ミッシングのレビュー・感想・評価
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石原さとみさんが圧巻✨✨
子どもが行方不明になることは、これほどまでに苦しいことだったのか。想像が全く足りなかったことを痛感しました。
行方不明だけでも十分、苦しいのに、誹謗中傷、いたずら、嫌がらせとも戦わねばならない現代社会。その闇も描いています。
支えになりたい、と真摯に報道と向き合う誠実な記者も、視聴者が見て面白いものに仕上げなければならないことに苦しむ。一視聴者の立場の私も、これまで、被害者の方を偏見の目で見ていなかったと言い切れるだろうか。
自分を振り返りながら観ました。
苦しみの果てに、母が取り戻したのは、一度は壊れかけてしまった弟との絆。それだけでも、よかったのかな。
最後のほうで、壁にガラスの光が虹のようにうつるのに気づき、母が手を当てる場面がありました。今までなら、気づいていなかった光が見えるようになったのだ、落ち着いてきているのだな、と思いました。残酷ですが、日にち薬しかないのでしょうか。
父と母の気持ちの温度差、街中での小さな、けれど騒々しいトラブルなど、ものすごく丁寧に描かれていました。
さすが『空白』の監督さん。
石原さとみさんはじめ、どの方も素晴らしい演技でした。
辛い内容ではありますが、たくさんの人に観てもらいたいです。
最後に。私は、行方不明になった子どもを捜すビラ配りをしているところに遭遇したことはありませんが、今後、もしあったら、必ず受け取り、応援の意思を表したいです。
演技は素晴らしいけど
ストーリーが単なるニュース番組みたいに進んでいきます
結末も何も無い
リアルな演技を見せただけの映画
大阪・熊取の行方不明事件
が脳裏を駆け巡りました
何度も言いますが
演技は良いけど、映画としては成り立っていない
予告編だけで充分な映画
重いけど… いい映画です。余韻は優しい…
試写で1度+公開初日=2回観賞
登場人物は皆其々の辛さがあり
辛く重い内容だけど…それでも
″辛い中でも人間の心に差し込む光"で
観賞後の余韻はあたたかい
その見せ方伝え方、切り取り方…
全編を通し吉田監督の上手さ センスの良さを感じた
どの登場人物にも等距離で、家族と報道の2軸で、ドキュメンタリーのように観た
家族の辛さは勿論のこと、報道の砂田のやるせなさ辛さも相当と思う
迫真の演技の石原さんもさることながら、夫の青木さん、記者の中村さん、 男優陣の演技が凄く良かった
温度差を感じつつ自分も辛い中で妻を支える夫の青木さん。
そして、中村さんの感情を抑えた 何とも言えない絶妙な表情と その抑えた感情が 時々 わっと出る演技が 絶妙で秀逸。
いい映画です。
心の功罪。あるべき社会正義がその鍵だ。
役者・石原さとみの代表作となるのだろう。
いきなり役者のハナシからで恐縮だが、どこからどう切り取っても彼女の一人称のような本作ゆえ、率直に感想を述べたい。
私のイメージだと彼女はアイドル俳優的な印象で、いわばトレンディドラマ役者だったかと。本作の吉田恵輔監督曰く"港区から出たことないような顔してる"は言い得て妙。その後、映画に出演している印象もあったが、個人的には「シン・ゴジラ」の演技力がバッチリNGレベルだった事もあり、本作「ミッシング」での熱演の前情報を聞いても半分疑念というか、映画館での観賞そのものがチャレンジだった。入りにくい曜日と時間帯とはいえ、大型スクリーンに観客はまさかの私一人。文字通り貸し切りだ。これは…である。
結果は…なんのなんの、評判通りの素晴らしいパフォーマンス。
配役の沙織里、見ていて何とも気分が悪い。気持ちはわかる。いや、それを言うと沙緒里のアノ眼差しで問い詰められそうだが、もとい1/3くらい気持ちはわかる。ただその態度や言動は奇行の域に達していて、夫である豊への同情の気持ちがしばらく拭えないでいた。ギャンギャンわめく姿勢と声質が相まって、あろうことか苛立たしさすらおぼえる。なりたい顔V3殿堂入りの美しい面影はほぼ無いと言ってよく、いい加減にしろとこちらが言いたくなるような、そんな素晴らしい演技だった。そして夫婦の言い争いはどこかで見たような(!?)、身につまされる部分もあった…が?脱線失礼。
ダークな題材を話題作にクローズアップさせるタレントパワーは流石だ。今後は、たとえば永作博美のような、出演することで作品へのワクワク感が高まるような役者になってもらいたいと思う。
***
作品について。
ダークな題材かつオリジナル脚本だからか、小説原作の映画化作品と比べるとドラマはかなりソリッドに削られている印象でドキュメンタリー寄り。このあたりはやや好みの分かれそうな所か。手がかり的な事象も一切出ず、観客の気持ちをバラエティニュースの視聴者と上手に同期(疑り)させながら、やはり、ラストも解決に至らず。そして、この暗い作品の流れを壊さずに、残り20分あたりからか、別のポジションへ美しい着地を果たすのだ。
この作品が描くもの。私の解釈は【心の功罪】だ。
現代的なアプローチを取り入れ、既に「起きてしまった」ところから始まるそれは、クライマックス直前の「弟の心情吐露」まで、暗すぎるほど、ずっと暗い。事件エンタメと化した出来事の野次馬から身内に至るまで、脈々と描かれるのは、正義は常に弱いという事実。つまり【心の罪】であったろう。
しかしクライマックス、立て続けに描かれるのは、感謝・共感・同情の織りなすループであり、鑑賞中 窒息しそうなほどの息苦しさが、何とも柔らかくほぐされていく。これこそが本来あるべき社会の姿と思えるし、つまりそれは【心の功績】そのもの。
あたかも親子3人のようなガラズ細工が偶然に描く虹は、娘の美羽の旅立ちのようにみえた。排水溝が映る。海が映る。こわい。子供が戻らないことを暗示するような映像だ。娘が戻らないと信じざるを得ない年月と反比例するように、母の優しさが沙緒里に宿る哀しさ。壁の落書きを愛でる手のひらの表情は、優しい。
まともに考えれば娘の失踪とは関連が無さそうに見える、別の事件。それに別の意図を持ちながら起こした行動が、意図せぬ大きな感謝を生み出し、前言を悔い、他人の気持ちに触れ涙する夫の豊の様子。あたかも我々=現代日本社会へのアドバイスのようであった。
***
得るものの多い良作であり、前述の通り石原さとみの熱演も必見に値した。
これで★5を付けないほどの意地の悪さは持ちたくないものである。
今年の日本映画のベストかも知れない
胸を震わせる素晴らしい作品。主演の石原さとみの今年度最優秀女優賞を予想します。
行方不明になった6歳の娘を探す母と父の物語。夫婦は街頭に立ってビラを配り、情報を求めて声を枯らす。地方TV局が報道するが新たな情報は得られず、SNSには母親を中傷する投稿が相次ぎ、ニセ情報が二人を混乱させる。追い詰められた母は精神が崩れていき、夫婦の間に諍いさえ生まれる。
母親の苦悩が軸になってドラマは進む。石原さとみの母親役に憑依したかと思えるほど全身を投げうった演技に私は圧倒された。同時に、周囲の人物の存在感が光っていた。自身も苦しみながら妻を支えようとする夫(青木崇高)、娘と一緒だったことで責められる妻の弟(森優作〕。視聴率狙いの上司の指示に抗おうとするTV局員(中村倫也)。それぞれが苦悩し葛藤を抱えていた。他にも、TV局の新人女性や母親の職場の女性、夫の職場の人たちのエピソードを重ねる構成と練り上げられたセリフがこの作品を社会性の高い、奥行の深いドラマにしていた。緻密に計算されつくした脚本と演出、演技には唸るしかない。
ラストには胸が震えるシーンが用意されていた。溺れる犬を叩く者がいる一方で手を差しのべる人がいる。失われたと思っていた社会とのつながりは生きていた。決して癒えることのない悲しみを味わったとしても、人間にはそれを乗り越え、前を向いて歩んでいく力がある。そんなことを信じさせてくれる美しい映像に私は涙した。
生き難い社会でありながらその中に芽生える希望を鮮やかに描いた吉田恵輔監督の力量と人間観には敬服しかない。これほどの秀作を創りだしていただいたことに感謝したい。
石原さとみが体当たりの演技、それは、まさに激情‼ 髪を振り乱し、泣き叫ぶ母親の姿は、リアルそのものです。
本作は8年前に石原さとみが女優としての行き詰まりのを感じて、吉田恵輔監督に直訴したことから始まった企画です。脚本から吉田監督が石原さとみの限界を超える展開を想定して書き起こしたもので、映画を見た人も「石原さとみ」像が別次元に変わる筋書きとなっています。
その物語とは、娘の失踪事件をきっかけに、情報の荒波に巻き込まれ、翻弄されていく母親とその家族たちの姿が描かれるという内容です。
●ストーリー
ある日、街で幼女失踪事件が発生します。母親の沙織里(石原さとみ)はあらゆる手段で娘・美羽(有田麗未)を捜しますが、有力な手がかりも見つからないまま3カ月が経ってしまうのです。
娘・美羽の帰りを待ち続けるも、少しずつ世間の関心も薄れていき、止まった時とよどんだ空気の中、地獄のような焦燥に焼かれてしまう日々を過ごしていました。その結果、献身的な夫・豊(青木崇高)にもいら立ちをぶつけ、感情の温度差からケンカが絶えなくなっていきます。
そんななか、地元テレビ局の記者砂田(中村倫也)だけは誠実に取材を続け、家族とも寄り添う姿勢を見せてくれており、沙織里が何かと頼りにしていました。
そんな中、娘の失踪時に沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことがSNSで知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまうのです。
世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで、沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていくのでした。
一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまいます。
それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続けるのです。その先にある、光にむかって。
●石原さとみの転機となる作品
石原さとみがテレビの番宣に出演したとき、こう語りました。「これから何年たっても『転機は?』と聞かれたら『この作品です』と答えます。たとえ映画が公開されなかったとしても。私を、私の人生を、変えました」と。それくらい、彼女にとっても転機となるインパクトを残した作品となったのです。おそらく彼女の代表作のひとつになることでしょう。
8年前、石原さとみは、分かりやすくて華やかな役柄が多く、このままだと世の中の人が自分に飽きてしまうことにつよい危機感を感じていたそうです。だから『私を変えて欲しい』と吉田恵輔監督に直訴したのでした。
当時の吉田監督といえば、「ヒメアノ~ル」(16年)で連続殺人鬼を演じた森田剛の鮮やかな戮然ぶりが強烈な印象を残していました。そんな吉田監督に、石原さとみが期待したのも自然な成り行きだったのでしょう。
3年後、監督から石原へ本作の脚本が届きます。「余白が多くて、考えさせて、深く探りたくなる。こういう作品がやりたかった」と石原は直感するものの、当時の石原はまだ独身でした。なので母親の気持ちは当時の石原には想像するしかなかったなかったのです。しかしその直後の20年に結婚、出産と育児を経験し再び脚本に向き合うことに。すると石原は「ページをめくるのが苦しくて、この役をやったら心が壊れてしまうかも、とすごく怖かった。」と主人公の沙織里に深く感情移入するあまりに、ためらいも感じたようなのです。
ただ自分も母親として経験を積んでいく中で、沙織里の心を落ち着いて理解できるように変わったいったようです。石原にとって本作との出会いは、不思議な巡り合わせですが、本人にとってみれば、このタイミングでよかったのだと思います。
●解説
幼い娘が失踪し、両親はビラを配り、テレビの取材を受け、情報提供を呼びかけます。最愛の子を失った母親その人が乗り移ったかのように、石原さとみが体当たりの演技で、怒りと悲しみを表現するのです。
それは、まさに激情‼
髪を振り乱し、泣き叫ぶ母親の姿は、リアルそのものです。子供のことを心配して、じっとしていられる親などいないだろうから、ああなるのは当然のこと。むしろ、そばで見つめる、青木崇高演じる父親の冷静な態度が、母親には傍観者的に見えて、腹が立つのも当然ながら、石原はそれを尋常ではない凄まじさで演じきるのです。髪はパサつき、肌はくすみ、唇はかさかさ。そんな石原が演じる沙織里の涙と叫びには、すっかりのみ込まれてしまいます。それはまるで、輝きを消しても引力は増す、ブラックホールのようです。 それくらい見ている方も、夫同様に唖然呆然となりました。
家族の姿と並行して、メディアの動きが描かれます。実は、母親を精神的に追い詰めていくのがインターネットの言説やテレビ報道なのです。ネット上には、子供がいなくなった時にライブを見に行っていた母親を責める言葉が飛び交います。一方、母親はテレビ局の砂田にすがり、取材に応じます。でも誠実に被害者に向き合うことをモットーにしている砂田にも、局の組織としての重圧がかかり、取材内容を報道部の上層部が不本意にゆがめていくことになっていくのです。
一連の描写は、被害者や容疑をかけられた者とその周りの世間、そして報道機関など当事者たちのせめぎ合いを生々しく映し、真に迫ります。
「神は見返りを求める」「空白」などの吉田監督は、本作でもメディアの問題に果敢に取り組んでいます。様々な議論を呼ぶ問題作には違いありません。
●感想
本作のストーリー面ではあくまでシリアスに、現実はこうだと突きつける内容です。報道やドキュメンタリーならまだしも、幼児失踪事件に、ひたすら駅頭でビラまきする姿を追うだけで、容易に解決しない展開を観客にも強いるのは、酷なことではないでしょうか。ドラマチックなむ展開を期待している観客としてはとてもじれったい!
エンターテイメントとして、劇映画を作る難しさがそのあたりにあるように思えました。
ところで本作は石原の演技ばかり注目されそうですが、本作のサブテーマであるマスコミの負の部分を浮き上がらせる軸となる砂田記者役の中村倫也の気骨と人情味溢れる縁起もよかったです。砂田は沙織里たちの取材を誠実に続けるなかで、局上層部の意向は視聴率獲得のためなら、沙織里たち被害者まで出汁にしてしまおうと、世間の関心を煽るような取材の指示に抵抗するのです。そんな中で、局上層部の意向にそってスクープを当てた同僚がキー局に注目されて、引き抜かれることになったことには、複雑な表情を見せます。本作で砂田の存在は、今のマスコミが抱えている矛楯の象徴だと思います。その微妙なところを中村倫也が絶妙に好演していました。
終わりなき苦しみ
一人娘が行方不明になり、懸命に娘を探す母親の話。
missingは現実に起きている。
これが自分の身に起こったら…と考えてしまった、つらい物語だった。
夫婦も温度差があったり、協力してくれる人もいれば、誹謗中傷をする人たちもいる。
当事者だけでなく、報道側も事実の報道、視聴率、出世、しがらみが入り交じって携わる人々にも苦しい思いがある。
2年半経っても娘は帰ってこない。ハッピーエンドにはならない。ぶっ壊れた母が最後の方のシーンでは少し落ち着いたようにも見えたのだが、捜索の日々が日常になってしまったのかと思う。それがつらい。
そして常に後悔がつきまとう、ずっと苦しい話である。
疲弊しきった姿、イライラしたり、死んだような目、失禁のシーン。
そんな石原さとみの演技がすごかったと思う。今、ドラマの「Destiny 」も見てるが、これまで彼女の主演作をあまり見てこなかったので、結構魅了されている。
小野さんは「52ヘルツのクジラたち」でも思ったが、よい意味で普通の感じの子の配役がとても良かった。森君はチョイ役でしか見たことないので、今作は良かった。
弟が一番ややこしかったです
以前「空白」に圧倒されたのと、石原さとみの熱演の評判がすごいので観に行きました。
失踪した幼い娘を探し続ける両親と周囲という題材で想像した以上のしんどさで消耗しましたが、見ごたえがありました。つらく苦しい場面の連続ですが、華やかで存在感のある俳優陣の演技に目が釘付けでした。
登場人物がみんな多面的で、良い人とも悪い人ともいえず、しかも時間の経過や状況で変わっていくのに、一面だけを切り取って妄想で決めつけるネットの誹謗中傷が本当に罪深いなと思いました。
いろいろと気になることが多すぎてだんだん頭の整理がつかなくなってきますが、中でも一番ややこしかったのは弟です。一体どれだけエピソード出てくるんだ。
でも「空白」と同じように、疲れ果てた最後の最後に、ちょっと心が軽くなる光明のような場面があったのが救いでした。
座って観ているだけでこれだけ疲れるのだから、熱演の俳優陣は寿命が縮んだのではないでしょうか。本当にお疲れさまでしたと伝えたいです。
胸が苦しくなって涙が止まらない……
最初から最後まで涙なしには見られない作品でした。これ泣かない人いるの?私は苦しすぎて何回も泣いてしまった……。
主要人物全てに共感できるところがありつつも突き放してくるところもあって感情がぐちゃぐちゃに揺さぶられる作品だった。
あとは情報に溢れすぎた現代の闇が見えてとても人の醜さを痛感する……。でも自分もその一部なんだなと自己嫌悪に陥って更に感情がぐちゃぐちゃになって……でずっとループしてました。
哀しくて理不尽で切なくて心が苦しくなる映画でした。
あっ、これはどうかな?の連続。もちろん、ラストもそうなので…。
向き合うことで苦悩する。兄弟までも巻き込んでしまう幼女誘拐事件の当事者の父親と母親を辛辣に描き、いろいろ起こるけどネットで情報を求めて誹謗中傷にあい、マスコミにニュース特集として番組になって興味本位でしか視聴者からは見られず(有力な情報提供がないとか)何年も繰り返していくエンドレスストーリー。
終わりがないので(本来どこかに終わりがあるのでとやかく言えるが)主人公の夫婦を終わりを見せて欲しかったことが、オリジナル脚本ということらしいので出来なかった?やらなかった?話が長くなるから切ったみたいな話でしたよね。私はもっと最後に娘で泣かせるか笑わせる話になったら面白い話でしたとして薦めるけど泣けない、笑えない話とかしか言えないです。
石原さとみの演技は最高。いろんなことに泣いたり怒ったりする気の強い女性に対比してやさしい夫青木崇高の演技も活きていました。中村倫也はこういう役なら絶対的存在感で不可欠な役者ですね。役者評価だけなら☆5なんです。
すごいよかったー!
さとみちゃんの新境地でした!
また脇を固める俳優さんたちも
みなさん流石ではまり役でした。
実話かと思うようなリアリティーでした。
実際私も娘がいるので、主人との温度差など
我が家もこんなことが起きたら
まさにこうな風におかしくなり自分をせめてしまい。まわりに感謝しなきゃと思いながらも
いっぱいいっぱいでイライラしてしまったりなる
んじゃないかと思いました。
青木さんが二回泣くシーンは
パパも辛いけど奥さんを護ってくれていたんだと涙しました。最後はみうちゃん見つかって
ほしかったけど、いつか見つかるかもしれないと
いう、かすかな希望も光のシーンでは
感じさせてくれたのが良かったです。
中村ともやさんも優しさが良かったです。
本当に俳優さんって凄いですね。
家に帰っても余韻にひたっています。
時々入ってた、ロードや商店街のケンカなどは
いるのかなと思いましたが日常の一幕の
中にあるリアルさを求めたのかなと解釈しました。さとみちゃんファンです。監督さとみちゃんを主演にしてくださりありがとうございました。
これこらもこれをきっかけにさとみちゃんに
いろんな分野で頑張って欲しいです。
応援しています。
狂えない夫の涙に感涙
石原さとみ(沙織里)に当て書きされた作品。なりふり構わず役に没頭する姿は注目に値するし、何らかの演技賞にも輝いても不思議はない。ただ、娘(美羽)が行方不明になった親の気持ちが分かるかと問われたら自信がない。自分も肉親が自死した際には、情緒がおかしかった。ただ、死が確定してしまった分、協力者やカンパを募って捜索したりビラを配ったりはしていない。僅かでも再会の希望が残る行方不明。探さない不作為に罪悪感が伴うと、残された家族を精神的にも時間的にも蝕み続けてしまうのだろう。そんな立場は経験していない自分には、沙織里のイラツキやSNSを観ずにいられない心境がリアルなものなのか判断がつかなかった。
一方で、豊(青木崇高)の気持ちは分かる気がした。自信も娘が奪われて苦しんでいても、隣の妻が我を失ってしまうと自分は狂えない。娘も見つけたいが、妻も守らなければならない。自分が感涙したのも、豊が泣いた終盤のシーンだった。美羽探しで全く報われなかった夫婦が、2年後に娘が一時疾走(誘拐)した母から感謝される。娘がいなくなった親の気持ちは、やはり娘がいなくなった親にしか分からないのだろう。
通学路の誘導員を始めた沙織里は落ち着きを取り戻す。自分が自死遺族になった時と同様に、時はゆっくりとだが着実に心を癒やしてしまう。大切な人を失った衝撃を押し流してしまう時間を残酷にも感じる。ただ、それでも人は生きていかなくてはならない。どんなに辛い現実に押しつぶされも、笑い会える穏やかな日々は訪れる。だからやはり、自死なんてしてはいけない。
なんでもないようなことが~
「石原さとみ、渾身の演技!」なんて簡単には書けないくらいの演技でした。
ずっと怒って、ずっと泣いて、ずっと鼻水とよだれをたらして・・・あまつさえ失禁まで。体中の水分がすべて無くなるような演技でした。夫役の青木崇高は、もちろん自分も慟哭するくらい悲しいはずなんだけど、そこは感情を抑え、沈着冷静差を保っていますが、それが嫁にとっては気に入らないわけで、彼は彼の方法で彼なりに必死で頑張っています。私は男ですので、この作品での彼は立派な父親であり、夫であると思います。
テレビ局のディレクター役である中村倫也も、すごく良かったです。彼は上司の命令に逆らいながらも、やはり会社の方針には逆らえない悲しい立場ですが、彼なりに被害者家族に寄り添おうとしています。
子どもの失踪事件が生み出す、SNSなどでの匿名による誹謗中傷、視聴率絶対主義のマスコミ・・・数年前に起こった「山梨キャンプ場女児失踪事件」を思い出させます。我々はそれぞれの心のなかでいろいろなことを考えるのは自由です。しかし、その思いを第三者に公表してはいけません。しかもネット上の匿名掲示板などで、少なくとも被害者家族のことを誹謗中傷してはいけません。
母親が劇中の台詞で「なんでもないようなことが幸せだったと思う」等といった際に、カメラマンが「虎舞竜ですね」などと言うわけですが、観客全員が同じことを突っ込んでいたと思います。あれは笑わせようとしたのかな?あまり趣味の良いカメラマンのセリフとは思えませんでした。
いずれにせよ・・・観ていてずっとしんどくて、辛くて、重くて・・・★4つはあげられなかったです。
後半まで延々と続く地獄のような時間…
普段はレビュー書かないのですが、あまりに衝撃過ぎて投稿。
後半まで地獄のような時間が続き、何度か「吉田恵輔ーーー!!お願いだから、もうやめてくれーーーーー!!」と叫びそうになる。
もう一回観たいけど、あの地獄をもう一度追体験して耐えられる自信がない…
配信ではなく、ぜひ逃げ場のない映画館でこそウォッチしていただきたい。
小さいお子さんのいるご父兄には全くオススメしない。
別に物理的にエグい描写はありませんが、そっちの方がマシかもしれない…
観る方は覚悟を持ってご覧ください。
石原さとみさんが日本アカデミー賞を狙える熱演!
期待度低めでしたが、良い意味で予想を裏切る映画でした。
6歳の娘が行方不明になった母親の喪失感や無力感、ゾッとするような狂気を石原さとみさんが熱演と言うか怪演。日本アカデミー賞ノミネートは確実でしょう。
ノンフィクションかと思えるような実際にありそうな筋立ての中に、母親と父親の温度感の違い、主人公の弟(森優作)が犯人かと匂わせるミステリー要素、テレビ報道の葛藤、被害者に対するSNSの誹謗中傷なども織り交ぜ、2時間ダレることなくエンドロールまで引き込まれました。
見る前はテレビで見てもいい作品かなと思っていたけど、スクリーンで見て良かったです。
ずっしり重いテーマで救いもあまり無いため、デートには不向きに思えるけど、お互いの感想から相手の価値観や倫理観が垣間見えると思うので、リトマス試験紙には良いかも 笑
この手の映画に星5個つけるは初めてで、特に石原さとみさんのファンでは無いけど、このモチーフで推理物や猟奇物の味付けをせずに、終幕まで気持ちを持っていかれたので、文句なしの満点です。
なお、涙腺ゆるい方はハンカチをお忘れなく。
深淵を覗くとき、深淵もまた此方を覗いている。
失踪や行方不明の事案又は事件は日本で一年間に8万件前後起こっているみたいですし、今回の映画と似た事件で未だに未解決のままのも実際に多くあるわけで。
そう考えるとこの映画を批評したりコンテンツにする事自体が当事者達の辛さを思うといいのかとか考えてしまいます。それくらい現実感があり、生活の延長上にあると思わされます。
またこの作品を観た後に自分の過去の言動、友人に投げかけた言葉や、時事系の問題で「こういうのって大体こうだよね」とかの無意識の発言や発想に潜む軽率で醜悪な内面、善意に潜む暴力性などが帰り道に襲ってきます。
まさに「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」
映画の登場人物達の描かれる善悪や醜悪さを覗く時、それは自分にも向けられ気付きたくない自分の姿と対峙することになる作品だと思いますので、ある意味非常に取扱注意。
そして映画の内容はこれでもかと淡々と抑揚もなく時だけが流れていきます。
その中の何気ない表現が非常に秀逸かつ意地悪で、
例えばスーパーでママ友で出会すシーン。Y1000の売切れにキレ散らかすモンクレと店員の会話をBGMに、「久しぶり」と言い合う相手のTシャツは失踪した日に行ってたアーティストのTシャツで、子どもに「〜ちゃんのお母さんだよ?」と言うと子どもは「誰ぇ?知らない」とか言っちゃう。
もうやめてあげて…そんな出来事が積もる日の雪のようにシトシトと主人公家族を追い詰めていきます。
最後の希望とも呼べる出来事や演出でさえ、私たちが希望認定するのは合ってるのか本当の希望なのか分からず、胸が張り裂けそうになりました。
宗教を否定するのは簡単ですが、この状況を見て何かを狂信しすがるのを否定することは果たしてできるのでしょうか?日本社会に流れる道徳や誰もが持つ信念などあまりに頼りなく悪とさえ思えてきます。
諦める事は罪であるかのようにまとまりつき、逃げ場のない永遠と続く地獄。
彼女達は今も子どもを探している。
ドラマチックさも主題歌さえない世界。
さて今回の映画は
カップル× やめといた方が無難。前に座ってたカップルは映画館を出た後、終始無言。感想の言い合いにも微妙な違いにギクシャクするかもしれません。
家族× やめといた方が絶対いい。むしろ子持ちの方はメンタルブレイクしてしまう人いると思います。観る方は昼間の明るい内に心身共に健康な時にお願いします。
友だち◯ 帰り道に自分の謝れなかったことや話せなかった事が話せるかもしれません。
1人◯か△ 1人で観るとかなり堪えます。私はレイトショーに1人で観に行きましたが、帰りの車の中で胸焼けがし頭の中は得体の知れない感情がグルグルしてました。
とはいえ、非常にいい作品で無責任に他人にすすめるのが本当は正しいのかもしれない。必ず何か自分の為になるというか、精神年齢を上げます。
石原さとみさんは演技は何か賞をとることになりそうですが、あの役を取り込んだダメージが大きそうなので心配になりました。
予告詐欺
2024年劇場鑑賞112本目。
チラシ配りなどで娘の行方を探しながらテレビの取材も受けている夫婦と最後に娘と一緒にいて世間から少し疑われている妻の弟、上が求める数字の取れる放送と、被害者に寄り添った取材の間で苦しむディレクターの話。
こういう行方不明ものの結末は無事見つかる、遺体で見つかる、行方不明のまま終わるの3パターンしか絶対ないのですが、予告である結末を思わせておいて実際は別の結末だったので予告詐欺だと思いました。後これも予告でもあるシーンで、ディレクターが「どこかから私は間違えました」と謝るシーンがありましたが、このディレクターは終始よくやってくれていて、大体はこういう立場の人が数字目当てに暴走して後ですごく反省するパターンが多い中観ていて安心して観ることができました。
また、行方不明になった娘の母親の石原さとみが時々パニックになって叫びだすのに対して父親の青木崇高がずっと冷静に対応して、感謝することは感謝し、おかしいと思うことはおかしいと言えていたのが本当に良かったです。これで父親までギャーギャー騒いでたらほんとこの映画きつかったと思います。
私だったらもっと荒れ狂う
石原さとみのイメージからしたら凄く今までとのギャップあったし、さすがの熱演でちゃんとお母さんの顔になっていて見応えあった。でもちょっと冷静に考えると自分の子供がいなくなったらそりゃあそうなるし、それでも旦那と一緒に生活してて偉いなぁとか。人生で一番といっても過言じゃない苦悩だと思うから、私なら壊れるなと。だからあんまり予想を超えて来なかったというか。だけどだからこそリアルだった。
監督、脚本、役者もいいが、音響効果を感じよ!
吉田監督の演出力は『空白』でうちのめされているが、本作は脚本力にも目を見張る。会話の全編にわたる周到さと、見事に自然に日常性をもたせたエモーションでやりとりさせる台詞。出演者たちの演技(吉田監督の演出でもある)に乗せられると、映画であることを忘れさせられてしまうリアリティへ到達する。そして音響効果の高い技術で置かれている『背景音』の見事さにも驚く。世武裕子の音楽もいい。最近、気になる映画の音楽が彼女であることが多い。
石原さとみが大変身を遂げ、現代のアキレス腱を告発する
吉田恵輔監督作だから速攻鑑賞、現代の社会の歪を炙り出す、清濁併せ呑まされる絶望を思い知る、流石の傑作に仕上がった。ひとりの少女が忽然と姿を隠す。絶望のどん底に叩き付けられた両親の右往左往によって、今時のSNSを中心とした誹謗中傷、対する古来のメディアとしてのテレビ局の無力ぶりを描く力作です。
神がかりでも、オカルトでも、ましてやモンスターの類では全くない現実世界、だから悪意ある他者の犯行か、何らかの事故かに絞られる。当然に若いご両親は極限まで苛まれ、出来うるすべてを行おうとする。この両親のことにも母親のエキセントリックな行動は至極当然で、全く違和感は感じません。当事者ならば私だってそうするでしょうと簡単にイメージ出来ますから。やや冷静な父親との仔細な衝突が過剰なリアクションに波及するやりとりがリアルで、これまた至極納得出来る。
八方手を尽くすも、警察の捜査も壁にあたり、当初は氾濫したマスコミ報道もやがて収束気味って段階で映画はスタート。静岡県の沼津市を舞台に、駅前でチラシを配布するのもまさにご本人しかいない現実。結局のところ地元のローカルテレビ局が後追い報道を細々と続けるのみ。
こうした前提条件を明確にした上で映画が描くのが、まずテレビ局の無能です。「報道は事実のみを追ってゆく・・」なんて大義名分唱える記者・砂田が本作の主役でもある。民放である以上、スポンサーからの収入が頼り、その為には視聴率を稼ぐしかない。テレビ局のオフィスにはデカデカと達成した視聴率の数字が壁一面に張り出される。余程のネタがない以上追い報道は難しい現実に砂田は身動きがとれず良心の呵責に悩む。ご両親の焦りにつけ込み、遂には10日も早い架空の誕生日を開催し、駅前でチラシをスルーされうなだれる姿まで要求してしまう。つい先日も現実に読売新聞が小林製薬の紅麹問題で、「届いた原稿のトーンがこちらでイメージしていたものと違った」ために関係者の発言を「捏造」したばかり。映像はウソをつけないなんて誤魔化しで、編集の作為からやらせの横行までやりたい放題。
もう一方が匿名をいいことに一億総批評家の様相で、言いたい放題のSNSの現況をやり玉に挙げる。全くの赤の他人の無関係者にも関わらず、鬼の首でも取ったような勢いで、相手をたたきに叩く。本作では、よりによって念願のライブへ行った日に起こってしまい、被害者であるべき母親が叩かれまくる悲劇。そんな投稿見るなと父親は言うけれど、売られた喧嘩をスルー出来る程に冷静になんか成れませんよね、でさらに炎上してしまう。
この二つの事象は、ご両親にとって唯一の世間へ広く繋がる手段でもあるわけで、頼らざるを得ないジレンマを浮かび上がらせる。全く久しぶりのライブの為に娘を母親の弟に託したことも、裏目となる事態。ついには過激な投稿者達を両親は告発する事態にまで発展。テレビ局も警察組織との慣れ合いを示唆される。東池袋自動車暴走死傷事故では大きな問題となった事象を、本作はハリウッド資本により提供された事実も肝要でしょう。
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会だって決して諦めず今も活動を続けるわけで、本作の両親も今もチラシを配っていることでしょう。この問題作にあたり主演された皆様に深く敬意を表したいですね。寄り添いつつも冷静を逸脱しない父親役の青木崇高の頼もしさ、嫌疑を掛けられる母親の弟役の森優作の過去の悲劇、記者としての限界に苦悩するテレビ局員役の中村倫也は珍しく短めのヘアスタイルで閉塞感を訴える。
そしてなにより母親役の石原さとみが圧巻の演技で従来の彼女のイメージをぶっ壊したのは確かです。ドラマでもCМでも、「私ってキレイでしょ」的なアピールが強すぎて大嫌いなタレントの一人でしたけれど、よかったよかった。保護したとの悪戯情報での茫然自失はまるで本物、夫婦の言葉の掛け違いのやり取りのタイミングなんぞ鳥肌ものでした。
最後に、こんな場合に起きがちなのが、容疑者への冤罪の可能性です。見つからない永遠の辛さより、最悪結果でも決着が見えた方がまだまし。の意思が思わぬ冤罪を引き起こすにも留意しなければなりません。
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