コラム:編集部コラム やっぱりアニメはヽ(´▽`)ノ日本が一番 - 第3回
2012年9月14日更新
第3回:2011年話題のTVシリーズがスクリーンへ
アメコミヒーロー映画が多数登場した夏休みが終わり、少し寂しさも覚える秋。今度は日本のヒーローがスクリーンに登場します。2011年に話題を集めたTVアニメーション「TIGER & BUNNY」(通称「タイバニ」)の劇場版第1弾「劇場版 TIGER & BUNNY The Beginning」が9月22日から公開です。
近未来都市シュテルンビルトを舞台に、「NEXT(ネクスト)」と呼ばれる特殊能力をもった人間たちが、ヒーローとして街の平和を守るため戦う姿を描いたオリジナルアニメーション。制作は「機動戦士ガンダム」などでおなじみのサンライズ。劇場版は2部作となることが決定しています。
今回の第1弾は、TVシリーズの1~2話をベースにしているので、TV未見の観客にも導入編として最適。TVシリーズでは描かれなかった新作エピソードも加えられており、TV版を見ているファンには、ここから第2弾へどう続くのか、展開が気になるものになっていると思います。また、既存部分にも細かく修正や新作カットが加えられているので、違いを探してみるのも楽しいかもしれません。
同作が話題を集めた要因の1つに、「キャラクター・プレイスメント」と呼ばれる、キャラクターに実在する企業広告を入れるというビジネス手法があると思います。たとえば主役のワイルドタイガー(虎徹)&バーナビーのコンビには、ソフトバンクやファミリーマート、バンダイ、アマゾンが広告を出しています。この試みはビジネス誌などにも紹介されていました。
とはいえ、そうした設定だけが先行するのではなく、一貫した物語性と個性的な登場人物たちが魅力的だからこそ、多くの人をひきつけたと思います。主役コンビが次第に友情を育んでいく姿は、バディムービーとしても秀作です。バーナビーが次第に虎徹を認めるものの、基本はクールなのでどこか“ツンデレ”っぽさがあったり、有名なお姫様抱っこのシーンなど、この2人の関係性は女性目線で見ると胸キュンもの。劇場版でも当然2人からは目が離せません。男性ファンには、セクシーコスチュームに身を包むブルーローズのちょっとうれしい新作カットがあったりするので、お楽しみに。
いずれにせよ、劇場版第2弾まで話題が続くことは必至の作品。まだTVシリーズを見たことのない人は、この機会にぜひと思うところです(そして、気に入ったら第2弾までにTVシリーズを見ると、なお楽しめると思います)。
ところで「タイバニ」同様、2011年に話題になったTVシリーズといえば、「魔法少女まどか☆マギカ」の劇場版も間もなく公開です。「僕と契約して、○○になってよ!」というネット流行語も生んだ、あの話題作です。作品を見ていなくても、このセリフをどこかで聞いたことがある方も多いのではと思います。
こちらはTVシリーズ全12話を再構成した前後編を10月6日、10月13日に連続公開し、新作となる3作目(公開時期未定)が続きます。「タイバニ」も前編がTVのまとめ、後編が新作という構成。TVシリーズからスタートし、再編集劇場版、新作劇場版と続く話題作が、奇しくも同時期にでそろうことにも注目です。
2011年は、上記2作のほかに「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や「輪(まわ)るピングドラム」といったTVシリーズが話題になりました。いずれの作品にも言えるのは、ストーリー性の高いオリジナル作品であるということ。しかも「あの花」も映画化が決定しており、「ピンドラ」も詳細不明の「ピングベアプロジェクト」なる新企画があるようです。
日本のアニメーション業界の頑張りが、映画界の盛り上がりにつながることを期待せずにはいられません。