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野村萬斎、自らを「サイボーグ009」言ってのける伝統芸能の継承者が追求するもの

2016年4月30日 08:00

自らを「サイボーグ009」と 言ってのける野村萬斎「サイボーグ009」

自らを「サイボーグ009」と
言ってのける野村萬斎
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[映画.com ニュース] 狂言師の野村萬斎が、「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」で映画として初の現代劇に挑んだ。残留思念を読み取る能力を持つがゆえに、己の殻に閉じこもった元漫才師という異色の役どころ。自らを「サイボーグ009」と言ってのける伝統芸能の継承者は、意欲的に“引き出し”を増やしながら「型」と「内実」の一致を追求し続けている。

「3歳からやっているわけですから、自分の意思に関わらず狂言という特殊な技能がプログラミングされたチップを埋め込まれているようなものです。サイボーグ009ですよね。ほとんど、島村ジョーの気持ちです」

萬斎はそう言って不敵な笑みを浮かべる。若い頃は「こんなことやっていても、女の子にもてない」とバンドを組み、バスケットボールに興じることもあったが、1985年に黒澤明監督の「」に出演したことがきっかけで意識が変わる。

「自分が外に出て戦う時に何が武器になるかといったら、やはり誰にもマネのできない能力を自分は持っている。それが時代劇のいろいろな場面や(フィギュアスケートの)羽生(結弦)選手も振り付けに取り入れてくれるというように派生していく。それは自分が生きてきた証になりますよね」

スキャナー 記憶のカケラをよむ男」は人気脚本家・古沢良太氏によるオリジナルで、主人公の仙石和彦は萬斎を当て書きしたという。それにしても、異能者、極度の人間嫌いの引きこもり、元芸人とはひねりが効きすぎている。

「こうきたかあ、というかねえ(笑)。『陰陽師』や『のぼうの城』は、自分が培ってきたものが役に立つ。今回は役に立てる場所があまりない。そういう意味では、わざと封じて演じる、チャレンジのつもりでやらせていただきました。自分の殻を破って、巣穴から出ていくようなイメージで役づくりをしようと」

失そうしたピアノ教師の沢村雪絵(木村文乃)を残留思念から捜してほしいと生徒の秋山亜美(杉咲花)に依頼され、仙石は渋々ながらも外に出ることで人間としての成長を見せる。特に「才能は自分のためじゃなく人のためにあるのよ」と思念で浮かび上がった雪絵に言われるシーンには自身を重ね合わせたという。

「狂言師として生きることが自分の存在証明になっていると常々感じているし、そのためには人のために狂言をやらなければいけない。特殊技能を持っている人間が特別な限られた人たちにするのではなく、もっと広義に考えなくてはいけないという、心に響くとても効いた言葉でした」

多忙な中で積極的に映画やドラマ、舞台などに出演し研さんを積むことで、常に新たな野村萬斎像を生み出し続ける。当然、獲得した糧が狂言にフィードバックされることもあるだろうが、女優との共演もひそかな楽しみとして渇望している。

「以前は狂言師の野村萬斎とそれ以外の分野に出る野村萬斎は違ったけれど、今はあまり垣根がないというか、ひとつひとつの壁がなくなってきている感じはします。それが全部なくなると、父のように解脱できるのかなという気はしています。でも、大概は男ばかりと芝居をするパターンなので、いつも女優さんと共演したいという飢餓感には満ちているという、ね」

現在は映画「花戦さ」で、華道池坊家の初代・池坊専好に挑戦中で、また違った顔を見せてくれることだろう。究極を目指し、島村ジョーの加速装置は常にスロットル全開だ。

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