ドライブ・マイ・カーのレビュー・感想・評価
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心にくるものがあった。受賞も納得。
前半めちゃめちゃ官能シーンあるのでお友達やファミリーと見ないほうがいいかも。
一人で見ることを強く推奨。
何で言わないんだろう?からの丁寧な伏線回収。
ラストの家福さんといっしょに気持ちがあふれそうになった。
序盤は「?」とわからなくてもみているが、徐々に明らかになる序盤の謎。
ちゃんと回収してくれます。
(セリフになないけどいろいろ思うところがあったんだろうな)って感情移入させる皆さんの演技が素晴らしかった。
三浦透子さんの遠くを見据えているかのような表情もとてもよかった。
昔バイト先の先輩が「話したいために車を走らせる行く当てのないドライブ」をよくしてくれたことがあって。ガソリン代の無駄じゃんと思うかもしれないが、その時の私は「こんなガソリンの使い方があるんだ」と妙に納得し受け入れることができた。彼女にとって、運転することで話せたこともあったんだろう。
と、昔の記憶が引き出されるような作品だった。
過去のつらい経験や、わだかまりがある人は、何か新しい発見があるかも、気持ちが落ち着いたときにゆったりこの映画を見てほしいと思う。
年齢を全く感じさせない霧島れいかの美貌
音役の霧島れいかの妖艶さもあり、ベッドシーンでの物語るシーンは話が頭に入ってきづらかったし、不倫を目撃した場面は胸糞悪かった。
しかし、運転手であるみさきが「すべてを本当として捉えるのは難しいですか?」という言葉は恋人に関わらず、友人や職場の同僚らに対しても自分がどう向き合うかという点では考えさせられるものだった。
良質な作品
あまり期待せずに見たので、それが良かったです。静かな場面の積み重ねは、ともすると眠くなってしまいますが、全体的にとても丁寧に作られていて、退屈せず最後まで見ることが出来ました。特にラストの舞台シーンは優しさに満ち溢れていて、じんわりと感動します。役者さんでは、岡田将生さんと三浦透子さんの演技が秀逸で、日本にも若手の上手い役者さんが存在することに頼もしさを感じました。
観る者全ての人生に寄り添う物語
この映画の素晴らしさは、その物語の構成にあると思います。西島秀俊さん扮する家福が、亡き妻が残した秘密を求めて葛藤する姿と、家福が演出する舞台劇「ワーニャ伯父さん」の物語がシンクロする、そしてイ・ユナ役のパク・ユリムさんがワーニャを演じる家福へ手話で語りかける。その表情、手の動き、そして指先で紡がれる言葉まで、観る者の人生にそっと寄り添ってくれるような感動があります。
「ドライブマイカー」を見て来た。 わざわざ映画館に行かなくても良い...
「ドライブマイカー」を見て来た。
わざわざ映画館に行かなくても良い映画かもしれない。
なんせ長い!1時間は削れる作品である。
演劇のシーンは、伏せ線も無いのにやたら長い。(あるようだけど、演劇を知らないから分からない)そこをバッサリするとテーマがよりクリアになる。演劇好きなのか客観性を見失っている。
原作のリスペクトなのか映画なのに小説のリアリティーになったままである。
一番の欠陥は、
二日猶予があります。と言われた時に、社会人として「私がやります」と言切った後に。「自分の心」と「責任感の大きなギャップ」の穴埋めの為に、北海道に行く(この2日を迷惑を承知で自分の為に使う)となると、彼の行動に共感できるし、最大のクライマックスを味わえたと思う。
(でもそもそも、なんでワーニャ伯父さんを演じられないのか?理解できない欠陥がある。バーで、それらしい説明をしていたが意味不明)
それが無いと、ニュースにもなっている大事件を逃げる無責任な責任者が、目的が分からない北海道に行っても「何をしてんの?大丈夫なの?」そっちが気になってストーリーが追えなくなる。最大の台無しだった。(そんな社会的責任も負えない人がえらそうに、岡田君と同じになる。)
小説なら そのリアリティーでOKだが・・
またSEXで物語を作る嫁も、それも小説風のリアリティーである。
映像にするなら、もっと嫁の語りを少なくすべきである。後から分かる片鱗だけで良いのである。(それか、SEXシーンの映像を空想・夢・非現実感を出すべきだった。でも前記の方が良いが)
後から、主人公の語りで、「あれは、そんな事があったのか」で良いのである。
SEX中に嫁がベラベラ物語をしゃべり過ぎで、ちょっと頭のおかしい人 設定かな?と思ってしまった。(大根も相まって)その点も映像と小説のメディアとしての性格の違いを監督は今一分かっていない様に思えた。(原作には無いそうだが)
その辺が腑に落ちないから、ずーと僕の中で上滑りしていた。思い返せば良い作品だったと思うが、小説風の作りのバイアスをキチンと、僕の中で整理したらと言う事である。アメリカ人も日本人ならそうなのかもバイアス(誤解)が、好意的に評価されたもかも?
それと西島が大根すぎて、ストーリーが伝わらない。
セリフと演技がちぐはぐだから、セリフがおかしいのかと思えてしまう。(これも後から脳内で補完作業が必要である)
監督も思い入れのある原作だから西島にしたくなかったのだろうけど、数字を考えたらプロデューサーが、首を振らなかった。(想像)
あれが役所広司だったら、数倍面白い深い映画になっていただろう。役所は脚本の読み込み が違うから、監督・脚本を越えてくる人だから、
それと、ドライバーの三浦透子と言う役者 知らなかった、トンデモナイ演技力である。出てくるだけで画面が引き締まる。
画面の端に映ると、スタッフが見切れているのかと思うぐらい自然である。
その役を、伊藤沙莉ででも見たかった。彼女(の声)の方がはまり役だろうけど、でも三浦透子は、どれだけ演技プランを練って来たのか?と思わせる。モンスター級である。
ハリウッドに出ても、浮かない役者である。
*後で調べたら、大好きな架空OL日記の「かおりん」だった。乗り移った演技で、顔が同じでも全く気付かなかった。怖い!
*役はオーデションで射止めたが、肝心の運転免許を持っておらず、マニュアル免許を17日で取得したそうである。なのにあの演技、怖すぎる!和製ロバート・デ・ニーロだ!
ストーリー(脚本)の話をすると、嫁が秘密を残して突然の他界をする。残された人が、それぞれの見方から、その秘密の謎解きをする下りは圧巻である。多くのアバタに目をつぶれる良さである。その点でも西島の演技が非常に悔やまれる。
韓国人役の手話で話すロウアの女性、非常に輝いていて、誰だろう?と調べてみたら、韓国人女優だった。驚いてしまった。韓国人にする必要がまるでないのニダ。
ちょっと荒い作品(キチンと詰められている所・突っ込み所が多い所が混在)であるので、見る側の度量が試される映画である。
面白いっちゃー面白いのだが、
3時間が全然長くない
原作は村上春樹の短編でそこから発想を膨らませ別の複数の短編から要素をもってきて構成しているらしいのだが、まるで最初から1つだったかのようであり、それでいて1本の映画とは思えない重層性をもつ。
濱口監督は尺の長い作品が結構あるが、その中でも最も長さを感じない作品だと思う。
ただ車が走っているシーンを飽きさせずに見せるのは撮影、演出、音楽、編集全てが噛み合わないと難しい。長いシーンでも、そこまでのセリフを消化する時間になっていたり、この後に何が起きるか気になっていれば集中が切れにくいなどもあるだろう。
本筋以外の見所に濱口メソッドの実演がある。監督は過去、演技経験のない演者を使い更に賞を取らせるという離れ業をやってのけているのだが、それを実現させた濱口メソッドを主人公家福が舞台を演出する際に使っているのだ。感情を込めずに本読みをさせる事がどういう事なのか判って面白かった。あれ?あの作品5時間越えてるんだけど、セリフが身体に染みつくまで本読みするの?どんだけ時間かかるのか検討も付かない、と驚愕しきり。
西島秀俊の低音ボイス、エンジン音と妻の音
2023
26本目
サーブ900の絶妙な雰囲気と哀愁が家福を運ぶ。
性的な部分はあるが決し低俗な感じではなく、あたかも小説を読んでいるよいな不思議な映画。
エンジン音と風の音、トンネルの中の音までも挿入歌に聞こえる。
何があっても加福のその声は常に安定していて、感情の揺さぶりは見えないのだが……
低俗ではないと言ったが、やはり低俗なのかも知れない…
生き残った者は死んだ者の事を考えつづける。
でも生きていかなくてはならない。
大丈夫。。。
…なんなんだこの映画。
この映画、好きやな。
「ドライブ・マイ・カー」と「ドライブ・マイ・カー インターナショナル版」はどう違うのかな?
「ドライブ・マイ・カー インターナショナル版」、普通のドライブ・マイ・カーとインターナショナル版はどう違うのかな?かなり長かったけれど、終盤は面白かったよー。
喪失を乗り越えようとする人間の愛おしさ。
音楽や感情表現を極力削ぎ落とした実に静かなタッチ、更に敢えて役者に棒読みさせ(結果、より村上春樹の文章が際立ってくる)、登場人物の感情を容易に捉えさせない濱口竜介の徹底した演出方法が功を奏して、3時間の長丁場を見せきっていく。西島秀俊の寡黙な魅力と、三浦透子の虚ろげな佇まい、この2人の存在が出色。そこに物語を動かす霧島れいか、岡田将生らの的を得た助演も相まって、喪失を乗り越えようとする人間の愛おしさを見事に作品に灯して見せている。
実に難しい
遅ればせながらAmazon primeで鑑賞。
素晴らしい皆さんのレビューを読んでもついていけない自分がおります。
霧島れいかさんは実に魅力的。
ただ、
2時間ぐらいに収めていただくと凝縮感は出るのかな…
惹き込まれてあっという間の3時間
村上春樹作品だし、約3時間の長編だし、難解で入り込めないかなと懸念していたけど、最初から最後まで惹き込まれた。テンポ良く飽きないという感じではなく、セリフや情景など一つ一つのシーンに吸引力があった。
愛し合ってお互いを必要としているけれど、全てをさらけだしてはいない家福夫妻。家福は「お前は自分をコントロールできない」と高槻に言ってその通りだなと思って聞いたけど、家福はある意味自分をコントロールしすぎていて不倫に遭遇した後であっても尚本音を言うことができない。お気に入りの古い車と決まったルーティン(カセットテープでの台詞覚え)があって、自分のルールやペースに従って生きているから、ワーニャ役を通して意図せず「自分が引きずり出される」感覚に耐えられなくなった。そして最後にワーニャ役を引き受け、みさきの故郷に行き、「音に怒ればよかった、謝ればよかった」と感情を露わにするシーン…家福の中で起こった変化がすごく表れていて、言葉を失ってただ見てしまった。
高槻の車の中の長台詞にも、すごく心に響くものが沢山あった。高槻のエネルギッシュだけど安定感がない危うい役所を見事に演じてた。家福をじっと見つめてずっと喋り続ける高槻に、一種の怖さを感じながらこちらも息を呑んで言葉をずっと聞いていた。
ドライバーの女の子も家福も、過去の出来事を自分に責任の一端があると罪の意識を背負いながら生きている。全編通して観ながら、主人公の状況・台詞に自分自身を重ねてしまい、観ていて自分の内面とも向き合わさせられる感覚があった。
かなり心を動かされた映画だった。また数年経って人生経験が増えたら違う感想を抱くかもしれないと思った。数年後にも見直したい。
端的に伝える方法はいくらでもありそう
どの主要人物にも人間味が感じられない印象があったんですが、そこが物語のツボだったようで、後半見事に心が揺さぶられる展開になってました。
長時間なのがネックと言われてますが、蛇足的なシーンがあるわけではありません。ただ「今は演技中」とか「車で移動中」ってシーンが長尺すぎます。前半の奥さんとのシーンも、ダイジェストで端的に伝える方法はいくらでもありそうです。
アマプラで観ました。 内容も大したことがなく、長いだけで観た時間を...
アマプラで観ました。
内容も大したことがなく、長いだけで観た時間を返してほしい・・・
静かな演出、他者と分かちあえる幸せ
寡黙で思慮深い演出家が、妻の不倫を知りながら、衝突を避けるように黙っていて、妻が病死する。
2年後、広島での演劇舞台の演出を任されるが、ドライバーを当てがわれ若い女性が担当する。さらに、主役の応募に妻の不倫相手だった若い男性が応募し、合格する。
全体的に静かな演出。文学的な含蓄のあるセリフ。自分を深く見つめることが他者をみつめることになるような含蓄のあるセリフ。
自分の弱さを直視せず逃げていたことを悔やむが相手はもういない。ドライバーの若い女性も、過去、母親との確執があり、母は災害で目前で亡くなってしまった過去をもつ。お互いの過去を、自分をみつめることによって、お互いのこころを分かち合う。他者がいてよかったと思える瞬間ってこういうときなんだろうなと思います。
自分と他者、すれ違いはあるけれど、それでも手を取り合って生きていこうという、なんだか前向きになる映画でした。
約3時間あるので、映画館では鑑賞厳しいと思っていたんで、自宅で途中、2回小休止を挟んで観ることができてとてもよかったです。但し、カットの寄りと引き、編集のリズムがよかったので、時間ほど、長くは感じず観ることができました。
村上春樹の読後と同じ気持ちになる
村上春樹らしい、前編通して暗く重く、優柔不断な男が主人公。幼い子どもを亡くすという体験から、自分の中の深い感情を妻に対して表現することが出来なくなった男の物語。
感情を排した棒読みの台本読みは、演技上どんな意味があって練習に取り入れられているのか必然性が無いが
感情を表現出来なくなった男の演技指導としては象徴的。
それに、ドライバーみさきが最後に韓国に住む理由も全く分からない。
演技者が素晴らしいので、好きな題材ではないが、いつの間にか引き込まれた。
車内で、妻の音が他の男たちと寝ていたと家福から告げられ、それを認めるが如く、音が話した物語の続きを伝える岡田将生の目の演技が特に印象に残った。
村上春樹の小説は、感動すると言うより
心の中の暗い部分を嫌な感じに刺激してくる。
最後の終わりは、一応カタルシスを得るようになっているが、個人的にはそうは感じられず、嫌な気持ちが残った。
正しく傷つくことも出来ない、あるがままを受け入れることも出来ない…まだそんなところで留まっているのか、と思うので、自分の目を開かせてくれる作品ではないことも関係しているだろう。
これは、村上春樹の小説を読み終えた時の気持ちと同じ。その意味に於いても映画の出来は素晴らしいと言える。
モヤモヤと心の中のの嫌な部分を刺激してくる
村上春樹の小説通りのこの映画は、それゆえに大成功です。
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