偶然と想像のレビュー・感想・評価
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新感覚の会話劇って感じ! 面白くて笑えた!
3本のショートムービーで構成。
それらに関連性は無し。
一度に3つの映画が観られてお得な感じも良かった!
①魔法 4.0点
古川琴音さんがとても良い!
何で彼女はスクリーンで観ると美しいんだろう(笑)
タクシーの中の会話がリアル過ぎ!
アドリブで喋ってる感じが凄い。
ストーリーも実際にある様な展開。
カフェのシーンは大爆笑!
②扉は開けたまはまで 3.5点
主婦で学生。奈緒役の森郁月さん。
知らなかったけど美しい。
この作品は会話劇の真骨頂と言った感じ。
棒読みに近いセリフなんだけど丁寧な喋り方が印象的。
ある小説を奈緒が朗読するんだけどエロい(笑)
そしてメッチャ笑えたー(笑)
③もう一度 3.0点
「偶然と想像」と言うより勘違いから始まる展開。
同窓会アルアル的な感じで面白い。
これも実際ありそうな展開で笑えた。
本作は会話がポイントなので音声だけでも楽しめる作品かも。
役者の皆さんがの丁寧なセリフが心地良かった。
劇場鑑賞案件ではない感じだけど、笑えるシーンの観客の一体感はとても良かったです( ´∀`)
棒の世界
ワンシチュエーションの演劇的な何かが好きな監督なのだなと、「ドライブマイカー」を思い出しつつ納得。
左側の2秒と静止していられないナルシストと後方の「新聞屋さんにチケット貰ったから来たわ」的なイビキマダムに辟易しましたが、マダムは起こしたし兄さんは一瞥したら1分位は静止出来る様になったので、まぁまぁ良しって事で。スマホ弄りも日に日に目立つようになってきたし、何だか悲しいものでございますね。
三本の短編でしたが、全て序盤から中盤まで何かしらイライラ(もしくはムカムカ)な展開なので、「しまった…」なんて思ったりするのですが、三本共にラストでは何故かスッキリしてる不思議な作品群。妙な不穏さや独特のユニークさ等々嫌いでは無かったのだけれど、やっぱり「読み合わせ」の様な棒台詞の応酬は「んむむ??」な感じが拭えませんでした。でも、不思議な魅力はある映画なので、気持ちと時間に余裕のある時にでもどーぞ。
観終わってちょっと幸せな気持ちに
今年最後の映画、皆さんのレビューを観て決めました
演者や内容よりも濱口監督に期待する声が多かったですが、オムニバスという形と共に各々の話の内容も、つながりはないけれども、人生において偶然が何をもたらすのか、偶然を避けた人生などありえないし、予定調和の完璧な人間性を備えている人生だって、わずかの偶然が転機にも転落にもなるおもしろさを感じました 登場している人の人生にとっては、起こって欲しくない偶然でも、離れてみている観客とすれば、日々単調な生活においても何かしら彩が添えられる「期待」を持ちました 第一話の古川さん演じる芽衣子のいやらしさも偶然がなければ包まれたままだったろうに、でもその「もう一人・真実の芽衣子」が現れていくことに、わくわく感すらありました
対照的な第三話、ウイルスによって元のようなコミュニケーションを必要とする時代に戻る中、いくつになっても不安と不満が渦巻く日々の生活において、偶然の出会いがもたらした清々しさ、いいラストでした
私河井青葉さんのファンで、彼女決して中心には出ない役が多いのですが、短編で2人だけの展開でしたから、彼女の安定した演技に大満足でした (12月23日 京都出町座にて鑑賞)
圧倒的な傑作
圧倒的な傑作。
会話劇で、セリフ量はかなり多いはずなのに、それでも能動的に見させる作りになっていることこそ映画のマジックなんだと思う。画面の中にたくさんの情報があふれてる。類推させるだけの何か。類推させようとする何か。その仕掛けがたくさんなされているから面白い。短編同士でリンクしていないようで通底しているところはリンクしているし、前菜・副菜・メインのように、盛り付けが高度(時間の概念が長くなる)になっていくところも良い。
1話。タクシーのシーンの美しさ。どこであんな長回しが撮れるんだろう。恋バナの後向かう場所。そこから始まる怒涛の会話劇。素晴らしい。古川琴音が演じる役、自分だったら絶対面倒くさくて関わりたくない女だけど、この男なら関わっちゃうんだろうな…と思わせる説得力が男性側の佇まいにある。急なズームも良い。
2話。セフレは教授のこともともと好きだったんじゃないかな…。教授の佇まいの品の良さと、出てくる言葉の品の悪さのギャップに笑う。未だに大学教授はそのドメイン使いがちだからね・・・。面白い。
3話。偶然が過ぎる。覚えていてもいいような気がするけど、時間の経過とはそういうものなのだろう。それでいて、関係性が如実になってもせっかくだから…となるのも確かになぁとなった。
会話とはセックスである。エロい。最高の映画体験だった。
会話の内容が入ってこない。
偶然と想像が織り成す独立した3つのストーリーで描かれるオムニバス作品。それぞれ掘り下げたらおもしろそうだけど、ほぼほぼ1対1の会話劇が続くので正直退屈してしまった。濱口監督のスタイルなのか、うまい役者さんでないと大惨事になりかねない抑揚をつけない独特のセリフ回しも、確かに印象的ですけど私はハマらずです。
3本ともなかなかマニアックな展開で要は、偶然は必然であって、想像がいつの間にか現実になるみたいなことなんですかね。3本目の「もう一度」はまさにそんな感じでした。
オムニバスなのでテンポはいいはずなんですけど、なんかやたら長く感じてしまった。会話の内容も途中から興味なくなってしまって惰性で聞いてました。
最高の会話劇。
3本とも着想、展開、素晴らしいと思った。
徹底した脚本の面白さなんだと思う。
映画なんだから映像的なアイデアがあるともっとよいと前作でも思ったんだ。
あとああいう棒読みセリフが好きな監督が時々いるけど、シーンによってはまってる時とそうでない時があるような気がする。
僕は読み合わせ、役作り、練習方としてアリだと思っているけど完成形としてはやはり観ずらいと思う。
正直3本目は少し眠かった。
映画ではないラジオドラマで十分
棒読みのセリフ・演技をしない役者、そして私小説的テーマ、始まって5分で目をつぶってしまった。それでも最後まで全く困らないラジオドラマだった。映像で物語る黒澤の私小説的映画「夢」と正反対
3作とも素敵です!
古川さん、やっぱいいですね!
喫茶店でのシーン1、シーン2面白かったです。
作家とのやりとりシーン、とても素敵でした!
20年ぶりの出会い、間違いだった!
2度目の出会いシーン、よかったです。
出来るだけ前情報を入れずに
短編オムニバス(三話立て)という形式、正直「どうか?」と半信半疑で挑みましたが、結論としては三話共に丁度よい尺と面白味でなかなかの満足度でした。
公式サイトやトレーラーは見てもいいと思いますが(私は全く見ずに挑みましたが)、一部の紹介サイト(当サイトを含む)や記事の解説はやや説明しすぎ。短編ですし、この偶然性を前もって知ってしまっていることは勿体なすぎです。
劇場でも特に渋川さんや占部さん、河井さんなどのベテラン勢が演じる二話目、三話目では時折笑い声が起きるほどの意外な言葉や展開があり、これは出来れば前情報少な目でご覧になることをお勧めします。
人の関係性、距離感とそこで交わされるコミュニケーション、濱口作品は脚本(説得力のある言葉と論理)と役者への演出にもつながる「本読み」が観ている側へ程よく想像力を持たせてくれて最後まで面白く感じさせてくれます。
私は、特に第二話の『扉は開けたままで』の渋川さん演じる大学教授で作家の「瀬川」がとても良かったな。彼の言葉には言われている奈緒でなくても救われた気になれます。
「女性」を描きながら、言葉で表される以上の何かを描いている映画
すごい映画観た。三本の短編映画で構成されている映画なのだけれど、三本ともすごい。そりゃ、今年の邦画ベストワンだとすでに決めていた「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督の作品だし、期待を胸にふくらませて映画館に行ったわけだけれど、想像を上回る出来の作品。今年観た映画のベストワン。濱口監督は女性の描き方が本当にうまい。これまでの作品を観ていれば、そんなことは分かりきったことなのだけれど、もうそう表現するしかない。女性というモデルを描写するのではなく、あるシチュエーションの中に落とし込んで、女性という本質を持った人から想像の上を行く行動を引き出している感じ。登場人物たちを言葉で表せば、一本目の小悪魔、二本目の悪女、三番目の中年女性と野暮な言葉になるけれど、それらのくくりにとどまらないような、彼女らの感情のほどばしりと動揺と自分たちにも分かっていない行動の意外性が、観客の度肝を抜く。これこそ映画としての「女性」の描き方だなあと思う。成瀬巳喜男や増村保三とも少し違う。「ドライブ・マイ・カー」も言葉で表す以上の何かを映画で描いて、画面に刻み込んでいたのだけれど、この三つの短編はその言葉にならない「女性」というか、人間の感情と行動を見事に描いている。一見、普通に撮っているようでいて、抑制された的確な演出、脚本のプロットの巧みさ。本当に映画の表現力の素晴らしさを感じさせる映画作家だと思う。今年のベストワン映画としたい。
【言葉の持つ力】
「ハッピー・アワー」や「寝ても覚めても」、「ドライブ・マイカー」、脚本の「スパイの妻」でも感じられた濱口竜介さんの言葉の巧みさとか、言葉の持つ力を感じさせる作品だと思う。
この作品には、短編ということもあるが、大きな場面転換はほとんどない。
そして、説明も少ない会話劇だ。
観る側にも想像力が必要になる。
更に「ハッピー・アワー」や、「ドライブ・マイ・カー」でもそうだったように、綴られる言葉が、俳優の力を最大限引き出しているようにも感じられる。
それぞれ、
偶然のもたらす切なさ、
偶然を装うことによってもたらされた偶然の悲劇、
偶然ではなかったが偶然を装うことによってもたらされる希望が、
「偶然」を題材にとったかたちで、更に、ユーモアを多く盛り込んで、様々な物語が創り出(想像)されるのだ。
また、興味深いのは、主人公の相対する相手が、主人公の思い描いていた人物像と異なっていることに内心慌てている様がよく表れているところだ。”想像と違った”…とか。
どこか思い込みの激しい僕たちに重なるようで笑ってしまうし、タイトルと関連がないとは思うけれども、どうだろうかと少し考えてしまった。
こうした細かい言葉のやりとりや演出が、更に、言葉で交流する重要性を示しているような気がする。
※ ここ追記 → なんか棒読みって揶揄してるレビューあるけど、シチュエーション考えたら、演出として棒読みのように聞こえるんじゃないのかしら。突然、親友の彼氏が元カレとか、相手を陥れるつもりが…とか、名前思い出せないとか人違いとか…。
(以下ネタバレ)
心の中にずっと秘めていたことが、偶然によって葛藤を巻き起こし、選択を迫られた結果、吹っ切れた新たな一歩になっていく。
良からぬ計画が、別の形の交流になり、どこかで期待が膨らむが、変な偶然が、実は不本意な一歩になってしまう。しかし、最後のバスの中のシーン。他二作と違い、ちょっと暗示的な気がするのは、僕だけじゃないと思う。
偶然だと勘違いしていたことが、今度は偶然を装うことで、心のどこかにあった、わだかまりを取り去り、希望の一歩になったりもする。
昨今、TwitterをはじめSNSの影響なのか、紋切り型の文章や表現が多くなって、それは映画のレビューでも同様に思う。
でも、よく考えたら、思慮して話しをせず、感情に流されて言葉を発する人は昔からたくさんいたような気もする。
教養も影響するとは思うが、昔の人には教養とは関係なく、激昂して、言葉が短調になる人だらけだった。
まあ、きっと、この作品にも、合う合わないとか、キャクホンガーとかよく目撃されるレビューは出てくると思うが、さまざまな感情を、可能な限り言語化してみることは意味のあることだと思う。
自分の言葉で綴り自分を表現したり、多くの会話で相互の理解を深めたりすることは必要だろう。
ユーモアもあって、なんかとてもステキな作品だった。
三話目好き
ドライブマイカーの濱口監督作品✨
タイトル通りの偶然が引き起こすストーリー展開
三話オムニバス映画
長回し多いですね
ときどき、ドライブマイカーっぽいところありますね
男優の人たち、棒読みというか、感情をのせない淡々としたセリフ多いですよね
掛け合いとか、
台詞をただ言ってます的な
監督の意図だと思いますが
言葉をしっかり観ているものに伝える為なんでしょうかね?
いつもの渋川さんなら感情たっぷり演技な役者ですが、感情を殺した演技でした
役に合わせてなんでしょうけど
この中では、三話目のもう一度が好きなストーリーです✨
少しほっこりする感じが良い☺️
観ている方達も少し笑い声が
年配のご夫婦など
最後笑顔になっていて
それをみて映画館を後にする
映画も、観ている人たちも総合して、ちょっぴり豊かな気持ちになりました
おっ、そうきたかが充分楽しめた
短編集だし、ネタバレになりやすいから短く評すると、おっ、そうきたかの3連発でオチもすごく評価できる。たのしめた作品だった。
舞台挨拶で第1作目の3人の俳優の方が出てこられたが、先入観および予備知識ほとんどなしでみたから、見たあとでの舞台挨拶の方が、自分は良かったような気がした。
『ラブアクチュアリー』のように心が暖まります。
思いもよらない偶然で生まれたシチュエーションだからこそ、思いもよらない自分の心の声や、自分が本当に望んでいたことや言いたかったことを言葉にしてみる。そして、言葉にしてみたら、実はもっと違うことも見えてくる。
そんな経験は、たぶん誰にでもあると思います。
と思っていたのですが、昨日見た『私はいったい、何と戦っているのか』の主人公は言葉にしないのです。
すべて呑み込んでしまいます。
そうですよね。
そういう人もいるはずです。
もちろん、いいとか悪いということではありません。
自分の意思や心の内の表明は、表明しないことも含めて人それぞれの選択です。
※意見が言える言えないというのは、生来的な気質に負うところが大きいのかもしれませんが、『マトリックス』に象徴される広い意味でのシステム(コンピュータ世界というより社会体制や社会的な規範のようなもの)にがんじがらめにされている現代では、周囲の人たちからは、その人の気質でなく選択として受け止められてしまうと思います。だから精神的に病んでしまう人も多いのだと思います。
でも、この映画を見てると、もしかしたら間違ったこと、或いは思っていることと違うことを言ってしまうかもしれない、それでも、その時なりの精一杯の言葉を発することは何か思いもよらなかった違う何か、違う感情が生まれるかもしれない。それで一歩か半歩かは分からないけれど、少しは前に進める。
希望というほど大袈裟ではないけれど、生き方についての新しい何かが見えて来る。
そんなささやかな勇気が湧いてきます。
第一話
『街の上で』の青とイハの長い会話のワンカットを彷彿とさせるタクシー車内での会話がなんとも秀逸。
第二話
瀬川教授〜❗️
その後の人生が心配です。気になって気になって…
私の場合、佐川と聞くと急便よりも理財局長という言葉が浮かんで、いい加減にしろ❗️と血圧が上がってしまいます。
第三話
マスクが定着したため、『アレ?見覚えがあるな、あの人』と感じることが前より増えましたが、マスクをとったらまったく知らない人という可能性も高いのでやり過ごしてました。
でも、この第三話を見てしまった今、人違いかな、と思っても取り敢えず、声をかけてみようかな、という気分になってしまいました。
むしろ、間違ったままのほうが虎屋の羊羹をご馳走になれるかもしれないし…
クリスマスとは特段関係のない映画ですが、この寒い時期の映画としては、『ラプアクチュアリー』のように、とても心が暖まるのは間違いありません。
短編小説的な会話劇。
映画というより、舞台の演劇と解釈して観たほうが理解しやすい。
まさに短編小説を、舞台の会話劇にした恰好だ。
評価は分かれるかもしれないが、演劇として観れば、面白い作品といえるのかもしれない。
棒読みのセリフも演出なのだろうが、これも評価が分かれるところだろう。
映画として観れば、低予算映画に分類てぎると思うし、脚本でつくる映画といえる。
フランス映画のようだと言えば、そうかもしれないし、海外ウケはするだろう。
ドライブマイカーに次ぐ好作品ということで評価は落ち着くと思われるが、ぜひ劇場で確かめてみてほしい。
アクロバティックな対話ファンタジー小品集
おそらく何をやってもこの方法論で楽しく見れる、そんなスタイルを確立している濱口監督。しかし誰もがこうは撮れないな、という3つのエピソード。
日本人監督として、というか海外の監督としても稀な論理的対話のセリフ劇、哲学的対話〜からのアクロバティックな決着へ。起承転結で考えても見事だな。そしてある種異常でもあるし、ある種リアリティしかないとも言えるこのセリフ劇を普通にこなすメソッドひっくるめてなんだか「円熟」とも呼びたくなる軽やかを持った小品集だった。あのズーム!
恋愛も復讐も再会も、何気ないリアリティから始まって、たいがい予想していた相手が予想以上の何かであって、たじろいで、でも克服していく、まさにゆらぎのドラマのような気がした。吐き出したキャラクターのたくさんの言葉から、また別次元の世界が生まれてそこで決着をつけていく、まさにFortune and Fantasy。親密な関係では話せない個性的な悩み、異様な悩み、わだかまり、が他者(赤の他人)へだからこそ炸裂する、というか他者だからこそ踏み込める私的悩みがファンタジーを生む、というか。
ちなみに劇場内はいっぱいで、ゲラゲラ笑えるくらい盛り上がりがあったし、確かに笑えるのだけど、その笑いじゃなくてもっと巨大な穴にスポッと入るのと同時なのでよくゲラゲラ笑えるな、と思いつつ観ていた。
しかし、配役もよく考えられている。ここはそこそこのキャリアでなくては、という人とここは初々しくていい人で、というか。楽しんで創造してる感じがしてよかったな。
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