さがすのレビュー・感想・評価
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直走る
基本的に上映から長い間満席に近い状態が続いていたので少し落ち着いた頃に鑑賞。
確かに衝撃作だなと思いました。物語があらぬ方向へ向かっていくのも興味深かったです。
父の失踪→父の捜捜索→父の発見までが娘の物語で、そこからはまさかの父の物語になるという構造がとても良かったです。父が殺人鬼の犯罪に加担していく、そしてやがて実行まで移してしまう、そしてそのビジネスにのめり込んでしまうというある種の依存についても強く描かれていたなと思いました。
今作、意外にもアクションシーンというかチェイスシーンがとても面白くて、娘が殺人鬼をひたすら追いかけるというのがこだわりのカメラワークと相まって見応え抜群です。途中でまさか殺人鬼のズボンを脱がしてしまうとは…
PG12指定ということもあってちゃんとグロさもありました。目ん玉フォークで突き刺すのはほんと痛そう…。他にも直接的な描写はありませんでしたが日本刀で斬り殺すなんてのも意外性があり好きです。途中で出てきた優しそうな爺さんのHなコレクションが殺人鬼の快楽を生み出したんだと思うと爺さん何見せてんだ笑と思ってしまいました。
復讐とは名ばかりのように最終的には殺人鬼を父親がこの手で撲殺してしまうというのも残酷な終わり方だなと思いました。自殺しようとしても中々上手くいかないというのも妙に怖いですし、その前に死にたがっている女性と既に殺人鬼の巧妙な手口で殺された妻と重なる描写も末恐ろしかったです。
最終的に娘と父親が卓球のラリーをする際に、互いの本当の姿を知り、パトカーのサイレンが鳴る…という苦虫を噛み潰したような終わり方でした。ほんとゾクゾクしました。
ホラーよりも怖い、そんな一本でした。
鑑賞日 2/18
鑑賞時間 16:15〜18:25
座席 G-2
そっちか!
2022年劇場鑑賞44本目。
誘拐されたか失踪した娘を執念で探す父親を佐藤二朗が演じた作品・・・だと思っていたら探される方でした。そっちか!
あーあーそうなっちゃったかあと思っていたらあれってな感じになる展開は良かったです。スカッとする感じではないので評価はこんな感じで。あんまり内容書くと面白くないと思うので。
素晴らしいラスト
1回目 2022年1月22日
先の読めない脚本が秀逸でした。
これを、どう納めるんだろうと、
嫌ぁ~な終わり方はやめてって!願いながらの
このラストは、素晴らしくて悲しいような、
ホッとしたような、何とも言えない感情に涙が出ました。
尊厳死を絡めつつも、ただの快楽殺人な男とのやりとり、
これは、大阪弁だから、どこか喜劇要素が感じられて、
重過ぎず観れたのかも知れないなぁ…。
清水尋也が演じた男は、マジでヤバいもん。
妻の病気と貧困で、心の弱い男につけこむ心が壊れた男。
※この男がどうやって出来上がったのかは、少し知りたかったかも。
そんな弱い親でも、子どもは愛情を掛けて育てられたんだろうな。
そんな彼女の正義に救われました。
伊東蒼が素晴らし過ぎて、とても得した気分です。
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2回目 2022年3月6日
伊東蒼さんの演技を、もう一度観たくて…。
佐藤二郎さんや清水尋也さんを相手に、
全く引けを取らない、いや上を行ってんじゃないか?!
って思えるぐらい魅力的だな。
映画を観た!!という満足を得られる脚本と演出。
全体に暗いけど、
楓の未来は、明るいと感じるラストは秀逸だな。
後味が、、、
実話がもとになっていて、興味がありました。
佐藤二朗さんの演技がすごい
あと、楓ちゃんの存在感。
そして、清水尋也さんの、ちょっとサイコパスな役は、はまり役
話としてはめまぐるしく場面が変わり、ラストは思いがけない展開
決して後味のよい映画ではないですが、話が面白くて時間があっというまに過ぎました
二朗さんサイコーです
斜め上ゆく展開にドキドキ
失踪した父を探す中学生の少女。手がかりの日雇い現場に行くと父の名で働いていたのは全くの別人で…では父はどこに?と、利発な少女が小さな手がかりから行動していくが、役者の演技力で多少の都合の良さも気にならずぐいぐい引き込まれ、途中からは意外な展開でさらにそううまく行くのかなあと思いつつも最後まで押し切られる。
たとえるなら、「ゴーンガール」に似た印象(ストーリーは全然違うけど)
とにかく、主要人物三人の異様なリアリティと、とりまく脇もみな、いるかもあるかもと思わせる凄み。
間違いなく日本の今が舞台なのに、海外の映画のようなドライさがあり、面白かった。
細かい???はあるけど(原田家の家計、娘がなぜガラケー、ALSでもスマホ打てるの?自殺の姿の違い、いつからあのアカウントで接触してた?等々)ストーリー自体の瑕疵というほどではない。
彼女がさがしていたものは…
実際に起きたいくつかの事件をベースに作られているが、主軸はエンタメ的面白さが先行している。多面的な視点で事件の輪郭が次第に浮き上がってくる構成が、捉えようのない物語に上手く働き、見るものを飽きさせない。一方で家族の関係性や社会問題に関しては深く描かれることはないため、登場人物に感情移入する余地はない。しかし、重くエッジの効いた物語をここまで成立させているのは間違いなく俳優たちの演技力のたまもの。感情をむき出しにした佐藤二郎のとあるシーン、伊東蒼の等身大でひたむきな姿と強い意志、清水尋也の死んだような眼差しと狂気、森田望智に至ってはとても本人とは思えない。これは俳優が光る映画。卓球の玉を踏み潰すシーンやラストシーンにみられる映像表現の巧さにはしびれた。片山監督の今後がますます楽しみだ。
ポンジュノがコメント書かなかったのがそういうことでしょう。
日本の映画監督が褒めているのがショックだった、信じていた監督もいたのに、、、、
金もらえばなんでもやるのかよ。
こんなの韓国映画なら日本に届いていない駄作でしょう。
何かっポイことしてるだけで
役者が中途半端で家族の愛が見えない。
冒頭から親子の関係がちゃんと見えないからいなくなってから探している姿も何故か軽い。
中途半端な大阪物語の池脇千鶴、関西弁ちゃんとやれよ。セリフ以上のものが何も無いよ。
最後に泣けばいいってもんじゃ無いでしょうに。
中途半端なソン・ガンホ、佐藤次郎の芝居は邪魔が多くて混乱するちゃんとやれよ。
大事な感情が見えないんだよ。
殺人鬼に見えない男の子、なんで卓球場で女の子に見つかった時に殴らないの?
あの、中途半端なチェイサーの追いかけっこやりたかっただけでしょう。ズボンだけ取られるって携帯入ってるの気付くでしょう。ババアの1人とガキ1人殴り倒してズボン奪うだろうよ。
本気でやれよ。
しかもなんで、大好きな嫁を娘が見つけるかもしれない卓球場でわざわざ苦しむような殺し方で殺すの?せめて痛く無い死に方見つけてあげてもいいじゃ無いか。ネット使えよ。娘には絶対に見つかったらダメだろうが。
酷すぎる。やっていることが
映画だからなんでもいいのか。
家と卓球場って同じ建物なの?よく分かんなかったけど
同じなら、娘がいるところで人殺すとかありえなくない。
車椅子の女を何故連れてきた?他に方法なんでもあるでしょう。
主人公の知能指数が低いから??そんな馬鹿な、本気の人間が懸命にやった行動には見えないよ。
全編ご都合主義すぎて腹が立つ。
みかんの木あんだけあんだから夜にでも食えよ馬鹿か。
しょうもないところだけ一橋やってんなよ。
扱ってる問題の重さちゃんと理解して取り組んでほしい。
人の命を馬鹿にするなよ。
ちゃんとやれよ。
宣伝だけ頑張るこういう映画本当になくなってほしい。
観客へ傷跡を残していく
父はなぜ消えたのか?
という文言が書かれているが、根本的にはそこが一番重要な部分ではない気がしている。
あくまでもそれは物語の縦軸であり奥行きを生み出しているのは人の生死に対しての価値観。
他者の生きてほしいという思いと当人の死んでしまいたいという思い、何を尊重するべきなのか、それらの行いに付きまとう罪、そのメッセージこそ映画のテーマであり最も感じとるべき点なのかなと思った。
正直なぜ消えたのか?何があったのかという部分に関しては物語が進むにつれ明らかになっていくが、細かく詰められているという程ではなくまとまってはいるものの、そこ自体だけでいえばもっと見事でもっとカタルシスのある作品は少なくない。
ただこの作品に深みをもたらしているのは演者の技量は勿論のこと、我々受け手に対して行間でものを伝えるような丁寧なディレクションにあると思う。言葉だけでなく画面の中の描写で表現するようなシーンも多く、感受性へ訴えかけるような、観衆それぞれに解釈を委ね投げかけるような描き方にこそ特異性があるように感じた。
派手さこそ無いし謎が紐解かれていく気持ちよさがあるとも思わない。ただ見終わった後にまで記憶にこびりつく様な作品性を備えた映画だと思う。
見る人によって評価が極端に変わるかなぁ…。
今年41本目(合計314本目/今月(2022年2月度)13本目)。
ストーリーの筋自体はすでに多くの方が書かれているので大きなところは省略します。
PG12扱いですが、どちらかというとR15に近いところで、その中間点くらいにあると考えたほうが良いです(行為を想定できる表現、残酷な表現など)。
ミニシアター中心のランキングでは2位というとのことですが、そこまでは…という感じです。結局のところ、理由が何であろうと、悪い行為に手を染めた人は罰せられるという、ごく当然のことを描いた、に過ぎないからです。
一見すると、物語後半から登場する、ALSの患者さんへの描写もあるので、いわゆる「安楽死」の論点が絡んできているのかなとも思え、確かにそれを想定できるセリフも出てはきますが、結局のところ、その掘り下げは皆無に近く(ただ、作成協力にALS患者の会、のようなものは出る)、悪く言えば「ALS患者のように安楽死の対象にしやすい対象を物語に出した」ともいえます。ここは正直、「ちょっとまてまて」という人も出てくるのでは…と思います。
さて、さっそく採点に入りましょう。
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(減点0.3) ストーリー序盤、「懸賞金がかかっている怪しい人を見たから探して」という女子中学生(ストーリー上は、中学3年生っぽい。最後に高校受験の話をすることからわかる)に対して、大阪府警の各警察署が「いや、そんな証拠じゃ人なんてよこせない(派遣できない)」といってくるところです。
ここも程度問題で、例えば小学1年生の子が見たというなら、「記憶違いじゃないかな?」ともいえますが、小学1年生と中学3年生では当然、分別の理解にかなり差が出ます(そして、今年(令和4年)から、18歳で成人と民法は変わります)。すると、中学3年生の子の「言い分」を完全に全く無視する大阪府警の描写もどうなのか…というところです。
※ これに関しては、「実際に信じて現場に向かってしまうと映画が30分で終わってしまう」という問題があるため「仕方なし」ともいえますが、かといって、「大阪府警ってこんなに子供のいうことを信じないの?」と思われても困ってしまう。
(減点0.3) ALS患者の方にも当然、生きる権利はあります。そして、ALS患者の方を介護するのが本人(夫)であるなら生活が難しくなることもこれも当然で、当然、行政などに相談してちゃんとした対応をしてもらうべきものです(通常は生活保護費で対応するが、そもそも、難病の患者を夫とはいえ素人が見るのは最初から無理があるので、病院預かりにするのが普通)。この対応がないために「追い詰められた」という点はいなめず(刑を決めるにあたってある程度の考慮事項となりうる)、このことに対する一連のやり取りもないことから、取り方によっては「(地方)行政には地方税は納めてね、でも、何かあっても福祉サービス等は一切考えません」という「意地悪な自治体」が大阪府(←映画の大半は大阪府)なのだろうという取り方は可能です(実際、高齢者の比率が上がっていけば、どこもかしこも、近い未来にそうなるでしょう)。
(減点0.2) 物語中盤あたり。主人公(を誰に取るかは難しいですが、女子中学生の子としておきます)が、親が突然いなくなった時に、担当の先生がそれを心配して、「今日からここにしばらくお世話になると良いですよ」という紹介先は、どうみてもキリスト系の児童福祉施設。
ただ、理由が何であろうと信仰の自由は保障されるので、「親がいない等で児童福祉施設に預けられた子は、その施設の宗教に染まらなきゃいけない」というようなことになると、憲法との関係で間接的にまずいです。
※ 映画内では、「そんなところ探しているんじゃない」って断ってしまうだけでそれ以外の描写は出ませんが、こういう児童福祉施設は、宗教等に関してはできるだけ避けて中立であることが望まれるものです。
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見応えありました。
ヒューマンドラマ?かと思いきやミステリーっぽさもあり、サスペンスっぽさもあり。
出てくる人のほぼみんなの視点で描かれていて、内容が理解しやすかったです。
切ないというか、恐いというか、人の心理って難しいですよね。
演出があざと過ぎる
「岬の兄妹」で期待が高かったのかもしれない。演出がまずあざとくて鼻につく。父親の探すビラぶちまけて携帯電話のヨリ???妻が死んで骨を持って歩くシーンの雨なのに傘ささない?島の爺さんの趣味エロビテオ?そしてそこで性癖に目覚める?何なんだ???シスターと会うシーン偶然すぎるでしょ??すべての演出、シナリオが鼻につく。ヒューマンミステリーにしたいなら、警察描写勉強してからにしたほうが良い。ベルトに指紋つくでしょ??青年や殺した女のスマホ調べるだろう。スマホ海に投げるとかやってるけど、それだけ???
青年に協力する動機がわからない。金目当てっぽくなってるけど、それならそれで人物演出しないと駄目だと思う。娘の父親を疑うきっかけとかないの?いきなり気づいてるし。ラストはなかなか良かったでしょって言いたいだけの映画だった。もっとシナリオ練ればいい作品になったと思う。「岬の兄妹」もツッコミどころはあったが見終わっまたあと何も気にならないぐらいシナリオや演技が良かったのに。とにかくシナリオが、ミステリーにもサスペンスにもヒューマンにもなれない中途半端な作品。だから演出が鼻に付くのかもしれない。
サスペンス!狂気!葛藤!意外にも、エンターテインメント性の高い映画です。
非常によくできたサスペンス。
たとえ親しい関係であっても、その人が本当はどんな人か?我々は実はよく知らない。人間はすれ違いの連鎖の中で生きているんだなぁと。観終わった後の感想だ。
この映画は、智をめぐるサスペンスが主軸だ。智の伊東蒼演じる楓の視点からはじまる。楓から見た父親智はダメオヤジ。どこにでもいるような、下品な中年関西人だ。しかしながら、物語が進むに連れて、智の裏の顔が徐々に明らかになってくる。え!?こんな裏の顔があったんか・・・。この物語展開がお見事。めちゃくちゃハマってる。脚本が非常に良くできている。脚本の完成度の高さもさることながら、この意外性を後押ししているのが、主演の佐藤二郎の牧歌的な雰囲気、そして、舞台が関西でありこれまた牧歌的な生活描写だ。この描写がまた良い。実にリアリティがある。何気ない日常の裏で実は進行していた目を背けたくなるような現実を目の当たりにした時、我々は全てを理解する。智がなぜ、あのようなことをしてしまったのか。一見すると何気なく元気に生きているように見える人にも、様々な葛藤があるものだ。
山内の言う、「生きていても辛い人を僕が救ってあげる」という論理に対して、我々は対抗できるのだろうか。
智が陥ってしまったどん底。この映画はどん底描写も非常によくできており、手加減がない。本当に目を背けたくなる描写の連続だ。そしてこのどん底は、現代社会であれば誰にでも起こりうることだ。しかしながら、我々は、実際に自分がどん底に落ちるまでは気づかない。我々はALSについて何も知らない。要介護となった両親を殺してしまった者たちもたくさんいる。自分だけは大丈夫。本当にそうだろうか?あなたは、この映画を観てもなお、自分だけは大丈夫だと言い切れるのか?山内の言う、「生きていても辛い人を僕が救ってあげるんです」という論理に対して、我々は対抗できるのだろうか。私は正直言って自信がない。
基本的にはエンターテインメントです。若干、サイコ、スプラッター(・・・とはいえ、モロだしのシーンは1つもないので、ご安心を)、重厚な社会派映画っぽい雰囲気はありますが、「ぽい」だけです。難しい話は抜きにして、十二分に面白く、最後はきちんとスッキリした気分で映画館を去ることができるでしょう。冒険映画です!
P.S. グロい映画か?と言われると、そんなにグロくはないです。過激なモロだしシーンは無いのでご安心を。うまく画面には映らないようになってます(血が飛び散ったりするシーンが多少ある程度です)。グロいからと嫌だと言って観ないのは、勿体無いので、一言付け加えておきました。
面白かった
PG12ですがR15くらいに思う。グロは覚悟で観ましょう。
娘視点のパートもほしい。
〇〇も本当は絡んでるはずと思う。なので〇〇視点のパートもあっていい。
いろんなやり方がありそうなところが興味深い。
なんで万引したんやろ?この状況なのに。たぶん〇〇だからだな。
なんで警察に行かないんだろう?
たぶん、〇〇のためか。
なんで、警察にばれなかったのだろ?たぶん〇〇のおかげか。
それらを描けそう。
完全版つくると4時間になりそうだなあ。
なんか色々とエグい
街の雑踏とか…路地裏とか…佐藤二朗とか…汚らしくもあるが、同時に何処か懐かしく人情味に溢れた映像から物語は始まり…まさか、こんな結末を迎えるとは。
一時、ニュースで話題になったアレやコレ…社会の歪みが生み出した、いわゆる「猟奇的な事件」が題材として扱われており、それなりにえげつない映像も情け容赦なく描写されている。
物語は、人の業に導かれるように、闇に向かって突き進んで行く…
あまりにも暗すぎる題材だが、あえて暗く描きすぎず、飄々とした掛け合いや日常の景色を交えて描くことで、そこに存在するものの異様さがより生々しく浮き彫りになっていると感じた。
奥さんの心理描写や、殺人鬼の「本気で死にたいやつなんて…云々」といったセリフは心にくるものがあり、大いに考えさせられるものがあった。
我々、一般人の多くは、他者との繋がりの中で生活をしている。だから、誰かが不意に口にした「もう、死にたい」の言葉は、往々にして「まず、誰かに自分の境遇(気持ち)を分かって欲しい」という願いが込められた「救い」を求める言葉なのだ。要するに「何か救いがなければ、自分は死ぬしかありません、誰か助けて下さい」と言っているに他ならないのである。
ストーリーな大きな破綻は見受けられないし、足りないピースを想像するのも楽しい(娘はいつから気づいてたんだろうね…)、実によく出来た作品だと思うが、作中に吹き荒れる「性」と「強欲」の嵐に当てられて、なんか疲れちゃった。
映画作品としては面白い
尊厳死や自殺はについては、敢えて語りません。
(これが韓国映画だったり外国のものなら《向こう側》の話として受けとめられるが、不思議ですね、日本人が演じてるとよりリアルになって苦しさが増します)
作品としては面白い!主人公の女の子の視点で進むのかと思いきや…。最後、娘の視点に戻り親子の卓球シーンはとても印象的。歴史に残る名場面な気がする。
伊東蒼の衝撃
娘の原田楓を演じる伊東蒼の演技をみるのは「空白」以来二度目。その前作では、序盤で彼女の演技は終わってしまう訳だが、今作ではしっかりと堪能させてもらった。まあ「空白」のせいで、序盤の街中を駆け抜けるシーンは別の緊張感があったのだが。
子どもらしい狡さや大人への苛つき、ダメな親父への無償の愛。父を「さがす」シーンでは描かれなかった(いや、しっかり語って欲しかったが)がしっかり感じる自己の成長。これらを演じ切ったからこそ、ラストのシーンに説得力が生まれる。脚本的には正直穴だらけな印象もあるのだけれど、それらを端に追いやってしまうほどの熱演だった。
そして、自らが「パブリックイメージと違う」と語る父・原田智役を演じた佐藤二朗は、まさにその通り。口数の少ない色々な意味で不安定な大人を演じた。いつものあの感じは正直食傷気味だったので、新たな顔に好印象。名無しこと山内役の清水尋也のサイコパス感といい、キャスティングが素晴らしい。
座間9人殺害事件をベースにしたのであろう犯行シーンについては、白いソックスへの執着や、京都で起きたALS患者に対する嘱託殺人事件の要素などなど、少々話題を雑多に盛り込み過ぎたかなという印象。嫌でも目立つクーラーボックスも含めてちとくどい。でもまあよく練られた秀作です。
ただひとつ。片山監督を有能な監督だと思うからこそ、「ポン・ジュノ監督の弟子」的な論評はあまり見たくない。本人によるセルフプロデュースなのであれば勝手にすればイイのだけど、この売り方は未来を感じない。商業映画が才能を潰さないように祈るのみだ。
ディープな衝撃作(衝撃は激しめ)
重い映画、暗い作品は嫌いじゃない。
けどこれは…。
尊厳死を含む社会問題を絡めたサスペンススリラー、しかも舞台はディープな街、大阪の西成。
っていう作品の土壌には面白くなる予感しかなかったんですけどね。
ストーリーの甘さ、脚本の粗さが気になってしまって。
(えっ、そこはどうなった?)って疑問が全然解消されないし登場人物(特にお父さん)の行動には自分なりの落とし所(理由)を見つけられず最後まで納得できないまま。
伊東蒼さんは「空白」とは全く違うキャラで下町の女の子を全身で演じていましたね。
予想のできない展開が続く衝撃作、です。
卓球
今や、片親顔女優ナンバーワン伊東蒼(父親が古田新太、佐藤二朗と絶妙、次はリリー・フランキー⁉)
「おかえりモネ」では気象予報会社で清原果耶の同僚コンビだった清水尋也と森田望智が今回サイコパスと自殺志願者を好演
ストーリーが一筋縄に進まず、品川徹の部屋同様なかなかの作り
最後の卓球シーン、二人めちゃくちゃ上手いなぁと思ってたら、あっそういうことね、と
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