11年の役者人生を経て振り返る、新井浩文の映画づくりとは
2012年10月12日 13:00

[映画.com ニュース] 自らの未来とひとりの少年を守り抜くため、命をかける――映画「赤い季節」は、解散してなお、孤高の存在であるロックバンド「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT」のチバユウスケによるソロプロジェクト「SNAKE ON THE BEACH」の楽曲「Teddy Boy」から着想を得て製作された。主人公・健は、血と暴力にまみれながら、生を求めもがく。11年の俳優人生のなか、いくたびも血を流し魂の慟哭(どうこく)を映像にきざみ続けてきた新井浩文。その瞳には何が映っているのだろうか。
幼いころに自分を残して亡くなった父親との確執を抱えながら、殺し屋を生業(なりわい)としてきた健。ささやかではあるがまっとうな暮らしを求め、殺し屋稼業から足を洗うことを決意するが、かつての先輩アキラが闇の世界に引き戻そうと健の日常を歪ませていく。そんななか、健のもとに両親を失った少年・剛が現れる。
「作品は脚本と監督とつくり上げるものなんです」と語る新井。今作で演じた不器用で真っ直ぐな男は、「最初、うちのイメージとは程遠いキャラクターに仕上がっていたんです。セリフも本当にクサいものが多くて。普通の人間だったら(こういう風に動くのでは?)という動きを能野(哲彦)監督に説明し、セリフも直していただきました」。画面のなかでは、「映画って非日常で現実ではないけれど、どこかで人間っぽさを大事にしていて。クサいセリフを言ってもそこに説得力はない。印象的なセリフもひとつかふたつでいいんですよ、薄くなっちゃうから」と生きた演技を追求する。

新井と言えば硬派なキャラクターだ。今作への出演の決め手も、豊田監督復帰作「蘇りの血」(2009)で出会った祭(MAZRI)の千葉広二プロデューサーの「主演やってくれないか」という一声で、「豊田さんの復帰作をやってくれた人からのお話なので、『絶対やる』という筋や義理といった話で決めました」と、とことん男らしい。
今年公開される作品も「赤い季節」を筆頭に、「莫逆家族 バクギャクファミーリア」(熊切和嘉監督)、「アウトレイジ ビヨンド」(北野武監督)と男臭い作品が並ぶ。新井をひきつけてやまない“男臭い映画”の魅力とはどこにあるのだろうか。「なんですかね。女の子を信用していないからじゃないですか(笑)? なにより、男同士の会話も酒の席でのケンカも、時間が経てば笑い話にできるから面白いんですよね。自分がいる環境が大きいのかな」と話す。
「赤い季節」は、10月13日から全国で公開。
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