アムステルダムのレビュー・感想・評価
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何を言ってるか?は置いといて、どのようにして伝えようとしているかを楽しむ作品
2022年の現代の映画を、
ざっくり分けると、
叙事作品とは、
事件が次々と起こり、
登場人物の心の機微より、
プロット、ストーリー重視、
派手な事件が起こるエンターテイメント作品。
小説のカテゴリーで、
どちらかというと直木賞に分類されるような作品。
叙情作品とは、
最初に事件が起きる、
あるいは事件が起きない場合も。
ストーリーよりも、
登場人物の心の機微で魅せる、
目の開き、口のゆがみ、
手の使い方、背中の丸め方、
その先生のようなデ・ニーロを始めとして、
さまざまなキャストの芝居で魅了していく作品。
小説では芥川賞。
叙事、叙情、ほとんど死後に近いだろうし、両方の圧倒的な要素が入ってないと昨今の興行は難しい。
本作は、設定は第二次大戦前、キャストで魅せる、芝居のぶつかり合いを楽しむ作品。
ストーリー的には退屈、
展開が遅く感じたりする観客も多いはず。
でも、
言いたい事は、
西暦2022年にもなるが、
1930年代の社会に似てきてないか。
ファシズム、分断、ヘイト等々。
いっそスターが集結して政党を結成してほしい。
映画を作ってる場合ではない状況に突入してる?
キャストがハマってる
面白かったです! 豪華キャストがみんな役柄にハマっていてとてもいい。特に女優3人。
ストーリー自体はまともですが、結構ギャグや皮肉が入っていておいしい。
ほぼ実話と謳っているものの、ほとんどがフィクションと思われる。でもあの将軍の証言からするとムッソリーニとヒトラーが台頭していたころ、陰謀自体はあったんだねえ。恐ろしいことだ。
終わったばかりだというのに、また戦争・・・
五人委員会という胡散臭い団体も実際にあったのかどうか疑わしい(wikiで調べるとアメリカ独立宣言などしかヒットしない)。なんせ五人委員会のハーケンクロイツもどきの標章も笑えるし、MI6のマイク・マイヤーズや米諜報機関のマイケル・シャノンといい、二人の刑事といい、シリアスなはずなのにどこか怪しいキャラたち。そんな彼らが奏でる壮大な陰謀劇の裏側で翻弄される仲良し3人組。
テイラー・スウィフトを楽しみにしていた今作。序盤から出まくってるな~と嬉しくなったのも束の間、あっさり退場してしまった。第一次世界大戦で負傷した兵士や解剖シーンで結構グロい映像に圧倒されるのですが、ヴァレリー(マーゴット・ロビー)の真摯な看護によって前向きになったバート(クリスチャン・ベール)とハロルド(ジョン・デビッド・ワシントン)。ハロルドとヴァレリーは恋仲となるが、バートはアメリカへと帰って妻に会うのが楽しみ。アムステルダムでの楽しい時間はほぼ1年くらいだったろうか・・・
バートとハロルドが殺人容疑で追われることとなり、リズの遺した言葉ローズ=ヴォーズを頼ってみると、富豪のトム・ヴォーズ(ラミ・マレック)の妹がヴァレリーだったという偶然。そして、独裁者を崇拝する五人委員会という組織にぶつかるのだった。
サスペンスからアメリカ独裁政権を守った一人の勇敢な男の物語へと変化していく中、自由を謳歌しようとしていたアムステルダムへの郷愁や仲間を守り抜く友情物語。義眼で笑いを取りつつ、義父や妻からの裏切りにも遭ったバート、信じていた兄に飲まされた薬によって神経症を患ってしまったヴァレリーの明るさもいい。そして、アメリカでも禁酒法や恐慌によって独裁者が生まれる土壌もあったのだろう。さらに戦争で金儲けしようとする富豪に対しても痛烈に批判していたと思う。
豪華俳優陣の中でもバットマンとハーレイクイン、そしてフレディ・マーキュリーとレコード会社の重役がいかに絡むか?とワクワクしたけれど、さすがに他映画なので無理だったか。それでもマイク・マイヤーズは顔見てるだけで笑える・・・結局、美味しいところはすべてロバート・デ・ニーロが持って行ってしまった。ストーリーはもっと緊迫感のあるものにしてもらいたかったけどね~
映画の中の世界に引きずり込んでくれるが
作り込まれたセット、衣装、豪華キャスト、淡々と知的な語りによる演出によって、映画の中の世界に引きずり込んでくれる作品だった。
ただ、引き込まれてから中々ストーリーが展開しない。
丁寧に描いているのとは少し違う、まどろっこしさを感じてしまった。
もう少しテンポ良く展開して欲しいなと思った。
それでも、映画の中の世界に引きずり込んでくれる強さのある作品であるし、映画館で観ることの醍醐味を感じられる作品であった。
今この映画が作られた理由
“ケチョンケチョン”のレビューもあるけれど、やっぱりこの映画が今作られたのには理由がある、と思いたい。ヘミングウェイやフィッツジェラルドと同じ所謂ロスト·ジェネレーションに属する主人公達が、なけなしのプライドを奮い起こして、無節操な上流階級に戦いを挑むストーリー。そこから私は、混沌として先が見えない今の世の中、誰もが強い指導者を望むが、それよりも普通の人たちの正義感の方が意味がある、というメッセージを受け取った。
主人公の出自が半分ユダヤ系で半分アイリッシュ、奥さんの実家が典型的なWASP、みたいな設定も重要。タイトルは、頑迷なプロテスタント文化に縛られたアメリカ人の、コスモポリタニズムに溢れたヨーロッパへの憧憬の想いだろう、と。
なんて面倒臭いことを書きましたが、えっ?と意外な演技を見せてくれる俳優陣が素晴らしく、見応えがありました。マイク·マイヤーズがコメディを卒業するつもりなら、ちょっと寂しいけど。
【良かった点】 豪華俳優陣の畳み掛ける演技合戦。クスリと笑えてほろ...
【良かった点】
豪華俳優陣の畳み掛ける演技合戦。クスリと笑えてほろっと泣けるそんな作品。クリスチャンベールの一癖ある演技はやっぱり素晴らしい。マーゴットロビーはお人形かってくらい美しい。ジョンデヴィッドワシントンはシリアスめにコメディやる天才か。分かってはいたけど、ラミマレックは悪役顔すぎるって笑。背景や美術、衣装もこだわっていて観ていて飽きない絵作りだった。
【良くなかった点】
終始会話劇なので、集中していないと置いていかれる。疲れ気味な人には酷な映画か。キャラの味がどれも濃いので、感情移入やマリアージュを期待すると肩透かしか。
惜しいなぁ・・・
独裁的な指導者やポピュリズムの指導者が跋扈して、民主主義が危機に瀕しているこの時代に最も相応しいものを主題に取り上げたのは素晴らしい。
ベニート・ムッソリーニやアドルフ・ヒトラー、フランシスコ・フランコが台頭しはじめた1930年代にデモクラシーの先端を行くアメリカにおいてさえ、陰謀ともいえるこんな動きがあったとは。
これが史実とすればもっと世の中に知られていなければならないし、この映画ももっと脚光を浴びる必要がある。 原作者と監督に拍手。
ただ惜しむらくは
①始まってすぐに30年代から話が第一次世界大戦に戻ってしまうのはつまらん。
1917年ころから話を進めても問題は無いし、そうすればあくまでモンロー主義を貫くアメリカから主人公3人が何故ヨーロッパに渡ったのかという部分もドラマ化できたはず。
②終わり近くにダラダラと、5分くらい説明のようなものが続いたが辟易とした。
解説したい気持ちも分からないではないが、もっと簡略化して欲しかった。
③主人公3人がアカペラで歌うコーラスはすごく良かったが、全編に流れるBGMはイマイチ。
これに関しては個々人の趣味だから何とも言えないが。
主人公3人はそれなりに好演していた。
クリスチャン・ベールは以前はチャラい役が多かったが、今回はハマリ役であった。
ジョン・D・ワシントンはデンゼル・ワシントンの息子でNFLの元選手だとか。
あまり期待はしていなかったが良かった。
NFLの元スタープレイヤーO・J・シンプソンの二の舞にならないように願い、今後の活躍を期待したい。
マーゴット・ロビーはいいねぇ。
海兵隊元ジェネラル役のロバート・デ・ニーロはミスキャスト。
ここは『ザ・ロック』で海兵隊准将を演じたエド・ハリスじゃなきゃ。
打球は大きく外れて場外ファールボール
これだけクセ者揃いのキャストを集め、ストーリーも悪くないのに、なんかあまり面白くなかったです。第一次大戦後のアムステルダムで知り合った男女三人のボヘミアンぶりをコミカルなタッチで描くツカミはいい感じです。ところが、お話が前後したり、怒涛の大量な登場人物の交通整理が上手くないんで、ストーリーについていけませんでした。演出タッチも、コメディなのかシリアスなのかはっきりせず、セリフ中心の状況説明とメリハリのない展開で、寝落ちもしばしば。コミカルとシリアスのバランスを考えて、緩急をつけた演出が欲しかったです。とは言え、独裁者の高らかな軍靴の音が迫る不気味さは、まさに今のアジアやヨーロッパの情勢そのまんまで、ある意味タイムリーですね。役者では、クリスチャン・ベイルが安定のうまさだし、マーゴット・ロビーもクラシックな雰囲気と美しさが際立ってました。でも、なんて言ってもデニーロ御大の貫禄のスピーチは圧巻でした。
アムステルダム・ハッスル!世界でひとつの絆
マーゴット•ロビーの美貌に何度も目玉が飛び出しそうになりましたよぉ
マーゴットをはじめ豪華絢爛なキャスト達の個性が存分に溢れ出て1秒も無駄の無い
秋の大収穫作品でございます!!
ほぼ実話のこの陰謀を全く知らなくても
どこまで実話?と思える程テンポ良い展開
どこまでアドリブ?なキレの良い台詞
反戦思想を皮肉りながら深刻な題材にコメディ要素をふんだんに盛り込んだラッセル監督の手腕に痺れた134分でございました!
…テイラーのくだりにはあたふた💦しちゃいましたけど
すっごく期待して観たのに
豪華キャストとあらすじで公開前からかなり楽しみにしていた作品
でも実際私には面白さがわかりませんでした
期待値を上げすぎていたのかもしれないけど、面白く感じたのはストーリーの最初と最後だけで、中盤は眠気が…
3人が親友になって事件に巻き込まれて、そこまでは面白かったのに
途中途中にあるコメディ要素もいる?って感じたし、陰謀を暴くサスペンスの方が私には面白かったのかも
結果私が満足したのは、きれいに作品がまとまったようなラスト、ロバート・デ・ニーロの圧倒的存在感、キャストの豪華さでした
デビット・O・ラッセル監督作品の「アメリカン・ハッスル」も「世界にひとつのプレイブック」も合わなかったので、この監督作品は私には合わないかもです
のめり込めない
期待して見に行ったのですが残念ながら当方はのめり込めない作品でした。
全編アーティスティックな作りで見ている分には楽しいです。ビジュアルはとても美しい。
ですがストーリーが入り組んでいてセリフが多く、会話についていけないとなんの話かわからない。
目に映る画面を淡々と見ていましたが、デニーロが出てきた時点でハッとしました。それだけかな。
豪華俳優陣と語りが見どころかな
第一次世界大戦の終盤に欧州戦線で出会った3人が、戦後アムステルダムで愛おしいほどに楽しい共同生活を送った後、その約10年後の1930年代になってからニューヨークに舞台を移して事件に巻き込まれるというストーリー。「ありえないけど”ほぼ、実話”」というのがキャッチコピーになっているので、それを鵜呑みにすると、まさに「事実は小説より奇なり」を地で行ってました。
話の主題としては、医者のバートと弁護士のハロルドが、濡れ衣の殺人犯として追われる羽目になり、その疑いを自力で晴らしていくというミステリーに属するものですが、ストーリーに沿って人情の機微とか人生の浮き沈みに関する純文学的な語りが随所に挿入されていて、それがあるためにミステリーというよりは人生訓のようなエッセーを読んでいるような感じでした。
役者陣は豪華で、主役の3人のほかにも、「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリーを演じたり、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」で悪役を演じたラミ・マレックや、「アイリッシュマン」など数々の作品に出演したロバート・デ・ニーロなどなど、個人的に思い出深い映画に出ていたスターが続々と出演。90年から100年前のセットもしっかりと創り込まれていて、カネ掛けてなあと思うことしきりでした。
2時間以上に及ぶストーリー展開も、序盤から中盤に掛けて飽きさせることなく、テンポよく進んでいくのですが、最終的にナチスやファシスト党が悪玉という、何度擦られたか分からない結末になっており、その点はちょっと残念でした。まあ「ほぼ、実話」なので仕方ないと言えば仕方ないのですが、意外性の欠片もないだけに、中盤までの緊張感が一気に緩んでしまう終盤でした。そういう意味では、見どころはミステリーとしての解決ではなく、豪華俳優陣であり、またエッセーのような語りにある作品なのかも知れません。
文句なく最後まで食い入る。
これは面白い!緩急自在のストーリー運び、脚本・監督のデビッド・O・ラッセルの洒脱な演出力。奇をてらわずオーソドックスにレトロ感を出すキャメラのルベツキ。名優揃いの交通整理もゆきとどいて、なるほど賞レースの目玉作品と言われるだけの逸品だ。
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