北野武監督「アウトレイジ」完結編が撮入 豪華共演陣も発表
2012年4月17日 16:04
[映画.com ニュース] 北野武監督が4月17日、撮影中の最新作「アウトレイジ ビヨンド」のキャストを千葉・長生郡の生命の森リゾートで発表した。前作「アウトレイジ」からの“生き残り組”である三浦友和、加瀬亮、中野英雄、小日向文世に加え、新キャストとして西田敏行、松重豊、高橋克典、桐谷健太、新井浩文らの参加が明かされた。
北野監督にとって、16作目で初めての続編映画となる今作。前作は2010年6月12日に全国155スクリーンで封切られ、興行収入約7億5000万円のヒットを記録した。同9月には続編の製作を発表。公開時期を11年秋に予定していたが、3月11日に発生した東日本大震災の甚大な被害や社会的な影響を考慮し、製作を延期していた。
前作は、ビートたけし(北野監督)演じる大友組長が、解散させた村瀬組若頭(中野)に獄中で刺され命を落とすところで幕を閉じているが、今作にもクレジットされている。北野監督は、「シリーズものじゃない予定だったんだけど、珍しく当たっちゃって。ずうずうしい根性で『2』を作ろうと。ましてやオレは死んじゃってるんで、どうしよう……となったんだけど、いろいろ考えて、いい手があった!」と思わせぶりな表情で笑った。
撮影は、4月2日に兵庫・神戸でクランクイン。北野監督は、「西田さんや中尾彬さん、神山繁さんがコテコテの芝居をしてくれて……。見ていてヘトヘトだった。抑えるのが大変で、面白くて仕方がない」と充実した面持ち。「ビヨンド」というタイトルについては、「『2』という言葉は嫌いだし、続編というのもいや。前の流れはあるけれど、独立した映画だから。『アウトレイジ ビヨンセ』でも良かったんだけどね」とジョークを交えながら、こだわりを説明した。
森昌行プロデューサーは、今作における3つのポイントを明かす。「1つ目は(たけし演じる)大友は生きていた。ただ、リベンジするような単純なストーリーではない。2つ目は、警察組織が巨大化した暴力団の壊滅を画策しており、その思惑に大友が巻き込まれていくということ。3つ目は、公開週から200スクリーン以上での封切り。これは北野作品としては初ですし、最大規模のものです」。海外の映画祭への期待もかかるが、「映画祭用に作る映画ではありません。極上のエンタテインメント作品として、多くの方々にご覧いただけるよう、成功に導きたい」と、撮影に全力を注ぐことを明言した。
「アウトレイジ ビヨンド」は、10月6日から全国で公開。