宝田明「ゴジラ」最後の“日劇襲来”に感無量「終生忘れることができません」
2018年2月4日 21:05
MCを務めた「キネマ旬報」編集長・青木眞弥氏の呼びかけで登壇した宝田は、胸にそっと手を当てて、満席の客席をゆっくりと見渡した。場内は割れんばかりの拍手、そして大音量で響き渡るゴジラのメインテーマ。宝田は思わず「今年で84歳になる宝田明を泣かせないでください」と声を震わせ、時折目頭を押さえながら「今、日本中にある劇場で舞台挨拶もあり、色んな公演も終演を迎えていると思います。こんなに温かい拍手、終生忘れることができません。同僚の河内桃子、1期上の平田昭彦、名優の志村喬、田中友幸プロデューサー、円谷英二特撮監督、天におります彼らも喜んでいると思います」と万感の思いを込めた。
観客とともに上映にも立ち合った宝田は「モノクロの映画には訴える力がある」と改めて感じたという。「かつてシカゴの美術館でレンブラントの絵を前にした時、立ちすくんで金縛りにあったような感覚になった。黒の白との対比が実に見事。『ゴジラ』の画とオーバーラップします」と語ると、本作の初号を見た際の思い出を明かした。「かび臭い映写室で見て、ひとり泣きました。ゴジラがあまりにも可哀相で。彼自身も被ばく者だと考えると、オキシジェン・デストロイヤーで海の藻屑とさせてしまうのは、人間の“業”とでも言いましょうか。まるで子どものように泣きました」と振り返っていた。
アメリカで開催されたイベントを通じて「ゴジラは日本以上に、アメリカでは大ヒーロー」と実感した宝田。英語表記「GODZILLA」を例に出すと「最初の3文字は“神”のGOD。ゴジラは聖なる獣、聖獣なのかなと考えました」と話すと、ギャレス・エドワーズ監督作「GODZILLA ゴジラ」に入国審査官役としてオファーを受けた際の出来事を述懐した。「監督に会ったら、昔懐かしいゴジラのポスターにサインを求められたんです」「(出演シーンは)尺が長すぎて、結局カット。監督からは『申し訳ない、申し訳ない』と(笑)。(出演者の)渡辺謙には『お前のところ、1分か2分カットしてもらえば、俺が入るだろう』と言いましたよ」と暴露して、場内の笑いを誘っていた。
1934年生まれの宝田は、33年に産声をあげた「日劇」を“同期の桜”と言い表して「歴史ある建物が使命を終え、新たに生まれ変わることは嬉しい限り」と感激の面持ち。さらに、今後「ゴジラ」映画が日本で製作され、出演することになった場合は「セリフは何もいりません。ゴジラが日本に上陸したら、私はひとりポツンと立って、彼と相対します。私は唯一ゴジラとアイコンタクトができる。『ゴジラ、懐かしい、よく来てくれたな。でも日本はもう立ち直った。(問題のある)“他の国”へ行け』と訴えかけます」と熱を込めて語っていた。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【本作は観るべきか、否か?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか…!? 不適切報道では…?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【私が“死ぬとき”を、見届けて】あなたならどうする――? 魂に効く珠玉の衝撃作
提供:ワーナー・ブラザース映画
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー