オールドのレビュー・感想・評価
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そのビーチでは急速に老いていく…。衝撃かハッタリか、シャマラン・タイム!
もし、こんな旅行サイトの広告があったら…?
我らの楽園へようこそ。
当リゾート一番の自慢は、特別なお客様のみご招待するプライベートビーチ。
そこでは、“異空間”のような“時”をお過ごし頂けます。
早まって予約を入れないように!
“支配人”は、M・ナイト・シャマラン。(劇中では運転手だけど)
再ブレイクしてからも我が道を行く奇才が、またまた仕掛ける!
魅力的な広告に釣られ、一歩そのビーチに足を踏み入れたら、地獄の“時”が…。
サイトで見つけた南国リゾートへ旅行にやって来たある一家。両親は離婚を決意し、これが最後の家族旅行。姉と弟の幼い子供たちもそれを知っていて、楽しみの反面、複雑な心境も…。
マネージャーらホテルの素敵なおもてなし。着いて早々、特製ドリンクをサービス。末の弟はマネージャーの甥っ子と友達になる。(この2つ、後々伏線)
一家はマネージャーから秘密のプライベートビーチに招待される。他に、外科医とその若い妻、幼い娘、老いた母の一家も。
ホテルの車で森の中のビーチ入り口へ。何故か案内はそこまでで、荷物も自分たち持ち。運転手はさっさと帰ってしまう。
小さな谷を抜けた所に。確かに魅力的なビーチ。
だけど、うっすら閉塞感や寒々する雰囲気漂う。囲む珊瑚礁や岩々のせいか…?
ケチは付けられない。せっかくの贅沢な“時”を過ごす。
ビーチには先客。姉がテンション上がりまくりの人気ラッパー。心理学者と看護師の夫婦も遅れて合流。
楽しい時は、束の間。あっという間に戦慄の修羅場と化す…。
老化した女性の遺体が見つかる。どうやらラッパーの知り合い。ラッパーの挙動不審な言動…。
外科医の母が急死。
子供たちが姿を消す。と思ったら、見知らぬ子供たちが声を掛けてきた。お父さんお母さん、僕たちだよ、と。
我が子…なのに、気付かなかったのも無理はない。目の前に居るのは、“成長”した子供たちなのだから…!
ほんの一時の間に、11歳と6歳だった筈の子供たちが、一回りも二回りも成長。
驚愕、信じられない、何が起こったのか…? そんな言葉じゃとてもとても言い表せない。
奇怪な現象は続く。
死に至る重傷は別として、軽傷なら一瞬で治る…!
一家の母は悪性の腫瘍持ち。それが急速に進行。
親たちも目が衰えたり、シワが増えたり、老いが…。
一家の弟と外科医の娘が恋に落ちる。いつの間にやら“関係”を持ち、瞬く間に娘は妊娠、そして出産。(が、赤ん坊はすぐ死産…)
このビーチを出ようとする。来た谷を抜けようとすると…、突然意識を失い、再びこのビーチに…。
逃げたくても逃げられない。一体、“ここ”は何なのか…?
『ドラゴンボール』では、一日が外の世界で一年という“精神と時の部屋”。
日本人お馴染みの『浦島太郎』では、何十年も時が経つ“竜宮城”。
一同らが辿り着いた考えは、ここは、異常なスピードで“時”が流れるビーチ。
上記とは決定的に違う点が。上記二つはあくまで周囲の時が流れるだけだが、ここでは人体に影響。急速に身体が老いていく…!
ビーチからの脱出を図るが、彼らを“老い”と“不測の事態”が襲い掛かる…。
ビーチの謎やまたもや驚きのどんでん返しを期待してしまう、シャマランならではの異色スリラー。
ところがどっこい、シャマランのオリジナル脚本ではなく、グラフィック・ノベルの原作あり。元ネタくらいにしか過ぎず、内容自体はシャマランのオリジナルなんだとか。
何処からどう見ても“シャマラン色”になっている。
やはりこの奇抜な設定が面白恐ろしい。
もし、自分がこのビーチに足を踏み入れてしまったら…?
恐怖と、謎&謎と、不穏なムード…。
だけどシャマランは、キワモノ的な“オールド・ビーチ”にはせず、人間関係にフィーチャー。
異常な限定空間に閉じ込められた人々。家族の絆、男女愛、他人同士の団結力を描く一方、歪み、蝕まれていく人の心の薄弱さ、狂気。
メキシコ人、アメリカ人、黒人、アジア人…人種もバラバラ。
子供は大人へ。大人は老人へ。老いと死…。
限定された空間ながら、“世界”や“人生”の縮図。
シャマランはたかだか100分強の中に、それらを風刺を込めて描く。
また、ある記事かインタビューによれば、老いは今も世界を脅かす“アレ”、逃げられぬビーチは閉塞的な現在の世に置き換えられるそうだが、設定の奇抜さのインパクトが強く、そのメッセージ性は感じられなかったかな…。(個人意見)
見るこちら側が期待するのは、オチ。シャマランと言ったら、オチ。
本人は毎回毎回特別にあっと驚きのオチを用意してる訳ではないらしいが、もうどうしても避けられぬ宿命か…。
やがてこの“急速老化現象”はビーチを囲む鉱石に原因があるのでは…という考えに至る。
集った面々は無作為…と思いきや、共通点が。家族の中の誰かが、病持ち。
一家の母は腫瘍。看護師はてんかん。外科医は精神病。
何か意図が…?
時々、遠い山の頂きからこのビーチを監視する人影が。
これは、自然の超常現象か、何かしらの陰謀か…?
さて、そのオチだけど、賛否分かれそう。
ネタバレチェック付けるので触れるが、
老化するビーチ自体は、奇々怪々な自然現象。
が、集められ、地獄を体験する場を仕立てたのは、ある陰謀。
ホテルはある製薬会社の極秘研究所。偶然このビーチを見つけ、薬(=ホテルに着いた際飲んだ特製ドリンクの正体)の人体実験。
普通だったら投薬して時間が掛かる治験だが、このビーチだったら僅か一日で治験出来、経過も見れる。
ビーチでの一日は、人生の50年に該当。
自然の超常現象を利用した大企業の傲慢。
それはそれで恐ろしいし、ひょっとしたら現実世界にそんな考えに至る連中も皆無ではないかもしれないが、超常現象の謎としては呆気なく、人の陰謀絡みなのが、期待してたものとはちょっと違った。
巧くやれば『トワイライト・ゾーン』もしくは日本だったら『ウルトラQ』みたいになれただけに、急に好奇心満点のミステリー・ワールドから現実世界に戻されたような感じ。
風景は美しく一応リゾート気分は味わえ、ビーチ(=設定)は面白味あるのに、何か惜しい。別にこのオチ、絶対ダメ!…ってほどではないけど。
シャマランあるある、ツッコミ所も。
子供たちは目に見えて老いているのに、大人たちはあまり変化せず。細胞が老いているなんて言ってたけど、ちょっと納得に至らない。
鉱石が原因、一日が50年に該当…平凡な一般人である筈なのに、やたらと鋭い。
やがて歪んでいく人間関係を見せるのはいいが、所々意味不明な言動、展開。中盤辺り、ちと中弛み。
一人また一人と犠牲になっていき、両親も息を引き取り、残ったのは中年となった姉弟。
自分たちもここでこのまま老いて死ぬのか…?
そんな時、思わぬ発見。あのマネージャーの甥っ子からのメッセージ。そして、脱出のヒント。
二人は最後の決死の脱出を試みる…。
ホテルでは、また新たな治験者を招待して、陰謀続ける。
が、遂にそれも潮時が。マネージャーやホテル関係者の前に現れた、“中年姉弟”の生存と証拠によって。
陰謀は暴露され、悪事は挫かれたのだが…、
奪われ、失われた時と大切な人命はもう戻らない。
何か奇跡でも起きて、時も人命も取り戻せるのかと思ったら、シビア。
単なるハッピーエンドではない、悲しいラストでもある。
これは衝撃の作品か、ハッタリ作品か。
老い、人生、世界、人の傲慢、ミステリー・ゾーンに対しての、風刺、哲学、教訓か。それともだだのキワモノか。
シャマランは老いたのか、平常通りの作風か。
ザッツ・シャマラン・タイム!
それから、外科医が気になってたのは『ミズーリ・ブレイク』だよ。
怖かった
一日で老いてしまう島。子供の成長が見れた時は、おお~!すぐ大人になっていいなぁぐらいだったのに、大人も老いてしまうことに気づいてからは恐怖だった。
今までに同じように島に送られ実験されてきた人がいて、みんな死んでしまったということかな。
結局2人しか生き残らず、研究者たちは捕まったけど、6歳から50歳になってしまった子どもはそのままっていう可愛そうでスッキリしない話。
想像は越えていて、驚きはした。
大筋は面白かった
あらすじ読んで観に行ったので冒頭から匂わせるなぁとワクワクしながら観れました。
ちゃんとワクワクポイントは回収してくれたので、設定の矛盾はちょっと気になりつつも個人的には許容範囲。
脱出の糸口はもっとちゃんとしても良かったかなって印象。なるほどねー!みたいな気持ちよさはないけど不穏な空気が楽しめたので大まかな流れとしては面白かったです。
中盤、子供の性知識のままやらかして妊娠出産~の経緯から含む不穏さのまま無情なオチでも良かったのにラストでポジティブな展開に持っていくのはスッキリした気持ちで映画館を出れたのでエンタメ性もしっかりあって気持ちよかったです。
カーラの「行動しないまま老いるのか」だったり夫婦が満足げに息を引き取るところだったり、刻々と進む時間に人生の縮図を感じました。
ネタバレ込の最後のほうなんですけど、
姉弟が生還してホテルを糾弾する場面のピント外れた背景のなかで、腰掛けてた少年が立ち上がってこちらに腕組んで眺めてたところとカクテル渡してたお姉さんが呆然としてるアップのカットがなんだか印象に残っちゃってるんですけど特に深い意味はないんですかね。額面通り受け取っていいのかな。
同監督の作品はシックスセンスしか観てないので深読みしてしまいました。
面白かったです。
- 設定詰めて欲しかった,破綻してると入り込めないので - トレン...
- 設定詰めて欲しかった,破綻してると入り込めないので
- トレントが成長してカラを妊娠させちゃうの,考えなしな所が精神は未熟なままであるみたいでよかった(逆を言えばマドックスがやたら肉体に一致した精神だったの納得いかない)
期待をきっちり裏切らない。
期待を、きっちり裏切らない。
コロナ禍において、
ビーチで少人数の撮影、治験というテーマに、
監督の映画への熱と役割を感じた。
夫婦が老いとともにお互いを許し、
いまを受け入れようとするのは印象的だった。
冒頭の「大人になったらね」的な会話とか、
名前と職業を覚えたりとか、
布石の回収たるや。
単なるスリラーでなく、
家族愛だとか、多数の幸福のための少数の犠牲だとか、
様々なサイドテーマが厚みを出している。
・・・
ラストは、無事帰還、通報。ヘリから件のビーチを眺め、カメラが下方にずれて海を映しておわり。
意表を突く展開
珍しくシャラマンのオリジナル脚本ではなく、原作があるとのこと。しかしこれがシャラマン監督の作風に見事にはまった。
アイデアの面白さだけで突っ走り、ただの不条理な世界として終わってしまわないかとヒヤヒヤもしたが、ネタ明かしに驚き&納得&すっきり。village程ではないが、意表を突く展開だった。過去作品を振り返れば、シャラマンの映画はきちんとオチがあるから好き。
友達のいない少年、暗号ごっこ、ウェルカムドリンクなどなど、伏線回収もばっちり。
公開のタイミングなどは偶然かもしれないが、この時期にこの黒幕とはね。明確な目的に与える大義名分、都合のいい「正義」には危険が付き物。
巻き添えをくう家族の一部、特に子供にとっては時=人生そのものを失うことになり、たまったもんじゃない。自由というのは、人生に選択肢があるということ。それを同意もなく奪うことは、極刑に値すると怒りを覚えた。
老化が速く進んでしまうことのメリットとデメリットもたっぷり描いていて、ネズミやセミなど短命な動物の一生も、こんな風にめまぐるしいものなんだろうなと思いを馳せたりもした。
このビーチ、老化が速いだけなのなら、あくまでそこで過ごす1時間は1時間でしかないはず。なので精神的に成熟していくことにはやや疑問を感じたが、経験値や知識は増えてはいないので、整合性はあると捉えてもいいのだろう。砂の城、作ってる場合か!
ホラー的要素を加味したかったのか、エクソシストへのオマージュを込めたような描写もあったが、そこまでしなくても…と多少の同情は禁じ得なかった。
ラストの回想が冗長な気もしたが、多くの人が納得する結末だろう。怖いのはビーチより人間、ですね。
それにしてもシャラマン監督、回を重ねるごとに出演時間のびてない?
伏線とは……
老いと死は、必ず起こると断言出来る数少ない事象だ。誰しも、普段その恐怖を身に迫って感じる機会は少ないが、心の隅でそれが我が身に訪れることを恐れている。
本作では、その現象が想定外のスピードで登場人物を襲う。結果に当たる部分が実際誰にでも例外なく起こるものであるせいか、恐怖との距離感が近い。
こういった題材自体は面白いなと思って割と期待して見に行ったが、序盤から「これが伏線ですよ」という描写が多過ぎて、私のテンションはすーっと下がっていった。
宣伝で得た老化が早まるビーチという予備知識。そして製薬会社が経営するホテル、意味深なウェルカムドリンク、この時点で黒幕は製薬会社だと分かってしまった。子供たちが宿泊客に名前と職業を聞いて回り、それを記録する遊びをしている。そんな遊びする子いるのだろうか。警官もいたし、これもビーチからの生還後の伏線と察する。
ホテルの子イドリブがトレントに渡す暗号の手紙。あーこれも後で役に立つのでしょう(結局開封されるのはビーチの客がほぼ全滅した後だが)。
例のビーチに行くバンの運転手はシャマラン監督。本編前の挨拶VTRで顔を思い出していたので嫌でも分かる。結構映ってる時間が長い。ここからトワイライトゾーンなんですね。メタ的過ぎて真顔になった。
提示された時点ではストーリーに自然に馴染んで気付かない程度にほのめかされるものを伏線というのだと思いこんでいたので、頭隠してお尻丸出しのような伏線たちにすっかり気が削がれてしまった。
力技のような展開も気になった。
一番何かの役に立ちそうな医師のチャールズは、プリスカの腫瘍を摘出した後は(傷がすぐ治るとはいえ麻酔もなくて痛くないのだろうか)持病により刃物を振り回すだけの危険人物に変わってしまい(何度も暴れるが、終盤の展開のために刃物の管理は甘いまま)、助けたプリスカに退治される(恩人だけど躊躇なし)。
序盤で波間から死体が流れてきたりしているのに、看護師のジャリンは性懲りもなく泳いでいって案の定死んでしまう。
ビーチだけ時間の流れが早いのではなく、周囲の岩の影響で老化が進むようだが、中身が6歳のままのはずのトレントが、レントゲンの防護服の知識から脱出方法の着想を得たりする。うーんそりゃ、あり得なくはないけど。
ホラーに理屈っぽいツッコみは野暮の骨頂。とはいえ程度問題で、気になる部分があまり多すぎるとやはりがっかりしてしまう。大作だが、伏線の置き方のチープさが目についた。
実に興味深い。
映画なんでね、「そんなビーチあるかい」
ってことは置いといて。
丁度コロナ禍で
ワクチンの治験が云々とあちこちで話題になってるので
って意味で興味深い。
便利だよね。そっち側からしたら。
妙ーに納得してしまいました。
単なるサスペンスかと思ったら
そうでもなくて
いい意味で裏切られた(楽しめた)作品でした。
生老病死てんこ盛りの、正に人生RTA。こういう時は氷で冷やすんだ!
一日で一生分の時間が経過してしまうビーチに閉じ込められた人々を襲う恐怖の体験が描かれたサスペンス・スリラー。
監督/製作/脚本は『シックス・センス』『アンブレイカブル』シリーズのM・ナイト・シャマラン。
主人公一家の家長、ガイ・カッパを演じるのは『バベル』『リメンバー・ミー』のガエル・ガルシア・ベルナル。
カッパ夫妻の娘、マドックスの成長後の姿を演じるのは『キング』『ジョジョ・ラビット』のトーマシン・マッケンジー。
「スタンド攻撃ッ!新手のスタンド使いだぞジョジョーッ!」という一本。プロシュートの兄貴が居たのかな?
こういう時は氷で身体を冷やすとベネ(良し)ッ!
シャマラン映画は『ヴィレッジ』以来、17年ぶりに鑑賞。
あの時はまだ中学生。
『シックス・センス』面白すぎっ!『アンブレイカブル』もめっちゃオモロい!『サイン』もなんか変な話だけど面白い!
…からの『ヴィレッジ』。
…うん、なんか面白い…のかなぁ、これ?でもまぁシャマランがつまらない映画を作るわけないしなぁ。…でもこれ面白いのかなぁ?
という、自分のキャパシティを超えるなんか訳分からん
映画を観たという初めての体験だった気がする。
友人達と観に行ったと思うのだが、その後どんな会話をしたのか一切覚えていない。お通夜みたいなテンションになったからかも。
同級生が彼女とデートに来ていたのと鉢合わせて、なんか気まずい感じになったけど、こんな映画を観た後で、一体彼女とどんな会話をしたのだろうか…。
正確にはこの後『レディ・イン・ザ・ウォーター』もお家で鑑賞したと思うのだが、本当に一切記憶に残っていない。
まぁこの辺でシャマランには見切りをつけてしまい、その後の『ハプニング』からは未鑑賞。大体シャマランの世評が悪くなっていた時期と重なりますね。
長々と思い出話を書いて、つまり何が言いたいのというと、一時期のシャマランは普段あんまり映画を観ないような田舎の中学生が、連れ立って映画館に押しかけるような、超ドメジャーな存在だったということ。
『レディ・イン・ザ・ウォーター』のラジー賞受賞を皮切りに、どんどん落ち目になっていったシャマラン。
しかしこの5年くらいで一気にその名声を取り戻していった感がある。
今回の『オールド』もお客さんが多かった!
シャマラン直撃世代としてはこれは非常に嬉しい😊
15年ほどのブランクがあるため、他のシャマラン映画と比較してどうこうと語ることは出来ないが、本作は中学生くらいの時に熱狂していたあのシャマラン節が炸裂した、正にシャマランファンの為の映画だという感じがした!
『世にも奇妙な物語』のような、アイデア一発勝負の歯切れの良さ。
怖がらせたいのか笑わせたいのか分からない、シリアスな笑いを突き詰めたかのような演出。
細けぇことはいいんだよ!という、正に『ジョジョ』を思い起こさせるおおらかな脚本。
そしてこれからホラー映画が始まるというのに、「皆さんこんにちは!シャマランです!映画館で映画が観れるって良いよね!」という、監督自ら出演する牧歌的な挨拶動画をお届けしてくれるという陽キャ全開なサービス精神。
どこからどう見てもザ・シャマラン!うーん、満足🤤
ライターの高橋ヨシキさんの指摘。
「人の一生を2時間に集約するのが映画。2時間のうちに1人の人間が生まれ、そして死ぬというのはどんな映画でもやっている。それをシャマランが撮ったらこうなった。この映画に○○年後という字幕が入れば凄く普通の出来事だよ。」
これは非常に的確な読み解きであり、この映画の全てな気がする。
人が生き、そして老い、やがては死に至るという自然の営みを、遠景から撮影している男。
その男を演じているのがシャマラン監督自身だというのが興味深い。
「生老病死」という人間の運命は、実は非常に奇妙なものであり、またとてもホラー的な要素を孕んでいるのだ、というシャマラン監督のイデオロギーのようなものが描かれた一作であり、正にシャマランの集大成のような作品なのではないか。
そう、本作は人の一生こそが最大のエンターテイメントであり、奇妙な驚きに満ちているということを教えてくれる、シャマラン流『ベンジャミン・バトン』なのだー!
怖かったし笑ったしツッコんだしで、とても楽しめる作品だった。
一番感心したのは死に方のバリュエーション。老衰、溺死、転落死、死産、刺殺、病死、中毒死…。あの状況で考えられるありとあらゆる死に方を見せてくれた。
これはただのサービスではなく、人の一生を描くという本作のテーマに通底しているような気がする。生まれてくる方法はどんな人間でも同じだが、死ぬ方法は人によって千差万別なのだ。
あとは自殺があれば完璧だったと思うのだが…。
とはいえ、ウェルメイドなホラー映画かといわれると…。
やっぱり説明過多なのが問題なんだと思う。
いちいちこの現象の原因はどうだの、実は製薬会社の陰謀だっただのと、この不可思議な現象に理由をつけすぎ。
どうせどんな説明をされても納得なんか出来ないんだから、もっとゴリ押ししてしまえば良かった。爪や髪は死んだ細胞だから伸びない…?🤔
あとはもっとこの状況から脱出する為の策を見せて欲しかった。
カッパ一家がこの状況を受け入れるというのは、まぁ本作のテーマからすれば納得の展開なのだが、個人的な好みで言えばもっと悪あがきを見せてほしかった。
思いもよらない脱出方法で、あっと驚かせて欲しかったけど、それは求めすぎかな?
このご時世、こんなに水着のお姉さんたちを観ることが出来る映画も珍しいかも。やっぱりホラー・スリラーには水着美女がつきものですよ!
『このビーチだから』だけでなく『これから、そうなるのかも』も怖い
久々の映画館
スリラーのエキスパート:シャマランの新作。
一生が一日で終わってしまうというビーチでありとあらゆる事象が、数人を襲う!
オチとかストーリー性とかじゃなく
こんなビーチのあんなことこんなことが
ただ、面白く惹きつけられる。
タイムラプスのように成長(又は老い)していくことで「あぁ、そっか」と思えるので良し!
このビーチが一生を表すというのであれば
前半、恐怖するのはわかるけど
幸福なシーンがもっとあってもいいのではないかと思った。
個人的に
「こんな歳になっても子供心なくならないのね」と砂遊びするシーンが、好きだったので。
赤ちゃんには体がついていかなかったって事で死んでしまったけど
何も知らずすくすく育ち、そこに感動したり
そのビーチだから起こることだったりっても観たかったな。
あと、生き残った2人は
これからどうやって生きていくのだろう。
浦島太郎過ぎて辛そう。。。
予告どうり
予告からすると何か不思議なストーリーを想像してしまいますが、急激に歳をとる以外が特に何もなく普通です。結末もよくある感じの結末でした。
メイズランナーなどと同じですね。
ストーリーの途中も特に不思議な事は起こらないし、冒険的な要素もないです。
もう少し色んな場面や不可解な出来事があってもいい気がしました。
娯楽型不条理作品
本作はエンタメとしてもホラーとしても楽しめる作品でしたが、さらに人類が永遠に克服できない『死』と『老い』を扱った不条理作品にも感じました。
人間は自分の意思で生まれてくる訳ではありません。人間は自分の意思で老いていく訳ではありません。私も気が付いたら、この世にいました。気が付いたら、成長していました。今は、日々老いています。
あのビーチは、人間の一生を極端に表したものだと思いました。興味深かったのは、若さは挑戦することであり、老いは現状維持を望むことなんだなあと。そして、大人の存在意義は子供の命を育てて守ることなんだと。
ラストで息子と娘は何故生き残ったのか?あのビーチが地球だとしたら、人類が生き残る為には何が必要なのか?その答えは、息子や娘である子供達の声を聞くこと。そんなことを示唆している様にも思えました。
40代後半である私もまだまだ新しい挑戦をしたい気持ちが残っているので、現状維持の心境になる前に早く挑戦をします。丁度、1ヶ月前に決心をしたので、本作に良いタイミングで出会えてびっくり。というか、映画は自分の心境をはっきりと映し出すツールなのかもしれないですね。
意外性は無かった
あらすじを読んだりストーリーを観ていく過程で展開を予想できる部分が多く、ハラハラドキドキ感が薄かったのが残念でした。
最初の方で言っていた、少しずつ時間をかけてゆっくり出口へ向かえば時間をとても消費するけど脱出できるのではという仮説が結局正しかったのかどうか気になりました。
ただそれを実際やっていたら大勢の人間が一歩進んでは立ち止まるというめちゃくちゃ地味な映画になってしまいますが(笑)
友情は大切に
久々のシャマラン作品
ホラー系かと覚悟して臨んだが、グロいシーンは巧妙に回避されており、これは小さな子でも観れるように配慮しているのかな
ある海岸は時間の進み方が異常に早いというトンデモ系の設定の中に強制的に送り込まれた登場人物がどんな行動を行うのかというお話。
悪人やエゴ丸出し、本能優先の人間もいれば、改めて家族や夫婦の愛を取り戻す者もいるという人生色々な姿が展開される。
そしてラストはややご都合主義的なネタばらしが行われるのだが、コロナ禍でも新薬の認可に係る法制度のせいでワクチンを輸入にしか頼れないという事情がある我が国こそこんな海岸があればもっと違う現在があるのかもしれない
映画観賞後には、科学技術の進歩にはこんな理不尽も欠かせないと見るのか、人道に反する行為で恩恵を受けることはやはりおかしいと感じるのかは人それぞれ受け止め方が違うと思われ、サンデル教授の授業ネタにもなるかも
その意味で今の時代にマッチした作品だったかもしれない
最後がちょっと物足りないけど、全体的には面白かった。 人が老いを早...
最後がちょっと物足りないけど、全体的には面白かった。
人が老いを早回しするとあんな感じなんだな。
ちょっと腑に落ちなかったのは、子どもたちの体が成長するのはわかるけど、メンタルや知識も年齢なりに成長していくこと。
心や知識は身体のように成長に伴って自動的に育つものではなくて、色々な考え方と関わって経験していく過程で養われていくものでは…?
昨日まで小学生だった子どもが、就労経験も学歴もない50代の大人としてどう社会に馴染んでいけるのだろう?
ホラーなのだが、今回はおどろおどろしい人物や猟奇的な人物は出てこな...
ホラーなのだが、今回はおどろおどろしい人物や猟奇的な人物は出てこない。
細胞が急速に老化するというビーチに迷い込んだ3つの家族を中心に物語が進む。
なぜかということは特に解明されていったりはしない。
次々と明らかになっていく事態に登場人物同様に驚愕しながら、巻き込まれていく感覚がじわ〜っと迫ってくる、なんとも言えない気持ち悪さが堪らない。
おおよそのことがわかりはじめた時には逃げきれない状況、そして残された時間の少なさが目の前にある。
最後は謎解きならぬ、陰謀解明がまるで朝日のようになされるのだけれど、それでも得体の知れない重たい空気が残ったまま。その感覚もいいのかもしれない。
「時限断層」
「宇宙戦艦ヤマト 2202」登場する異空間を思い出したけれど、あちらは時間が早く進むのに対して、この映画は人間の細胞が急速に老化するということだから、ちょっと違うのか。
モルモットのよう🐀
問題を伏せたまま家族旅行に来た家族達を、特殊な磁場のある場所で、ある意味軟禁感監禁!
通常より速い一日の流れの中、映画の家族は逞しく生きていたと思った。
あんなビーチのある施設が、製薬会社の実験場だなんて
某大陸の国なら、もっと凄いのがありそうだなと、
ふと思ってしまったのは私だけであろうか…
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