劇場公開日 2021年12月17日

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偶然と想像のレビュー・感想・評価

全131件中、61~80件目を表示

4.5丁寧な言葉と丁寧な会話

2022年1月13日
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最小限のシチュエーションの構成で、カメラアングルやカット割りに余計な演出がない作品。
自ずと会話に集中することができる。
癖のある知的な言い回しの会話は、そんな周りの整えられた環境によって、深い魅力になっていく。
三作品の登場人物は、それぞれに自分の思想がはっきりとある人物だった。
誰が言ってそうで、この人が言わなくても良い事、ということがなく、彼らオリジナルの言葉になっている。
そんな丁寧な言葉による丁寧な会話に浸れる作品。

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モトコ

5.0良質な会話劇に感情が上下左右に揺さぶられます。

2022年1月13日
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鑑賞方法:映画館

いやーはやー。
個人的には「ドライブ〜」がいまひとつで
不完全燃焼だったから、本作でたまりきってた
何かが流れ落ちました。
ハッピーアワーが、大好きな僕としては
本作はどストライク。

一貫して流れるテーマ。
兎にも角にも巧みな会話劇の
練られたであろう脚本
見事な演者
カメラワークの妙

コントみたいに軽快に笑いながら
(人間関係なんて滑稽ですよね)
観ていると心があっちこっちにいったり
感情が上下左右に揺さぶられ
何気に気持ち良い疲労感。

結構、えぐい人間のちょい裏を
描いてるにも関わらず、後味が爽やかなのは
なぜなんだろ?
決して暗くない明日が見えるのはなぜ?
それが人間の逞しさだというのでしょうかね?

最高級スルメ映画。
何度も観て、何度でも噛み締めたくなる。
きっとさまざまな味が滲み出るはず。
全部味わいたいなぁ。

傑作短編集でした。
もっと観たい。おかわり!

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バリカタ

4.0まるで小説を読んでいるかのような映画

2022年1月12日
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鑑賞方法:映画館

じんわり心に染み渡る言葉に溢れている。長回しも効果的に使い、濃密な会話の応酬で目が離せられない。

セリフの棒読み、カメラ目線、ズームイン、妄想シーンと、リアリティを追求しがちな昨今の映画業界に一石を投じ、フィクションの可能性にチャレンジしている作品。
まさに観客の想像力で試そうとしている。

ストレートなタイトルで観客の鑑賞体勢を巧みに操作し、偶然を期待させ人間関係を想像させる展開。
各話のタイトルも秀逸。

三作品三様で、それぞれ面白く映画館で声を出して笑わされ、最後ハッピーになれる。
その順番と構成の妙だ。

古川琴音の悪もまた良い。

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もの語りたがり屋

4.0「すいません、いま来た道引き返してもらっていいですか?」  「そんなに読んでません。」「それはそれで羨ましい。」  「本当のこと言うと、私、あなたの名前思い出せなくて。」

2022年1月11日
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鑑賞方法:映画館

"運命"という言葉が脳裏をうろつきまわる、三編オムニバス。三編各々単独で関連はないが、偶然の重なり合うストーリーを目の前にして、こちらはいろいろと想像を掻き立てる。その予測が裏切られる冷や汗と、快感。

「魔法(よりもっと不確か)」は、古川琴音と中島歩の会話劇の妙。相手のセリフを受けながら、探りをいれつつ発する言葉の応酬。そう、これはLINEではなく、面と向かった会話でなければ成り立たない丁々発止。相手がこう来たらこう返す、まさに対決。相手をまだ好きだからこその攻防戦。言葉で相手を打ちのめし、自分のものにする欲望がはじけて発する、「私と会うための魔法」というパワーワード。古川琴音、侮れない。

「扉は開けたままで」の渋川清彦の存在感の異様さ。あえて平坦なセリフ回しは、キャラを消そうとしているのか、読めない変人を装っているのか。ラストは、バカバカしいミスなのか、天罰なのか。そして女は思うのだろう、こいつも、と。

「もう一度」、抜群にしびれた。たいてい、終盤に予想をひっくる返されるパターンが多いのだが、これはけっこう早めに来る。だから、こっちは身構えていないので結構驚く。で、どうするの?と心配してしまうのだけど、いい感じでこっちの想像がどんどん裏切られる。それは快感だった。時折、涙も流れた。自分の人生を無駄にしたくないけど相手の人生を壊したくない葛藤には共感だったし、「穴」「心の燃え立つものがない」は多くの寂しがりやのもっている感情だし、「時間にゆっくり殺されていく」にはグサリときた。ふたりの偶然の出会いが、まるで天の配剤とまで言っても過言ではない出来事だった。そして依存すぎない、程よい距離感の心地よさ。この二人の会話劇もまた、秀逸だった。これ、この二人のダブルキャストで劇場上演してもいいんじゃないかなあ。

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栗太郎

4.53話とも面白かった。長い掛け合い台詞で良く暗記できるなと思った。脚...

2022年1月10日
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3話とも面白かった。長い掛け合い台詞で良く暗記できるなと思った。脚本・演出すばらしい。まさに偶然の物語。短編集はテンポが心地よい。

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ひぐらし

4.5渋谷区桜丘

2022年1月9日
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内容がまさに題名通り

一幕目のラスト、渋谷の桜丘からのショットは上京当時住んでいた場所で(渋谷の開発工事で街の一部はなくなってしまったが)懐かしい

二幕目は緊張からの緩和で館内大爆笑
渋川清彦と森郁月の棒読みコントが最高

三幕目もコントなのだが、ロケ地の仙台も二十歳のとき一年間住んでいたので、駅前の歩道橋は想い出がいっぱい

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うんこたれぞう

4.0哲学的なタイトルに惑わされずお気軽に楽しんで。

2022年1月8日
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「偶然」をキーワードにした3つの短編オムニバス。
どこかで繋がっているのかなと思ったのですが、全く繋がりのない独立した3つのストーリーで気楽に観れます。
作品にはガッツリ浸かりたい派なのでオムニバスはあまり好きでは無いのですが、どれも会話劇としてとても面白かったです。

その会話のテンポが非常に良くて古川琴音さんの魅力が光る「魔法」。
エロチックでドキドキしてると(えーっ!)っていうコント的展開に仰天した「扉は開けたままで」。
エスカレーターですれ違った高校の同級生の二人、ラストの“芝居”が優しい「もう一度」。

「ドライブ・マイ・カー」の濱口監督らしく演劇っぽくて独特の演出をされています。
平板な台詞回しなどは好みがはっきり分かれるでしょうね。
私はもっと感情的な芝居になってもいいのに、と感じました(扉は開けたままで)。

ドライブマイカーの方が好きかな。

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ごーるどとまと

3.53作品とも悪くなかった

2022年1月7日
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知的

萌える

3作品の短編集。

魔法
親友が、いま気になっている、と話題にした男が、2年前に別れた元カレだったと気づきその元彼に接触する話。
2通りのラストを見せてくれるが、自分だったらどっちの行動をするだろうかと、ちょっと考えさせられた。
古川琴音と玄理が良かった。

扉は開けたままで
50代にして芥川賞を受賞した大学教授に単位をもらえなかった男子学生が逆恨みから女子学生を彼の研究室を訪ねさせる話。
会話を楽しむ作品かな。
森郁月が美しかった

もう一度
仙台で20年ぶりに再会した2人の女性が、高校時代の思い出を語る中で、会話が次第にすれ違ってくる不思議な話。
こんな事あるかなぁ、と思いながら観てたが、ちょっと現実的では無い感じがした。
河合青葉がしっとりして良かった。

3作とも悪くなかった。

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りあの

4.0素晴らしい短編集

2022年1月5日
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濱口監督は長い映画が多かったので、遠慮していたが、「ドライブ・マイ・カー」良かったので、観てきた。結果、「ドライブ・マイ・カー」勝るとも劣らない秀作だった。役者さんも全員良かった。

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hanataro2

5.0タイトルなし

2022年1月5日
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新年早々めちゃくちゃいい映画を見てしまった。。

第1話「魔法(よりもっと不確か)」
3つの作品の中でも特に好きだった。
理由は恐らく古川琴音ちゃんのお芝居が好きって言うのもあるし、めいこのなにか分かんないけど感じた感情そのままブレーキかけずに動いちゃうところの人間的衝動も好き。
実際彼からしたらこれ以上傷つけんなよってのといい迷惑なんだろうけど。
でも彼も彼で好きと言う言葉を発した罪はある。
オフィスでの本心と嘘と入り交じる言葉遊びなのか、戦いなのか、好きでした。
カフェでの1テイクあった部分の一回目の想像は棒読みにしてるのかな?
たしかに、かーとつーはエロい。

第2話「扉は開けたままで」
佐々木がしっかり気持ち悪かった。
教授の文章はたしかにエロい。でも頑固だなあ、きっとずっと一人を好むんだろうなと思う。
あの女性は、教授の部屋に入ってから棒読みになったきがしたけれど、なぜかまだよく分からない。でも違和感を感じたってとこに意味があるのかも?でもよく分からない。
バスで佐々木と再会したときキスをしたけど、まあたしかに幸せになんてなって欲しくないよね

第3話「もう一度」
2人の女性どちらも素敵だった。

ちょっと続きを明日かきます

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13.

3.52人の役者が繰り広げる会話劇の緊張感が面白い

2022年1月4日
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偶然とはなんと恐ろしいものだろう。そんなことを考えてしまう短編オムニバス。
基本的に2人の会話劇で話が進む。タクシー、オフィス、研究室、自宅…。2人の会話で話を進めるのは映画的になかなか難しい。カメラの位置や角度、アングル等を工夫しながら構成していることが伝わった。
でも、それよりも脚本と役者陣の演技がいい。3話それぞれの雰囲気は若干違うが、緊張感のある言葉のやり取りを楽しみ、その緊張感ゆえに起こるおかしさに笑ってしまった。ものすごく舞台で繰り広げられる演劇的な鑑賞だった。2人の会話劇中心だったことにも納得。
どんでん返しほどではなかったが、少し意外な展開が待っていたことも演劇的。「ドライブ・マイ・カー」を観た印象だと濱口監督は雰囲気づくりのうまい監督と思っていたが、どうやら自分で話を作った脚本で撮るのが相性いいのかもしれない。
脚本としては、同級生と再会する女性の話、役者としては身勝手で嫌な女の役を演じた古川琴音がよかった。観た後に印象に残ったシーンやセリフを語り合いたい欲求に襲われた。誰かと一緒に観に行くことをオススメする。

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kenshuchu

4.0風景の切り取りが良い

2022年1月4日
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偶然という状況で発する言葉が人間を描写する。
元カレへの身勝手な心情!
セクハラに身構えながらも真摯に応じる教授、そして制御できない自分!
想いを寄せた高校の同級生との再会!が別々にそれぞれの感情を呼び戻す。

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すぅ

4.0(英題) Wheel of Fortune and Fantasy

2022年1月2日
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ベルリン国際映画祭で審査員グランプリを受賞した3つの物語から成るオムニバス形式の人間模様を描いたヒューマンドラマ。
少し難解だったけど、新感覚の会話劇って感じで面白かったです。
脚本が良かったです。

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AYK68

4.5僕にもメールを送ってください

2022年1月2日
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 恣意的な偶然を感じさせないストーリーで3話とも面白かった。ほぼ会話劇なのに引き込む力がすごい。

 一番はまったのは、第二話の『扉は開けたままで』。瀬川教授と交わした約束に奈緒が念を押すシーンでは、堪え切れず笑ってしまった。上品な雰囲気の劇場なので笑わないように我慢していたが、奈緒が教授に対して放った二の矢は強烈だった。朗読のシーンは何度も見てみたいというか、目を瞑って聴いて見たい。

 『魔法(よりもっと不確か)』は、古川琴音に当て書きしたように感じた。不思議ちゃんのオーラをまとっているから、彼女の行動に妙に納得がいってしまう。

 『もう一度』の展開には、びっくりさせられたが、他の章に比べると面白味に欠けたかな。

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bion

3.5古川琴音の魅力にばんざい!

2022年1月2日
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短編小説を読んでいる感覚!
ちょいちょい出てくるシュールなお笑いにセンスがあってよかった

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とも

5.0やはりスクリプトの妙

2022年1月2日
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笑える

楽しい

知的

想像以上に思いっきり笑えて、やっぱ発せられ絡み合うスクリプトが絶妙で、知的だなーと─終いには感動。
正直、絵にはそれほど引きつける力を感じなかったし、音楽もシンプルなクラシックで、ほぼ会話で成り立っている作品集だったので、個々が長く感じたけれど、それでもずーっと面白かったです。長く感じさせないために、短編集という形をとった、と勝手に解釈。それが奏効して、3倍楽しめる映画に仕上がっていた気がしました。
演出も、プロチックなところから素人的なところ或いは台詞棒読み的なところ等々、これまでの濱口映画の集大成(もっともっと進化していくんでしょうけど─)といった様相で、これぞ唯一無二と断言したくなるほどに、シンプルかつ個性的な映画でした。

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SH

4.0静かに、しかし深く感動した

2022年1月2日
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「ハッピーアワー」「寝ても覚めても」「ドライブ・マイ・カー」に続く濱口竜介監督の新たな傑作。

これは心に刺さる3つの短編のオムニバス。

①魔法(よりもっと不確か)・・・親友と仲良くなった男性が2年前に別れた元カレだと気づき、彼と再会するが…

② 扉は開けたまま・・・落第し内定取り消しになった男子学生が大学教授を逆恨みし、ハニートラップを仕掛けようと主婦で年上のセフレ女子学生に教授の研究室を訪ねさせるが…

③ もう一度・・・高校時代に友人だった2人の女性が地元・仙台で20年ぶりに再会したが、話が噛み合わず…

「偶然」から導き出される真実は往々にして厳しいものだが、それも一つの通過点なのだろう。未来まで見えた気がした。

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エロくそチキン

4.5極上の短編小説を読んだみたい

2022年1月2日
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餅浸りで鈍重に成り下がった身体をどっこいしょして、近くでかかってなかったので渋谷までわざわざ観に行った甲斐ありの傑作でした^ ^

濱口監督は「恋愛小説家」を飛び越えて「人間小説家」と呼びたくなる優しさに満ちた観察眼と表現力です。類稀な演出力、巧みな構成で役者たちが輝き出す
渋谷くらいしかかかってないけど、正月休みにオススメです🐈

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あさちゃん

4.5必然の3部作

2021年12月31日
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 今年の締めはこの映画!と、観る数日前からわくわくしていた。シアターが暗くなって映画が始まる瞬間、2時間後には終わってしまっている…と早々と名残惜しさが。期待どおりの、濱口監督らしい3部作だった。
 3つの物語に、直接の繋がりはない。登場人物も場所もばらばらだ。けれども、3つの並び方は絶妙だった(ぶつかり合い、誘いかけ、繋がりの修復)。すっと始まる第1話は、女友達との他愛ないやり取りが延々と続くと思いきや、彼女が乗ったタクシーと同様に物語は急展開、泥沼の一歩手前となる。親友、新たな恋の予感、元恋人…と相容れない3人。そこから再び、ふわりと予想外の展開へ。クラシカルな映画手法に、気持ちよくすっかり引き込まれた。そして、2話へバトンを繋ぐ。
 第2話は、個人的には一番面白かった。第1話の反動のように、軽やかな可笑しみがあふれている。マイペースで捉えどころのない小説家兼教授を演じる渋川清彦さんが、とにかく良かった。彼はまったく揺るぎなく、周りがあたふたと振り回され、変化していく。打算から出会ったはずのヒロインは、会話を重ねる中で、自分の心の奥底を見出す。そんな高揚感もあってか、ちょっとした踏み外しが、唖然とするほどの大惨事を招いてしまう。
 第3話は、偶然の再会に説得力を持たせるべく、ウィルスの拡散でメールやSNSが機能していないという設定がなされている。とはいえ、1話、2話と心地よく振り回されてくると、そんな作為的な設定も、すんなり受け入れられるというものだ。物語自体は、ある意味、最も穏やか。旧友との思いもよらない再会から、2人は今の自分の再発見や過去のやり残しに気付き、ぎこちなくもあたたかな共同作業に至る。
「ドライブ•マイ•カー」の家福が役者たちに求めたように、登場人物たちは感情を削ぎ落とし、淡々と言葉を重ねて物語を紡ぐ。だからこそ私は、五感を研ぎ澄ませて彼らの感情を押し図り、自分ならどうするだろうと想像する。彼らが偶然出くわすシチュエーションは、実生活では遠慮しておきたい悩ましさに満ちている。自分はスクリーンの彼らを眺めていればよい、と気楽に高みの見物をしていたはずが、いつしか物語に引き込まれ、そこに居合わせているかのような切実さが胸に迫る。そして今もなお、ふとした時に彼らを思い返し、語られなかった背景や、その後の成り行きを想う。映画が、日常に重なり溶け合っていくのは、つくづく幸せな体験だ。
 本当に偶然なのだけれど、この映画を観る直前に、古い友人から久しぶりに連絡があった。年賀状がいらなくなるくらい近況をやり取りし、ふっと軽やかな気持ちになった。この偶然は、本作との出会いとも相まって、これからの自分に、きっと欠かせない出来事になっていくと思う。

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cma

4.5ファンタジーが成り立つところ

2021年12月30日
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濱口竜介監督の作品は2作目。
東京芸術大学出身というのが気になってる。
今回の映画は、棒読みぽい台詞の流れに小津安二郎を連想させたり、ドライブマイカーのチエホフを思い出させた。多分、監督自身が信じている世界であることを感じる。
パンフレットに、エリックロメールの名を見て、然もありなんとやけに合点がいった。
日本語理解不能の人が「偶然と想像」を字幕で理解する感覚は、私が見たエリックロメールの映画に通ずると。
(けど、ロメールの方がもっと生っぽさがあった・・)
個人的には、「第3話もう一度」の話が良かった。互いの「もう一度」の再会を脱構築する展開は、とても楽しい。
果たして、初対面の相手(同性)に、私はあそこまで、心を開くだろうか? けど、開いたら(拓いたら)きっと世界は楽しくなる。
パンフレットの表紙に「wheel of fortune and fantasy」を見るに、想像=ファンタジーなんだということにたどり着く。
意味の世界は、それぞれ個々の人間の脳内で形になる。
そもそも、映画はそのようにできているのだ。
ひとつ、世界がより幸せになる映画の手法を目撃した。

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堂々庵