コラム:編集部コラム やっぱりアニメはヽ(´▽`)ノ日本が一番 - 第19回
2014年1月24日更新
第19回:“正統派アイドル映画”「THE IDOLM@STER」劇場版、製作の舞台裏
今月のアニメコラムも、先月に引き続きトーキョーアニメニュースとのコラボ編。多数のアイドルアニメが放送され、ブームとも言える様相を呈している昨今。そのブームの土台を築いたとも言える人気作「THE IDOLM@STER」の劇場版が満を持して登場。製作の舞台裏を知るプロジェクト総合ディレクターとプロデューサーへのインタビューをお届けします。
取材・文・写真:トーキョーアニメニュース
「THE IDOLM@STER」とは、765プロという弱小芸能プロダクションのアイドルたちを育て上げ、トップアイドルを目指すというアイドル育成ゲームである。2005年にアーケードゲームとして登場したのを皮切りに、近年は家庭用ゲームを中核として、ソーシャルゲームや出演声優によるラジオ・ライブなど、さまざまな広がりを見せる一大コンテンツに育った。その一翼を担うTVアニメの続編となる、劇場版「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」の公開が1月25日に迫る。今回は、アイドルマスタープロジェクト総合ディレクターである株式会社バンダイナムコゲームスの石原章弘氏と、株式会社アニプレックスの鳥羽洋典プロデューサーに、本作の見どころや制作の裏話をうかがった。
TVアニメ版の放映は2011年。その後、TVアニメ版のOVA的立ち位置の作品として、2012年に「THE IDOLM@STER SHINY FESTA」(以下「シャイニーフェスタ」)が発売された。それと前後して、劇場版の構想はあったという。しかし「これまでの展開において、ある程度描き切った感はあったので、新しいテーマがないなら、作る意味はないと考えていた」(鳥羽氏)。
そんな中で、ソーシャルゲームの開始や横浜アリーナライブなどの新展開に刺激を受け、「TVシリーズで描いた『みんなとがんばる』ということを超えて、今度は『今までのメンバー以外のアイドルたちと一緒に、ひとつの目標に向けてがんばる』という、次のステージが見えてきた」(鳥羽氏)と、765プロのアイドルたちが進むべき次のステップを定めるに至った。
「劇場版の物語の柱は、先輩アイドルが後輩たちを引っ張っていくという図式」(石原氏)。その後輩アイドルとして登場するのは、ソーシャルゲーム「ミリオンライブ!」のキャラクターたちだ。彼女たちはゲームではすでにファンからの大きな支持を得ているが、アニメに登場するのはこれが初のことで、本作の目玉のひとつとなっている。しかし「新キャラが登場することで、もともと765プロのみんなが持っているいいものがスポイルされてしまうのでは意味がない。彼女たちが次のステージへ進んでいく道のりを描かなければ、というのは最初からありました」(石原氏)と、その登場には細心の配慮がなされた。
また、天海春香役・中村繪里子さんや、如月千早役・今井麻美さんら多数の出演キャスト陣も、765プロの銀幕デビューという晴れ舞台に緊張感を持って臨んだ。「みんなこれまでになく真剣でした。これまでやってきたことの結晶として考えていたようですね。一方、新キャラを演じる子たちは若手で、「私たちなんかが出ていいのだろうか?」というプレッシャーがあったようです。結果として、お互いに「いいところを見せなきゃ!」という想いの相乗効果で、いい現場になっていました」(石原氏)とのことで、その熱演に期待は高まる。
「THE IDOLM@STER」といえば、劇中で披露される楽曲も大きな魅力のひとつだ。本作主題歌「M@STERPIECE」については「シリーズの歴史の中で、転換点となるキーの曲が何曲かリリースされてきました。『M@STERPIECE』は、そうした重要なポジションの曲としての存在感が際立つ、素晴らしいデキに仕上がりました」(石原氏)と絶賛。1月29日の発売が迫るCDにも注目したい。
「『THE IDOLM@STER』をまったく知らない方でも楽しめるような、正統派のアイドル映画として仕上がっています」と本作を語る石原氏。鳥羽氏は「TVシリーズ26話、『シャイニーフェスタ』3本を経て、765プロの女の子たちもステップアップしてきました。その成長した姿を確認していただき、さらなる一歩を踏み出すところを目撃していただきたいですね」と、ファンに力強く呼びかけた。
■「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」
2014年/日本
監督:錦織敦史
声の出演:中村繪里子、長谷川明子、今井麻美
1月25日より、新宿バルト9ほかにてロードショー
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