの中でもさまざまな名言などを残し、作品を知らない人にもその存在は広く知られているであろう、シャア・アズナブル。彼がまだキャスバル・レム・ダイクンという名の少年であった頃から始まり、いかにしてあの仮面をかぶり、シャア・アズナブルになっていったのか、その物語を全4話で描くシリーズで、今回はその第1話になります。

まだまだ物語はこれから始まるというところですが、この第1話だけでも、ジオン・ダイクンの暗殺や、その後のザビ家の暗躍、ラル家の奔走など、これまでは設定として語られていただけのバックボーンが映像となって明確にされ、アムロ・レイに戦士として大きな影響を与えたランバ・ラルや、ギレン、キシリア、ドズル、ガルマというザビ家の兄弟たちの若き日の姿は、古くからのガンダムファンにとっては、感慨や驚きもあるはず。

「通常の3倍」の速度が生み出す迫力が最新映像で描かれる戦闘シーン
「通常の3倍」の速度が生み出す迫力が最新映像で描かれる戦闘シーン

「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインを務めた安彦良和氏が、同作に独自の解釈も加えてコミカライズし、2001~11年にかけて連載した漫画(単行本全23巻)が原作ですが、すでに漫画版を読んでいる人にとっても、安彦氏の絵がそのまま動いているような美麗なアニメーションや、メカアクション演出の雄・板野一郎氏が演出した迫力の戦闘シーンなど、見どころは多数。

近年のガンダム作品には珍しく、コミカルな演出も随所に見られますが、シャアことキャスバルだけは一貫してシリアス。これから始まるであろう、過酷な運命をすでに予感させており、宇宙世紀に名を残す傑物がいかにして誕生していくのか、先の展開が気になる物語が幕を開けます。

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■「機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル
2015年/日本
総監督:安彦良和/監督:今西隆志
声の出演:田中真弓、潘めぐみ、池田秀一
2月28日から、新宿ピカデリーほかにて劇場上映
作品情報

筆者紹介

映画.com編集部のコラム

映画.com編集部・あさかよしあき。編集部のアニメ好き。若手女優やアイドルのチェックにも余念がない。もちろん普通に映画も好き。

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