こんにちは、母さんのレビュー・感想・評価
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寅さんみたいにシリーズ化して盆と正月に公開してほしい
高校生の時に「幸せの黄色いハンカチ」「遥かなる山の呼び声」に感動し、盆と正月の寅さんを楽しみにしていた。
半世紀たった2023年、まさか山田洋次監督の新作が劇場で見られるなんて、吉永小百合さんの主演作品が公開されるなんて、田中泯さんが山田作品に出演するなんて、あの当時誰が想像できただろうか。
そう、これはとんでもない映画だ。
最近の山田洋次作品はちょっと飽きてきたというか(そりゃ飽きるだろ)、今作も初日に駆けつけるほどの熱はなかったんだけど、、面白かった。泣いた。笑った。
やっぱり吉永小百合さんは映画スターとしてのオーラがちがう。大泉洋も山田作品にぴったりはまってた。
宮藤官九郎との掛け合いなんて(ラーメン)久しぶりに映画館で声を出して笑ってしまった。
永野芽郁ちゃんも可愛いかった。
あの向島の足袋屋さんを舞台にシリーズ化して盆と正月に公開し続けてほしい。
歳とった今、黄色いハンカチや山の呼び声、観たら号泣するだろうな。
紺野ぶるま、どこに出てました?
大企業の人事部長を務める神崎昭夫(大泉洋)。 もうすぐ50歳の大台...
大企業の人事部長を務める神崎昭夫(大泉洋)。
もうすぐ50歳の大台だ。
妻とは別居、大学に通う娘・舞(永野芽衣)ともあまりうまくいっていない。
そんなある日、大学時代の同級生、同期入社の営業課長・木部(宮藤官九郎)から相談を受ける。
大学の同窓会、安い居酒屋チェーンはこの年齢では恥ずかしい、隅田川の屋形船を貸し切り、盛大に行こうじゃないか、ついては墨田区向島が地元のお前に屋形船の手配を頼みたい。
ま、実家で足袋屋を営み続ける母親(吉永小百合)に頼めば、伝手ぐらいあるでしょ、と。
知ってか知らずか、会社では人員整理の候補ピックアップ中。
木部がその候補に挙がっていることは昭夫は知っているのだが、業務上の秘密ということで洩らせない。
が、とうとう木部が知ってしまったから大騒動に・・・
という話で、松竹映画としては『男はつらいよ』が下火になった頃につくられた『サラリーマン専科』の流れの映画。
主役は、大泉洋演じる昭夫。
会社と友情との板挟み、加えて夫婦間の危機・・・と男性のミドルエイジクライシス映画で、母親・福江の恋物語は話の脇(宣伝では吉永小百合のハナシが中心のように喧伝されているが)。
その意味では、観る前の予想よりは面白い。
『男はつらいよ』で培った世間(社会)との軋轢の物語と恋愛コメディを、前者は大泉洋に、後者は吉永小百合に託した二面作戦。
脚本は功を奏している。
さらに、時折みせる、下町家屋のヌキの構図が抜群に上手く、美術も含めて、たぶん、現在でこの画が撮れるのは山田洋次監督組だけではないかしらん、と納得、ため息が出る。
で、映画はそこそこ面白いのだけれど、大企業に反旗を振りかざし、意地をみせた主人公の帰る場所が、母親の元というのは、いかにも前時代的。
さまざまな困難を個人や家族に押し付けてきた平成の世にモノ申してきた山田洋次監督が示す帰着点というには、安易すぎ(中心観客層に忖度したのかもしれないが)。
ということで、本作、観終わっての感想は、面白いけど、ちょっとムムムな感じ。
これには続編を期待したい。
『おはよう、母さん』で、母親と同居することになった無職50代の男性のハナシ(離婚の事後も含めて)、
『おやすみ、母さん』で、突然死んでしまう母親への惜別の情と、残った実家の処分と再出発を描くということで。
本作を現在進行形の物語にするか、やっぱり家族が良いいよね的な昭和の物語にするかは、このあとにかかっている、そう感じずにはいられない作品でした。
悪くはないが、時代が昭和で止まっている
老人にとってのアイドル映画、吉永さゆり作品。
俺は吉永さゆりファンではないが、嫌いでは無いし、今回は大泉洋に期待して観賞。
【物語】
昭夫(大泉洋)は大企業の人事部長を務めており勝ち組にいる。 しかし、家庭は妻と別居状態にあり、仕事ではリストラ問題を抱え、特に入社前からの親友木部(クドカン)がリストラ候補に挙がっていることへの対応で頭を悩ませていた。
あるとき、木部が大学の同窓会を隅田川の屋形船でやりたいという話から、隅田川沿いに住む母・福江(吉永小百合)が暮らす実家を訪ねる。久しぶりに会った母はボランティア活動などで忙しく、地元の人達と交流しながら生き生きと暮らしていた。さらにボランティア仲間の男性と恋愛までしているようだった。
その後娘の舞(永野芽郁)が親の離婚問題や進路問題で実家に居場所をなくし、祖母宅に避難したこともあり、いつになく足しげく実家に通うことになった昭夫。 母、娘、実家に入り浸る近所の住民達との会話・交流でこれまで見失っていたことに気付かされる。
【感想】
悪くはない。悪くは無いが、設定・差し込まれるエピソードに違和感がある。時代的ズレを感じるのだ。
山田洋次監督。あの不朽の国民映画寅さんシリーズの監督であり、国民栄誉賞に相応しい人だと思う。寅さん以外にも好きな作品はいくつもある。 しかし91歳。
この時代的齟齬の感覚は“家族はつらいよ”シリーズでも感じていた。
親子の情愛とか、不変のものはいい。しかし、リストラ、窓際族問題、女子大生の進路問題などに違和感を覚えたのは俺だけではないと思う。脚本も手掛ける監督の時代感覚が昭和で止まっていると思う。監督がどうしても脚本まで手掛け、やりたい作品を思う存分やらせるのであれば、時代を昭和に設定すれば良かったと思う。そうすれば違和感は消える。
そうか、今気付いた。観る方が昭和だと思って観ればいいのね(笑)
古さ以外のところでは、吉永小百合はいつもの吉永小百合だが、改めて可愛い婆さんだと思った。 こんな78歳はいない。
未だ老人達の絶大な人気が衰えないことに納得する。
脚本がイマイチでも観られるのは大泉洋や寺尾聡の演技があるから。彼らが作品を支えているので、何とか観れる。
でも、やっぱり若い人には無理かな。
人の心のグラグラ
仕事、家庭、友情、すべてがうまくいかない50歳近くの主人公。
未亡人の主人公の母親は近くの教会の牧師に恋をいだくのだが、母は年も年であり、作中ぽつぽつと亡くなった父親の思い出を漏らし頑固な父が好きだったのだろう主人公はそれを良く思わず、諦めさせようとちょっかいをかける。
しかし自分の家庭が離婚の危機になると、「自分のことは母さんには関係ないだろう」と怒る。
娘は最初家出をし心は滅茶苦茶で荒れていたが、終盤には一緒に花火を見に行くような異性を見つける。
不幸から幸せへ。目が希望に満ちていた。主人公とは逆の描かれ方であった。
主人公に不幸が重なって、どん底まで落ちるのだが、作中の一言「落ちきればあとは上がっていくだけ。」というような言葉はまさにその通りである。不幸はその人間の主観であり、心である。とらえ方によって今の自分の位置が不幸か幸せかを位置付ける。
主人公を裏切者といったり恩人といったりの主人公の同級生、母親の「一緒に北海道に連れて行って」という言葉にYES、NOの返事を葛藤しできなかった牧師、牧師は嫌だが母親の言うことはそれとなく聞くホームレスの男性。
いかに人のこころは自分の立ち位置によって揺れ動くのか。
一貫性とは程遠い、人の心の揺らぎのむつかしさ、私はとても感じることができました。
「二度とこの家に戻ってくるか」と言った主人公が、最後には生家に戻り母と暮らす。そのままマンションに暮らすことも出来たのに。
不安、不幸、生き方をお互いさらけ出し、新しい一面を見た親子の暮らしが始まる。
「ただいま、母さん」ではない。「こんにちは、母さん」である。
もう山田洋次の時代ではないのにスゴイ
オープニングは大手町のビルなんだよね。「大手町をこんなにキレイに撮れるのか」と驚いた。話が少し進んでタイトルのところは隅田川で「小津安二郎みたい」という画なんだよね。カメラマンすごいな。
大泉洋が仕事でも家庭でも困って、吉永小百合が恋に落ちていて、それでテンヤワンヤでどうしようって話なんだけど、ちょっと古い感じがするの。登場人物の行動が「いま、その行動かな?」ってところがある。
大泉洋は吉永小百合の恋に対して「やめてくれよ」と言うんだけど、どうなんだろう。いまだと「死ぬまで恋した方がいいよ」ぐらい言っても良い気がするし。
永野芽郁の大学生はちょっと学生運動の頃の感じもある。
一番感じたのは、大泉洋の家に来たUberの大学生なのね。「大学四年なら就職活動してるのか」って聞くんだけど、いま四年で就活するのかな。三年生で終わってない?
そういうとこもあるんだけど、納得感もあるの。
登場人物の気持ちが、ちょっと飛ぶところあるんだよね。永野芽郁が「嘘よ。みんな嘘ばっかり」って言うところとか、大泉洋が「こういう仕事は裏切らないから」と言うところとか。少し脈略ない台詞に思えるの。
でも「人間って、こういうものかもな」って納得してしまう。捕え方が深いんだろうね。
大泉洋は大手町の現代的なビルに本社を構える会社の人事部長で50前だから、超エリートなのね。それでも最後に宮藤官九郎を救って会社を辞める決断をする。
普通は、しないよね、そんな決断。でも「首を切る方も大変ね」「逆なら良かったのに」というやり取りも振ってあって、そちらの方がいいんだよというのが、作品を通じた考え方なの。
大泉洋の離婚もそうなんだよね。永野芽郁のお母さんが「お父さんみたいな会社に勤めるか、お父さんみたいな会社で偉くなりそうな人のお嫁になるしかない」と永野芽郁に言ったことになってるけど、お母さんはその理屈で大泉洋を選んでるんだよ。
でも最後は、好きな人がいて、そちらに走る。実利より気持ち優先。
吉永小百合の恋は「好きって言ってもらうの」と述べていたのに、寺尾聰が出発するときに「私も北海道に連れて行って」と言っちゃうんだよね。観てて『ベタすぎる』ぐらいの感覚だったんだけど、隣で観ていたマダムの心は掴んでいた。声が出てたもん。やっぱり、うまいんだなあ山田洋次と思ったね。
もう山田洋次の時代じゃないなと思うけど、それでも唸るところはあって、永野芽郁も可愛いし、観ても良いかなと思うよ。
山田洋次さんの無難で安定した感じの作品。 本年度ベスト級。
涙無しでは観られない感動作って感じに期待!
でも無難な感じで終わってしまった感じ。
笑い、泣き、トラブル、恋愛など満載だったけど自分的には退屈な作品だった。
一流企業の人事部長。
大泉洋さん演じる神崎を中心に展開するストーリー。
神崎の母役の吉永小百合さんや娘役の永野芽郁さんなど、神崎家の色んな出来事が満載。
自分にはあまり刺さらず。
劇場は高齢の方が多目。
その方々が笑うシーンに自分は笑えず、付いて行けない感じで取り残された感じ(笑)
自分は若いから笑えないと勝手に解釈(爆)
全ての出来事が中途半端な感じで満足度は低めだった。
自分的には吉永小百合さんの恋愛ストーリーの比重を多目にした方が良かったのかな?
と観賞後に感じた。
本作で一番印象に残ったのは永野芽郁さんの可愛い服装でした( ´∀`)
山田洋次監督作品初鑑賞
友達が観たと言っていたので観てみました。先に配信で「母べぇ」鑑賞。涙。
山田洋次監督作品は初めてだったけど、昭和な創り+皆さん演技がオーバー…なるほど、そういう作風なんですね。
そして何歳になろうとも、ヒロインは吉永小百合さん。これはホント驚いたし素晴らしいと思いました。一生美しいヒロインでいてほしいです。
令和版 男はつらいよ 母さん篇
下町で足袋屋を営む母さんの家の店先、居間、台所、二階の部屋が主な舞台である。その息子、別居中の妻、孫娘、近所の人々、息子の友人が、帝釈天の団子屋の如き趣で人情的やり取りを繰り広げる。但し恋をするのは母さん。息子は平成的な複数の事情で苦悩を抱えている。近くの相撲部屋の力士が足袋を買いに来てたり、ちょい役で交番のお巡りさんも出る。下町の空襲の記憶から逃れられない老人の凛とした生き様が描かれたりもする。たっぷりと山田監督ワールドを新作で堪能できる。母さんの恋のほろ苦い行方もグッ来て泣ける。
こんばんは!母さんで続編を!
下町のお母さん神崎福江役を見事に演じた小百合さん。
地元に帰っていった牧師先生に恋心を描き失恋したその後の人生がどうなるのか?を見てみたい。
大泉洋さん演じる昭夫。離婚し友達をかばって自ら退職を選んだその後の人生もどうなるのか?を見てみたい。
永野芽郁さん演じる舞。お父さんやお婆さんと暮らす中でどう気持ちが変わっていくのか?を見てみたい。
田中泯演じる頑固な路上生活者のその後の人生も是非見てみたい!
下町に暮らす極々一般的な方々のほんの数ヶ月の出来事や人間模様を丁寧に描かれていて登場人物のその後の人生を本当に見てみたいと感じました。続編を希望します。
素敵な映画をありがとうございました。
それにしても吉永小百合さんはいつまでもお若いし本当に麗しいなぁーと改めて感じます。
山田洋次の世界は色褪せない
悲しみも笑いも、どこにでもあるようなもの。無骨ではあるけれど乗り越えて生きていく。いつも隣にあるような世界。まさに山田洋次の世界。
見終わるとほっこりしてゆったりした気分になれる。
観終わった後、心優しくなれる、家族を描いた新たなる名作の誕生!!
91歳の山田洋次監督 90本目の演出、そして78歳の吉永小百合さん 123本目の出演作という、現代 日本映画界を牽引する巨匠と大女優による渾身の人間ドラマ
吉永小百合さんがすごく綺麗でした
清楚で凛とした立ち居振る舞いの中にも優しさの滲み出た母・神崎福江を見事に演じられ、とても印象的、御年78歳とは思えない、素晴らしい演技、正に日本映画界を代表する大女優のオーラに圧倒されました
山田監督と吉永さんといえば、「男はつらいよ(9作め) 柴又慕情」「男はつらいよ(13作め) 寅次郎 恋やつれ」が大好きで何度も観てます
シリーズ初の2回目登場となる人気マドンナ高見歌子を演じる吉永さんがメチャクチャ可愛くて綺麗で素敵ですが、長い時を経て歳をとった本作の吉永さんも全く別な魅力を放ちすごく良かったです
孫の神崎舞を演じる永野芽郁さんも初めていいなと思えました、これまでは失礼ながら、気の抜けた様な声の出し方と声量の足りなさで、良いと思ったことがなかったのですが、本作ではしっかりしたセリフ回しとボリュームでとてもいい演技をしていたと思います
そして息子の神崎昭夫を演じる大泉洋さんもとても役に合っており素晴らしかったです
公私共に大きな問題を抱え苦悩するが最後は最高の決断を下す、とても複雑且つ爽やかな役どころをごく自然に演じており、さすがだなあと思いました
そんな吉永さん、大泉さん、永野さんがまるで本当の家族の様に見え、最高の名演技アンサンブルを奏でており、それを山田監督がとても細やかで温かい人情味溢れた演出で一級の人間ドラマに完仕上げています
また1つ、観て良かったと心から思える名作に出逢えました
これはいけません!癒され過ぎです!
大泉洋さんは苦手だったって前にレビューした記憶がありますが、かれこれここ数年の彼の出演作品はほぼスクリーンで鑑賞していることに気がつきました。いつしか苦手克服できて得意分野にさえなってたんでしょうか?
いいですね、大泉洋さん!TEAM NACSのそれぞれの方々もいい味出されてますが、大泉さんは突出してますね〜
出演作品、映画、ドラマ、バラエティ、ジャンルを問わず面白く外しません。(『新解釈・三國志』以外?)やはり得意分野の役者さんなんでしょうね、今や!ちょっとウザめの役からヘタレ気味の役まで素晴らしく演じています。
吉永小百合さんは、やはり山田洋次監督作品『母と暮らせば』で二宮和也さんとの悲しいながらもほのぼのとしたやりとりにジワった(もう死語かも?)記憶がありますが、今回も正直、大泉洋さんの境遇は決してほのぼのできませんがなんだかハッピーエンドのようにジワジワ感じました。
そしてこの年齢であの美しさ!化け物のような(もちろん褒め言葉です)女優さん、吉永小百合さんには演技面も含め何もいうことありません。少し前、天海祐希さんとの作品もよかったですよね!?
あと永野芽郁さん、最初に観たのは『ひるなかの流星』だったと記憶していますが正直「美人じゃないけど面白い顔した娘(こ)だなぁ!ある意味ファニーフェイスの日本のオードリーヘップバーン?」って思ってました。その後各作品でメキメキと演技力を上げられ目が離せません。大泉さん自らおっしゃっていましたが吉永小百合から大泉洋は生まれないし、大泉洋から永野芽郁は生まれないよね!って私も思います。また、山田洋次監督のご要望なのか色々な服装でおへそを堪能させていただきました。ありがとうございます。
宮藤官九郎さんの役どころ、ヘタレ加減もなかなかでした。こんなダメダメオヤジ、いますよね!監督、脚本、ミュージシャンをしながら一番片手間(?)の役者としても個性的な味わい深いキャラクターです。(なんだかついでみたいなコメントだなぁ)
すべてにおいて寅さんを生み出した山田洋次監督のまさに山田洋次たる作品で、決して劇的な展開はなくても全編ほのぼのと安心して観られますよね。是非幅広い世代の多くの方々に観てほしい映画です。ただ土曜日、朝一上映回は同世代のオバ様と2人きりでした!何度も書いてますが名古屋の映画館、大丈夫なんでしょうか?
雑談
寺尾聰さん
足袋屋さんに先生としてきたら地下足袋にソールをつけて『陸王』発明するんじゃないかと。また吉永小百合さんと再婚して大泉洋さんと義理の親子になったら福山雅治さんが『ラストマン』として出てくるんじゃないかと心配(期待?)しました。以上、TVドラマ好きの妄想でした。
吉永さんから大泉さんは生まれません^^
吉永小百合さんを一度ぜひ、この目で見たいと思い、初日舞台挨拶を見に富山から上京。前から16列目、中央部の席から、しっかり吉永さん、永野芽郁さんの笑顔みられ感動。
映画も素晴らしく、何度か涙をぬぐったわ。僕の母は故人だが、帰ったら、仏前にお線香をあげたいです。
まるで寅さんの新作。面白かったです。
山田洋次監督作品は基本、外れがあまりない。一生モノの感動作品もまあそんなにはないけど、いつも佳作で、ほんわかする安心度がある。本作もまた、昭和テイストで、ほんわかとして、じわっと涙するいい作品である。というか、寅さんシリーズの新作を観たような、うれしさを感じる作品だった。
たぶん、それは主役の大泉洋のせい、だろう。寅さんが現代に生まれ変わり、魂を社会に売りわたして、窮屈な大手企業の人事部に勤めているような、そんな雰囲気を大泉洋が演じていた。寅さんそのものであった。マドンナは主役の母さん役・吉永小百合と一人娘の永野芽郁。いい感じで、とてもよかった。なので、どうみても、寅さんシリーズの新作だったのだ。
★4.0を差し上げたいところだが、ひとつ残念だったのは大泉洋の親友役の宮藤官九郎。彼の脚本家として才能は抜群だが、役者としては大根レベル。彼のせいで、大泉洋も永野芽郁もその他脇役みんなが大根になったと私は感じた。なので★は3.7。彼を起用した山田監督の意図もわからないでもないが、重要な役どころなのに、大根過ぎて、そこが、残念。
山田洋次監督の演出はほのぼのする
映画本編始まる前に地声でしゃべっていたおばさんの声が耳障りで早く黙ってくれないかなと思っていたら、その前の席のおっさんが「うるさいよ!」と一喝して、静かになった。注意する方も勇気いるので、注意される前に自制しましょう、映画館は公共の場です。
さて、レビューですが、令和の時代に、女子社員の肩に手を置くのはセクハラですって撮影現場の誰も指摘しなかったのかなと思うと、山田洋次監督にモノ申すひとがいないのかと思ったりした。まさに昭和の時代の会社風景。
吉永小百合が下町の足袋屋さんを営む老婦を演じて、まるで、寅さんのようでした。大泉洋演じる息子との掛け合いも妙があってほのぼのする。永野芽郁は感情表現が豊かで好きな女優で、娘役を演じているのもこの映画を観たいと思った理由のひとつ。
山田洋次監督の演出、カット割りの風景は寅さんから脈々と続く下町風情を映したもので、暖かい気持ちになる。
山田洋次監督の温かさ
山田洋次監督の「家族はつらいよ」シリーズが好きです。
どこにもある、普通の人の日常におこる、本人にしたら大事件、でも傍から見ると
「それって喜劇だよね」を切り取るのが、とても上手いのだと思います。
もっと早く、山田洋次監督と大泉洋さんがタッグを組んで、情けないけど、どこか憎めない男のシリーズを作ってくれたら良かったのにと思う。
(同じ山田洋次監督作品でも「釣りバカ日誌シリーズ」は個人的には好きじゃないです。)
わざとらしくなく、笑える場面を入れてくるのもさすが。
話の余白も想像出来、共感できるから泣ける。
例えば、福江さんが、先生にプレゼントした上履きは青海波。ここにも福江さんは口に出しては言わないが、この柄を選んだ理由が想像出来て、胸がキュンキュンしました。
観終わってほっこりする、寅さん要素もあり、昭和の匂いがする素敵な映画でした。
吉永小百合さんの失恋して酔っ払ってちょっとやさぐれるシーンは、今まで見たことなくて新鮮。
宮藤官九郎さんと田中泯さんの存在感も良かった。
もうダメだろう
もう山田洋次も引退してもいいだろう。はっきり言って古臭い。最初の方の場面で●●課長が大泉洋演じる人事部長を飲み会に誘う場面でも、そこで働いている女子社員もどうだと肩に手をおいて誘うこれって今の時代では考えられないれっきとしたハラスメント。また場面変わってオフィスでこの●●課長が怒って去っていく場面で人をよける際に「失敬」と言っていく。今この言葉を使う人いるのかそんなような事ばかり気になり、とにかく前時代前の作品。誰かが小津安二郎と比較して書かれていたと思うがとんでもない事。小津さんに失礼極まりない。高年齢層のみ対象の映画であればそれでいいのかもしれませんが。
ほっこり、ゆったり、じんわり
公開日は他作品を優先してしまったのですが、みなさんのレビュー高評価につられて遅ればせながら鑑賞してきました。公開から1週間が過ぎての休日ファーストショーでしたが、中高年を中心にけっこうな客入りでした。ただ、上映中にスマホを見る、着信音が鳴る、しゃべる、トイレに行く…なんて人が多く、マジで勘弁してほしかったです。
ストーリーは、職場では神経をすり減らし、家では妻と娘に出ていかれ、悩める日々を送る会社員・神崎昭夫が、久しぶりに訪れた下町の実家の足袋屋で、母・福江の様子が変化していることに気づき、恋や生きがいを見つけて前向きに暮らす母やその支えとなっている周囲の人物との交流を通して、自身の生き方を見つめ直していくというもの。
最近は老いらくの恋も珍しくなくなってきました。でも、息子からすれば、母は母であって女性としては見ていないので、福江の恋に狼狽する昭夫の気持ちはわからなくはないです。しかし本作は、そこにスポットを当てているわけではなく、福江の生きる希望の一つとして描いている点がいいです。ボランティア活動に勤しみ、魅力的な男性に恋をして、やりたいことを精一杯やる福江の姿が素敵です。
とはいえ、その裏には、体が動かなくなり、誰かの世話になることを恥じたり恐れたりする気持ちが見え隠れします。それは、生活保護を受けず、空き缶を集めて生計を立てるホームレスの姿にも重なります。生きがいと健康、それを保障するちょっとした支援さえあれば、人は幸せに生きていけるのかもしれません。
そんな母の姿を見たからこそ、昭夫も本当に大切なものだけを手元に残したのでしょう。仕事を辞め、離婚を決め、ローンの残ったマンションを手放し、母が捨てられなかったファミコンや人生ゲームなどが残る実家で、これからは大切な母と明るく暮らしていくのでしょう。これは昭夫にとって人生の大きな断捨離であり、断捨離と書かれた掲示物の前で書類をシュレッダーにかける冒頭の姿との対比が鮮やかです。
山田洋次監督らしい人情物語で、淡々と進むストーリーの中にも下町の人々の確かな息づかいを感じる作品でした。ただ、前半は、昔の邦画にありがちな人物紹介や状況説明的セリフが多くて、なかなか乗れませんでした。気持ちが乗らないと役者の演技もわざとらしく見えて、ちょっと萎えました。それでも、中盤以降は大泉洋さん、田中泯さんらの演技に支えられて持ち直し、ラストは気持ちよく泣けました。奇しくも今日は母の誕生日。何か買って、実家に母の顔を見に行こうかな。
主演は吉永小百合さんと大泉洋さんで、本当の親子のようなやりとりにほっこりします。脇を固めるのは、永野芽郁さん、YOUさん、枝元萌さん、加藤ローサさん、宮藤官九郎さん、田中泯さん、寺尾聰さんら。
漂う昭和感が心地よい。。東京下町情緒と人情話。安心して見れる。
山田洋次監督のファンと吉永小百合さんのファンは安心して見れて満足すると思う。
漂う昭和の香りが心地よい。だけど出前館(ウーバー?)が出るから令和。僕はこの映画が昭和っぽく感じていい気分だったけど、令和なのに昭和みたいな所に違和感を感じた人はダメだったかもしれない。
僕が特に昭和っぽさを感じたのは、昭夫(大泉洋さん)の会社のオフィスの場面。
例えばオフィスの机と机の配置やハンコを使ってるところだ。令和でもハンコが全廃されてない大企業・上場企業もまだあるだろうが、ハンコは昭和感があると思った。
女子社員の肩に手を置く場面で、「令和なのに有り得ん」と思ったが、逆に言えば正に昭和。令和で女子社員の肩に男性が(ここで女子ではなく女性だと気付く)が手を置けばセクハラになる。正確には「セクハラになる」ではなく「なり得る」ということらしいが、以前ギャグで「触らぬ肩に祟りなし」というのがあったから絶対ダメでよいとだろう。肩に手を置くのは昭和でもダメだったのだが、昭和の時代は言い出せない女性が大多数だったと思う。
僕は山田監督の「寅さん」も「釣りバカ」も5~6本しか見てないし、吉永小百合の作品も「北のカナリア」(2012)以前の物は見たことがなく、今作が7本目だ。
有名な監督だし、昭和から令和に至る大女優だから見とこうかなぐらいのつもりで見た。
だから例えば吉永小百合さんなら、僕は、「リボルバー・リリー」 みたいな役を見てみたいと思うが、サユリストはきっと「僕が見たいのはこんな吉永小百合じゃないのにな」とガッカリするんだろうなと思う。
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