劇場公開日 2017年7月8日

  • 予告編を見る

「批判的に観るな」ライフ(2017) nagiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5批判的に観るな

2017年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『エイリアン』の模倣だと言われ、様々なサイトに酷評を浴びているが、地球外生命体を扱うSFホラーなんて『エイリアン』化しないはずがないだろう。純粋に地球外の生命体と出会うというロマンとそれがもたらす恐怖を頭を空にして楽しんだらどうだろう。なぜそこまで『エイリアン』との差別化に拘るのだ。

ストーリーは予告編を観れば一発でわかる。ここであえて『エイリアン』との違いをここで述べてフォローするならば、それは圧倒的なリアリティである。ここ数年のSF作品が緻密なまでにリアリティに固執しているのはご存知であろう。本作で言えば、火星で発見した生命体は、細胞1つ1つが視細胞であり、脳であり、筋肉である。それゆえあの凶悪なまでの力が出力できるということらしい。

オチもあれで正解だろう。やや強引で、ええっ...とは感じたが、これ以外の素晴らしいラストが思い浮かばない。だが、これで続編の話が生じるようでは、この映画の価値は急降下だ。それではただのB級ホラーであり、それこそ今までの名作を駄作に塗り替えてきた歴史と同じ道を歩むことになる。

ライアン・レイノルズはさておき、ジェイク・ギレンホールは相変わらず素晴らしい。彼の作品を追って一通り観る価値はある。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『複製された男』は是非とも観て欲しい。彼のラストシーンでの「NO! NO!」の時の表情は良かった。彼には不条理な役が合うのだろうか。

真田広之も想像以上に活躍しててカッコよかったよね。(ハリウッド映画に日本人が出演するとロクなことにならないと、バイオハザードのローラの一件で勝手に思ってしまっていたようだ。)

SFホラーと銘打っておきながら全く怖くないならそれこそ駄作だが、ちゃんと『エイリアン』と同等レベルで怖かったので、成功作だと思われる。

nagi
2017年7月9日

例にならってレビューで酷評並べる評論家気取りと違って、どの映画もとりあえずオープンに受け止めるレビュー良いと思います。まぁ、評価が分かれるのが映画の面白さですけども。

KK