劇場公開日 2023年10月27日

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愛にイナズマのレビュー・感想・評価

全147件中、41~60件目を表示

3.5リベンジはどうなった?

2023年11月10日
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鑑賞方法:映画館

最後は松岡茉優がブレイクして、序盤だけ出てきた嫌なやつらをギャフンと言わせるものかと勝手に思い込んでただけにかなり消化不良。
でも家族ドラマとして見るなら良い感じ。
高良健吾に噛みつく池松壮亮カッコ良かったです。頑固な携帯ショップの趣里笑わしてくれる。

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あらじん

4.5コメデイではなく、これも石井監督

2023年11月10日
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鑑賞方法:映画館

「月」が同時期に封切られ、監督のインタビュー記事で語られるのが「コロナ」がもたらした影響のこと  「月」では人間の内面を描き出す、観る前から覚悟のいる作品であるのに対して、こちら「イナズマ」は豪華な出演者で気軽に観れるかと思ったら、それは前半だけ
やっぱり重い、いややっぱり石井監督と思わせるものと言える中身であろう
「映画業界」のことなど少々大げさに愉快に描かれている内容も、後半の「家族」の話となった途端に、3人のきょうだいと父親の「空白の家族の記憶」に空白を埋めていく彩が添えられ、バラバラであった家族が一つにまとまっていく  両親やきょうだいに対する思いが、わだかまりが解きほぐされていく様は、観ていて気持ちがいいし、父の病気のこともあったけれど長男は長男らしく、家族を想う役割を取り窓していく  私たちの気持ちに蓋をして損なわれつつある「家族」の思いを取り戻してくれたような気持ちです
それにしても豪華なキャストが脇役ででている  私は配送会社社長の北村有起哉さんが少ないセリフでも醸し出している存在感、納得です  高良健吾さんも贅沢な出演でした
佐藤浩市さん、すっかり白髪の父親役も馴染んでいますが、40年前に「ブレイクタウン物語」という風俗産業を題材にした映画で、覚せい剤の売人をして自らも破滅していくという役をされていました  その作品ではチンピラ役がはまっていたのが印象的でしたが、本作ではユーモアを含みながらもいい父親を演じられていました
(11月9日 MOVIX京都 にて鑑賞)

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chikuhou

3.0タイトルのインパクトほどは...

2023年11月9日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

難しい

評判も評価も結構高いようですが、個人的には今一つぴんと来ない感じでした。
絶対にありきたりではなく、とても個性的でしっかり造られた映画であることは間違いないんですが、だからと言って必ず「好き」ということにはなりません。

出演者の熱演は間違いなく、ほぼ全員が個性や持ち味を存分に発揮して、見事に演じ切っていてそこに違和感はないんですけど。
序盤から、周りにザ・凡人!みたいな魅力的”でない”人たち(悪役)を登場させて、社会の理不尽に耐える主人公の姿を見せ、「ありえないことは普通に起きるんです!」「いやいや、無いから。」みたいな会話をさせることで、「何でもアリですよ」と前振りされるので、そのあとのシーンで「いやいや、無いから」っていうこちらの突っ込みは完全に封印されてしまいます。
なので、予想を裏切って転々とするストーリー展開も、今一つ共感できない登場人物たちの設定や言動の数々も、当然のように展開されて聴衆は引っ張りまわされることになります。
なにせ、「何でもアリ」なので。
(確かに「事実は小説よりも奇なり」ですからね。)

しかし、だからと言って全てに共感できるわけもなく、終始、違和感を引きずったまま脚本に引きずり廻されて終わる、ていう感じでした。
もちろん、(ネタバレになるので具体的には書きませんが)心を揺さぶられるシーンも数々ありましたよ。

これから観る人に対して一つ言えることは、虐げられた主人公(たち)が一発逆転!みたいなありきたりなストーリーではないので、そういうベタなのはわざわざ劇場映画で見たくない、という方にはお勧めです。
(逆に、その手のカタルシスはないですよ、とも言えますけど。)

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K2

5.0最高、ほんと最高!

2023年11月8日
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はじめからなんか、これはいい映画、ていうオーラが出てて、裏切られないといいなと思いながら見てたけど、しばらくするうちにそんなことは忘れてしまった。

単なる会話のシーンが続くのに、それこそ息をするのも忘れるくらいに、ここまで見入ってしまうのは何故なんだろう?
嫌なやつが嫌なこと言うシーンは、その嫌さ加減に胸が苦しく、逆に主人公たちが心を通わせるシーンは幸福感に胸が苦しく、すごくエネルギーを使う映画だった。もちろんいい意味で。

登場人物たちの置かれているのは結構きついシチュエーションなんだけど、見ていて自分のメンタルまで落ちてしまうようなしんどさは、不思議と感じなかった。適度なユーモアが散りばめられていて、それも登場人物のキャラクターに直結してる無理のないユーモアなので、至るところで自然に笑えるし、暗さと明るさが妙に混じってバランス悪くなったりしないで、終始明るいトーンのまま、主人公とその家族がもがいているのを見ることができたと思う。
そう、これって終始、自分の幸せに向かってもがいてる人たちを描いた映画なんですよね。

こんな映画、ありましたっけ?見たことのない種類で、しかもすごい出来栄えだと思う。
それがまた、自分の価値観と恐ろしく重なっていたりもして。
もしかしたら生涯ベスト級じゃないかと、見終わって興奮してる今は思う。なんかほんとに、自分のモヤモヤしてる気持ちも、イナズマのように照らされた気がしました。

いや、このタイトルの趣旨からすると、愛にイナズマの光が当たってその反射で照らされたってことか、、てそんなことはどうでもいいんですが笑、ほんと、たくさんの人が見に行ってヒットして欲しい、と関係者でもなんでもないけど他人事でなく真剣に思います!

あともう一つ付け加えたいのが、役者のよさ!
松岡茉優と窪田正孝は、元々俳優の中でも飛び抜けていいなと思ってる人たちなんだけど、その良さがセットで、ここまでストレートに生かされているとは!
あと佐藤浩市、この人でここまてま笑えたの初めてで。それがまた、なんだかかっこよくてね。
池松壮亮も若葉竜也も、、ともかくこの家族すごい好きだったなあ!

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sokenbitea

4.0やっぱりな~!!

2023年11月8日
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松岡茉優と窪田正孝に外れ無し
演技力で観たく成るのは流石です。

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なんてこった

4.0スピーディーな時代反映

2023年11月7日
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お仕事ものと思わせておいての、家族の話。
人を騙すクズばかりという嘘にまみれた世の中で、昔、家族がバラバラになった理由はよかれと思って父がついた嘘や、家族全員が黙っていたため。
だから、それを真っ向から否定したい主人公たち(松岡茉優・窪田正孝)の、心の真っ直ぐさに、心撃たれます。
口はめちゃくちゃ悪いけど。

池松壮亮のお兄ちゃんが、ほんとお兄ちゃんで、結構好き。

作中の映画プロデューサー役と助監督役は「死ねばいいのに」と思わせてくれた熱演ぶりで、これは監督も役者も、こんな酷い連中にたくさん出会ってきたんだろうなぁ、と(ある種のメタな恨み節的な暴露ネタかと)

アベノマスクすら笑いに使う、監督のスピーディーな時代反映&映画製作姿勢には感嘆。

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コージィ日本犬

4.5

2023年11月6日
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鑑賞方法:映画館

途中までは、この映画どこに着地するのだろうと不安気な作りで個人的には楽しめたが、着地をオーソドックスにした分、後半長かったなと

実家に帰ってからの松岡茉優の家族に対する口調がめちゃくちゃ笑った

父親役の佐藤浩市、兄弟役の池松壮亮、若葉竜也、謎の男の窪田正孝と俳優陣が豪華(中野英雄と大賀の親子共演も!)

三浦貴大が前半イヤな男を好演しているが、最近見るたびに杉村太蔵化していると感じるのは自分だけだろうか⁉

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うんこたれぞう

3.0演技陣は良かった

2023年11月6日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

ブチ切れ、暴言演技は一級品の松岡茉優、いつもの怪演、窪田正孝、「いつも死んじゃうおじさん役定番」の佐藤浩一など俳優陣の演技は良かったです。

でも父親の家の裏山が土砂崩れ寸前なのを見せておいてなにも起きないとか、「クソ意味不明にナメられるのは許せない!」と松岡茉優が啖呵切ってた割には、プロデューサーと助監督へのリベンジもなく後半は家族の「仲良きことは美しきかな」の家族愛の話に収束してエンディングとか、ストーリーには舌足らずの印象が残りました

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ばとー

4.0楽屋落ち?

2023年11月5日
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すごく楽しめました。
松岡茉優をはじめ壮絶な演技バトル。
さてこの作品は映画界の楽屋落ちの面持ちの重層作品でしょうかね。

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やまねこ

4.5本作で何らかの賞を取る事を祈る!!

2023年11月5日
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先程、観てきました!!
直ぐレビューを書きたく、ホヤホヤ駄文にて。(良い作品を観賞後の余韻が心地よく)

兎にも角にも“松岡茉優”!!気付けば、なぜか出演作を余り見てこなかったのですが、本作の演技は凄いです。(失礼ながら、清原果耶系統の憑依系といった感でしょうか。私個人の感想としては、感情移入が近年で1番でしたw)

脇の俳優陣もクオリティーが高く、笑ったり・泣いたりで名作と言って良いと思います‼️
ただ、序盤の助監がウザすぎて…笑

今年は良質の邦画が多いですね!松岡茉優は本作で何らかの賞を受賞して欲しいです。(バーのシーン最高!!)

是非、邦画好きは観る事を激奨します!!

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白長須鯨

3.0主演2人の演技に脱帽。

2023年11月5日
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よい映画でした。
主演2人の演技は素晴らしく、映画らしいカットもたくさんあって素晴らしい。ほろりとする場面もある。
残念なのは、長すぎること。まだ終わらないのか、とたびたび時計を見てしまいました。

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ひつじさん

4.5個々気になる点はあるが良い作品。おすすめ以上。

2023年11月4日
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今年373本目(合計1,023本目/今月(2023年11月度)5本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 多くの方が書かれている通り、ストーリーは大きく分けて2つあり、1つが「映画監督として作品を作るのか作らないのか」といった話、もう1つは「その主人公に隠されていた家族の秘密」にあてられるようになります。

 ただ、この映画ちゃんと見るとわかる通り、どちら一方だけでは「足りない」のが確かで、その意味でこの長さになるのは機械できますが、多くの映画のチョイスにおいて120分をある程度のラインで見る方もいると思うので、そこの配慮は欲しかったです。

 いろいろな考え方はあると思いますが、広い意味での「知る権利」がテーマになっているなど憲法論的なこともテーマになっていて(あるいはもちろん、コロナ事情のもとにおける表現の自由、営業の自由ほか)良かったなといったところです。

 多くの方は「監督編」「家族編」の2つで見られると思いますが、映画内ではそれとは違って第1~第8章だったかそんな感じで出てきます。どちらでみても変わらないかなというところです。

 ややキリスト教文化について知っておくと有利な部分が後半あります。

 採点に関しては以下を考慮しました(4.4を4.5に切り上げ)。

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 (減点0.3/いわゆる「お葬式」についての考察が雑)

 お葬式は誰がやらないといけないといったことは、実は現在2023年の民法にさえ記述されていないことがらです。遺言で示される場合もあれば地域の風習によるところもあるので、これらを尊重する必要があるからです。

 しかし、この「お葬式」は誰かが喪主になりますが、日本の実務上「喪主負担説」(名古屋高裁ほか)をとります。つまり、「喪主が会場の大きさやプラン等を決められるのだから、その本人が負担すべし」という考え方になります(この場合、連帯債務になったり、不当利得の話には(ただちには)ならない)。

 ところが「お葬式」自体は実は行う必要のない行事で墓地埋葬法による火葬等をすませておけばよいだけです(こちらの違反は行政法規上で罰せられます)。したがって、トラブルになるような「お葬式」はまずかったのではなかろうか…といったところです(ただ、いつまでも放置するわけにもいかないし、日本の習慣的にお葬式が住んでいない場合散骨などできないはずです(お葬式は形式的なものであっても)

 ※ ただ、日本においては当然、宗教感情というものも考慮されるので「誰もお葬式をしないんですね?」ということを確認したうえで行政が代行してもらえるところもあります。

 (減点0.2/携帯電話の解約について)

 戸籍謄本でもたりますが、一般的に「火葬許可書」や(お葬式をした場合の)「パンフレットの写し」などでも認められるのが普通です(少なくともキャリア大手3つは)。

 特に戸籍謄本は変に利用するとトラブルになるだけですので、ここはちゃんとしたケアが欲しかったです。

 (減点0.1/ウィキペディアがどうこうという話)

 ウィキペディアを否定するものではありませんが、「いい大人」が情報収集のソースとして「まずウィキペディアなのか?」はかなり気になりました(リアルで夜中など図書館等に行けない場合に「まず」調べてみるというのは否定しないが、本来的には紙媒体の百科事典や論文などを見るべきもの)。
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yukispica

4.0不思議な満足感

2023年11月4日
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ミニシアター系の映画を豪華キャストでシネコンで見た感じ?笑

監督、そんな弱気で映画撮れるんですか?ってくらい監督らしくない松岡茉優さん。場面場面で顔つきが別人のように変わってしまう演技の振り幅、さすがです。

そういえばアベノマスクが送られてきたときなんか笑っちゃったよねとか、店閉めてるだけでお金もらえる友人がやたら羨ましかったりとか、コロナ時代を思い出しながら色々と詰め込まれる小ネタの数々、セリフの数々がいちいち面白くたっぷり楽しめました。
そしてこの俳優陣だからこそこれだけ面白い映画になったのは間違いない!

この後にドミノ見たら組織の制服が赤一色だったんだけど、そうか、ロドリゲス監督も赤使いたかったのねとなんか納得。笑

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ぎんぞう

3.0何というか

2023年11月4日
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ワクワクドキドキまでは行かないけど、ダルいというほどつまらないわけでもなく、「いつ盛り上がるんた?」と思いながらなんとなく見終わってしまうストーリー
あの盛り上がりのなさは、タイトル負けと言われても仕方がない

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卵かけご飯

3.0真っ直ぐな生き方

2023年11月4日
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あるできごとをキッカケに建前だらけだった自分を変え行こうとする人のお話。
主演の松岡茉優さんの吹っ切れたブチギレは見ていてパワフルな女優さんだな〜と感心しました。

ただ真っ直ぐ過ぎて周りから煙たがれるっていう人の設定はありきたりで、あまり新鮮味は感じられなかったですね
あと主人公のウソ判定(❓)がとにかく厳しい!
ちょっとした気遣いですら建前はやめろっ!ってやり過ぎ感がでて引いちゃいました笑

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おおかみ

4.5消えた女と消えない男

Nさん
2023年11月4日
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個人的にはいい映画でした。
世の中って平等じゃない、理不尽なこともいっぱいある。残酷なほどに差のあるいろんな1500万や、とにかくムカつくやつら(主に三浦貴大、笑。MEGUMIも、、趣里もなかなか)。。ただそれだって彼らの世界観から見たら正しいことなんだろうし、思いなんてものが通じるほど世の中甘くないんだろう。それでもこのなんか不器用だけど熱い家族のほうが好きだし、グッとくる。いっぱい自分じゃない自分を演じないと生きづらい世の中でも、譲れないところは譲らない、そうしないと生きてる意味がないんだろうな。
俳優陣が豪華でみんな良かったです。おかげさまで感情を揺さぶられました。さすが。松岡茉優大好き。
アベノマスクってあんなちっちゃかったけな、、笑。

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N

3.0石井流の大復活!本作はコメディーで、見かけは正反対でも実は表裏一体。隠してしまえばなかったことになるというゴマカシを、真っ正面から否定します。

2023年11月4日
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笑える

 タイトルがいい。勢いがあります。そして映画自体も、水を得たようにピチピチと跳びはねているのです。監督は石井裕也。公開中のもう一つの監督作「月」は重厚ものの、気負いすぎる印象を持ちました。その点、こちらは軽快で、石井監督らしいコメディーです。
 今の社会を予見したかのような”アフターコロナ”の“現代”が舞台。社会の理不尽さに打ちのめされた恋人同士の花子と正夫が、10年ぶりに再会したどうしようもない家族の力を借りて反撃の狼煙を上げる、愛と希望とユーモアに満ちた痛快なストーリーです。

●ストーリー
 26歳の折村花子(松岡茉優)は気合に満ちていました。幼い頃からの夢だった映画監督デビューが、目前に控えていたからです。自分の家族を題材に脚本を書き、撮影を準備していました。しかし物事はそううまくはいきません。滞納した家賃は限界で、強制退去寸前。プロデューサーに押しつけられたベテラン助監督の荒川(三浦貴大)からは、花子の若い感性をあからさまにバカにし、業界の常識を押し付けて、考えをことごとく否定されます。さらにはプロデューサーの原(MEGUMI)にもだまされて、直前で解任され、企画も奪われて、夢は頓挫してしまうのです。
 失意の花子に反撃を持ちかけたのは、空気の読めない青年・舘正夫(窪田正孝)でした。花子は以前から赤色が好きだと言い、たまたま赤い自転車に乗る男が気になり、その後たまたまその男が路上での喧嘩に巻き込まれて殴られるところを目撃し、さらにたまたま寄ったバーでその男正男と出会ったのでした。
 失意のどん底に突き落とされた花子を励ますように正夫が問いかけます。「夢をあきらめるんですか」「そんなワケないでしょ。負けませんよ、私は」静かに怒りを滾らせ闘うこと誓った花子が頼ったのは、10年以上音信不通の家族だった。妻に愛想を尽かされた父・治(佐藤浩市)、口だけがうまい長男・誠⼀(池松壮亮)、真面目ゆえにストレスを溜め込む次男・雄二(若葉竜也)。そんなダメダメな家族が抱える“ある秘密”を暴き、自分にしか撮れない映画で世の中を見返してやる!と息巻く花子。突然現れた2⼈に戸惑いながらも、花子に協力し、カメラの前で少しずつ隠していた本音を見せ始める父と兄たち。修復不可能に思えたイビツな家族の物語は、思いもよらない方向に進んでいくのでした。

●解説
 作品を貫くキーワードは「なかったことにしたくない」だと思います。飛び交うセリフは時に不快で理不尽だが心に刺さり、感情を揺さぶることしきり。石井監督は怒りと祈りを内包した「茜色に焼かれる」で、コロナ禍の底辺で苦境にある主人公の生命力を活写しましたが、今作では人のおかしみと信頼の尊さ、強い思いの力も映し出しました。花子と家族の対立の間で緩衝材となった正夫が、ある意味、天使のような存在感です。一気呵成な後半の展開は作品の心意気であり突破力になっています。
 本作はコメディーで、見かけは正反対でも実は表裏一体。隠してしまえばなかったことになるというゴマカシを、真っ正面から否定します。前半ではデビューのためにとひたすら我慢していた花子の、暴走気味の大逆襲、痛快ではあります。

●感想
 まず気になるのは終盤を引っ張りすぎていることと前半の業界人の描写があざとすぎるところでしょうか。

 序盤は、若い女性の花子が偉そうな助監督やいいかげんなプロデューサーにさんざん振り回されます。事実そのものではないが、要は自分たちのほうが映画のことをよく知っているんだから言うことを聞けとか、業界の常識を守れということで、助監督の決め台詞は常に「君はまだ若いから」というものでした。そんな映画業界のパワハラ、セクハラ、理不尽な解雇。若くしてデビューした石井監督の「もっとひどかった」実体験が基というのです。助監督のあざとさにはややうんざりですが、それだけ石井監督も苦労したということでしょう
 そして、ウソくさいイナズマが盛大にとどろく中で展開する花子と正夫の恋。石井監督のオリジナル脚本の物語はテンポよく進み、花子の家族が集まるあたりから疾走し始めます。
 撮影しながら、とげとげしい言葉を延々と家族に放つ花子。やがて家族は本音をぶつけ出すのです。ののしり合い、反発し合いながら一つになっていきます。その姿は滑稽で笑えますが、同時に温かい感じました。

 冒頭、街を撮影する花子はマスク姿。正夫も奇妙に小さな「アベノマスク」を着けています。コロナ禍の世界が舞台です。石井監督は、マスクつけろという同調圧力に余程反発を感じていたことなのでしょう。
 若々しく思えるのは、コロナ禍の世の中に対する石井監督の怒りが、ストレートに表現されているからではないでしょうか。映画が「不要不急」とされたこと。アベノマスクの下に、本音が隠されたような世界。もはや何事もなかったかのように忘れ去られようとしている過去の現実。それらは、古い価値観を押しつける映画業界への怒りとも重なっていくのです。
 反撃の武器はイナズマです。電光が見せるのは、若者たちの恋と、バラバラになった家族の再生。ウソくさい世界と戦う手段は、映画というウソなのです。反撃の結果は。ラスト近く。暗闇の中、雷鳴に浮かび上がる一瞬の 「真実」に、ご注目ください。

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流山の小地蔵

2.0予想外の展開

2023年11月4日
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鑑賞方法:映画館

映画監督を目指してる主人公が社会の理不尽さに打ちのめされて10年振りに再会した家族の奮闘を描いたヒューマンドラマ。
前半は面白みに欠ける内容でしたがストーリーが徐々に脱線して思わぬ方向に進んでいく。この予想外の展開が豪華キャスト陣の演技力と相まって面白みのある後半になっている。

2023-173

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隣組

4.0役者

2023年11月4日
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鑑賞方法:映画館

150本目。
尺がなぁと思ってたけど、好きな役者2人がメインだしと。
嘘の中に本当を、少し入れるとそれっぽく思える様な、映画だったり、ドラマだったり、演劇だったり、なんだろうけど、カメラがあろうがなかろうが、結局人って役者なのかなと。
残り30分くらいからが、ジワッーと感情がこみ上げてくる。

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ひで

0.5ある意味凄い

2023年11月4日
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よくぞこれほどまでに観ている者を不快にする人間を描けるものだ。
ひょっとして、業界に纏わる人はこんな人しかいないのか?
ただただ不快。10分で出たくなった。

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ムーラン