シン・仮面ライダーのレビュー・感想・評価
全259件中、61~80件目を表示
庵野秀明のリスペクトによる仮面ライダー
「シン」シリーズは庵野秀明の表したかった作品の在り方を伝えるもの、という大前提を見ずに、「大衆向けじゃないからダメ」という人が多すぎると感じた。
私はそもそも庵野ファンではなく、仮面ライダーファンだった。しかし、庵野秀明展をたまたま見かけて、この人の「リアリティの追求」と、相反するような「作られている映像ならではのこだわり」を見た者としては、それが十分に理解できた。
例えば、戦っているときのカメラワーク。近くで戦えば、互いが必死になるはず。その時のカメラワークが綺麗すぎると、臨場感が薄れる。最近の特撮は、子どもも見られるようやや遠目に、空撮などを駆使してきれいに撮影する。すると、目の前の戦いが他人事のように映る。一方の本作は、ブレて見切れて、拳が耳の横をかすめるようなカメラワーク。そこがリアリティ。
そこに昔ながらの戦闘BGMが流れてくる。先のカメラワークに、昔ながらのBGM。「リスペクト」を忠実にしながら、しかし映像は鮮明で、ただ昔を再現するだけではない、ひとつの「作品」として、作られたこだわりの部分が感じられる。
また、ストーリーが薄いという意見もあるが、ただ悪意的なエゴに徹して戦うものから、話し合うだけでは理解し合えないそれぞれの正義をかざして戦うものまで様々で、それが戦う描写ひとつひとつに表れていた。悲しみを越え、戦争を越え、強く生きることをテーマに生まれた仮面ライダーに「戦いが多すぎる」という批評はいかがかと思う。背負って戦うから、仮面ライダーたると思う。
ドキュメンタリーではあらゆる方面から文句をつけられていた庵野監督。しかし、エンドロールの名前を見るに、光学を一人で研究する気概も伺われた。それが、画面全体に広がる光や爆発に表れている。見る側からしたらただ眩しいだけだが、仮面ライダーが巻き込まれるあの位置で画面全体に光や爆風が映らないことは「ありえない」のである。
つまり彼は前線に顔を出さないものの、決してこだわりがないわけでは無いし、むしろ追い求めすぎるのだ。それについて行けないスタッフが多いことに何ら問題はない。それもまた仕方ないのだ。
光学的こだわりを描いたラフ画などが絶対あるはずだ。それらとスローモーション映像などを照らし合わせ、語ってもらって初めて120%の作品になると思う。シン・仮面ライダーへの理解を深めるためだけの庵野秀明展があってもいいくらいだと思っている。良い意見も悪い意見も含めて、まだ私達は、この作品を批評できる立ち位置にいない気がしている。
人に勧められないという意味
一度目は初日に観たのだが、いざに感想を書こうと思いつつ筆が進まなくドキュメンタリー番組観たりYouTubeで色んな感想観たりしてたらまた観たくなり先日2回目観ました(ハチオーグのタグゲット、あらら)。
題名にも書いているけど色んな人がこのフレーズを使ってるんですよね、実際自分もそう書こうと思ってましたし。
メチャクチャ面白いんですよ、味方も敵のデザインは良いしテンポ良いし肉弾戦は迫力あるし。
ただ、そのプラス要素を吹き飛ばすくらいにCGの粗さが目立つわキャラ付けのアニメ口調な口癖が引くってのはあるんです。
相変わらず人類補完計画だし。
そこにどんだけ目を反らせるかがこの映画を楽しめるかだと思う。
観に行こうか迷っているレベルの人は多分楽しめない。
ちなみに自分は藤岡ライダーと倉田ブラックしか観てませんが庵野バフで楽しみにしてた組でした。
ただ、資金不足で思うように作れないって苦しんでたけど、今までのシンシリーズもだけどちょい役に名俳優使うの止めたらもう少しそこらへんカバー出来るのではと思う。
なにはともあれシンシリーズ完走おめでとうございます。
あくまで石ノ森版仮面ライダー
微妙というか結論から言うと石ノ森版仮面ライダーを撮りたかっただけかと思う。原作は石ノ森章太郎なんだから当たり前と思うだろうが、あくまでTV企画として石ノ森章太郎の原作があって彼の漫画から実写したわけでは無い。しかも漫画は実写からインスパイアしたアイデアだという事をどれだけの人が知っているのだろうか。デビルマンやマジンガーZ同様に仮面ライダーはあくまでTV用の企画であって漫画がベースでは無い。という訳で映画はずっと石ノ森版仮面ライダーを追っかけている。そして石ノ森ワールドも展開していて如何に石ノ森ワールドを撮りたかったのが判る。
だからこそ賛否が分かれるのであろう。あくまで仮面ライダーはTVのヒーローであって漫画の焼き直しじゃ無いし、特撮としてのあゆみやプライドもあるだろう。観ている側も撮る側もそうだろうし反発もするだろう。リアル世代のワタシですらどんなもんかと思う。仮面ライダーを知らない世代からすればなんだかよく判らないと思われてもしょうがない。
リアル世代からもう少し言わせて貰えばライダーのアニキ感が全くないのが残念だし孤独感があっても孤高感が無いのも残念なライダーでした。それが今風とか石ノ森テイストと言われればそれまでの話なので★は3つですね。
実写版 人類補完計画
監督が庵野氏だから当然なのだが、その流れに行き着くのですね。
登場人物も何処かしらでエヴァを感じさせるところがあり、まさしく庵野ワールドの集大成という感じでした。
ライダーの戦いも現在放送しているものと違い、痛みの伝わる戦いを感じました。
ラストボスはオマージュとして同じく石ノ森キャラのイナズマンを匂わせています。
庵野節
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンにどハマりしていたが、今回はそこまでハマらなかった。
これは、僕自身の仮面ライダー自体に対する思い入れが、電王を毎週見ていた程度で初代ライダー達にそこまでない癖に、空想科学読本なんかで仮面ライダー誕生までのバックボーンとかの知識はあるという中途半端な状態だからだと思う。
ここから先の感想は、そんな中途半端野郎が書いてることを念頭に置いて頂けると幸いである。
先ほど仮面ライダーに対する思い入れが少ないと書いたが、実のところ僕はゴジラにもそんな思い入れはない。(ウルトラマンには他の二つよりも思い入れは結構ある)
では、シン・ゴジラはそこまで楽しめなかったかというと、冒頭にも触れた通りかなりどハマりした。
この差はなんなんだろうか。
ひとつはゴジラと仮面ライダーへのアプローチの仕方の違いだろう。
シン・ゴジラは原典を尊重しつつ怪獣が実際に現れた時のシミュレーション映画という全く新しい切り口で見せたこと。
だからこそ原典を知らなくても楽しめたのだろう。
今回の仮面ライダーは監督の原典への強い憧れを感じる。
だから原典への思い入れがある程度ないと「ここをこう作り変えたんだ!!」という高揚感は味わえないし、普通にに楽しむには難しすぎる。
そしてもうひとつは仮面ライダーという作品の特性と監督の相性。
これはあくまで中途半端野郎が聞き齧った知識で勝手にくる先入観なのだが、仮面ライダーは自分の身体を改造された悲しみを背負いながらショッカーと戦うというイメージがあった。
実際今作でも、ショッカー戦闘員に暴力を振るう事との葛藤、(怪人とて人という考え方からくるのだろう)人を殺す事との葛藤、出来ればかつての友を殺したくないという気持ち、仄かな恋模様、絶望からいかに希望を見出すかetc人間ドラマのオンパレードだ。
(話は逸れるが、ショッカーの改造を絶望からの救済と定義したのは原作にもある設定かもしれないが「成程!」と思った。)
そう、人間ドラマと庵野監督の相性は頗る悪いと思わざるをえない。
シン・ゴジラではワクワクした説明口調の台詞も今作ではかなり邪魔をしている。
(シン・ウルトラマンも同じような庵野節の台詞があったが、あっちは役者さんの好演や人間ドラマを極力排除してウルトラマンの物語に全ての焦点を当てた事でそこまで不自然に思わなかったのだろう)
この難しい庵野節を柄本佑さんなんかはうまいことものにされてて凄いなと感じた。
が、それ以外の役者さんは少し苦戦されてたように見受けられた。あ、もちろん竹野内さんや斎藤工さんはシンシリーズ経験者として自在に操っておられたが。
又人間ドラマという点で言うとハチオーグ編が惜しい。
というか、今回出てきた怪人達との闘いの中で1番ドラマ性を掘り下げられそうな所があったのに掘り下げられなかったのが残念。
良さそうな芽があったのにそこに水を与えず放置してしまっているようで本当に勿体無い。
とはいえ、ハチオーグのキャラと西野七瀬さんの奇跡的なマッチングもあってハチオーグ編が1番楽しかった。
こんなことを言うのはあまり憚られるが、ウルトラマンじゃなくてこっちの方こそ樋口監督に監督をお任せしても良かったのでは・・と思ってしまった。
冒頭の蜘蛛男戦のあのBGMがかかった時の「キタキタキタ!」感は異常。
アクションも今までのライダーシリーズのようなショーアップされたものではなく、リアルな殴り合いを演出したいというのはわかるが、にしてはカット割りが多すぎてわかりにくい。
アクションの味以前の問題だと思われる。
個人的には面白いです
本郷猛、一文字隼人という
レジェンドの名前があるなら
やはり見るべきでしょうと映画館へ
いきなり、ショッカーから
可憐な美女とバイクで逃走から始まる
その後も、バイクは重要なアイテムですが
まさか、ああいう使い方するとは、、
子供向きとは思えないライダーパワーですが
エヴァンゲリオンで耐性ついてるので
不快感はあまりないです
この映画の賛否が分かれてるようですが
個人的には面白かった
シンゴジラ、シンウルトラマンの竹野内豊や
シンウルトラマンの斎藤工が
どういう意図で出てるのか、おふざけか
平行世界かは知りませんが
あちらこちらにいる豪華なキャスト、声優は
素直に喜んでしまいます、女ですが
渡辺美波さんの可愛さだけで満足
怪人らの言動、行動は人間より人間らしく
感じていいなぁ
ハチ女は性格、ビジュアル、アクション
共に良かったです
ただ、仲村トオル、安田顕の二人が
見つからないので再度挑戦したい
オールドファンのつぶやき
“シン”仮面ライダーそしてあのキービジュアルから本郷猛の物語を描いてくれると期待していましたが、彼は同姓同名の別人。
改造人間の悩みや苦しみをルリ子さんにぶちまける、自分の意志では戦わない、ほぼ初めから親方日の丸と現代的アレンジなのかもしれませんが、もはや彼は僕らの猛にいちゃんではありませんでした。
そしてエンディングであの"ロンリー"仮面ライダーが使われるというチグハグ感。
歌詞の意味を心に刻んで採用されたのでしょうか?
ショッカーの存在もどこぞのカルト教団で、巨悪感がなく、また画面に一般人が出てこないので、生活を脅かす存在感が希薄です。
どうせなら幼稚園バス襲撃を上手くテロ行為にアレンジあたりをやって欲しかったです。
3回目で一番泣けた。超傑作(自分にとっては)
この3週間、シン・仮面ライダーで頭が一杯で支配されている。劇場で同じ映画を3回見た。産まれて初めてだ。また観に行く。10回見ている人もいる。なぜか考え続けている。
圧倒的な映像美と音。蒼空の彼方から回転しながら飛んでくるライダーキック。自然光の中を炎を吹き出して疾走するサイクロン。
ダブルライダーの赤い目、決めポーズとライダーダブルキック。ライダーとオーグのビジュアル。全て美しい。
無料公開中のクモオーグ編の変身シーンでオモチャのライダーベルトを起動したら音と光で凄いエモかった。なんて楽しいんだ。
役者さん達の芝居も素晴らしい。池松さんの棒読みにも意図があり、一文字とバディになった後は藤岡弘さんばりに叫ぶ。
8回もあるバトルのテイストは全て変えているのは贅沢。石ノ森漫画は空中戦が多いから実写再現するのは困難でCGを選択したのはやむを得なかったと納得。どこかで見たような殺陣の殴る蹴るは飽きるし。
(ただ、生身のショッカーライダー戦は円盤のおまけで入れて下さい、お願いします!)
7オーグ全て魅力ありキャラ立ちしている。スピンオフ漫画で生い立ちを知るとまた面白い。絶望を知る優しい人達が人体改造とマスクで壊れていっている哀しみがある。サソリさんもまともだったのに。。
6時間位ある話を2時間に圧縮しているから、感情移入するのに補完する想像力が半端なく必要。難解な説明セリフも多いし。情報の咀嚼に時間がかかったが、わかると全てのセリフやシーンにちゃんとドラマの為の意味がある緻密な構成。子供は「意味が分からなくても面白かった」と言っていたので映画としてよくできている。精神的テーマは石ノ森章太郎先生の漫画版の良さの継承をきちんと行っていて見事。石ノ森漫画も売れていて嬉しい。
普通のエンタメ映画ではラスボス戦に一番派手なアクションを持ってくるのにあえての泥試合。これも優しい本郷猛が「殺して相手を止めるのはしたくない」から。そしてどちらも元は人間だ。だから戦いながら説得しようとする。怪人全員出てきてぶっ倒すみたいな安易なカタルシスは無いけど心に残る。役者さん達の全力の芝居が熱い。
本編には大満足だが、幸せではない。なぜなら、ドラマ版、続編、V3編まで観たくてたまらないから。早くもロス。
こんなに感情を動かされた邦画はない。
何度も観ないとわからない映画を劇場で観られるのは贅沢だ。
(洋画では2001年宇宙の旅、地獄の黙示録、ゴッドファーザーとブレードランナー)
庵野監督と共に苦労して作られた方々全員、石ノ森章太郎先生とTV版に関わった方々に感謝します。
ライダーとはなんだったのだろう
怪人はかなり凝った作りをしてるのだが、仮面ライダーの衣装はどうしても陳腐に感じた。
もう少し凝った作りをして欲しかったし、衣装の生地感をあまり感じない演出をして欲しかった。
また登場人物もかなり感情を押し殺した演出でショッカーの隊員を倒す際の血飛沫だけが妙にリアルに描かれ、なんとも違和感を感じた。またライダーもルリ子を守ることのみで自己をあまり感じられなかった。
そしてショッカーとは人里離れた場所や敵地での戦闘のみを描くため(ショッカーの目的は語られるのだけど)、人類との敵対関係が鮮明でははなく、ストーリーを語るのではなく対決する怪人ごとの断片的な映像の繋ぎ合わせの様に感じられた。
アクションについても特出したものを感じられず残念だった。あと空中でのアクションもあるのだが少し陳腐に感じられた。
甦る昭和のヒーロー
昭和の日本のヒーロー達って陰があって暗く(ついでに言うと色味も地味;)子供の私には薄ら怖く感じられて全く見ていなかったのだけれども、この度「シン」になったので、観てみた。結果、「シン・ウルトラマン」と同じくらい、見てよかったなと思った。本郷猛が何に苦悩していたのかがはっきりしたような気がしたからだ。
戦闘すること、すなわち、人を救うために人を殺めること。そこに正義はあるのか。
アメリカのヒーロー達が(初代のワンダーウーマンも含め)バッサバッサと小気味良く悪人達を成敗していくのに比べて、初代ライダーは一々躊躇する。根が善人。彼にとっては悪人も人。警察官の父の、死傷を負わされたにも関わらず人として犯人の命を心配していた最期の姿が頭をよぎる。ショッカー退治は自分の心も傷つけながらの辛い仕事なのだ。戦争の悪を忘れていない昭和世代の心の内や、仏教の悪人正機説に基く日本人ならではの価値観との葛藤を感じさせる。
斉藤工演じる情報機関の男はシン・ウルトラマン(話し方から想像)など、諸々の庵野監督流の遊びゴコロも感じられ、冒頭のカーアクションはスリルがあって、何台もの大型車が爆発して「西部警察」みたいで「アン」サステイナブルなのだけれどもw華やかでワルくて良かったし、バイクマシンがシャキーンと変形する様はテンションがあがったし、キャスト陣は豪華だし、中でも主役の二人は哀愁と難しいオーグっぽさを両立させていたし、2号と0号もカッコよく、総じて愉しめる作品だった。
充実した映画体験
子供の頃にウルトラマンはほとんど見てなかったけれど「シン・ウルトラマン」は面白かった。
同じく、仮面ライダーもほとんど見ていなかった。
そういう意味でフラットに映画を観られた。
よく分からない設定で、とにかく敵を倒していく。
思っていたよりも血飛沫が飛ぶ。倒す、というより殺す。相手が人間でなくとも殺しているということを印象付ける演出。
と思えば何百人が一瞬で泡と消える場面があった。
どうしてそんなに人を殺すのだろう。
劇中の会話で、苦しみの無いハビタット世界へ全人類を送るのが目的らしいと分かった。
なるほど、それは良いかもしれない。苦しみが多い現代だから求める人はある程度いそう。でも信仰宗教みたいだなぁとも思う。
ルリ子は言っていた。幸せと辛いは線一本の違いだと。だから辛いことのすぐそばに幸せはあると。
もちろん、あまりの辛さにそっと逃げ出したくなるけど、高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいいもんなと自分をごまかしながら苦楽を抱えながら生きていくしかない。
でもそれには努力が必要で、そんな苦労をせずにハビタット世界へどうぞと彼らは囁く。それを強制するならやはり彼らは悪なんだろう。
そんなことを考えつつスクリーンを見ていたけれど、どうにも睡魔が襲ってきた。仮面ライダーが命をかけて戦っているのに。自分は睡魔にすら勝てないのかと。だがどうにも瞼が重い。これが地球の重力か…
気がつくと敵の仮面ライダーが味方になっていた。
そしていろんな人の想いを背負ってこれからも戦うらしい。
それを見て、自分も勇気をもらって力が溢れてきたということは全くなく、こんな訳の分からない散文をレビューサイトに投稿する始末。どうして他の映画にしなかったのか。
でも、こういう辛い経験があるからこそ素晴らしい映画に出会えた時の幸せがあるんだよね、ルリ子さん。
父よ、母よ、妹よ
ダブルタイフーン、命のベルト。とはいえ、私が見た仮面ライダーは、精々アマゾンライダーをチラ見したぐらいでしょうか。なので、仮面ライダーはどうあるべきなのかは私が語れることでは無いかもしれません。
でも、実際に素手で殴りつけ、直に脚で蹴り倒し、それが敵を殺傷するほどのものであるならば、どのようなことになるものか。それは映像の話ばかりで無く、ライダーの心を蝕むところから始まる。それが仮面ライダーを突き詰めるべき「シン」シリーズの作品なのかな、と感じました。
様々な場面で当時の特撮らしいサウンドがサービス精神っぽく用いられていますが、なにより、主演のぎこちない口調がなんだか好きです。これこそが正しく当時の特撮っぽくて良いですね。
そして当時の主題歌の流れるスタッフロール、いったい幾つ庵野監督の名前が登場するのかと、数えるのもご一興ですね。頑張ってるなあ、庵野さん。そして最後の「終」ロゴでビシッと締めます。有り難うございました。
走るバイクはかっこいい。人機一体
どちらかといえばウルトラ派で、昭和ライダーの名は分かるが怪人の識別はできないくらい。監督の名前と予告編での浜辺美波のかっこよさが足を運ばせた。IMAXで観賞。
導入のクモオーグのパートは、展開にも造形にも痺れワクワクした。その後は、毎週放映のシリーズだったら悪くなさそうなのだが、まとめてだとどうもメリハリがない感じ。特に(どんだけお金がないのかと思わせる)ロケやセットのチープさと登場人物の少なさが目につく。
一番ひっかかったのは、シン・ウルトラマンのレビューに書いたのと共通する、アクションの重量感がない点。ウルトラでは外星人テクノロジーだと割り切って理解していた重力に縛られない(ように見える)ヒラヒラした格闘戦だが、ライダーでは肉弾戦への期待が(全く思い込みなのだが)強かったので、特に工場上空での空中戦など、個人的には物足りなさがあった。ただ「こんなの仮面ライダーじゃない!」と思うほどライダーについて知らないので、これも監督のオリジナルへのオマージュなのかとも思う。(バンク風なライダーキックの見せ方とか特に)
全編を通して、コートを纏ったバイク乗りのスタイリッシュさと、バイクで走る姿の格好よさが印象に残った。まさに仮面ライダーが「ライダー」である所以か。
やべぇぇ
総合的にはよかったが文句もあるから
拘りみたいなのはすごく感じた
文句
·ショッカーライダー戦が暗くて何やってるか分かりずらい(ましではあったけどハチオーグ戦も)
·仮面ライダー0号戦のカメラがブレすぎる
·KKオーグが中ボス格かと思いきや二号にボコされる
·プラーナ関係の設定はなんなん?
·回想シーンとかキャラの掘り下げをもうちょいほしい(時間的な問題はあるんだろうけど)
·爆発なんかの一部の音がとてもうるさい(やべぇぇの理由はこれ)
·ちゃんと組織潰すんじゃないんかい
·さそりオーグの退場が雑
·二号
よい点
·アニメやCG等を駆使したアクションシーン(一号対二号戦はやってるのがアニメのそれ)
·仮面ライダーの小ネタの数々
·ロケーション
·サイクロン号の変形
石ノ森先生の雰囲気が出ていた
原作は未視聴、未読でシンシリーズが好きで見に行きました。
シン・ゴジラ、シンウルトラマンとはまたちがった作風に仕上がっていたと思います。
個人的にはシンシリーズで一番好きでしたが、人によっては合わないのかなとも思いました。そのため、賛否両論なんだな、と感じました。
石ノ森先生のサイボーグ009が好きで、原作をすべて読んだ私としては、優しすぎる主人公、自己犠牲というところに石ノ森先生の作風を感じました。そこはとても嬉しく、テンションの上がるものでした。
ただ、少し残念な点をあげるとすると、セリフが聞きづらいところ、またトンネルのシーンが見づらいところが挙げられるかと思います。
都市伝説
ライダーキックが超絶カッコイイ。
初見では「おお♪」と声をだしてしまった。
仮面ライダーの造形も大好き。
いちいち絵が決まるオリジナルのデザインに原作者のセンスを感じてしまう。
オープニングアクトが素晴らしく、改造人間とはどういう類のものなのか凄く伝わってくる。
規格外の力に翻弄され、生存本能が故に他者を駆逐する様が描かれていた。石森章太郎原作の陰惨たる空気感を作品全体からも感じられたように思う。
ただ…脚本が雑すぎないか?
編集もアングルも、映画ではなくまるでコミックに準拠してるような感じで…そもそも映画にする気がないのかとも思う。
「仮面ライダー」というタイトルは、今やファンタジーである。監督はファンタジーではなく、令和のこの今現在に、仮面ライダーを存在させたかったのかと思う。
どこかにショッカーという秘密結社があり
政府に特殊対策部隊があり
人知れず、組織と戦いその凶悪な野望を阻止し続けている仮面ライダーが、いると。
物語は脱走から始まる。
組織は刺客を次々と送り込む。
とてもとてもミニマムな世界観で描かれていく。
大々的な侵略戦争やテロをショッカーが起こす事はない。まだその前夜というか、決起にまでは至らないのかと思う。
そんなタイミングで、組織の秘密を知る人間が脱走するのは致命的だ。だから刺客を送る。
ほぼほぼ、その筋から離れない。
ショッカーが大量殺人をするような事もない。
水面下で粛々と牙を研ぎ世界への悪意を増幅させていく、悪の秘密結社ショッカー。
だから、誰もその存在を知らない。
ファンタジーではなくリアリズムを。
現実と紐付ける設定を。
2023年4月3日21時45分
コロナ対策が緩和され、新入社員達がカラオケボックスから、浮かれまくって大挙して出てくる今、現在も、仮面ライダーは、戦い続け、悪意ある野望を尽く粉砕していっているのだ、と。
監督はそんな仮面ライダーを撮りたかったのかもしれない。
強化スーツが洗濯できるとかは欲張りすぎた感もなくはない。
斎藤工の参戦は、シン・ウルトラマンとの関連を想起してしまう。滝と立花(オヤッサン)そう来るかーって感じではあったけどキャスティングは変えても良いように思う。
一体、何を見せられているのだろう
冒頭、バイクに乗った池松壮亮と浜辺美波が、ダンプカーに追走され、挟まれるシーンの疾走感には、これは面白いかもと期待させるものがあった。しかし、浜辺美波がクモオーグに捕まったところに、突然変身した仮面ライダーが現れ、血しぶきだらけの戦闘を経て助けたところに、父親の博士が現れ、聞き慣れない言葉を交えて仮面ライダー誕生の秘密を語るうちに、再びクモオーグが現れ、二人の目の前で博士が殺され…と観ていくうちに、一体、何を見せられているのだろうと思ってしまった。
あくまで仮面ライダーファン、特撮ファン向けに作られた作品なのだろうから、各種オーグメントのビジュアルや、プラーナ、ハビタットといった言葉や概念にも、面白がらなければ付いていけない。
役者陣が映画らしい魅力的な顔ぶれで、予告編やポスタービジュアルから、スタイリッシュな映像を期待していたのが、見込み違いというところか。
実際の主役である浜辺美波は可愛かった。池松壮亮は影が薄く、マスク越しの声が聞き取りづらい。仮面ライダー2号の柄本佑の方が声も通るし、キャラクター的にも面白みがある。
ラスト、死んだ二人の思いを継いで、バイクで橋を疾走する姿を空撮で捉えるカットは後味が良く、エンドロールの子門真人3連発は嬉しかった。
2号の仲間になる流れが雑じゃない?
仮面ライダーのことはほとんど知らない人間だが
庵野監督ということで見た
仮面ライダーは二人とも棒読みっぽい感じがするし会話が少ない
流暢にしゃべってセリフが多い浜辺美波が主役というイメージが強い
でも、途中でいなくなってしまうんだよな
全体的にアクションシーンは良かったと思ったが
量産型ライダー(?)とか全体的に
画面が暗いのでなにやっているかわかりにくい部分があった
設定はなんとなくわかりにくい用語でごまかしている感じがしている
最初で語られたAIを作った資産家とかの話は
後半ほとんど関係なくなったのが気になる
2号が出てきて戦って味方になるという流れが
なんか早いし雑だなと思った
あとサソリボーグの処理がギャグっぽい
ラストは敵を倒して終わりというわけでもなく
仮面ライダー1号もいなくなってしまうので
そこまでスッキリしない感じで終わるので
賛否両論が分かれそうだな
シンプルに期待外れだった
言葉を選ばず言うならば期待外れでした。『シンゴジラ』『シンウルトラマン』と、往年の名作特撮のリメイクを製作してきた庵野監督ですが、右肩下がりにどんどんつまらなくなっていると感じます。
アクションが見辛く、設定が分かり辛く、ラストの展開は飲み込み辛い。
「辛という字に一本線を引くと幸せになる」とは劇中の緑川ルリ子のセリフですが、この映画の「辛い」はどうしたって観客には苦痛です。
しかしながら、好きか嫌いかと問われれば私はこの映画が好きです。
面白くは無かったけど、キャラクターは魅力的だし、実力派俳優を採用しているだけに役者陣の演技は素晴らしかったと思います。見せ場が随所にあるので退屈することもありませんでした。
・・・・・・・・・
頭脳明晰・スポーツ万能の天才である本郷猛(池松壮亮)は、悪の秘密結社ショッカーに攫われ、その体をバッタと融合させた怪物へと改造されてしまう。学生時代の恩師でもある緑川弘(塚本晋也)と娘の緑川ルリ子(浜辺美波)の協力でショッカーの基地から脱出した本郷は、ショッカーの殺し屋・蜘蛛オーグからの襲撃を受ける。
・・・・・・・・・
私個人の一番の不満点は、アクションシーンの見辛さです。
アングルの悪さや画面の極端な暗さ。とにかく戦闘描写が見辛い。特に顕著なのが終盤に仮面ライダー1号2号がイチローの元へ向かい、群生層のバッタオーグたちとの戦闘をするシーン。画面が暗くてマジで何も見えないし、敵も味方も見た目が似ているもんだから、敵と味方の判別がつかない。映画館のスクリーンは暗いシーンの描写に強いはずなんですが、それでも見えないレベルで暗い。間違いなくレンタルDVDやサブスク配信が開始されて、自宅のテレビで観たら真っ暗で何も見えないです。
ストーリーも正直ついていけなかったですね。
自分はウルトラマンの知識が無い状態で鑑賞した前作の『シン・ウルトラマン』では、ストーリー展開についていけずに置いていかれました。そのため本作の鑑賞前に、仮面ライダーについてある程度リサーチしてから鑑賞に臨みました。ただそれでも、ストーリーの展開が急だったり、キャラクター設定が説明不足だったりして、普通に置いていかれましたね。他の方のレビューを見てみても、端折られた部分が多いように感じている方が少なからずいるみたいですね。
本作には蜘蛛・コウモリ・蜂・蠍・カマキリとカメレオン・群生バッタ・蝶などなど次々と敵の怪人が現れますが、ほとんど苦戦することもなく撃退に成功します。見どころであるはずの戦闘シーンが流れ作業のようにポンポン処理され、盛り上がりに欠けます。「テンポが良い」というか「やっつけ仕事」って感じに見えてしまいました。
NHKで放送された本作の製作裏ドキュメンタリーについても触れておきます。私はドキュメンタリーは観ておらず、伝聞での情報しか知らないため、間違ったことを言ってしまったらすみません。
本作の撮影現場、撮影した映像を確認した庵野監督がNGを連発し、何度も何度も撮り直すことになります。激怒するばかりで具体的な指示を出さないNGなので、役者陣もスタッフも何が正解なのか分からないまま、繰り返し同じシーンを撮影します。下準備やスタッフとの情報共有やコミュニケーションが明らかに足りていない様子で、撮影現場の雰囲気はどんどん悪くなっていきます。
とある映画レビュアーさんが「庵野監督は準備された予定調和ではなく、アドリブでしか生まれない爆発力を求めているのでは」という考察をしている方がいらっしゃいました。確かにそれも理解はできるんですが、大量のNGを出して大量の撮影をして膨大な映像を編集して、良いシーンだけを切り取って繋ぎ合わせて作成された本作は、継ぎ接ぎで歪な映像に見えてしまいます。特に戦闘シーンは台詞量が少ない分、キャラ同士の位置関係や動きが観客にも把握しやすいように構図や動きを綿密に練って撮影しないと、ごちゃごちゃで分かり辛い映像になってしまいます。本作のアクションシーンは、まさにこの「ごちゃごちゃで分かり辛い映像」でした。庵野監督の狙いが完全に裏目に出ていたと思います。
ストーリーもよく分からないし、醍醐味であるはずの戦闘シーンもイマイチだったんですけど、個性豊かなキャラクターやそれを演じる俳優さんたちの演技には興奮しました。推し女優の浜辺美波のビジュアルの良さもさることながら、個人的に一番良かったと思うのは柄本佑さん演じる一文字隼人ですね。池松壮亮さん演じる本郷が根暗で声のトーンも低いのに対して、一文字は明るくてハキハキとしたキャラクターです。その対比が素晴らしく、二人が揃ったところでようやくこの物語が始まったような感覚がありました。
期待外れで酷い映画だったと私は思いますが、私は決してこの映画嫌いじゃないです。部分的には楽しめましたし、お金が掛かってる分、クオリティは高かったと思います。本作を「庵野監督の最高傑作」と絶賛する方もいるようですし、試しに観てみたらハマるかもしれませんよ?
全259件中、61~80件目を表示