空白のレビュー・感想・評価
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特に古田新太さんが逸品だったが…
古田新太さんのモンスター父親っぷり、そしてモンスターながらの辛さや悲しみ…
演技力が本当にすごいなと。
松坂桃李さんや寺島しのぶさん、他の俳優さんたちも好演でしたし、最後まで見飽きることなく見入りました。
しかし途中、娘の部屋からマニキュアが発見された後…
それを公園のゴミ箱に捨てちゃうんかと…。
きっちり筋を通す人間じゃないのかい?
真実が知りたかったんじゃないのかい?
あのマニキュアが、盗んだ証拠になるわけじゃないけど、こっそり捨てるなんて娘の万引きを認め、隠蔽するようなもんじゃないか。
後半のシーン、波止場で青柳と会話するシーンで、バッグに手を伸ばした時…
マニキュアが出てくるのかと思いました(やっぱり捨てるのやめて)
出てきたのはタバコであった。
全体的にかなり良く出来ていましたが、マニキュアをこっそり捨てるシーンだけは残念でした。
(複雑な気持ちで捨てたのかもしれませんが…)
しかしそれを除けば、とても良く出来ていて、いろいろ考えさせられる作品でした。
古田が最後まで糞
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古田の中学生の娘が桃李店長のスーパーでマニキュアを万引き・逃走。
桃李がそれを追うが、逃走劇の中で交通事故死する。
そして漁師であるこの古田がとことんクズでモンスター化。
娘に興味もなく、話なんてろくに聞いてあげたこともないクセに。
で娘が万引きしたことがない、化粧なんてしたの見たことないと主張。
桃李がいたずら目的で追いかけてたんちゃうんかとか因縁つける。
営業妨害みたいなこともしてくるし、報道陣に暴力振るったりもする。
そして娘を車ではねてしまった女性の謝罪も完全に無視。
その女性は自殺してしまう。桃李も自殺未遂する。
そんな挙句、娘がマニキュアを隠し持ってたことが判明・・・。
結局それで少しは態度を軟化させるが、謝罪をするでもなし。
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劇場で見た。
ほんまにこの古田はクズそのものやったなあ、感情移入まるで無し。
娘を失った悲しみはともかく、そんなええ父親ちゃうやん。
離婚相手が娘に買い与えたスマホを問答無用で叩き割ったりする人間。
結局娘のことなんて何も分かっちゃいない。自分の方針に従わせてただけ。
娘に限らずあらゆる人間を恫喝して服従させようとするクズ。
学校もかなり手を焼いてた。ホンマに関わりたくないタイプ。
結局最後は態度を軟化させるが、それでもまだまだ人間未満でしょ。
コイツがクズでさえなければ、女性も桃李も自殺を選ばなかった。
娘だって万引きも事故死もしてへんはず。可哀想に。
しかし最近のCGはすごいね。娘は車にはねられ、別の車に巻き込まれて死ぬ。
その描写がホンマに強烈の一言。あそこまでリアルにできるのね。
空っぽの世界に、光はあるか。
感想
「新聞記者」スターサンズ×「ヒメアノ〜ル」吉田恵輔の衝撃の問題作
罪と偽りそして赦しを映し出すヒューマンサスペンス
苦しく、重たい作品でありましたが素晴らしい作品でした。
花音の事故はちょっと衝撃的でした。
娘を失った父
追いかけた店長
轢いた運転手
加害者の母
前に進む元妻
弟子の漁師
娘の元教師
正義感の店員
誰が加害者で誰が被害者か
色々感情移入できちゃうんですが無骨頑固親父古田新太は狂気でしたし気の弱そうな店長松坂桃李はもう観ててずっと苦しいです。
轢いた運転手は可哀想でしたね、罪の重さに耐えきれず自殺しちゃうとは…でも結局とどめを刺したのはトラックの運転手だからな!!
加害者の母の片岡礼子が出演時間少ないですがいい味出してました。
そして1番キツかったのは正義感の店員でした。普通に接してれば何ら問題はないんですがね…
野木はイケメンでした笑
チャンス大城も出てます笑
マスコミの悪意のある編集はクソでした、でもそれを鵜呑みにしちゃうんですよね、視聴者は…。
終盤の警備員になった青柳が休憩中に職人からスーパーの焼き鳥弁当美味しくて好きだった、ありがとうございました、お疲れ様でした
充と花音のイルカの形をした雲の絵がリンクするところがグッときました。
※みんなどうやって折り合いつけるのかな?
出発点として父親がダメすぎる
亡くなった娘が可哀想。
スーパーの店長も可哀想。
事故を起こし自殺した女性も可哀想。
だけど、父親は可哀想に思えないところが、この映画の辛いところ。
以下映画を観て再認識したこと
・やっぱりすぐ怒鳴る人間は浅はかで、バカにしか見えない
・マスコミはいつも最低。自分があんな取材対象者にされたなら、「電波オークションについて報道しないテレビ局」とか「電通の独占禁止法違反」とか書いたプラカードを首に掲げてカメラの前に出よう
・いつも安全運転を心掛けよう
・人にやさしく生きよう
空白を埋める者
2021年9月9日 新潟県長岡市 Tジョイ長岡にて
特別試写会に当選し、一足先に鑑賞させて頂きました。
𠮷田恵輔監督作品の鑑賞は今作が初めてです。
予告からも誰しもが感じる負の連鎖による精神的ダメージが凄まじい内容でした。
「誰しもが加害者であり、被害者」
「誰しもが正しいし、間違っている」
「誰しもが善意を持ち、悪意を持っている」
そんな言葉では片付けられない。
日々、当事者ではない第三者の立ち位置で俯瞰している私達は、そんな言葉を振りかざしていいのだろうか。
私達の正義は何処まで行っても独善の域から出ない。
劇中、多くの無自覚な善意と悪意が充満している。
何故、彼女は万引きをしたのか...
その理由は観客が感じたものだと思います。
しかし「きっとこういう事だよ」と持論を展開して、自身の中の正解を言うのすら躊躇ってしまう。
劇中の登場人物達のように憶測で物を語ってはいけない...そんな圧を感じてしまう。
それでも烏滸がましいですが、私なりに登場人物の空白を考察してみようと思います。
【花音】
両親の離婚、粗暴な父親、自分のペースを理解してくれない周囲...
余りにも空白が広く、この日常から放たれたい衝動に駆られてしまった...
何でもよかった...その行為が偶々、万引きだった。
【添田充】
口調が荒く、常に苛立ちを隠せない父親。
こういう人は私達の日常にいるが、「何であんなに苛立っているんだろう?」程度で済ましている。
性格であり、どういうバックグランドでそのような人格になったのかも憶測で語るしかない。
彼自身もその苛立ちの源泉は分からなかったのではないかと考えました。
【青柳直人】
自己主張を上手く出来ない性格で他人との会話も苦痛に感じている。
感情を押し殺しているが、海苔弁当の件で電話で怒りの余り暴言を吐き、その後謝罪の電話をするシーンが印象的でした。
その際、「海苔弁当、美味しかったです」と云う言葉が彼の全てを物語っていたと思います。
【野木龍馬】
劇中数少ない良心の青年。どれだけ充に悪態着いても彼を心配する。不穏な空気を読んで仲裁に入ったり、港でマスコミに怒号を上げる等、随所に優しさを感じた。
【草加部麻子】
「行き過ぎた善意は悪意と変わらない」と云う言葉を思い出させてくれる人物。
善行を重ねる自分にいつしか酔い、自分の正義に盲目的になる人も現実味がありました。
そんな彼女も同じボランティア活動で要領の悪い人物に強く当たっている。
彼女もまた空白を埋めたがっている人間。
最後の涙は、今まで誤魔化してきた自身の在り方を自覚したように感じた。
【今井若菜】
花音の担任教師。子供を導く立場にあれどもやはり人間。花音のマイペースさや葛藤を察してあげられず、強く当たってしまう。
花音の死後、自身の指導に落ち度があったと吐出するが、同僚の教師の「それは狡いですよ。死んだ後に理解者ぶるのは」と返される。
このやり取りは凄く刺さりました。
私達も日常でこのように手の平を返したかのように理解者ぶる...ゾッとした一面でした。
【中山緑】
花音を最初に撥ねてしまった女性の母親。
彼女こそがこの空白に光を齎した。
自責の念に堪えきれず自殺した娘。
充に対して強い憎悪を持っていたにも拘わらず、充に出た言葉が衝撃的でした。
大切な娘を「心が弱かった」「逃げ出して申し訳ありません」なんて言いたくなかったでしょう。
それなのに憎しみを断ち切った。
とある作品の台詞「憎しみや悲しみは誰かが歯を食いしばって断ち切らなくちゃダメなんです」を思い出しました。
【その他の人々】
粗暴な言葉を吐くクラスメイトの男子、常に無関心だったクラスメイトの女子、番組を盛り上げる為に捏造をするマスコミ、教育する立場でありながら学校のイメージを優先した学校、憶測で正義を振りかざす国民...
誰も彼もおぞましいです。
しかし私達は、そんな人々を非難できるのか...
私達もきっと変わらない...
【最後に...】
最後に充が他人の言葉に耳を傾け、心を理解しようとしたのは良かったです。
絵を描き始めた充ですが、花音と同じく空に浮かぶイルカのような雲の絵を描く。
充も花音もイルカを“三頭”描いた事に心が救われました。
そして青柳君にも救いがあったのは良かったです。
店を畳み、交通誘導員として働く彼の前に現れたトラックの運転手らしき人間。
また好奇心に駆られ、話し掛けてきたかと思いきや、「焼鳥弁当美味しかったです」「ありがとうございました。本当にお疲れ様でした」と感謝の言葉。
劇中、彼が本当に欲しかった言葉...
両者にささやかではありますが、空白を埋める光があった事は本当に良かったです。
鑑賞後は、充が言ったように心に靄が残り続けるかも知れません。
しかし、この映画を是非、一人でも多くの人々に観て貰いたいです。
人間の本質に対して答えを見付ける作品ではなく、「明日から人に優しくなろう」と云う教訓的な作品でもない。
皆さんと一緒に考えて行きたい...そんな作品です。
みんな可哀想
みんなが少しずつ悪くて、そしてみんなそれぞれに可哀想な映画でした。
特に最初に跳ねてしまった女性ドライバー、2番目に轢いたトラック運転手。完全に貰い事故。店長が追いかけ過ぎたと思うし。お父さんが厳し過ぎたから万引きを知られたくなくて逃げた?お父さんは娘が死んだ理由を万引き以外に見つけたくて、学校でいじめに遭っていたと思いたかったし、店長にイタズラされようとしたとか勘ぐってみたり。
父親の『怒り』から『受容』まで良く描かれている。
みんな良い人たちなのにね。みんな不幸に。
唯一学校の校長先生だけは嫌な感じでした。それにハイエナの様なマスコミも。
空白の靄
映像を見る限り明らかに万引きはしていなかった。
ただ防犯カメラも付けていないし、仮に悪戯をしていたとしても証拠はない、まさに「空白」の時間であったと思う。
死んでしまってからの「空白」の時間もあるが、最後に父親(古田さん)も言っていたが、どちらかというと前者の「空白」の方が常に靄がとれなかった。。。
おそらく、店長は悪いことをしてしまったと反省はしているものの、真実を言えず自殺に逃げたいと思ったのであろう。。
世の中であり得る事件だと思う。
この一つの事件だけで社会情勢や人間関係まで表現した深い内容の映画に作り上げていることに感嘆した。
最後の父親の変わりようを見て、私自身も人ともっと正面から向き合っていくべきだと心に留めた。
鑑賞前後で全く気持ちが変わる
圧巻でした。
最初は、半ば呆れるような、救いのないような気持ちで鑑賞しておりましたが、片岡礼子さんの静かな気迫溢れるシーンから徐々に変化が生まれ、そこからはあれよあれよと感情と物語が穏やかにおさまっていき、最後は綺麗に着地しました。
鑑賞直後でうまく言葉にできませんが、劇中のセリフを借りるならば「モヤがとれない」気持ちは少しあって、その消化には「少し時間が欲しい」とは思いますが、それでも何故か後味が悪くない、という不思議な感覚を味わっております。
あれだけ広げた風呂敷がこうも綺麗に収まるとは。
ありがとう焼き鳥弁当。
そしてこの俳優陣の中で静かに輝き続ける藤原季節さん。恥ずかしながら本作で初見だったのですが、今後要チェックさせていただきます!
しかし最後までスタッフルームでのやり取りは、視聴者の我々にも語られなかった。青柳店長と花音ちゃんの2人のみぞ知る真実がありそうな、なさそうな…?
久しぶりにいい映画を見た気がする
いつも、Netflixのおすすめに出てくるので何も情報なしのまま鑑賞。
花音という女の子。担任の先生は感じ悪いし、お母さんは別居?!お父さんは強烈。これは可哀想だなという印象。
そして、万引き?なの?え??っていうシーン。
走って逃げて、万引きしていないかもしれないじゃん。そんなに追いかけて…と思ったら、轢かれてしまう。
思わず声が出てしまった…
轢かれてしまった女の子、轢いてしまったひと、追いかけていた店員。
女の子とちゃんと向き合っていなかった、父親。
娘は万引きなんかしてない!と娘のことを全然知らないくせにそう言い張り、だんだんとモンスターになっていく。
追いかけていた店長は、父親、パートのおばちゃん、報道陣によって追い詰められていく。
どちらが…
良い悪いではない。。不幸な事故だった。娘を顧みない父親、毒親が間接的に追い込んだと見えなくもないが殺してはいないわけで。娘を失ったら狂人になるのも分からなくはない。死亡事故を切っ掛けにあらゆる人の人生が変わってしまう。轢いてしまった女性は自殺してしまうし、追い掛けたスーパーの店長は店を畳むことになってしまうし。。そこで働いていた人達もいるわけで。とりわけ加害者となった娘の母親の葬式のシーンは何も言えない。。あんな風に絶対に言えない。善意の押し売りの人はこういう人いるいると。あの人だけは変われなかったのかな。スーパー店長も励みの言葉を貰っていたけど、立ち直れるのか、本当に防ぎようのない事故であり、一寸先は闇である。
見た後に空白が生まれた
序盤のショッキング映像を見せられて、観客側も同じ立場に立たせる感じやばい
そしてやっぱり、万引きで事務所連れて行った後の空白の時間が気になってザワザワする
逃げるなら事務所入る前に逃げるしね
お父さんも心の整理がついて娘を理解して(と思ってるのか)、万引きを認めた上でまだモヤモヤしてるということは、やはりそういうことなのか。
極端な設定が訴えるなにか
このような事故があったとしても「さすがにここまでにはならないだろう」という方向に寄せていることで、映画としての魅力をだしている。出演者の極端な性格付けもややイライラとさせられる部分もあるが、普通の人々の心のなかにも潜んでいるものをストレートにだしているような気にさせるギリギリのところでリアリティを担保している。秀作だと思います。
ただ敢えて一つだけ・・・娘の部屋で見つけた化粧品をあわてて捨ててしまうのは、いかがなものか。主人公が成長しようとしている流れに、水をさしているような気がするのは私だけでしょうか。
誰も救われないハッピーエンド
公開当時、多くの映画レビュアーさんが大絶賛していた本作。
近所の映画館では上映していなかったため、ずいぶん遅れての鑑賞です。
結論ですが、これ本当に面白かったです。ストーリーも脚本も演技も演出も映像も、全ての面において隙が無い映画でした。公開当時に観ていたなら、間違いなく2021年の個人的年間ベスト3には入ったであろう大傑作です。
重い内容だけに人に勧めづらいところはありますが、観られて良かったと思います。
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父から引き継いだ小さなスーパーを経営する青柳直人(松坂桃李)は、陳列棚から化粧品を万引きしようとする女子高生を発見する。直人は彼女の腕を掴んでバ
ックヤードに連行したが、彼女は店から逃走してしまう。彼女が直人の追跡を振り切るために道路に飛び出したところ、死角から出てきた二台の車に立て続に轢かれて亡くなってしまった。彼女の父親である添田充(古田新太)は、「うちの娘が万引きなんかするはずがない」として怒りを露にし、直人を追い詰めていく。
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実に絶妙なストーリー設定により、加害者と被害者の入れ替わりが目まぐるしく描かれます。
全員が加害者であり、全員が被害者のような見え方がします。本作の中で完全なる被害者と呼べるのは自殺した運転手の母親くらいではないでしょうか。
本作のタイトルである『空白』が何を指す言葉なのか、解釈は人それぞれ分かれるところではありますが、私は「花音が本当に万引きしたのかどうか」が、この物語の中での一番の『空白』だったと感じます。
結局映画の最後まで、花音が万引きしたのかどうかは分かりません。花音の部屋から化粧品が出てくる下りはありましたが、あれが果たして万引きしたものなのか自分で買って隠していたものなのかは分かりません。青柳が花音をバックヤードに連れていくシーンは花音が万引きしたようにもしていないようにも見える絶妙な撮影がされていますし、バックヤードに連行されたすぐ後のシーンは花音が逃げ出すシーンで、バックヤードで何が行われていたかは全く分からない構成になっています。
この『空白』のシーンがあるからこそ、この物語は加害者と被害者が渾然一体となった不思議なストーリーとなっています。花音が万引きをしていた/していないが明確になってしまえば、この物語は成立しないでしょう。
救いようのないストーリーでありながら、最後には添田も青柳も少し希望を残したラストとなっています。パンドラの箱みたい。
映画終盤、スーパーが閉店して道路工事の交通誘導員をしていた青柳の元に現れた一人の青年。この青年の一言で、私は非常に感動して泣きそうになりました。素晴らしいシーンでした。
全体的に暗くて沈んだ雰囲気の映画であるため好き嫌いは分かれるとは思いますが、私は今年観た映画の中では間違いなく五本指に入るくらい大好きな映画になりました。オススメです!!
救いがすくない
暗い。暗い描写が多かったのでラストでもう少し心温めてほしかった。お父さん(古田新太)が悪いですね。娘のほしいものややりたいことを素直に言える関係を築けなかった。そして責任転嫁しこじらせたお父さん。あーいう生き方しかできない人もいるというのはわかるけど…娘を持つ母親としては!子供は子供らしく毎日をなるべく楽しく生きていけるように、守らなければいけないと思いました。遅いんだよっ!てツッコみました。娘さんはお気の毒ですがこのタイプのおやじさんは、失わなければ一生気付けなかったと思います。サイコパスおばさんも怖すぎた…
どちらが悪いのか?
娘と2人暮らしで過ごしていた漁師の男性とスーパーの店長として働いていた2人の入れ替わる善悪の関係性がすごいと感じた。
スーパーの店長は、万引きを見つけそれを捕まえようと追いかけた事がきっかけで事故に遭いその子は、亡くなってしまった。
店長としては、犯罪を咎める行為は、何も悪くない。
だけど、結果としてその子が死んだ事によりそれがとてつもなく悪い事にように映っていた。
そのなくなった娘の父親は、頑固な所があり、普段から自分勝手なところがあった。
娘が死んだ事で店長をどんどん追い詰める姿は、自分の正義を貫いているようだけど、それが正しいとは言い切れない。
だけど、娘の為に真実を知ろうする姿は、悪いのか?
その男性の行き過ぎた行動が目立つけど、本質的には、間違ってないのかもしれないとも感じた。
メディアによって情報を操作されて、2人の男性が世間という社会の中で遊ばれているようにも感じた。
正義とは?誰が悪いのか?
どうすればよかったのか?
こういった事件は、実際にも起こりうと感じるとそれほどに遠くの出来事でもないように思えた。
この古田新太さん演じる漁師の男性は、自分のプライドばかりで娘の事を一切見ていなかった。
そんな事に気づいたのは、亡くなった後
まさにタイトルにある通り、この2人での生活は、「空白」になっていた。
それに気付くのがもう少し早ければと思いました。
空白と題しながらも物事の多面性を感じさせる良作
一定のリアリティを持って1つの事件を描きながらも、人の多面性、出来事の多面性を描いていてしばらく映画の事について考えざるを得なくなるような作品となっていると思う。添田は狂気的で近より難い人格だが、最終的には共感してしまう。青柳は過去に痴漢の事実があったのかどうか分からない。もしあったとしたら事件の見え方が変わってくる。草加部の良心と狂気。マスメディアが時にどれだけの二次的加害者になり得るのか。それを受けて事件をネタ化して消費していくSNS。これも事件から離れた一般人にとってはただのイジリツイートであっても心を病んだ当事者にとっては暴行のような行為。最近はタイトルだけで1つの事件をインスタントに消費している事もあるが、それを文面通りに受け取って理解する事の危うさにも警笛を鳴らしている。ただお話の内容をさっぱりと言うと、花音が死んだ事についてはただの事故であってそれをきっかけに色々と起こる事象についても事故から派生した二時的な事故。誰も悪くなかったかと言うと悪い面もあったが、それが「普通の人」の範疇から逸脱している程ではなく周りにいそうなレベル。さらに登場人物の関係性が全員希薄である。端的に見るとどこにでもありそうな社会の中の1つの事故が起きただけという見方をしても面白いかもしれないし、見る人によって変幻自在に見える世界が変わる作品と言えるのかもしれない。
久しぶりに素晴らしい映画に巡り会えた
古田新太の演技が素晴らしい。最初の頃のきつい顔が娘のことを知るにつれ、優しい顔に変わって行く。また、タイトルの「空白」の意味もよく理解できた。
ずっしり、きました。
公開中はタイミングが合わず、家でもなかなかじっくり観られる時間がなく、昨日ようやく観られました。
伊東葵ちゃんを初めて認識したのは、『湯を沸かすほどの熱い愛』だったかな。まだ全然子供だったけど、すごく存在感のある子でしたね。
この『空白』でも、出番は少ないのにすごく印象的だった。ていうか花音の最期が衝撃的過ぎて声出ちゃった(家で良かった)。
「父の狂気が暴走」っていうコピーがあったけど、充の言動を理解できてしまう私は狂気の人なんだろうか?
あんな乱暴な人は大嫌いだけど、表現方法がそうなだけで、娘を見ていなかった自分への後悔と娘が悪者のように言われる悔しさで逆恨みしちゃうのはわかるし、殴りはしたけど殺すまではしないし、陰でなにかするんじゃなくちゃんと姿を見せてるし、情報操作するメディアや誹謗中傷を撒き散らす正義もどきの匿名犯罪者に比べたら、充の方が全然いい。
店長も、基本的にはいい人なんだろうけど。
でも商品を持ってお店を出ないと万引きは成立しないんだよ?花音は商品を手に取っただけでカバンやポケットに入れることすらしてないのに、いきなり手首を掴んで引きずってくのはそっちの方が問題。私だったら逆に訴えてやる。
でも、そのつもりがあったから花音は逃げたんだよね。。
そしてきっといつもは大人しい店長が、万引きをどうにかしなきゃって思ってたところにそれっぽい子が現れて、思い切って捕まえようと行動したら逃げられて、引くに引けなくなったというよりは、行動している自分に興奮してるように見えた。その結果あそこまで追い詰めることになって。。
充よりも店長の方に狂気を感じたのは私だけ?
お弁当屋さんへのキレ方も怖いし。その後電話し直したのはエラかったけど。
救われないのは、楓。
元々充は楓を、許さないとかじゃなく花音の死に関わってるとすら思っていなかったんでしょ。
確か「関係ない」とか言ってた気がするし。
充にとっては本当に関係ない人に対するいつもの態度だったのが、楓にとっては責められているように感じてしまった。
充がちゃんと自分の思いを伝えることのできる人だったら起こらなかった、悲劇。
彼女の死と緑の言葉は、充が変わるきっかけにはなったけど、その対価としてはちょっと、重過ぎるよね。。
それに対してダンプの運転手はその後全く現れないのも、ほんといろんな人がいるよなぁと思わされた。
「全員被害者・全員加害者」っていうコピーは、ちょっと間違ってますね。
情報操作するメディアと、誹謗中傷を撒き散らす正義もどきの匿名犯罪者は、加害者でしかないし。
学校も、「いじめが見つかったらどうするんだ?」って言うような教師は、子供たちにとって完全に加害者。
偽善者は問題ないけど、自分にとってのいいことを人に押し付けたり、そうしない人を悪く言ったりし始めたらもう加害者。
この映画の中で一番「狂気」感じたのは、実は草加部さんでした。。
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