世界各国で異なる「ベイマックス」ポスター マーケティング手法の違いが顕著に
2014年12月28日 09:00
[映画.com ニュース] ディズニーの長編アニメーション最新作「ベイマックス」が12月20日、日本で封切られ、週末2日間で興行収入6億円超という、ディズニーアニメでは「アナと雪の女王」に次ぐ好スタートを切った。
日本では主人公の少年ヒロとロボットのベイマックスの絆を中心に感動作として打ち出されたが、映画にはアクションヒーローものとしての要素もあり、観客からは「ヒロとベイマックスの絆に感動」という感想のほか、「ヒーローものとしてのそう快感に驚いた」「ロボットのディテールに感心した」といった声もあがっている。様々な要素を含んだ同作は、マーケティング手法も国ごとに多様性があり、マーケティングのシンボルともいえるポスターから、各国がどの点を強く打ち出していったかを垣間見ることができる。
「ベイマックス」の物語は、サンフランシスコと東京をミックスして生み出された、最先端の科学が集う架空の都市サンフランソウキョウを舞台に、最愛の兄タダシを謎の事故で亡くした天才少年のヒロが、兄の残したケアロボットのベイマックスとともにタダシの死の真相を探るため立ち上がり、やがて強大な敵と対峙するというもの。元になったのは、世界的大ヒット作「アベンジャーズ」などでも知られるマーベルコミックの「BIG HERO 6」で、ディズニーが初めてマーベルコミックを原案に採用した作品だ。
原案と実際の映画では設定は大きく異なっているものの、完成した「ベイマックス」にはディズニー伝統の「感動」「コメディ」といった要素のほか、マーベルゆずりの「アクション」「ヒーロー」といった要素も盛り込まれ、ディズニーにとっては挑戦的な作品になった。各国のポスターを見比べてみると、日本同様の「感動」の要素を強く押し出したプロモーションが実施された国もあれば、ヒーロー要素を押し出した国も少なくないことがわかる。
日本同様に“ふわぷに”の白いベイマックスを打ち出している国にはフランスや韓国、アメリカがあり、タイトルについてもドイツなどは日本と同じ「ベイマックス」を採用。日本と文化的にも近いと言われるフランスのポスターは、日本の「夕焼けポスター」と構図も近く、日本と似たマーケティング手法を取っている。韓国も「感動」に重きを置いているが、日本やフランスの「ヒロとベイマックスの絆」と違い、「ヒロとタダシの兄弟の絆」をアピールしている。
ブラジル、ロシア、中国のポスターは赤いアーマーを装着したベイマックスとコスチュームに身を包んだヒロが、夜のサンフランソウキョウを飛ぶ疾走感のあるビジュアルを採用。さらに、中国とブラジルのビジュアルには、ヒロとベイマックスの仲間である「BIG HREO 6」のメンバーたちも描かれている。これらは「アクション」「ヒーロー」のマーベル感をアピールするマーケティング手法だ。
絆、感動、アクション、ヒーロー、その全ての要素を兼ね備えた「ベイマックス」であるからこそ、その国ごとの国民性にあわせた展開で作品をアピールするマーケティングが可能になったともいえる。そのマーケティングが奏功し、「ベイマックス」はすでに全世界で興行収入2億ドルを超えるヒット作品になっている。
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