ホテル・ムンバイのレビュー・感想・評価
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戦いを挑むことだけが勇敢ではない
ムンバイで実際に起きたテロをベースにした物語。
テロを起こしたやつらが無慈悲で無差別。こちらは武器もないし、どうしたらいいのか絶望的な状況。スーパーヒーローも登場しない。とにかく人が殺されていく臨場感と緊迫感がすごい。ホテルの宿泊客や従業員と一緒になって、犯人たちの攻撃を避け生き残ろうとしてる感覚に陥った。
最後には泣いてしまったのだが、それは生き残った(という疑似体験)からではなく、ホテルのスタッフの献身性やプロ意識、そして勇敢さに感動したからだった。
すごい映画だった。本当に観てよかった。これからしばらくいろんな人に勧めてしまう映画だ。
悲劇が起きないことを祈る
この同時多発テロの約10年前、僕は、このタージマハル・パレス・ホテルに宿泊したことがある。
伝統や歴史、格式のあるホテルで、サービスもきめ細かく、相当、優越感に浸ることが出来る場所だ。
歓迎で懸けてもらう花輪の黄色の花はマリーゴールドで、ヒンドゥー教の神様に捧げられる縁起の良い花で、宿泊客の旅の安全を祈る意味もあるように教えてもらった。
こうしたこともあって、このテロのことはよく記憶している。
英領インドから独立したヒンドゥー教徒多住国のインドと、イスラム教徒多住国のパキスタンは、カシミールの帰属や、バングラデシュの独立を巡って数度にわたり軍事衝突を起こしている。今でも、カシミールのコントロール・ラインと呼ばれる付近では、小競り合いが絶えない。
このような背景で、観光客であふれるムンバイがイスラム教原理主義のテロ組織の標的になったのではないかと考えられているが、やはり、テロは悲劇でしかない。
ケサリというインド映画でシク教徒の勇猛さや優しさを知ったばかりだったが、この映画でもシク教徒のアルジュンは、優しく勇敢で冷静でもあった。
だが、宿泊客や、これを守ろうとしたホテル・スタッフの多くの命が失われた。
正直、次々に人の命が奪われる場面は目を背けたくなった。
動き回るな、強がるな、冷静になれよと声もかけたくなった。
以前より、テロの数は少なくなり、規模も小さくなったような気がする反面、宗教的組織的なものから、個人的なテロは増えているような気がする。ニュージーランドのイスラム教徒をターゲットにしたものもそうだ。
テロや戦争は一方方向ではないのだ。
この映画は事実を元に作られたものであるからこそ、多くのイスラム教徒は善良で、テロなど望んでいないのだということを頭の片隅に入れて欲しい。
今日、フランシスコ・ローマ法王が、カトリック教会の「世界移民・難民の日」に寄せ、自国以外で繰り広げられる戦争のために兵器を製造する国々が、その戦いから逃れてきた難民の受け入れを拒否していると非難したとのニュースを目にした。
ローマ法王は移民と難民の擁護を自らの姿勢の中核に据えて、トランプ米大統領や欧州の反移民議員らとしばしば対立している。
僕は、多くの人に世界中で起きてる争いの原因を客観的に理解してもらいたいと願う。
亡くなった方たちに哀悼の意を、生き残ったホテル・スタッフの勇気に敬意を表すと同時に、テロの悲劇が二度と起きないように祈りたい。
ジョン・マクレーンは居ないので
実話を元にした無差別テロの映画。
そこにはダイハードのジョン・マクレーンは居ないので、出来る事は逃げるか隠れるか。
相当ハラハラドキドキしましたが、元が実話だけにエンタメとして楽しんで良いのだろうか?と思ったりも。
「お客様を守る」というホテル従業員達の職業意識の高さには感服しました。
自分ならどうしたかなぁ…。
ハラハラドキドキの2時間
まさにそこにいるかのようなハラハラさせる演出。いつ殺されるかわからないドキドキ。
点数が良かったのと、この主人公の出る映画にハズレが少ないので、観てみました。結果、最高。2019年でナンバー1かも。
いつ主人公や、ロシア人の彼や建築家の彼が、銃を取り上げて、反撃するかと思っていたが、それが起きないのが現実なんだな。
最後に主人公と料理長が抱き合うのが、いかにもだけど、あれがあってホッとするので、ありとしよう。
正義の意味
インドのテロをやはり、記憶にありません、実話に忠実に作られたとある。子供を使って影で操る奴らをどうか捕まえて。どこのテロも爆発犯は利用されてる。
宗教の名の元に
正義をかざし、貧困を他人のせいにする。
苦しいだろう、這い上がるのは。テロリストが海から上がる、波打ち際には大量のゴミ。
混雑の電車、その実情を垣間見ただけでも、この場で幸せを願うのはきびしい。
だから、彼が映画で世界的に成ることが奇跡であり、彼がライオンから更に飛躍しつつ、
インドを捨ててない。
ハリウッドに染まらず。劇中でも、ターバンの説明はとてもグッときた。
理不尽な攻撃はいつの世も怒りを呼ぶ。
ずっと手を握りしめていた…
ボストンマラソンのテロの映画や、パリ発…の映画のように登場人物のバッググラウンドはあまりない。ひたすら続く緊張でキリキリ胃が痛い。終わったら手に汗かいていた。
ちょくちょくニュースで聞く「〇〇で無差別テロ・乱射がありました」の現実。 日本だって起こらないとは言い切れないし、平和が当たり前ではない悲しい現実。 どうしたらいいなんて簡単に言えないけど、とりあえず違いを受け入れて穏やかに過ごそうと思う…
追記: 帰りにラーメン食べてたら、キッチンでガッチャーンって音してビクってなりました。ほんとに。
実話をもとにした迫力ある作品
迫力ある作品ですね。
実話をもとにした作品で、客を守ろうとするホテルマンのお話。
事件後、ホテルは復旧したそうで一安心だけど、宗教対立は何も解決していないので、
これからも、同じことは起こりえる・・・
予測不能です
隠れた秀作です。ここのレビューで見て、評価高かったので、いつもの映画観ではやってなかったので、違う映画館に出かけました。
テロリストが、一体何がしたかったのか、わからなかった。そういうものなのかな。
いいコメントが浮かばなかったのですが、事件や登場人物を上手く描けています。そして、そこには、ヒーローはいません。
祈りこそ全ての元凶
私が長いインド旅から帰った何ヶ月か後に
見た映画スラムドッグ・ミリオネア。
あの映画でデヴ・パテルが
最後にジャイホーを踊ったムンバイの駅。
私の一番好きなシーンで、
デヴを一躍大スターにした場所でもある。
スラムドッグの撮影の少し後に
あそこで大勢が死んだ。
2008年。
あの日のことを、
デヴ・パテルが
あの場所で
シーク教のホテルマンを演じていて、
テロに屈せず闘ってるだけでしびれる。
初めから終わりまで手に汗を握りながらの鑑賞
こんなに緊張感のある映画は久しぶりに見た。ノンフィクションなのでもちろん予定調和やご都合主義な演出は存在しない。助かる人は助かるが、撃たれて亡くなる方も大勢いる。実際の映像と思われるシーンも挿入されており、当時の混乱の様子が確認できる。ドキュメンタリー映画としては非常に良い出来だと感じた。
なんとも・・・
あまりの凄さに圧倒されました。こんな映画は久し振りです。
終始緊張感が耐える事なかったです。
ただ、実行犯の少年たちがもっとしっかりした環境で育っていればこんな事になってなかった気がします。
家が貧しくて親にお金が振り込まれるからという理由でテロ起こす少年たち。最後は親に電話して自爆。
テロリズムの裏側を知ればなんとも憐れ。
犠牲になった人たちには言葉が出ない・・・
作品としては満足。ただし複雑な気持ち
恥ずかしながらこの出来事は知らなかった。
その為この映画でこの出来事を知ることになった為、率直な感想としてはとても複雑な気持ちである。
映画作品としては素晴らしいものだろう。知らない僕にとっても2時間あっという間に時間が過ぎ見入る事ができたからだ。
ただノンフィクションという事もあってどうしても被害者感情が強く出てしまう。
ノンフィクションが故にテロリストの背景などは一切描かれる事はないので、やはりどうしても怒りだけが湧いてしまう。未熟ながらその怒りの矛先がどうしても、地元警察や警備隊に向いてしまった。
彼らもまた被害者であり、計画的なテロのためきちんと機能させないように阻んだんだろうと思うが、やはり被害者感情が強く湧いてしまう。まだまだ僕は理解が追いつかない未熟さを痛感させられた。
やはりこういったノンフィクション作品だとこの作品を通じて何か学んだ、育んだということは難しいが、窮地に立たされた時に団結し時には自分が犠牲になってでも他者を守るといった正義心には心打たれた。(ただしこれもまた本当に正解なのかはわからない)
中々難しい理解になるが、確実に言えることはどんな理由、価値観があろうともテロリストを断じて許してはいけない。そしてホテルムンバイの従業員達を心から讃えたいと思った。
もう一つ何かが足りない…
事実をもとに撮った作品だそうだ。緊迫感はそれなりなあるが、演出が上手くないのかお座なりな印象である。「ホテル・ルワンダ」の二番煎じのようにも見える。この手の作品にありがちな男女の愛、家族の愛の描き方は陳腐だ。あまりにも使い古した演出でもある。まぁ、こんなものかという感想以上のものは何もない。
「ダイ・ハード」ではない。
恐ろしい映画だった…
誰かが呟いているのを見たが、決して「ダイ・ハード」のような映画ではない。
訳の分からない暴力から逃れるためのアクションか表面的に似ていたとしても、そこには恐怖しかない。テロリズムの恐ろしさを叩き込んで来る作品だった…
そしてテロの指導者のいう「奴らは人間じゃない」という台詞で、人を殺させようとする人間がいうレトリックはいつも同じなのだなとあらためて思わせられた。気を付けなければ…
引き込まれました
終始緊迫感が収まりませんでした。
実際にあった事件だから
尚更恐ろしい。
実行犯が時折見せる純粋さが
一層リアル感を引き立てました。
久々に素晴らしい映画に
出会えました。
とても満足です。
心が掴まれる感覚
2008年インドのムンバイで起こった同時多発テロを
題材にタージマハルホテルを占拠された事件を描く。
史実に基づいているので過度な脚色は出来ない分
映画としての描き方は限定的となる。
現在においてはホテルムンバイは再度
運営を再開しているものの、いざ海外のホテルに
宿泊してこんな事件が起こったらと思うと
圧倒的な恐怖に支配される。
この事件の背景には印パ対立問題や
宗教問題など複雑な糸が絡みつく。
印パ対立の根元には米ソの問題も絡むし
テロの少年達が白人達を人質にするのも
そういった問題があるからであり、
歴史の陰の部分が祖父以前の代からの
因縁を持たせ若い人間たちを不幸に陥れていく。
これは舞台の印パだけでなく、我が国に関しても
決して外れていないのだと思う。
この映画において最もピュアな存在の人間が
これからの未来において、どう感じて生きるのか。
製作陣の希望を担っているように感じた。
印パ対立において希望を描いた「バジュランギおじさんと小さな迷子」を
鑑賞しておくとズシンと来た心を救ってくれると思う。
準備するものしないもの
ホテルマン(サービスマン)の矜持なんてものは見えないに越した事はないし、見せない。それでも気が付くものはあるのだが、ほとんど触れない部分。それが危機管理であり、対処訓練である。自分もサービスマンであるが故に、事件の当時からソコを想像して震えたものだ。勿論、怖いからではなく。
さて、この映画。「危機管理」の明暗と、暗い人間を纏める難しさが溢れていて、ドラマとしては苛々したりもするが、それもリアルだったと感じた。主人公とあの女性の行動が正に明暗。それらを感じとるだけでも観て良いのではないのだろうか。個人的には粛々と職務を遂行していている料理長と、緩急で煽られる恐怖が素晴らしかった。
日本は宗教的に偏りが少ないので起こる可能性は低いのだが、何も揉め事は宗教だけではない。明日は我が身である。
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