劇場公開日 2023年8月18日

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クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのレビュー・感想・評価

全89件中、61~80件目を表示

4.0加速進化症候群

2023年8月21日
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鑑賞方法:映画館

怖い

独特の造形とエログロに目が行くけど人類の未来が心配なのも分る。
人の命を弄ぶのが究極の娯楽になるのは古代から常識。次は自らの内臓を取り出しながら悦楽に浸る人々。現代の整形マニアはそのはしりなのかも。
プラスチックを食べる話。高エネルギーなので消化できれば最高。人間より先に牛か羊辺りが食べるように改良されるんじゃなかろうか。加速進化で第5の胃が出来るかも。

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HigeKobo

3.5クローネンバーグも2000年代くらいから結構わかりやすい話の映画を...

2023年8月21日
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クローネンバーグも2000年代くらいから結構わかりやすい話の映画を撮ってきたと思うが久しぶりにクローネンバーグらしい映画だなという感じかな。

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teraox

3.0装置と勢いで気づいたら終わってた

2023年8月21日
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鑑賞方法:映画館

なんとなくすごい事を見せられている。
と、いう状態が
最初からずーっと続いていく。

意味の分からないベッドに
意味の分からない椅子。
共感が全くできない感情の起伏。
男女のやりとり。

それらが、なんだこれ…でも面白い。
と思ってみていたら、いつの間にか終わっていたというのが感想。

もっと主役2人のショーをじっくりと何回も見せてほしかった。
プラガキの解剖より、臓器オジの解体ショーの方が絶対に見たい。

そこが、圧倒的に物足りないが普通に面白い世界観だと思う。
別にストーリーが完結してなくても良いし
ぬるっと続いても良い。
世界観の確立だけで日常映画でも十分満足できるくらいのクオリティだった。

本当に臓器オジの解体をあと2回はじっくり見たかった。

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Nov

2.5Body is reality

2023年8月20日
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怖い

興奮

難しい

体内で未知の新たな臓器が形成される加速進化症候群という特異体質の男と、彼に出来た臓器にタトゥーを入れて公開切除手術を施す女性の話。

人の身体に奇抜な形成手術を施す様を公開するのがアートとされる近未来で、プラスチックを食す息子を憂い殺した母親と遺体を引き取る父親をみせ始まっていくストーリー。

それがアートであることは芸術に疎い自分にはこれっぽっちも理解出来ないし、エロスであることも頭では判るけれど程度の自分にはレベルが高いっす。

生態マシーンみたいなものが沢山出てくる世界観とか、主人公の体質は非常にユニークで面白いけれど、そこが強調され過ぎていて、進化と暴走とか政府の立ち位置とかはあらすじ紹介を予め読んでいないと少々解りにくいかも。

言いたいことはなんとなくは判るけれど、面白いかと言われると微妙な感じで、奇抜さが際立ち過ぎて内容のインパクトが負けてしまっている様に感じた。

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Bacchus

5.0新感覚発掘映画

2023年8月20日
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進化してるんだか退化してるんだか見た目には全くわからない世界観。

そこに生息する人間なんだか人間じゃないんだかわからない生き物が混在する宇宙感。

苦痛なんだか快感なんだかわからない、内蔵をきゅっと掴まれたような高揚感。

人体をアート化したクローネンバーグの快楽追求の紀行(奇行)が展開されます。

凄いものを見せつけられた感は半端なかった。

どうでもいいが、ジェーン・ドウの解剖を思い出してしまった。

追記
人間は進化と言う名の自己都合で数々のタブーを冒してきた、それは神をも恐れぬ所業である。そしてそれはいつか己自身に強烈なしっぺ返しとして帰ってくる。まさにこの映画のラストはそれではないだろうか。

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ちゆう

2.5紛うことなき変態映画。やや退屈。

2023年8月20日
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タイトルからして「マイノリティリポート」のような筋書きになるかと思っていたが違った。異常能力者と官憲が絡むところは同じだけど。
クローネンバーグは時々サスペンスドラマ寄りの作品を撮る。「イースタンプロミス」のような。同じヴィゴ・モーテンセンが出ていることもあり本作もサスペンス仕立てのようなところがある。ただ最後まで全く解答は提示されない。
クローネンバーグの一番良いのは観客を考えさせる壮大な問いかけをしないところ。またこの映画はあなたの心の闇を抉り出したものです、というように観客に責任を転嫁することもやらない。こんな変な話があります、こんな化け物がいます、と見せてくれるだけ。いわば見世物小屋の構造である。だから我々は後に引きずることなく「やっぱクローネンバーグって変態だねえ」と感想を述べた後は明るく元気に社会生活に戻って行くことができる。
そういう意味では今回のクロさんの見世物小屋はちょっと退屈かな。もう少し気持ち悪いかと思っていたけれど中途半端。メタモルフォーゼの哀愁もいつもより少し味が薄い。もうお年なのであんまり期待したらいかんのかもね。

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あんちゃん

4.0クローネンバーグが描いた人類の誤った進化

2023年8月20日
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旧作「裸のランチ」に続いて待ちに待ったクローネンバーグの新作を観た。再び至福の時を過ごした。傑作だった。

ヴィゴ・モーテンセン、レア・セドゥにクリステン・スチュワートという豪華キャスト。「人類の進化についての黙想」がテーマとのこと。

近未来、進化して痛みの感覚が消え去った人類。体内で新たな臓器が生み出すアーティストのソール(モーテンセン)はパートナーのカプリース(セドゥ)とともに臓器摘出ショーで人気を集めた。

2人を監視する臓器登録所のティムリン(クリステン)でさえソールの虜になった。

そこに在るのは異常なエクスタシー。クラシックスタイルのセックスでは満足できない人々がいた。

クローネンバーグが描いた未来には人類の正しい進化はなかった。こんな未来であって欲しくないと切に願うインモラルな世界が在った。

そう、「愛」さえ見失ってしまった。

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エロくそチキン2

3.0理解不能な部分は多いが、メッセージは感じる

2023年8月20日
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怖い

難しい

寝られる

フライヤーのインパクトと紹介サイトのSF感に惹かれて鑑賞してきました。が、期待とは異なる展開で、グロ描写も多く、かなり消化不良の作品でした。

ストーリーは、進化を続ける人類が痛覚を失う中、体内で未知の臓器を生成するという進化を遂げたソールが、パートナーのカプリースとともに、臓器にタトゥーを入れて取り出すショーを披露していたが、そこに進化の暴走を危惧する警察、臓器登録所の職員、新たなショーの提案を持ちかける男などが絡んでくるというもの。

正直いってあらすじさえうまく説明できません。というか、内容をたぶん理解できていません。冒頭で少年がゴミ箱をボリボリと貪り食べ、母親にいきなり殺されます。ぶっ飛びすぎです!(ただ、これは終盤で回収されたのでなんとか理解できました。)その後も、哲学的な感じの会話とこの世界独特の固有名詞が錯綜して、理解が全く追いつきません。登場人物それぞれの思惑が理解できないので、頭の中でストーリーがトレースできないのです。

それでも、荒唐無稽でシュールな世界観とも思える中に、強いメッセージは感じるので不思議です。冒頭の少年は、環境への適応を果たした、進化の理想型なのでしょうか。ソールによる新たな臓器の創造は、進化の過程における試作なのでしょうか。そう考えると本作は、「環境汚染の改善」か「適応のための進化」のどちらを選択するのかと迫っているように感じます。そして、選ばなかったほうが、未来に残す罪だとタイトルで告げているように感じます。

それにしても、謎の多い作品で、鑑賞後も疑問が渦巻いています。あの骨のような椅子はなんだったのでしょう。食事を補助するためのものにしては、めちゃくちゃ食べにくそうでした。怪しすぎるライフフォーム・ウェア社とその従業員の女性の目的は何だったのでしょうか。刑事の捜査目的は臓器カルト集団の壊滅で、ソールはその協力者だったということでしょうか。しかし、結局ソールは更なる進化を肯定し、受け入れようとしたということでしょうか。他の方のレビューを読んで勉強しようと思います。

主演はビゴ・モーテンセンで、恍惚の表情が印象的です。共演はレア・セドゥで、艶やかな肢体と演技が魅力的です。脇を固めるのは、クリステン・スチュワート、スコット・スピードマン、ドン・マッケラーら。

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おじゃる

3.0"ん〜、全然分からなかった…笑"な映画

2023年8月19日
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あらすじぐらいには目を通しておいて良かった…笑

でなきゃ、終始意味不明どころではなかった…そんな作品でした笑

*鑑賞前にパンフレットを買う事はほとんどないんだけれども、クローネンバーグ監督という事と粗筋がとりあえず面白そうと思い買ってしまった…それに、変形のパンフだし…。

でも、買わなくても良かったかな…笑

*無料配信でもあれば、見直すか?…微妙…笑

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stoneage

3.5席を立つこと能わず

2023年8月19日
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怖い

興奮

難しい

「第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門」に出品も、
上映中に退席者が続出したとのいわくつきの一本。

もっとも、自分の鑑賞時には
誰も中途退出者はいなかったが。

思わず身もだえし居心地が悪くなる、
神経を逆なでするグロテスクシーンは頻出も
耐えられないほどではなく。

彼の地では、審査員を含めて
どれだけデリケートな人々が多いのか、と
逆に首を傾げる。

『デヴィッド・クローネンバーグ』の作品は
世評では〔ヴィデオドローム(1983年)〕も
個人的には
〔デッドゾーン(1983年)〕と
〔ザ・フライ(1986年)〕が双璧。

後者は監督得意のフィジカルの崩壊も
前者はメンタルに分け入って行く一本。

共に、図らずも異能を得てしまった男の悲しみと
哀切極まる最後を描き秀逸。

『クリストファー・ウォーケン 』や
『ジェフ・ゴールドブラム』の演技も素晴らしかった。

で、本作、舞台は近未来。
主人公の『ソール(ヴィゴ・モーテンセン)』は
パートナーの『カプリース(レア・セドゥ)』と組み、
自身の体の中に新たに臓器を作り出し
それを摘出する一部始終をインスタレーションとして観客に魅せる
一種のアーティスト。

疫病や難病は既に駆逐・克服され、
人類は自らの体を更に変容させる途上に。

一方で国家は、その進化の暴走を恐れ
監視の目を広げていた。

自身の身体を傷つけてのアートは
軽いモノなら現在でも。

『宮川ひかる』の作品群などはその好例。
もっとも、痕が激しく残るほどではないにしろ。

肉体の改造は
『金原ひとみ』の〔蛇にピアス〕にも登場する
「スプリットタン」あたりか。

勿論、何故にそうした行為に走るのかは、
自分には想像できないけれど。

ここでは『クローネンバーグ』お得意の
意図的な肉体の改造や変化で愉悦を感じる人が次々と登場、
加えてそれを観て楽しむ富裕層の存在も。

ある意味、閉塞した社会のディストピア然とした
お決まりのパターンとも言える。

しかし終幕に向け、物語は意外な展開を見せる。
それは図らずも起きてしまう「適者生存」とも取れる一種の進化形。

おそらくヒトは
外見も内側も、今までとは異なるモノになって行くに違いない。

劇中で使用される術具等は
『ギーガー』が〔エイリアン(1979年)〕で見せたデザインを彷彿とさせる。

本作での種の進化とも関連する
有機物と無機物が混交した質感が
それなりに意識されているのだろうか。

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ジュン一

2.5失笑レベル

2023年8月19日
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寝られる

つまらなそうな映画、自分向きではない映画はそもそも観に
行かないようにしているのだが、デビッド・クローネンバーグ
監督の名前に釣られてつい観てしまった。

映画の価値観は人それぞれ違うから百聞は一見にしかずで
自分の目で確かめてみたい人、何らかの義理で観る必要が
ある人もいるだろう。それ以外の人には薦めたくない。

解説によると「人類の進化についての黙想」をテーマに描いた
とのこと。それが具体的には体内で新たな臓器が生み出される
「加速進化症候群」という発想になっている。

映画の重要な要素である臓器に、いかにして説得力を持たせるか。
その部分ではお粗末としか言えない。予算をケチったのか
ただの手抜きなのかは知らないが、映像がロズウェル事件の
「宇宙人解剖フィルム」(もちろん偽物)と同レベルだった。
がっかりと言うより失笑。

その他の映像もいかにも低予算で撮った感じで安っぽかった。
4Kで大スクリーンで観るよりも小さいテレビでDVD位の画質で
観てちょうど良いのではないか。

物語も自分にとっては面白くなく、何度か寝落ちしてしまった。
「人工的な環境に適応するため」進化したとあるが、それが
具体的にどんな環境なのかは描かれていなかったように思う。

出演者は全員無名という訳ではなくて、それなりに知名度のある
役者が何人かいる。芝居自体はケチの付けようがないけれど、
物語に空々しさを感じていたのと安っぽい映像のせいで誰にも
感情移入できなかった。

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toshijp

3.0観る人を選ぶ作品

2023年8月19日
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デビッド・クローネンバーグ監督の8年ぶりの作品で、好きな俳優3人の名前があり鑑賞を決めた。……ので、内容をまったく知らずに観てしまった(--;)。
近未来を舞台に、理由はわからないが絶賛進化中の人類が登場する。彼らは痛みを感じず、新たな臓器が体内に生ずる。ホラーではないけれど、手術・流血・先端恐怖症の方は観てはいけない。
エロくてグロくて吐き気を覚えるが、不思議なことに映像は美しい。まあ、それがこの監督の特徴だが。あ、音楽も美しかった。

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ぽてち

3.0惨敗感…

2023年8月19日
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公開規模が小さく、そもそもこの作品が丸の内ピカデリーでかかるのが意外でしたが、公開週土曜の午前11時からの回はある程度の客入り。個性的な名作を作り続けているベテラン監督の新作と言うことで、客層はおそらく「往年の映画ファン」であろうオジサンが多いです。
かく言う私も紛れもないオジサンなのですが、往年がつくほど過去の映画は観てきておらず、今作上映前に自分がどれだけ「クローネンバーグ作品」を観ていたか確認してみるとたったの3作品。そんな具合ですから勿論「クローネンバーグ作品」という意識もないわけで、こんな調子で新作に挑めるのか心配になり、慌てて未鑑賞作品ばかり9作品を配信で鑑賞。そして感じたことは「私にクローネンバーグの新作のレビューを書く自信がない」と、結局本作を観る前からネガティブ感情。何せ、兎に角難解。ただ、少しでも解った気になれると面白味を感じるから癖にもなる。でもそれは、他人の考察から得たのものではなく、自分で見つけるからこそ「噛めば噛むほど」の味わい深さとも思います。
前置きが長くなっていますが、正直、今作はまた輪をかけて難しいと感じました。独特で奇妙な世界観を受け入れようと必死に観ていても、新しい登場人物が出てくる都度、その立場や目的までを追いかけるのにまた必死になり、さらには、少しずつ明らかにされるそれぞれの関係性に、「と言うことは、さっきのって??」とついて行き損なうと、気が遠くなってお手上げ。。もう淡々と観続けるしかありません。
正直、ここまでの惨敗感は久しぶりですが、とは言え、けしてつまらなくはない。が、向き不向きはあってそうそうお薦めできるような作品ではありません。もし興味があるのなら、いきなり本作ではなく、やはり過去作からご覧になった方がいいと思います。
はてさて、私もこの映画を理解できる日が来るのだろうか。また少し先の未来に、クローネンバーグ作品を通して観直してどう感じるかという楽しみ方が出来る、それだけ世界観や作品性というのがきちんとある巨匠ですね。今は観念、まだまだ勉強が必要と感じました。

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TWDera

4.0クローネンバーグの世界を堪能

2023年8月19日
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好き人にはたまらないが、そうでもない人からすると「さっきからずっと何やってんの」って映画w。

なんだかチョコプラのコントを思い出してしまった。

本作はストーリーや演出を語るようなものではなく、クローネンバーグ個人の趣味を余す事なくぶち込んだアブノーマルな世界を一緒になってニヤニヤしながら楽しむお祭りのような作品である。

クローネンバーグは「戦慄の絆」以来のファンだが、不気味な造形の手術器具や人体への尋常じゃないまでの興味がここに来てとうとう爆発した、もしかしたらこれが最後?と思わせるようなある意味集大成のよう。

冒頭の変なベッドで心を鷲掴まれたが、白い骨のような椅子はたまらなくツボだった。
あれに座ってスプーンを口元へ持っていけないのは操作が難しいからなのかと思ったが、よく見たら自分の手でスプーンを持ってたので何でが止まらなかった。

誰にも文句を言われずに好きな映画を撮れる数少ない監督の異常な世界をご堪能あれ。

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カツベン二郎

3.5肝に銘じる

2023年8月19日
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多くの他評者言及の通りセドゥ様万歳!脱ぎっぷりもさることながら、あの背徳的というか退廃的というか何とも独特の雰囲気には何時も魅了されてしまう。英語の発音も良かったと思う。

肉欲の行き着く極北が、切り裂いたり喰っちゃったりする事であるのをわかりやすく(?)表現した一作。医療やテクノロジーに対する皮肉だの警鐘だのと解釈して「納得」してしまうのは勿体無い。

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ひろちゃんのカレシ

3.0変態的な趣味嗜好を覗き見る愉しさは味わえる

2023年8月19日
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人類の進化の過程として、痛みを感じなくなったり、新たな臓器が作り出されたり、プラスチックを消化できるようになったりするという設定は面白いし、珍妙でグロテスクな装置の数々や、古ぼけていて薄汚い近未来の世界観も楽しめる。
その一方で、臓器を摘出する手術を「芸術」と位置付け、「娯楽」として鑑賞し、そこから性的な「快楽」を享受するという感性と感覚には、ついて行くことができなかった。
起伏の乏しい単調な物語に付き合いながら、それでも、人類の進化を規制しようとする側を、進化を促進しようとする側が打倒する「革命」のようなカタルシスが用意されているのではないかと期待したが、尻切れトンボで不完全燃焼なエンディングには、物足りなさを感じざるを得ない。
残念ながら、デビッド・クローネンバーグの変態的な性的嗜好には、共感することも、納得することもできないが、それを覗き見る愉しさだけは、存分に味合うことができた。
これは、そういう映画なのだろう。
それにしても、クローネンバーグといい、宮崎駿といい、「わがまま老人」ぶりを発揮して、やりたい放題で映画を作れてしまうところを見るにつけ、「つくづく幸せな監督だなぁ」と思えるのである。

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tomato

4.0人体という宇宙。その深淵に触れる作品。

2023年8月19日
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クローネンバーグは我々に問いかける。
人体は宇宙だ。であればその内なる宇宙である胎内を巡る事が出来るのが手術の時だけ、というのはおかしいのではないだろうか?

内なる宇宙を求める旅はもっと自由であっていい。
医療行為だけでなくアートだって良い。セックスだって良い。
だがそれらを現実には阻害する因子がある。

それが感染症や痛み、或いは倫理官…というリスクだ。
本作は未来、それらのリスクは皆無だ。

感染症や痛みから解放されて、人体との向き合い方に奔放になった未来で。
我々は何を得て、何を失い、何を創造しうるのか。

この映画はそんな作品だ。
一見するとバイオレンスに見えるだろうが、実際に見ると非常にセクシャルで官能的な映画だ。
そこには"生きる"という実感への渇望が満ち溢れていた。

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ジョイ☮ JOY86式。

3.5悪夢と偏執的な愛

2023年8月19日
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人は進化していく。
その進化に伴い、肉体的にも精神的にも快楽さえが変貌していく。そんな映画を観たようだが、クローネンバーグ監督の夢を2時間見せられたような気がする。
監督にとっては夢見心地、私のような一般人には悪夢。
しかし、目を背けるような場面も多々あるが、凝視したくなる場面もたくさんあり。特にアテネでの景色も。

悪夢とわかっていながらを見に行きました。
途中で席を立つ人もいました。デートではお勧め出来ません。

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AKIRA

3.0視覚で感じるアートと痛み、クローネンバーグが観客に仕掛ける前衛的プレイ

2023年8月19日
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 クローネンバーグ作品は「M・バタフライ」くらいしか見ていない私、いかにもシュールそうなあらすじを見てハードルの高さをMAXにして観に行ったら、意外と退屈せず話を追えたので(その意味するところを理解できたというわけではありません)、そういう意味ではちょっとホッとした。

 とはいえ、案の定の癖つよ映像。
 痛みと感染症がない状態に進化した結果、臓器摘出や人体改造のショーがアートとして流行る。プラスチックを食べる子を母が殺し、父は遺体をそのショーに提供する。性的なプレイの一環として、相手の肉体を切り刻む。
 腹部が切開されるシーンなどは、あえてなのか分からないがいかにもなCGっぽさや作り物感がありグロさが緩和されている。どちらかというと、オディールが頬に刻んだ傷をグリグリされるシーンの方がむずむずした。
 それでもグロ耐性低めの私には、変態的な世界観と子供の臓器摘出など含めてR15+でも不思議ではないくらいに思えたのだが、映倫的には「簡潔な肉体損壊の描写(映倫サイトより)」なのでPG12ということらしい。この作品を小学生が観る時、親はどういう指導・助言をするのだろう。私は指導出来る自信がないぞ。

 エイドリアンのショーに出てくる、目と口を縫い合わされて身体中耳だらけのダンサーは「ゴールデンカムイ」の江渡貝くんを思い出した(江渡貝くんは人皮コスチュームを着ているだけで自分に直接縫い付けているわけではないし、そもそも感性の源泉が違うが、アウトプットが似ていたのでちょっと笑ってしまった。すみません)。
 しょっちゅうハエの羽音がしていたのは、感染症がない世界なので清潔を保つ意識が低くなっている、ということだろうか。
 痛みがない世界と言いながらソールが何らかの痛みを感じているらしかった理由、彼をスパイにしてコープ刑事はラングを捕まえようとしていたが(子供を解剖させようとした罪で?)結局その顛末がどうなったのか、その辺はよく分からなかった。
 一番分かりやすかった要素は、ひたすら渋カッコいいヴィゴ・モーテンセンと完璧な裸体のレア・セドゥ。一方で痛そうな(設定上本人は痛くないんだけど)映像の乱れ打ち、もう飴とムチという感じである。本作の鑑賞自体がある意味その手のプレイなのかも知れない。

 テーマのひとつはやはり環境問題なのだろう。オープニングでの、廃墟のような構造物が浮かぶ海辺。ラングは自分の体を異食が可能な体に改造し、常人にとっては毒である紫のチョコバー状のものを製造して食べる。息子のブレッケンはプラスチックを消化する体で生まれる。この辺りは廃棄物による環境汚染や、マイクロプラスチックの問題を連想する。
 人々が痛みを感じなくなるという「進化」を遂げるのは、人間が環境の危機に対し頑ななほど鈍感であることの暗喩にも見える。実際は監督の趣味、というか表現方法が、見る側に痛覚を意識させるものに偏っていて、痛そうな場面を盛るための設定なだけなのかもしれないが。

 プロダクションデザインは、有機的でとても魅力があった。サークのリモコンの、ガマガエルみたいにぶにゅぶにゅした感じの不気味さが絶妙。
 ただ、あのブレックファスターチェアだけは、どういうメリットがあるものなのかよく分からなかった。食べにくいだけやん?

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ニコ

2.0前衛的と言えばそうだ。しかし前衛的は一般には理解されないから前衛なのだ。

2023年8月19日
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悲しい

難しい

確かにこの監督 鬼才 かつ 前衛的

臓器🫀だけで血が流れないので、グロテスクにもイマイチ到達しない。

一番の問題点は ホネホネ骨
頭の後ろとか手の下に生えてるのですが
観てて邪魔くさい。
わざわざ 動きがぎこちなくなる骨の進化は ムリムリ
レア・セドゥ ほか女性陣が 体を張っている❓のだが

残念ながら、ストーリーが奇妙キテレツすぎて
エロティシズムに浸る感覚わかず。

無理クリ最初の海沿いの未来施設ノ描写邪魔だし

耳のたくさんある人が踊るのは意味不明

コレ 骨🦴 は捨てて 内臓に絞って
内臓にタトゥー入れる手順をもう少しわかりやすく書けば・・・

プラスチックが何の意味❓

ビィゴ・モーテンセン グリーンブック の時より随分と老けたな、役作り❓

ツーか最後までストーリー理解できず。
もう少しストーリーは有機的に・・とは思うが

岡本太郎先生の 芸術は爆発だ❗️ と同じく前衛芸術は【何のこっちゃわからないけど】爆発だ❗️なのだ。

ただ、とにかく 骨☠️が邪魔なのはイラついた。余計な骨要らんがな❗️
有料パンフは紙に包まれ、この監督の過去作とか紹介あり
購入はした。でも疲れちゃったから見ないでイイや。

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満塁本塁打