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STORY - ストーリー

 まるで別世界から来たような天才児、ヴィトス。初めて触ったおもちゃのピアノで『ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー』を弾きこなし、幼稚園で地球温暖化について語り、お遊戯そっちのけで辞書を読みふける。なんとIQは高すぎて計測不能……。そんなヴィトスの姿に、両親のレオとヘレンは輝かしい未来を夢見るようになっていく。

 そんなある日、発明家であるレオの就職を祝うパーティが自宅で催される。来客をもてなすヘレンのために、ピアノを弾くヴィトス。かわいらしい『ちょうちょう』のメロディーに微笑む大人たち。子どもにしては上手だけど……。誰もがそう思った瞬間、突如、シューマンの『勇敢な旗手』が流れ出す。まさかこれほど上手いとは。たった半年のレッスンにも拘わらず、まるで巨匠のようにピアノを弾くヴィトスの姿に、大人たちは息を呑む。世間が神童を認めた瞬間だった。

 周囲の評判に気をよくし、「天才を育てる」と意気込むヘレン。ついにヴィトスを幼稚園ではなく、音楽学校へと通わせることを決意する。ヴィトスを立派なピアニストに育てようと、過大な期待を抱くレオとヘレン。そんな中、レオの父であり、田舎で家具工房を営むおじいちゃんだけがヴィトスをヴィトス自身として受け入れてくれた。禁止されていた刃物を使って木工作業をしたり、夢について語ったり……。おじいちゃんと過ごす時間は、ヴィトスにとってかけがえのないものになっていく。

 やがてレオの就職で多忙になったヘレンは、ヴィトスのためにベビーシッターのイザベルを雇う。「僕は赤ちゃんじゃない!」と抗議するヴィトスに、「恋人だと思いなさい」となだめるヘレン。はじめはイザベルを無視していたヴィトスだが、徐々にイザベルに心を開いていく。

 ある日両親が家に帰ると、そこにはなぜか泥酔してソファで寝込む二人の姿が。その事件をきっかけに仕事をやめたヘレンは、ヴィトスの教育に専念することを決意する。しかし、「結婚相手」と心に決めていたイザベルのクビを知ったヴィトスは、激しい怒りにかられる。やさしかったピアノの先生に続き、イザベルまでも取り上げられてしまうなんて! しかし6歳のヴィトスにできたことは、ただピアノにその気持ちをぶつけることだけだった……。

 6年後。レオは会社の重役となり、裕福な暮らしをしている。飛び級制度を利用して12歳で高校生となったヴィトスも、スーツを着てタクシーで学校に通う日々。そんな態度からクラスメイトが付けたあだ名は“教授”。授業を無視して新聞を読み、先生に問題を当てられると、「こんなのチョロイ」と即答。そんなヴィトスと周囲の人の間には、埋めようのない深い溝が広がっていた。ついにヴィトスは卒業試験を受け、学校を出て行くようにと勧告されてしまう。

 僕の気持ちをわかってくれるのは、おじいちゃんしかいない。「他の人間になりたい。普通の人に」と苦しい胸のうちを吐き出すヴィトス。そんなヴィトスの姿を見たおじいちゃんは「決心がつかなければ、大事なものを手放してみろ」と大胆なアドバイスをする。

 ヴィトスはピアノの練習量を減らそうとするが、ヘレンはその意見を認めない。逆にヴィトスに刺激を与えようと、高名なピアニストのレッスンを受けさせる。ところが、頑として演奏を拒むヴィトスのせいで、せっかくのレッスンも台無しに。その態度に激怒したヘレンは、ヴィトスの心の拠り所である、おじいちゃんとの時間までも奪ってしまう。

 思い悩んだヴィトスは、おじいちゃんのアドバイスに従いある行動に出る。ヴィトスの取った行動とは……。

監督:フレディ・M・ムーラー 『山の焚火』 
出演:テオ・ゲオルギュー 第一回フランツ・リストコンクール優勝 ブルーノ・ガンツ 『ヒトラー~最期の12日間~』
2006年|スイス映画|35mm|カラー|ヴィスタ|ドルビーSRD|121分
©Vitusfilm 2006
提供:東京テアトルポニーキャニオン 配給:東京テアトル
特別協力:ヤマハ株式会社
協力:スイス インターナショナル エアラインズ 
後援:スイス大使館
サウンドトラック:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル