ノマドランドのレビュー・感想・評価
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凄い、凄いけど攻めすぎ…
映像の美しさがこの映画の非常に重要な要素だと感じます。特に印象的なのは日の出、日の入りの荒野の映像でした。とことんドライなストーリーをとんでもなく美しい映像で観客に許容させる…様な感じでしょうか。
ドライなストーリーとは、状況を小出しで説明して心情に関わる部分は絶対に言葉にされない状況を指します。ほぼ起承転結はなく、最終的に観客が彼女を理解して終わるのみだと感じます。映像の美しさは前述の通りではありますが、演技の部分も当然素晴らしかったです。
アメリカの状況への憂いという社会的な側面と、あくまでフィクションとして描かれる主人公の突き詰めた孤独と心情、映像のクオリティから溢れる監督のアメリカへの深い愛。これらの強く要素を感じました。良い映画だったと思います。
けども、無条件に面白い映画だとは言えないレベルの高すぎる映画でした。
空とノマドの表情の美しさ!
アカデミー取ったその名に恥じぬ映像美でした!
ぜひ劇場でご覧いただきたい作品!
自然と人との関わりや
個人が大切にしたいと思う自分の意思
好きと嫌いと故郷と思い出
生きていく営みとは何なのか
あるべき姿とは何なのか
様々な事を考えさせられました!
ただただ考えさせられました
気になっていた映画でしたが,なかなか時間が取れなくて,少し諦めかけていました。しかし,妻と思い切って見に行きました。今まで多くの映画を見てきましたが,これほど人生について考えさせられた映画はありません。その後,妻とランチしながら,余韻に浸ることができました。人生はまさに旅です。
この映画は,おそらく映画館で見ないとその良さが分かりにくい,とても繊細な内容です。まだの人は是非映画館へ足をお運びください。
究極の車中泊
どうにか見つけた洋画・・・
(プアな映画環境)
企業城下町で企業がなくなると街自体がなくなるという・・・
なかなかドライな行政でむしろ感心した。
夕張もそれで良かったかも?
明日は我が身かもしれぬ。
失ったものをどこか探し求めてる、それを何かで埋めようとか、新しい居...
失ったものをどこか探し求めてる、それを何かで埋めようとか、新しい居場所とか、もしかしたらまた会えるんじゃないかとか、そんな感情が作品から溢れ出ている気がします。
なんていうか物って捨てられないんだよね。
自分で手を加えたり、長く使ってきたものって思い出や愛着出てくるから手放せないのはわかる。
それこそ愛する人と一緒に住んでいたときの家財を処分するなんて本当に辛いし、無理だ。
自分も最近の断舎利ブーム?で結構物捨てるので捨てちゃえばいいのにって思うけどやっぱり捨てられない!
賃貸ガレージ?取っておいた物を捨てたときは何をおもったのかな。
そういうタイミングがくるまでってやっぱり時間が必要だと思う。
思い出のあるものって時には足かせになってしまうときもあるし、バーって全部捨てて身軽になりたいって思うときもあるけど、一方で帰る場所があってそういう物に囲まれてる空間(家)ってのもすげー嬉しい事なんだよね。
この作品はそういう要素が良い感じのバランスで描かれていると感じた。
変わり果てた社宅の裏から見える景色はどう映っていたのか。
夫と一緒に住んでいたときとは違って見えたのかな。
デイヴや姉に一緒にくらそうって言われても断り、ノマドでいることを選んだことに答えのひとつがあるのかもしれない。
あとAmazonね。いやなんとなくはわかるんだけど現実味もあるんだけど、心の中でAmazonで働く描写に少し引いた(笑) ほんとにちょっとだけ。たぶん何かに期待してみちゃってるのか。
あとあれだスマホあれば世の中だいたいなんとかなるんじゃないかとすら思えてくる。
GPSとか使えるテクノロジーは使いまくって何かを探すなり空いた穴なりを埋める。死んじゃいかんし、ある程度の保険は大事。
アナログとデジタル、バランスよく付き合って生きていきたいな。
もう少し死に近づくか、死を意識するような体験があるともうちょい共感できたりするのかな、と思ったりもした。
人生に対する老いと孤独について、問題っていう認識じゃないけど、問いかけや自分なりの答えを探すのは難しい・・・。
孤独を抱えて生きる
生きることは死に向かって進むこと。
どんな終わりを迎えるのかはどう生きたのかと同じ。
孤独を抱えて生きることは辛いのに、美しいと私は感じる。
世の中に優しさや救いはある。
でも孤独を抱えて生きることを許されたような気持ち。
主人公の人生はまだまだ長い。
私の人生も、まだまだ長い。
どう生きて、どう死ぬのか。
フランシスマクドーランド素敵だった!
さよならって言わないのはなんかイイよね
同じ境遇になることがほとんどないことから共感出来ず第三者的目線で見ていました。まだ20歳の自分には難しすぎた。歳をとりたくさん経験した方々なら共感できるところも多かったのではないですか?また歳をとってから見たい映画でした。きっと見方が変わる気がします
遊牧という仕事
淡々と進むノマドライフ。
自由そうな遊牧民暮らしだが考えれば遊牧って仕事なのだと思い至る。
ワークライフバランスを振り切った感じ。
自由そうな放浪者にも薄い絆と思い出とお金が必要。年金額への不満を聞きながら借金に奔走するファーン。
赤ん坊を見てると家族と家の必要性が本能的に分かる。定住させる動機なんだろう。
そこに埋没できなかったファーン。
ノマドライフ、家族が減り始め、しがらみがだんだん薄くなってきた世代にはひとつの誘惑です。
暇だから見たんだけど…
やることがなく、暇だから見てみようと思い見た映画でした。
主人公の境遇には私自身にも当てはまることがあり、年を取ったら自分はこうなるのかなと感じるシーンも多く、なんでもないワンシーンでぐっときてしまう映画でした。
これだ!という見せ場や派手なシーンはないのですが、この映画こそ人生を表しているなと、私は感じました。
若い方には???となる映画かもしれません。ある程度年を取った方で、「ノマド」というものに関心のある方はいろいろ思うことがある映画となるのではないでしょうか。
見てよかったです。この映画を映画館で見られてよかった。
旅人たちは「また会おう」が合言葉!
この映画は、ズバリ老いや死という問題をシンプルに取り上げているので、そのことに関心のない方は、面白くない映画でしょう。また、全編を通じて、弾けるような明るさはひとつもありません。静寂の中で、幸せを感じて淡々と生きていきます。終活を考える人にとっては、いくつかの貴重な示唆があると思います。最初の方で、アマゾンの工場で働くシーンがありましたが、巨大企業の工場の存在は、まさに作品と拮抗する経済エネルギーの象徴のようでした。観ているうちにタイトルの本当の意味がわかってきます。家のない人が主人公なのです。しかもそういう人間を生み出しているのも、アメリカの政治でありつつも、逆に自由主義国の自由さという側面もありました。主人公たちは、常に色んなところで仕事しながら自由さを楽しんでいます。まさに「家は心の中にある」というセリフそのものです。思うに、人間は生きている間にたくさんの体験をしたいという願望を持っています。その願望を果たすために、彼らにおいては定住を拒否し、旅に出るのでしょうか。彼らが集まる集団生活は、小さな村のようですが、このスタイルはコロナ禍を乗り越えた先にある、一つの組織のあり方のような気もしました。日本で言えば、縄文時代のスタイルです。そして、死の問題については、彼らは楽しく生きることで、平然と乗り越えているような気がします。しかし、それは定住を求める人にとっても、意識の高い人間は乗り越えていることなのでしょう。もともと主人公は、愛する旦那との別れの悲しみから旅に出た。いつかきっと再会できる気がしてキャンピングカーを購入して、旅に出たのだと思います。彼らにとって大事な合言葉は「さようなら」ではないのです。「また会おう」なのです。永遠に繋がる素敵な天国言葉だと感動を新たにしました。
若い人も観たらいい。
この映画は観る人それぞれ。感想はまったく異なるはずだ。これを観て、観客に感じ、考えてもらうための映画、きっとそう作られたのだろう。私の場合は、5年前33歳で息子が自殺した髭のオヤジさん、「こうやって車で彷徨っていればどこかで息子に出会える気がする」そう言っていたのが一番心に残った。ノマドの人々とか、心の旅とか、そんな題名にせず、ノマド「ランド」になっているのがミソだと私は思いました。あ、それから今アメリカで始まったことは、10年後日本で始まりますからね。
自由に生きると孤独になる。また、逆もしかり。
アカデミー賞取った作品にしては、なにかしら一風変わった作品。
僕も経験あるんですが、バツイチで現在未婚の僕はよく既婚の友人から「自由に生きれてていいよね、羨ましい」とか言われます。
が、僕自身は、内心は孤独で寂しいのです。
でも、結婚していた時は、孤独ではなかったけれど一人の自由な時間を欲していましたね。
結局、どちらか、なんです。
不自由でも人に満たされた生活をとるか、自由に一人で好きに生きるか。
この主人公の場合、別に孤独を求めている訳ではないけど、以前の夫のことを忘れられない。いや、忘れてはならない、と心の芯で強く思っています。だからこそ、あえて孤独の道を選んだんです。
前の夫を思い続ける限り、満たされた生活をすることは許されない、と、自分自身の強い意志を持ってノマド人になっているんですね。
だから、誘われてもノマドを続けるしかない。
誘いにのってノマドをやめてしまうことは、前の夫の事を葬り去ることになるから。
決してノマド生活が悪いものではないけれど、それ以上に、記憶が、感情が、彼女をノマドにさせているんですね!
なにかしら、少し寂しくも儚い話でした…。
そして、こんな映画ばっかり見ている自分は、はたしてまた結婚できるのでしょうか?笑
いろいろ考えさす
僕も会社を定年なったら、どうやって生きていこうか考えてしまった。息子、娘、妻には嫌がられるだろうから、人生の最後はどうしたものか?お金もないから、僕も働かないといけないだろう。
「思い出は生き続ける」っていうけど、それを思うとつらくなる。
観た後の余韻が続く
粗筋を読むと、現在の格差社会を告発する作品のようだが、季節労働の悲惨さはあまり強調されない。「ホームレスなの?」と小学生から尋ねられた主人公ファーンが、「ハウスレスよ。ホームレスとは別物」と強調したように、現代のノマド(流浪の民)として、オカネに縛られず移動の自由を謳歌するのだ。
実際に、アメリカでは高齢者の車上生活者が多いらしく、主人公ともうひとりの男性(ボーン・アルティメイタムの悪役)を除いて、実際のノマドが実名で登場しているので、ドキュメンタリー映画のよう。
アメリカ西部の風景が美しく描かれ、広大さを実感する。あぁ、いつかはアメリカの自然豊かな風景を実際に目にしてみたいなぁ。主人公の生き方について、賛否が分かれると思うが、個人的にはヨシ!である。
柔らかいたまごの殻が浮かぶ水面
言うまでもなく、現れる風景のすべてが美しい。
自らの人生を語る人々の、皺の刻まれた顔に寄ったカットが多かったのも印象的だった。
幾百の燕の巣に覆われた崖、柔らかいたまごの殻が浮かぶ水面、これは本当にどこかで見ることができるのだろうか。涙が出た。
楽しい出来事があり、自然は美しく、他人は優しい。
それでも世界には「誰も」いないと気づいてしまう。彼方まで続く砂漠。誰もいない、あなたがいない。
逃れ得ぬ孤独の存在は、例えノマドの生活をしていなくても、多くの人の身に覚えがあると思う。
わたしもある。
誰もいない朝の重力、迫り来る夕暮れ、眠り方を忘れた夜。
映画を見て家に帰った後も、余韻のなか、寂しい気持ちで今これを書いている。
帰り道に買った海苔巻きが美味しくて、少し元気になった。
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