松田翔太、自腹参加のベルリン映画祭で俳優や父について語る

2010年2月15日 17:39


ベルリン映画祭の熱気を肌で実感
ベルリン映画祭の熱気を肌で実感

[映画.com ニュース] 松田翔太の主演最新作「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」が2月13日(現地時間)、第60回ベルリン国際映画祭で上映され、現地入りした大森立嗣監督と松田が上映前の舞台挨拶および上映後のティーチインに登壇した。

この日のベルリンは零下マイナス6度。雪もちらつく中、会場のデルフィー劇場は約800席がほぼ埋め尽くされ熱気ムンムン。同作が出品されたフォーラム部門は、規約により映画祭から招待されるのは監督のみ。そのため松田は自費で渡独したが、当日の上映スケジュールの遅延で舞台挨拶では監督が挨拶するに留まり、松田はコメントすることができなかった。それでも松田は、監督とともに世界3大映画祭デビューを果たしたことに充実した面持ちで、初めてのベルリンを楽しんでいる様子。上映後のティーチインでは、松田にも観客の質問に答える時間があり、「とても好きになった、俳優も良かった」という観客の言葉に、安どの表情を浮かべていた。

松田は、「この映画の撮影をしていた去年ごろから、不思議なタイミングで、僕の回りや僕の中でいろんなことが始まったりなくなったりしています。僕の気持ちの中で、ある種の“父親像”がなくなって、形を追いかけていたことが経験と知識を含めた別のものへと始まりかけた年なんです」と改めてコメント。「ベルリンの壁の崩壊と父親(松田優作)の死(ともに1989年)から、たまたま20年という年が自分にとってのそういう“始まりのタイミング”の年であったことの偶然に驚いています」と自身の境遇とベルリンの状況との偶然性に深い感慨を抱いている様子。さらに、「自分がそんな気持ちになれたこと、そんなタイミングの1発目の作品である『ケンタ~』で今年、ベルリン映画祭に初参加できたことは、芸術的なことや商業的なこと、自分が俳優としてやっていくこと、演技とは、俳優とは、ということと向き合い始める、良いスタートだと思っています」と“俳優”として新たな気持ちで挑んだ同作への思いを吐露した。

ケンタとジュンとカヨちゃんの国」はリトルモア配給で6月12日公開。

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