松田翔太、新作で金髪オールバックに 舞台は父・優作の故郷下関
2011年5月18日 06:00
[映画.com ニュース] 俳優の松田翔太が、グ・スーヨン監督の最新作「ハードロマンチッカー」に主演することがわかった。くしくも作品の舞台となるのは、父である故松田優作さんの故郷である山口・下関と、福岡・小倉。グ・スーヨン監督の半自伝的な小説デビュー作を東映が映画化するもので、主人公グーを演じる松田が“ウルトラバイオレンス”な世界に身を投じる。
松田扮するグーは、高校中退のフリーターで在日韓国人2世。子どものころから顔なじみの暴力団組員(真木蔵人)に物騒な荷物を押し付けられたり、下関署の刑事(渡部篤郎)に絡まれる日々をおくる。クールな眼差(まなざ)しを保ちながらも、行き場のない暴力と向き合うがために、必然的に街の喧騒に巻き込まれていくという役どころだ。
脚本を読んだ松田はグ・スーヨン監督と意気投合し、自らのアイデアで金髪に染め上げ、オールバックにして4月29日にクランクイン。並々ならぬ意欲をのぞかせ、「この映画は東映らしいことを表現できる作品だと思っています。グ・スーヨン監督の世界観に飛び込んで、毎日を楽しんでいます。完成を楽しみにしていてください」とコメントを寄せた。
グ・スーヨン監督は、ACC最高賞をはじめ多くの広告賞に輝いたCMディレクターの顔をもつ。これまでも下関出身、在日韓国人2世の出自をもとにした映画「偶然にも最悪な少年」「THE 焼肉 MOVIE プルコギ」を発表。「プルコギ」には、松田の兄・松田龍平が主演を務めている縁も見逃せない。
下関からは、多くの映画人たちが世に放たれている。不世出の大女優・田中絹代をはじめ、伝説の映画「竜二」をのこした金子正次、そして病魔により急逝した優作さん。そんな因縁浅からぬ舞台で、国籍ではなく自らの血、ルーツを基点に暴力をさく裂させるグーを演じる松田が、さらなる飛躍を遂げることに大きな期待が集まる。クランクアップは、5月末を予定している。
真木と渡部のほか、共演は永山絢斗、柄本時生、真木よう子、渡辺大、芦名星、中村獅童、白竜、金子ノブアキ、川野直輝、淡路恵子ら。
「ハードロマンチッカー」は、2012年初春に全国で公開。