劇場公開日 2017年10月20日

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「このブロンドはアトミック・ボムより恐ろしい…!🧨💥 映画の意味はわからんがとにかくすごいアクションだ!」アトミック・ブロンド たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5このブロンドはアトミック・ボムより恐ろしい…!🧨💥 映画の意味はわからんがとにかくすごいアクションだ!

2022年7月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

難しい

分断壁崩壊直前のベルリンを舞台に、MI6所属の諜報員ローレンの活躍を描いたポリティカル・スパイ・アクション。

主人公ローレン・ブロートンを演じるのは『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』『ワイルド・スピード ICE BREAK』の、オスカー女優シャーリーズ・セロン。なおセロンは本作の製作も担当している。
ベルリンに潜伏しているMI6エージェント、デヴィッド・パーシヴァルを演じるのは『ナルニア国物語/第1章: ライオンと魔女』『X-MEN』シリーズのジェームズ・マカヴォイ。
ローレンの手助けをする所属不明の諜報員、メルケルを演じるのは『シンプル・シモン』『ダイバージェント FINAL』のビル・スカルスガルド。

本作は、冷戦下の欧州を舞台にしたスパイもの。
手垢に塗れたジャンルではあるが、この作品は旧来の作品とは一線を画す、新時代のスパイ映画といっても差し支えのない新鮮さに満ちている✨

本作の目玉は、なんと言ってもシャリーズ・セロン姐御のアクション!…というかバイオレンス!👊🩸
今作でセロンはスタントマンを極力使わず、ほぼ全てのアクションシーンを自ら演じたという。

この作品のアクションはとにかく痛い…💦
金的、凶器、目潰し、チョーク攻撃、etc…。
女性が男性を暴力で制するにはどう戦えば良いのか、徹底的に考えた結果編み出されたという超実戦型暗殺術の数々。
これを観た男性は、タマヒュンしてしまうこと間違い無し☠️

これらのバイオレンスを前面に押し出して描かれる、中盤の見せ場!
約10分にも渡り繰り広げられる、狂気のバトル&カーアクションシーンには絶句…!!
一体どうやって撮影したのか全くわからない、怒涛のワンカット長回し。厳密には何ヶ所かカットが切り替わっている訳だが、その切れ目がわからないよう上手く誤魔化されている。

このワンカットで紡がれる怒涛のアクションシーン、とにかく迫力と緊迫感が半端ない!あまりのプレッシャーに息が詰まって死にそうになりました…。
この一連のアクションシーンは、映画史に残ると言っても過言ではないほどの迫真さ。
ここを観るだけでも、本作を観賞する価値は十分すぎるほどにある!!

正直なところ、ストーリーはよくわからん💦
超重要リストの奪還と、二重スパイの特定という単純なミッションにも拘らず、今何やってんだかよくわからんし、結局どうなったかもよくわからぬ💫🤪💫

本作で描かれているものの大半は、ローレンが取り調べによって語った内容である。
つまりローレンという、「信頼できない語り手」に物語の鍵を握らせている訳だ。
ローレンの嘘や詐称に彩られた物語である以上、本作の真実がどこにあるのかわからなくなるのは当然である。

…まぁただそれにしても、なんだか入り組みすぎていてよくわからんストーリーラインでモヤモヤするけど。
「信頼できない語り手」という手法を用いるにしても、もう少しスマートなシナリオにならんかったのだろうか?
フランスの諜報員とか、結局なんだかよくわからんかったっす…🌀

ストーリーの描き方に不満はあるが、それを補ってあまりあるバイオレンス・アクション!
本作はまさに、シャーリーズ・セロンの新境地、いやさ女性アクションの新境地とも言えるエポック・メイキングな一作であると思います✨

正直、シャーリーズ・セロンがあまりにもユニーク過ぎて、他のキャストとのバランスが悪かったような気もするが、とにかくセロンの姐御は凄かった!
恐ろしいほど美しいのに、全くエロくないという謎の現象。乳首まで出しているのに!!
レズセックスシーンも、全然女性同士のまぐわいにみえない…😅
…いやこれ褒めているんですよ!ディスってないです。それだけ凄いんです!
シャリーズ・セロンって、なんかもう性別を超越した新種の生命体なんじゃないでしょうか!?

音楽の使い方も良かったなぁ〜。
ニュー・オーダーの「ブルー・マンデー」に始まり、クラッシュの「ロンドン・コーリング」とクイーン&ボウイの「アンダー・プレッシャー」で締める。うーむ、凄いサントラだ…。
やっぱりベルリンの壁が崩壊するなら、デヴィッド・ボウイは必須っしょ!!

たなかなかなか