キネマの神様のレビュー・感想・評価
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山田洋次監督の貫禄を示す作品
沢田研二が、あくまでも志村けんの代役として良く頑張った映画だと言える。まさか、沢田研二が歌う東村山音頭が聴けるとは思わなかったな。役どころとしては、若い頃に映画監督を目指していた映画青年が挫折してどうしようもないぐうたらになると言うところだが、台詞の言い回しから所作からどこか志村けんを思い起こさせるところがあったね。若い頃の淑子を演じた永野芽郁が、健気さ溢れてて良かったと思う。ただ、映画の主人公がスクリーンから出て来るアイデアは、綾瀬はるか主演映画「今夜、ロマンス劇場で」を思い出させてしまったな。とは言え、松竹100周年記念映画として山田洋次監督の貫禄を示す良い作品になったんじゃないかな。
かえすがえすも、けんさん・・
志村けんとコントを演じてきた沢田研二だからの演技ではありました。
けんさんが二重写しに見える所が何度もあった。
映画全体にも、リスペクト感を感じることができたように思います。
しかし、この映画の主役はけんさんしかできないなあ、というのが率直な感想。
北川景子、昭和映画の花がありましたね。
ちょっとしか顔を見せない片桐はいり、やけに印象に残ったのは自分だけかしら。
あの頃は良かったけど・・・
1若い頃、映画監督を目指したが挫折し、今は酒とギャンブルで見る影もない男の姿と映画への揺るぎのない愛情を示す。
2 映画は、現在の自堕落な主人公と苦労の絶えない家族の話の間に、若い映画人の頃の話がサンドイッチされている。現在の前段のスト−リ−はとても辛気臭く暗い。それが若き日の撮影所の場面に転換すると作品に生気が漲ってくる。助監督だった主人公。カチンコを叩き、野外ロケでは大声を張り上げるなど現場での悪戦苦闘の日々。スタジオの張り詰めた雰囲気やたまり場での映画人との交流。仲間との友情や恋の鞘当て。場面一つ一つが魅力的で演じる俳優たちが輝き立つ。
主人公は、独創的なプロットのシナリオを書き、演出する機会を得るが、途中で事故が起こり製作中止となり、失意のうちに映画界から離れる。その後話は現在に戻り、孫が主人公に一つの提案をする。
3 主人公の若き日の描写は、日本映画の全盛期にキャリアをスタートしあの頃の熱気と労苦を肌身を持って知っている山田監督ならではの小気味よさであった。
これに対し、現代の部分、特に家庭でのシ−ンが現在の社会状況を踏まえてか総じて重い。寅さんの頃の軽やかさは無理だとしてももう少し温かみが欲しかった。また、主人公の外見と内面が若き日と現代とでここまで違わせるのは極端過ぎた。
かつて、山田監督はキネマの天地で戦前の蒲田時代を舞台にした映画を作ったことを思えば、今回大船時代でのシ−ンで通した方が良かったのではないかと思う。
4 俳優では菅田将暉の熱情、永野芽郁の可憐さ、北川景子の神々しさ、リリーフランキーの洒脱、小林稔侍の温かみが印象に残った。
また、ラストの主人公とかつての大女優との再会の処理は良かった。
安定の山田洋次
特段奇をてらう訳でもなく、人と人の関わりを描く感じは、良くも悪くも山田洋次監督作品の良さではないだろうか?
ノスタルジック的で悪くはなかったと思いますが、若い人にはどうだろうか?
志村けんでの作品を観てみたかった気もするし、彼が亡くならなかったら、ことさらコロナ禍を描かなかったのでは?と思った。この描写が必要なかった気もします。
原作があって、原作とかなり違うとか…。
いつも議論になる気がするけど、違っても良いのでは?
キャスティングにしても、イメージと違う訳だし、映画は映画で楽しんだら良いのでは?(要は原作が良いからと期待しない方が良いということか?)
最後に映画の神様が降臨したか否かは、もはやわからないけど、もし、神様がいるのなら映画館を救って欲しいと思いました。
青春のスローモーション
これは素晴らしい映画! 先に言っておきますが、沢田研二がとても良かったです。
青春は若い身体にこそ宿る。二日目の蝉。薔薇はその時にしか咲かない。年寄りがそれを共有しようなんて考えはおこがましい。でも私も自分の、あの鮮やかな時代を思い出すのは好きだ。青春は、希望と勇気に満ちている。傲慢で怖いもの知らず。残酷。青春は浅薄かで間違えやすい。恋愛、友人、劣等感、孤独、性欲。取返しの付かない大きなミスもあるし、それを若気の至りという。そして青春の笑いを老いて思い出すと、涙になる。観ながら感じさせられたことはこんなこと。
人生の質感を感じさせてくれるドラマ。孫のゆうた抜群。あんな孫、欲しいよ~!
良し悪しではなく山田洋次演出を感じる時間。
時代設定は令和だが昭和の映画である。
リアルに寄る今と違い
あくまでもリアリティの中で監督らしさを出していく。
多くの大御所が天に召される中
最後の御存命の巨匠 山田洋次監督。
良し悪しでないはないのだ。
菅田将暉さんがいつもより芝居が?だとしても
それも含めで山田洋次演出なのだ。
個々の芝居ではなく、全体を楽しめばいいのだ。
志村けんさんだったらどうなっていたんだろうか。
コメディアンの色が強くて想像出来ない(^_^;)
いいところ悪いところ
①菅田将暉•永野芽郁・北川景子、今をときめく俳優の圧倒的な輝き。②家族で観に行ってみんなで安心して泣いた山田洋次演出の的確さ。③小津安二郎のフランキーに「10のことを7でいい」と言わせてるのに後半は10まで言っちゃってる感の山田洋次演出。④映画数本の出演で自然でリアリティのある演技を見せるヴォーカリスト野田と数え切れないほど映画に出てても大根役者丸出しで相変わらず場面を壊す小林稔侍。⑤もちろん志村けん主演で見たかったなぁ〜…は誰でも思うわ!
ゴウ脚本のキネマの神様、観てみたい
昭和の匂いがとても好き。昭和時代はどの役者さんも雰囲気がとてもよく似合っていてよかった。逆に令和時代が昭和を引きずっているように感じられてもう少し令和らしさを対照的に出してもよかった気がするし志村けんを引きずる要素も違和感があった。そして最後は淑子ちゃんでなく園子ちゃんについて行っちゃった、そこもちょっとえっと思った。監督でもないのに偉そうなこと言ったけど全体的なストーリーとしては面白かった。円山郷直脚本のキネマの神様、観てみたいなあ
「志村さんで見たかった」と言う声はむしろジュリーにとっては本望ではないのかな。
かつて沢田研二と志村けんのラジオトーク番組「ジュリけん」での話。
志村さんが不愛想で客の注文を無視して返事もしない偏固な飲み屋のおやじの話をすると、「おれなら帰っちゃう」とジュリー。「なんか面白いネタにならないかと・・・」志村さんの言葉にジュリーが感心していた。ひとみばあさんもこのようにしてできたらしい。
キネマの神様で志村さんはどんなゴウを描いただろうか。
若ゴウの菅田将暉は志村さんを想定して演じたと言ってました。
代役で老ゴウを演じた沢田研二は過去パートを受け止め、志村さんならどう演じるだろうとプランをたてたことでしょう。
ギャンブル狂でアル中、妙に芝居がかった仕草の変な爺さん、何者❓から過去パートへ導入。
溌剌とした若ゴウの登場。撮影所の熱気溢れる風景が鮮やかです。
若ゴウが目指す映画の夢を語る場面と老ゴウが白蛇の夢を見た話をする場面は志村さんも含めた3人のゴウが見えたように思います。
それぞれのパートに志村さんが投影され、リスペクトを感じました。
エンディングに流れた「うたかたの歌」胸にこみ上げてくるものがありました。
皆さんの演技も素晴らしかった。心温まる作品でした。
最後に
「志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です。」
あの日から新型コロナと共に歩んだ72歳精一杯の姿です。
詮ないですが、志村さんのゴウが観たかった。
わたしはこの作品を封切り館で"初めて"観ようと思っています。
沢田研二
自由な世界とは
女性が好きになった男性に告白し受け入れて貰い、そのコピーを作れる存在。
命生み出す女性の感情が制限されないことがこの世の、自由の全て。
私が存在するのは母のおかげです。
でも見合いで母はあまり父が好きではなかったこと死ぬまえに聴きました。
女性は偉大で尊敬するしかない。
全ての女性が好きな人に想いを告げられますように
キネマの神様が叶えた夢
原作は知らないですが、良い映画で感動しました。
特に淑子ちゃん(永野芽郁、宮本信子)の一途さと演技力が本当に良かった。
冒頭はダメな父親と不幸な家族が描かれるが、最終的にみんなの夢が叶っていく過程が素晴らしい。
ゴウを有言実行で幸せにした淑子さん。最後まで愛し続けた。
テラシンさんの「テアトル銀幕」。ゴウとの友情。そこで働くことになる淑子さん。
大穴を当てた勇太。家族に一番興味がないと思っていた孫がおじいちゃんを再生させた。
縁を切りたいとも思っていたのに、最後に父親と分かりあえることが出来た歩。
そして自身の台本を最終的に映画化させることができ、”最期”の夢も叶えたゴウ。
そう思って観ていたら、エンドクレジットで叶わなかった夢があったことを思い出す・・・。
沢田研二さんも素晴らしかったが、そこだけは本当に残念でした。
東村山音頭がレクイエムだったと思います。
太陽を盗まなかった男
役者さんたちの演技がとても良かったです。
特に、北川景子の昭和の名女優感が凄まじかったです。
あと、宮本信子が歳をとった永野芽郁に見えてくるのが、ちょっと困りました。
野田洋次郎も小林稔侍さんの感じが出ていて良かったです。
ギターを弾く姿はさすがです。
ジュリー主演といえば、かなり前の「太陽を盗んだ男」を思い浮かべますが、
今回は太陽(園子)を盗まなかったのですね。
ジュリー演じるゴウちゃん達の人間模様、楽しめました。
ジュリーが歌う
見どころは、山田洋次の自虐ネタ?を菅田に言わせるところと、沢田研二が歌うところです。
沢田研二のクズっぷりの割に菅田将暉にはクズ感が全然ない。
ということは、淑子さんは大変な苦労したということなんでしょう。
今では万引きを犯罪だと認識してないようなクズじじいが、昔は才能と情熱にあふれた日々を送っていたという。
やっぱりキラキラしてた時代をいちばん描きたかったのでしょうか。
でも単純にモノクロで昔の出来事を描写するというよりゴウの想い出補正の掛かった昔というか、それに映画業界の栄枯盛衰というか妙に輝かしい映像でした。
特に園子がこの世のものでないような特別な存在で実在するとは思えないほど神々しいのでゴウの中にしかいない女神的ものかとも思いましたが、アイテムが残ってるのをわざわざ見せているのでそういう意図ではないのでしょう。
あと、宮本信子と永野芽郁って全然似てないのにこの人がこうなったという説得力がありました。さすがです。
撮影はナマもの、10をわからせるために7言えばよいとはよく言ったものだと思います。
映画を撮るためにまるでアニメを作るような詳細な段取りを組んではまわりがついていけないということなんですね。
蛇足ですが、エクスキューズに見えちゃうからコロナの描写もいらなかったですね。
最初にも言いましたが沢田研二が見事なクズを演じているのですが、沢田研二は声が良すぎてしまって、あんな声のいいクズはいないよな・・って
でも志村けんの代役を沢田研二がやっているということが重要なんだろう。
昔、志村けんが沢田研二のコスプレをしてたのを覚えてますがなんだか感慨深いです。
結構似てたんですよ。
ジェネレーションギャップなのか?
全く良さがわかりませんでした。基本映画ドットコムのレビュー(星評価)と相違がないくらいの感想を持つ私なのですが、ここまで懸け離れたのは初めてです。
他の人のレビューを批判つもりはありませんが、共感しようにも出来なかったのでジェネレーションギャップなのではと思いました。(20代学生
)
もう時代に合わないのかもしれない
山田洋次監督の映画にある独特の昭和らしさ(昭和臭さ)がとても時代遅れに感じました。家族を蔑ろにし、借金を作って博打を打っている老人にロマンやシンパシーを感じる時代は既に終わっています。
しかも、昔の映画作りの年代が1940年代あたりの設定に見えるのですが、コロナ云々の件から「現在」の設定は2020年…年齢計算が合いません。
登場人物は、昔と現在での一貫性が全くなく、現在の淑子と昔の淑子はまるで別人物!宮本信子さんのような上手な女優さんを上手く演出出来ていないのが勿体ないです。
唯一、良かったのは、園子役の北川景子さんでした。
松竹100周年には、思い切ってこれから活躍が期待される若い監督の作品を作って欲しかった!
原作の影も形もない。悪い意味で。
とんだヘボ映画を作ったものだ。やはり山田洋次には誰も文句は言えなかったのだろう。晩年の黒澤明状態。
20代と78歳の間に何があったか描かないと納得しないし感情移入も出来ない。淑子があんなに献身的に接するのはなぜ?過去と現代の行き来する話ではよくある失敗。過去の人物像は強く積極的なのに現代では真逆の設定は受け入れられない。それはゴウにも言えること。脇役のテラシンが一貫していただけにアラが目立つ。どうしょうもない人物なのに東京の中央線沿い(三鷹辺り)に一戸建てありえないだろう。ってツッコミ入れられたからお墓の横に立ってます。ってもっとありえないだろう!実家は寺じゃないんだから。
映画監督を諦める理由も意味が分からないし納得行かないだろ。みんなから慕われてる、人気者ならなんとか乗り切るってのがこの手の映画のセオリーなんじゃないのか?そうやって作って来ましたよね山田監督。
ラストも何だあれ、北川景子が死神って事?
ひどい映画だった。日本映画背負って来た監督が老害で倒れてた映画。
唯一カンテラ役の野田洋次郎は演技が上手かった事が救い。
新鮮味は乏しいが感動
北川景子さんはどの時代でも美人女優の代表格だと再認識しました。永野芽郁ちゃんの危うい感じがとても自然で良かったです。
志村けんさんの突然の御逝去でかなりの脚本変更がありコロナの影響をまともに受けた作品だったので封切りも遅れ大変な苦労があった事が推測されます。
志村けんさんの御冥福をお祈りする作品と割り切って鑑賞しましたが想像よりも良い作品でした。
映画製作会社の意思を知れ。
周年記念作品として、満を侍した作品を製作するのには、コロナ禍は大敵となったのだろう。
松竹も東宝も、東映だって、「周年記念作品」を発表してきたが、こればっかりは「コロナ禍なんで延期です。」とはいかない。101周年にはならない。
作り手の会社としての意地もあったろう。どんな時代でも、出来得る映画を撮ろうと頑張ったのだと感じてやまない。
役者の演技がどうのと批評するが、松竹の俳優部の役者で、映画が充分成立する時代が再来していることに、気づいているのか?
この50年で、映画の中で役者を含む後進の育成を積み上げてきた松竹映画に一定の敬意を表したい。
そして、50周年記念作品が「キネマの天地」であって、100周年が本作だったという映画の歴史のバラストを、150年目に再度敷き詰め直し、時間をかけて記念作品を世に出して欲しい。
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