劇場公開日 2023年7月28日

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658km、陽子の旅のレビュー・感想・評価

全92件中、61~80件目を表示

4.0特殊事情を排して、福島を通って、

2023年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2022年。熊切和嘉監督。40歳を超えて都内でフリーターをする女性主人公は意欲もなくなんとなく生きている。ある日、故郷青森で父が死んだことを知り、受け止められないまま、従兄の車に同乗するが、ふとしたことからPAに置いていかれてしまう。ほとんど所持金もなく、スマホもないまま、ヒッチハイクで故郷に帰ろうとするが、という話。生きる意欲を失った主人公が父の死を受け入れて立ち直る様子を描く。
主人公が東京でやりたいことがなんだったのか、父とのいさかいの出発点になった出来事はなにか、ということが描かれないまま、なぜか意欲を失っている主人公が、なぜか父の葬儀を受け入れることに困難を感じているという設定から始まっている。特殊事情を排除して一般的な「無気力」「家族とのいさかい」からの立ち直りを描きたかったのかもしれない。その意味で、自分についても周囲についても客観的な認識を欠き、主観的な気分や納得のままに動いている主人公(コミュ障といわれている)の内面から出る言葉や行動には妙に切実なものがあって、心が動かされる。行動のもとになる事情が判明していたら、ここまで心を揺さぶられることはないのかもしれない。
しかし、ロードムービーとしてみると、やはり、行動の動機が不確かなのは致命的と言わざるを得ない。しっかり決意した後半はともかく、前半ではそこまでして青森に行こうとする意味が伝わってこない。わからないからこそ行動、ということでもない。例えば、本作では通関点である「福島」を目的として目指すロードムービーである「風の電話」は、一部ヒッチハイクも取り入れた女子高校生の旅だったが、震災で失われた親の姿を求めるという明確な目的があった。今作では高速に乗ったままなら通らないはずの福島の浜通り(富岡町あたり)を通っている。それには理由もあるし、結果的にそこでの出会いが重要ではあるのだが、画面に映る核廃棄物や防波堤が意味を成しているようには見えない。

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文字読み

3.0すいません、青森まで乗せてもらえませんか?

2023年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

40近い、引きこもり。田舎から出てきたものの、馴染めずコミ障。かといって、体裁悪く田舎にも戻れず。
いるんだろうな、けっこう。
思いがけず置いてきぼりを食らい、それでも疎遠だった父に会いたさが勝り、遠い青森を目指す。嫌でも人と触れ合っていくことで徐々に氷解していく閉じこもっていた心。
だから心から「こんな私をのせてくれて、ほんとにありがとうございます。」と言葉が出てくるのだろうし、握手を求めるのだろう。
茂。せめてさ、やっとたどり着いた陽子をまずは労わってやれよとは思う。だけど、そのぶっきらぼうな態度がまた東北人なのだろうな。けして冷たいのではなく、内にはよく頑張ったなって気持ちは溢れていそうだったものな。
この手の映画、ジムオルークはよく似合う。

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栗太郎

3.0共感部分3割

2023年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

共感できる部分が父との確執の部分だけで、
それも3割ぐらいだった…。

陽子が、ただコミュニケーションが苦手な引きこもりだけに見えなくって…。
少し知恵がないのかと思うような行動をするから...、
この違いって、こちらの陽子に対する見方が変わるんだよね…。

あと、いろんな部分で、いくらなんでも…という描写が多くて…
従兄弟もサービスエリアに呼び出しするでしょー、とか。
携帯借りられるでしょー。とか。

海で寝たらヤバいし…あれは、妄想なの?
俯瞰で撮影してる波で全身濡れるシーンとか正直いらない。
イケてるでしょ、このシーンのドヤ感としか思えなくって…。

まぁ、そんななんやかんやを言ってしまうと物語が進まないから、
仕方ないんだろうけど、もう少し辻褄の合う展開で旅をさせて欲しかったかな。

よくよく考えると、今の便利な時代って、映画も作りづらのかもね...。

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hkr21

3.5詫びなかったね(笑)

2023年8月3日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

観て来ました。
挫折と不運が付きまといましたが孤独と孤立から抜け出そうする彼女の姿は人生の岐路とも言える瞬間でした。
声を出して相手に意思を伝える事も出来なかった陽子がしだいに成長する姿をみていて辛かったけどそれが彼女が都会で生活する姿、そのものだったんだと思いました。
様々な人と出逢い望郷への想いが強くなっていく姿に応援したくなりました。

置き去りにした叔父さん、詫びる事もなく迎いいれたのには一瞬、唖然(笑)

題名が『旅』でしたね。

すれ違う車の名前を語る男の子、台詞だろうと感心しましたし、この子はトラブルの始まりとはね。陽子さんも大変な姪っ子をお持ちでした(笑)

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倭

4.0菊地凛子さんの代表作になりました🙌

2023年8月3日
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鑑賞方法:映画館

熊切和嘉監督 × 菊地凛子さん

陽子、42歳、独身、締めっぱなしのカーテン、引きこもり、自宅のPCでカスタマーサポートのバイトなのかな?

父の訃報を受けて東京から故郷の弘前へ向かった。
それも訳ありのヒッチハイク。

コミュ障を悪化させてるので人に話しかけることもままならない。無様な陽子と自分を重ねて心がざわついた。

そう、自分にとってはかなり痛いロードムービーだった。間違いなく好きなテイストだった。

何はともあれ凛子さんの代表作になりました🙌
熊切監督作としても「海炭市叙景」と並んで好きな作品と言える。

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エロくそチキン2

4.0胸が痛い

2023年8月2日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

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カールⅢ世

3.0映画の内容もさることながら…

2023年8月2日
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鑑賞方法:映画館

他の方も色々な矛盾を指摘されていましたが…。
確かに、なんで?なんで?とか、思ってしまった。
そして、心の狭い物言いになってしまうけど、きちんとお礼も言えない人とは、あまり付き合いたくないなぁ…と感じたのが一番かなぁ…。
こういう人が一定数いることも理解はしているけど、申し訳ないけど、自分から積極的に話かけて、その人の心を開こうとか思わないかなぁ。
一方で、この映画の登場人物のように、心が広く、誰にでも分け隔てなく接する人も、やはり一定数いるんだろうけど、そういう人にもなれない(ヒッチハイクを断るというレベルの話ではない)。
だから、ちょっと受け入れられなかった。映画の内容もさることながら…

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kawauso

4.0一期一会

2023年8月2日
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鑑賞方法:映画館

必要に迫られてヒッチハイク。良い人もいれば悪い人もいる。だんだんと表情、声が逞しくなって目的地まで辿り着く。静かな流れのストーリーだけど、菊地凛子の自然な演技が飽きさせない。父親役のオダギリジョーも時々現れるのが面白い。
父親のことが頭に浮かんだ。もうすぐお盆だな。

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Olivia

4.0菊地凛子が引っ張っていく658km

2023年8月2日
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好き系ロードムービー。
父娘の確執から故郷・青森県弘前を離れて20年の陽子に届いた突然の報せは父の死だった。

やりたいことがあって都会を目指したはずなのに挫折して、屈折して、自己肯定感がめちゃめちゃ下がってしまった頃には人と話をすることすらまともにできなくなっていた陽子、42歳。

あー、こういう人、現代に確かにいるんだろうなぁ。パソコン・スマホがあれば人と接していなくても仕事はできる、食べていける。でも、何が楽しいのかな。
レンチンしたイカ墨パスタで唇を真っ黒にしながらパソコン画面に向かって毒づく陽子。こんな人間が未来にはワンサカ増えているのじゃないだろうか。
決して他人事じゃない。

そんな陽子はひょんなことから父の葬儀の青森までひとり658kmの道程をヒッチハイクで目指すこととなる。

スマホ使えない、所持金二千円ちょい。青森行くのに薄着。
なんでこんなことに!の理由がうまく描かれてる。

荷物の上にスマホ置いて荷物ごと持ち運んでスマホ落っことす。あるねー。

記念にと小銭入れに挟んだままで使う予定もない二千円札!あー、私もやってた!

そんなちょいとした描写がセリフなく綴られていく、その見せ方がとても好みだ。

人にパンをもらっても「ありがとう」のひと言も言えなかった陽子が、終盤に向かうにつれて本心からの「ありがとう」が言えるようになる。
泣けるよね。だって心のこもってない「ありがとうございます」は私も日常的に吐いてる。仕事だから。

久しぶりに魂のこもった「身体に気をつけて」の言葉を聞いたなぁ。
と思ったら泣いていた。

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いも煮

3.5痛々しい

2023年8月1日
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暴力的な父への反発やトラウマを抱え、様々な壁にぶつかって夢半ばで叶わず諦めた女性が、いわばコミュ障となっていながら、金も携帯も何ひとつない身一つで故郷を目指してヒッチハイクする姿が痛々しく。
あらすじにあった「心を癒されていく」ではなく、「逃げ続けていた自分と向き合って素直になる」が正解かな?
セリフにも何もないが、主人公の年齢を考えると、就職氷河期、リーマンショック後の壊滅的経済状態、非正規雇用の増大、震災、新型コロナ……
戦略的にビジネス展開する才と運がなければ、何ひとつ成功する道筋が見えない時代を反映していると感じました。
つらさの共感ができるか否かという感じなので、面白いというより、考えさせられるという趣き。

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コージィ日本犬

4.0それでも、あなたの元へ。

2023年8月1日
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hum

2.0私には合わなかったです

2023年7月31日
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鑑賞方法:映画館

映画サイト等での評判が良いので見に行ったのですが、私には合わなかったです。伝えたいことは分かるのですが、旅の途中で出会う人々とのエピソードが私にはあまり響きませんでした。また、主人公の行動が極端過ぎる上に一貫性がないので不自然に見えて共感できませんでした。それと、ゆったりしたテンポの作品は嫌いではないのですが、本作はあまりにも遅すぎて苦痛に感じてしまいました。あと、菊地凛子さんの演技が高評価なようですが、私にはどこが凄いのか分からなかったです。私は役者をやったことはないので言うのは失礼かも知れませんが、平凡な人を演じるよりも本作の主人公のような極端な人を演じる方が演じやすいのではと思っています。

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alias

3.0陽子の長い1日

2023年7月31日
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鑑賞方法:映画館

難しい

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まこやん

1.0お好きな方はスルーでお願いします。

2023年7月30日
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またぞう

2.5脚本に対する評価とは?

2023年7月30日
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TWDera

4.0ヒッチハイク

2023年7月30日
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なんで置いてけぼりに?

見上愛さんかわいいです。演技も上達。

最初はうまく行ったけど、次から大苦戦ですね。

ラストはいい終わり方でした。

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完

2.0地味な展開

2023年7月30日
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鑑賞方法:映画館

引きこもりのコミュ障女性が東京から青森へヒッチハイクするロードムービー。現実味のあるストーリーですがその分主人公の性格も相まって地味な展開であり面白みに欠ける印象。もっと強弱のある見応えある展開が欲しかった。

2023-112

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隣組

5.0身内の葬儀で弘前に向かうはずが、高速道路のSAに置いてきぼりにされ...

2023年7月30日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

身内の葬儀で弘前に向かうはずが、高速道路のSAに置いてきぼりにされてしまい、ヒッチハイクで北へと向かう話。

出だしは、コミュ障気味でろくに喋れもしなかったのが、徐々に表情や動作が変わってゆく様子。
静かな変化ながらも、凄みすら感じてきました。

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woodstock

3.5少数の善意と悪意、大多数の無関心

2023年7月29日
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鑑賞方法:映画館

 舞台挨拶が盛り上がったおかげで、本編への期待が高まりすぎてしまった。ラスト前の陽子の独白は、すごくよかったんだけど、それ以外は、自分にはちょっとなぁ。

 陽子のキャラクター造形に作為的な感じがして、違和感を持ってしまい、感情移入ができない。あれだけのコミュ障で生計を立てているとは思えないし、20年間の回想なしで、父親との関係を想像するのは難しい。

 それとおばさんの悩みを観客に聞かせておいて、ヒッチハイカーの女の子の心の闇をスルーするってどういうこと?

 世の中は、少数の善意と悪意、大多数の無関心でできている。それを実感できる物語でございます。

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bion

3.5急性大動脈解離

2023年7月29日
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様々な、時には屈辱的な対価と引き換えに赤の他人に助けられ、他者に頼るためのちょっとした勇気(勇気がいるんです!)を得ていく話。
種明かしを兼ねた車中自分語りがクライマックスなのだが,この自分語りは,子供の騒ぐ声と並んで陽子にとって苦痛として序盤に描かれている。わかっちゃいるけどやめられず語る姿は,やっとのことでたどりついた自己の解放を象徴している。
主演の菊地凛子にはスタンディング・オベーションを!

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ひろちゃんのカレシ