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デザイナー・アニエスベーが長編初監督作を紹介 日本へのオマージュも

2013年12月1日 07:05

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ティーチインに出席した アニエス・トゥルブレ監督
ティーチインに出席した アニエス・トゥルブレ監督

[映画.com ニュース] 東京・有楽町で開催中の「第14回東京フィルメックス」特別招待作品「わたしの名前は…」が11月30日上映され、アニエス・トゥルブレ監督が観客とのティーチインを行った。

アニエスベーとして知られる世界的なファッション・デザイナーで、映画製作も手がけてきたトゥルブレ監督の長編デビュー作。父親から虐待を受け心に傷を負った11歳の少女と、家族をなくしたスコットランド人のトラック運転手の心の交流を描くロードムービー。

本作は10年前に目にした新聞記事がきっかけで生まれた物語だそうで「私は数学はさっぱりだけど、昔から国語や文章を書くことが得意で、この記事を知って私の物語を語りたいという衝動、語る必要性にかられました。それから2日間で一気に書き上げたのです。本当にマジカルな体験でした」と語る。

父親による思春期の娘への虐待という重いテーマを選んだことについては「私自身の物語ではありません」と前置きした上で、「家族から虐待を受けて家出をするということ、それは不幸なことに全世界的にあり得ることなのです」と無念そうに話した。

シネフィルとして知られるトゥルブレ監督らしく、実験的な映像づくりが随所に感じられる作品となっている。「もともと写真にとても興味があって、アングルをどう決めるのか考えるのが好きなんです。あとは光が大事で、なるべく人工の光を使わないようにしました」とこだわりを明かす。また、この日は友人でもあるハーモニー・コリン監督から2年前のクリスマスにプレゼントされたという、個性的なペイントが施されたバッグを持参し「この中にいっぱいプレゼントを詰め込んでくれたんです。ぜひ皆さんにお見せしたいと思い、持ってきました」と紹介した。

劇中に白塗りの舞踏家が登場するが、監督自身が旅先のモロッコで日本人舞踏家の踊りを偶然見たことが忘れられない経験になっているようで「日本の皆さんへのオマージュという意味合いもあります。日本を訪れて、ますます日本を愛し、賛美する気持ちが生まれているのです」と観客に語りかけた。

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